2018年08月25日公開
2018年08月25日更新
ゴッドファーザー2のあらすじを解説!相関図・キャストや感想も紹介
映画史上不朽の名作「ゴッドファーザー」シリーズ。誰もがマフィアの哀愁を感じる映画です。なかでも「ゴッドファーザー2」は面白い!複雑な相関図やそれを演じるキャストも踏まえ、あらすじ解説します。また、なぜマーロン・ブランドは「ゴッドファーザー2」から出演しなくなったのか?ロバート・デ・ニーロに変わって混乱はなかったのか?キャストの謎も相関図から解説!あらすじ以上に面白い「ゴッドファーザー2」の舞台裏も解説します。
目次
ゴッドファーザー2のあらすじをネタバレ解説!相関図やキャストも紹介!
映画史上不朽の名作「ゴッドファーザー」シリーズ。イタリア・シチリア島のコルレオーネ村で生まれたヴィトー・コルレオーネ(実は本名はヴィトー・アンドリーニ)が権力を手にしてマフィアのドンに上り詰めるが上り詰めたがゆえに起きる悲劇。権力と金を手にして何不自由ない生活のはずが、決して幸せとはいえないマフィア独特の哀愁、普通すぎる私たちには理解できないはずですが、なぜか心を持っていかれる映画です。
なかでも「ゴッドファーザー2」は1作目の「ゴッドファーザー」よりも前の時代から描かれており、幼きヴィトー・アンドリーニの生い立ちや、ドン・ヴィトー・コルレオーネになった所以やドン・ヴィトー・コルレオーネとなるまでの経緯も理解できます。複雑な相関図やそれを演じるキャストも踏まえ、あらすじ解説します。
ゴッドファーザーとは?
ゴッドファーザーとは?辞書で調べると「マフィアの首領」以外の意味に「教父、名親、代父、後援育成者」とあります。ゴッド(神の)ファーザー(父)というだけあって、マフィアの首領(ドン)も含めて、かなり尊敬される存在をさす言葉です。映画「ゴッドファーザー」もその存在を色濃く表現しています。
原作はマリオ・プーゾの小説で、題名は「マフィア」です。のちに「ゴッドファーザー」改題しています。監督はかのフランシスコ・フォード・コッポラ、1972年に公開されました。フランシスコ・フォード・コッポラはこの作品で世界的に一躍有名になりました。
監督としての代表作に「カンバセーション…盗聴…(1974年)」「ゴッドファーザー2(1974年)」「地獄の黙示録(1979年)」「友よ、風に抱かれて(1987年)」「ゴッドファーザー3(1990年)」「レインメーカー(1997年)」(公開順)などがあります。
フランシスコ・フォード・コッポラ監督の祖父はイタリア人で、妹はあの「イタリアの種馬の妻役」といってもわからないかもしれませんが、映画「ロッキー」で主人公ロッキーの妻エイドリアン役で有名です。ちなみにタリア・シャイアは「ゴッドファーザー」がデビュー作です。
フランシスコ・フォード・コッポラ監督は小説「マフィア」を初めて読んだときどう思ったのでしょうか?イタリアの何か懐かしい匂いを感じたのではないでしょうか?映画「ゴッドファーザー」にはイタリアからアメリカに渡ったマフィアの移民が描かれていますが、イタリア人目線で描かれているように思えてなりません。
ゴッドファーザー2の相関図・キャストを紹介!
映画「ゴッドファーザー」が爆発的にヒットした背景には、フランシスコ・フォード・コッポラ監督が選んだキャストにも一因があります。まだ、フランシスコ・フォード・コッポラ監督はそれほど売れていなかったので映画配給会社であるパラマウント・ピクチャーズが交渉した俳優は超一流とは言えませんでした。しかし、フランシスコ・フォード・コッポラ監督たっての希望でヴィトー役はマーロン・ブランドに決まりました。
そして、ドン・ヴィトー・コルレオーネの役はマーロン・ブランドがはまり役であったにもかかわらず「ゴッドファーザー2」では、ロバート・デ・ニーロが演じます。パート1から主役のマイケル役をつとめているアル・パチーノやロバート・デ・ニーロは当時はまだひよっこで、パート1のドン・ヴィトー・コルレオーネ役にマーロン・ブランドが選ばれていなかったら、これほどまでの名作にはならなっかったでしょう。
ゴッドファーザー2の相関図を紹介!
1回みただけでは、相関図を整理するのは難しいです。特に「ゴッドファーザー2」は時代を行き来しながらパート1を回顧するようなシーンがあるので、パート1を見ておくのは必須ですし、最低限のキャストは理解した上で見たほうが、感動や哀愁もひとしおです。
ロバート・デニーロ(ドン・ヴィトー・コルレオーネ役)
ドン・ヴィトー・コルレオーネ役はパート1ではマーロン・ブランドが演じていましたが、「ゴッドファーザー2」ではキャスト変更があり、ロバート・デニーロが若かりし日のドン・ヴィトー・コルレオーネを演じています。シチリア出身の移民で、家族をこよなく愛し、友人の頼みごとは決して断らず、誠実にこなします。初々しくて愛敬のあるロバート・デ・ニーロが若き日のドン・ヴィトー・コルレオーネにぴったりです。
フランシス・フォード・コッポラ監督はパート1のオーディションで素晴らしい演技を見せていたロバート・デ・ニーロを思い出し抜擢しました。そかし、当初は「ゴッドファーザー2」でもマーロン・ブラントに若かりし日のヴィトーのキャストにと考えていました。マーロン・ブランドにもオファーがあったのです。
パート1の頃、役者として落ち目だったマーロン・ブランドは「ゴッドファーザー」のオーディションを受けさせられ、かつ屈辱的なギャラでした。自分のキャリアに自身をもっていたマーロン・ブランドは「ゴッドファーザー」で素晴らしい演技をし、再びトップスターになりました。そんな経緯から「ゴッドファーザー2」のオファーにたいしては巨額のギャラを要求しました。
結局マーロン・ブランドの出演は見送られましたが、「ゴッドファーザー2」の最後のコルレオーネ家の誕生日シーンだけは出演する予定でした。しかしマーロン・ブランドは撮影当日に姿を現さず、フランシス・フォード・コッポラ監督は脚本を大急ぎで書き直すはめになってしまったのです。
アル・パチーノ(マイケル・コルレオーネ役)
パート1から3まで、マイケル・コルレオーネ役は全てアル・パチーノが演じています。マイケルはドン・ヴィトー・コルレオーネの三男で、無口なインテリです。もともとファミリーの仕事をする気はありませんでしたが、父ヴィトーの暗殺未遂や兄ソニーの射殺事件によって、ファミリービジネスを継承することになってしまいました。運命のいたずらなのか?なるべくしてなったのか?マイケルは二代目のドンになります。
アル・パチーノは「ゴッドファーザー(1972年)」の頃は俳優としてはまだひよっこで、出演料は3万5000ドルでしたが、「ゴッドファーザー2(1974年)」では50万ドル+インセンティブ、「ゴッドファーザー3(1990年)」では400万ドルとアル・パチーノはゴッドファーザーと共に成長してきました。また、アル・パチーノの実祖母はシチリア島・コルレオーネ村出身です。主役を演じるというキャストは運命だったのでしょう。
ジェームズ・カーン(ソニー・コルレオーネ役)
ドン・ヴィトー・コルレオーネの長男でマイケルの兄であるソニーは、ファミリー思いで力もあり、誰もが次のボスになると納得していた。しかし短気が災いし、敵対するファミリーに射殺されてしまう。これはパート1のシーンだが、マシンガンで蜂の巣になって殺されるソニーはかわいそうで見るに絶えない。この役を演じたジェームズ・カーンは映画の制作中、ニューヨーク・マフィアのボスと度々会い、演技に取り入れていたそうです。
ジョン・カザール(フレド・コルレオーネ役)
ドン・ヴィトー・コルレオーネの次男でマイケルの兄であるフレドは優しくてファミリー思いだが、気が弱い一面があり、マフィアの仕事にも向いていませんでした。弟のマイケルがボスになった後は弟の下で重要でない仕事ばかり任されるようになり、これが悲劇を生んでしまいます。フレド演じるジョン・カザールは36歳のとき「ゴッドファーザー」でデビューしましたが、実は10代の頃からアル・パチーノとは親交がありました。
タリア・シャイア(コニー・コルレオーネ役)
ドン・ヴィトー・コルレオーネの唯一の娘コニーはヴィトーに一番愛された末娘でした。結婚後、二人の息子をもうけるが、夫の暴力に悩まされます。そしてついにマイケルがコニーの夫に手を下します。コニーとマイケルはぎくしゃくした関係になりますが、のちに和解します。マフィア一家に生まれたことで、血生臭い人生を余儀なくされますが、父親のことが大好きだったコニーはコルレオーネファミリーを無条件で愛しています。
タリア・シャイアは1976年公開の映画「ロッキー」のエイドリアン役で有名になりましたが、フランシスコ・フォード・コッポラ監督の妹ということもあり、「ゴッドファーザー」に大抜擢され映画デビューしました。ゴッドファーザーシリーズ3作、ロッキーシリーズ5作全てに出演していますが、その2つの役があまりにもインパクトが強く、2000年以降はあまり出演機会にめぐまれていません。
他にも12歳のときにソニーに取れてこられてドン・ヴィトー・コルレオーネの養子となるトム・ヘイゲンやマイケルと結婚し、人生が変わってしまうケイ・アダムスなどは抑えておきたいキャストです。
ゴッドファーザー2のあらすじをネタバレ解説!
相関図はこれくらいにして、「ゴッドファーザー2」のあらすじをネタバレ解説します。「ゴッドファーザー2」は時系列が変化しながらストーリーが展開されるので、誰が誰だかわからなくなったら上の相関図を見直してください。
ヴィトー・コルレオーネの過去
まずは、ヴィトーの過去をあらすじ解説します。ヴィトーは9歳のとき、村のボスに家族を皆殺しにされます。最後は目の前で母親を殺されました。逃げ延びたヴィトーは1人でニューヨークに渡ります。当時無口だったヴィトーは入国審査の際に、苗字のアンドリーニと出身地のコルレオーネを間違えられてしまい、ヴィトー・コルレオーネとなります。そしてその後は協会の施設で育ちます。
大人になったヴィトーは結婚し、妻との間に長男のソニーも授かった。食料品店で働き、静かに慎ましく暮らしていたが、マフィアのファヌッチに仕事を奪われてしまいます。その後、クレメンザと知り合い空き巣などの犯罪に手を染めます。そして、テッシオも入れた3人で空き巣などの窃盗をなりわいとするようになります。
ファヌッチは3人の仕業をしり、シャバ代を要求してきます。たまりかねたヴィトーはファヌッチに金を渡し服従するふりをしますが、ファヌッチのアパートで待ち伏せしファヌッチを射殺します。そしてファヌッチの仕事を引き継ぐように街の相談役になります。ヴィトーはマフィアになったのです。ヴィトーは人の相談を断らず誠実に仕事をこなすので皆からの信用を得るようになり、オリーブオイルの輸入会社を設立するのです。
マイケル・コルレオーネの現在
次にマイケル・コルレオーネの現在をあらすじ解説します。「ゴッドファーザー2」ではボスになったマイケルを理解しないと始まりません。ボスになったマイケルは、自分の思いとは裏腹にファミリーをまとめるためにかなり強引な手段を選ぶようになります。
父のヴィトーからファミリーを継いでボスとなったマイケルは、ニューヨークからネバダへ拠点を移しました。マイケルはかなり強引なやり方でファミリーを守っていたので、マイアミのロスに命を狙われたり、父の旧友であるフランクに裏切られたり、悩みが絶えません。マイケルはキューバで金儲けをしようとするロスの暗殺を試みますが失敗に終ります。
実業家として有名になったマイケルはマフィアとしての顔は見事に隠していましたが、ロスの策略により上院委員会から告発されてしまいます。フランクの証言しだいではファミリーが危機の直面しかねない状況になります。しかし、ここでも強引なやり方で窮地を脱し、その後、フランクを自殺に追いやります。
兄のフレドがロスと繋がっていたことを知ったマイケルは、コニーの計らいで一度は許すそぶりを見せますが、フレドが湖でボートに乗って釣りをしている隙を狙って射殺させます。悲しい銃声を聞いたマイケルは、父の誕生日に兄弟で集まった賑やかな日々回想します。
ゴッドファーザー2を見た人の感想を紹介!
「ゴッドファーザー2」の感想の中には否定的なものもあります。「ゴッドファーザー2」にはマーロン・ブランドがいないのが残念!「ゴッドファーザー2」はストーリーを凝りすぎてわかりづらい!「ゴッドファーザー2」は編曲がいまいち!しまいには「ゴッドファーザー2」は不朽の迷作!なんてものまであります。でも「ゴッドファーザー2」はマフィアの世界をより如実に描いた映画である為、わかりづらく血生臭いのです。
二人の対照的な物語が面白い!
「ゴッドファーザー2」は、若かりし頃の意気揚々としたヴィトーと、その息子であるマイケルの暗影が対照的で面白いです。相関図からもわかるように、マイケルは本来ボスになる人間ではなかった。なのに「ゴッドファーザー2」では巨大な権力をもった怪物になってしまった。時代を行き来しながら、「ゴッドファーザー2」二人を対比する楽しみがあります。
続編として素晴らしい出来
「ゴッドファーザー2」は続編として素晴らしい出来です。「ゴッドファーザー」でもマフィアの如実な描写には目を見張るものがありましたが、「ゴッドファーザー2」はマフィアがマフィアたる所以が描かれています。ストーリーが過去に遡るので「ゴッドファーザー2」は演出がわざとらしいという方もいますが、それ以上に「ゴッドファーザー2」にしか出来なかった深堀りの描写があります。
ゴッドファーザー2のあらすじ解説まとめ!
映画の中で過去と現在を行き来する「ゴッドファーザー2」はあらすじ解説が難しいです。キャストの人間関係を正確に把握していなくても「ゴッドファーザー2」の世界観は楽しめますが、相関図をしっかり把握すると、あらすじがわかりやすくなります。
「ゴッドファーザー2」でマイケルが悩み、物思いにふけっていた姿は、凄まじい哀愁を伴っています。ぜひ、もう一度相関図やあらすじを整理した上で「ゴッドファーザー2」を見てみてください。「ゴッドファーザー2」の底深くに沈んでいるのものを見つけられるでしょう。