カサブランカの映画あらすじは?名言やラスト・結末の感想も紹介

映画「カサブランカ」は、1942年にアメリカで制作されました。モロッコの国際都市・カサブランカを舞台にしたメロドラマで、翌1943年にはアカデミー賞3部門を受賞。「君の瞳に乾杯」という時代も国も超えて知られる名セリフを生み出したこの映画「カサブランカ」は、公開から75年を経た今でも名作として語り継がれ、多くの作品に影響を及ぼしました。一方で、古い映画であることからなかなか鑑賞する機会が少ないのもまた事実。そんな皆さんにも興味を持って頂くべく、カサブランカのあらすじや感想、名言をまとめてみました。

カサブランカの映画あらすじは?名言やラスト・結末の感想も紹介のイメージ

目次

  1. カサブランカの映画あらすじを紹介!
  2. カサブランカとは?
  3. カサブランカの映画あらすじをネタバレ!
  4. カサブランカの映画名セリフや名言を紹介!
  5. カサブランカのラストや結末の感想や評価を紹介!
  6. カサブランカの映画あらすじまとめ!

カサブランカの映画あらすじを紹介!

「君の瞳に乾杯」というフレーズを聞いたことはあるでしょうか?有名な言葉ですが、キザ過ぎて日常で使う人はいないかもしれません。実はこの言葉、映画の中で語られた台詞なのです。その映画の名前は「カサブランカ」。この映画第二次世界大戦中に制作されたアメリカ映画で、アカデミー賞も獲得しています。「その台詞知ってる!」という方や「映画のタイトルは聞いたことある!」という方も多いのではないでしょうか?

しかし一方で、映画のタイトルは知っているけど観たことがないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?そんなあなたにこそ、この記事を読んでいただき、そして実際に映画「カサブランカ」を鑑賞していただきたいのです。現代の映画とはひと味もふた味も違うレトロ映画の世界、その第一歩におすすめな映画「カサブランカ」について、そのあらすじと結末、そして名言の数々を、映画観劇者の感想と共にご紹介していきます。

カサブランカとは?

映画「カサブランカ」は、1942年に制作され、同年11月26日に公開されたアメリカ映画です。この年、アメリカは第二次世界大戦に参戦したためか、反枢軸国の色が濃い映画となっています。プロパガンダ映画だと言われたこともありますが、一方で美しいメロドラマ、散りばめられた名言名台詞、そしてほろ苦い結末により、当時の観衆のみならず公開から75年が経った今なお世界中で愛され続けています。

監督を務めたマイケル・カーティスは、この作品で1943年の映画の祭典・アカデミー賞の監督賞を受賞しています。原作として舞台作品の「みんなリックの店にやってくる」が採用されており、映画の脚本を務めた3名はアカデミー賞のうち脚色賞を受賞しました。しかし、映画撮影開始時には台本はおろか結末も完成しておらず、俳優たちは何も知らないまま台本が上がってきた順にシーンを撮影していたといいます。

映画の舞台は北部アフリカ、モロッコの国際都市カサブランカ。「白い家」という意味のカサブランカは、映画公開当時はフランス領でした。連合国側の都市でしたが、1940年にフランス本国で政権を取ったヴィシー政権が親独派であったこと、その後パリがドイツ軍に占領されたことなどから、カサブランカにはドイツ軍・フランス軍双方がいた、という歴史的背景がありました。なお、映画公開と同時期に連合国が再占領しています。

また、映画「カサブランカ」を鑑賞するのに必要な前情報として、ヨーロッパ各地に亡命したフランス人たちが祖国奪還のために地下活動をしていたことをご紹介します。映画でも度々語られますが、彼らがドイツ軍に見つかると収容所送りとなるという危険な状況にあっても、諦めずに活動を続けました。かつてフランス革命を成功させた市民と同様フランス国歌を旗印として、フランス領アフリカに於いても機会を伺っていました。

戦時中の映画と言うことで、冒頭の場面やパリの回想の場面において、実際の戦争の映像が度々挿入されています。メロドラマ映画なのでグロテスクなものは当然ありませんが、武器を担いで進軍する軍人たちの姿は、当時の映画館の観客にも衝撃を与えたことでしょう。映画「カサブランカ」がプロパガンダ映画だと言われるひとつの理由かもしれません。

また、「カサブランカ」の名前を冠するものがあと2つ存在します。ひとつはユリ科の植物で、品種改良で1970年代に作られました。白い大輪の花を咲かせる美しいユリですが、こちらは映画「カサブランカ」との接点はありません。

もうひとつはシャンパンカクテルと呼ばれるもので、映画「カサブランカ」の中でリックがイルザに「君の瞳に乾杯」と言うシーンで飲まれていたことから有名になりました。時間の経過で味が変わるという大きな特徴を持っていて、それもまたカサブランカのテーマ、そして「As Time Goes By(時の過ぎゆくままに)」を彷彿させるカクテルです。

カサブランカの映画あらすじをネタバレ!

映画「カサブランカ」あらすじ①第二次世界大戦とカサブランカ

第二次世界大戦真っ只中の1941年、ヨーロッパの人々は、迫りくるドイツ軍と戦火から逃れるべく、こぞってアメリカへ亡命を求めました。ほとんどの人々は地中海を渡り、北部アフリカのフランス領モロッコにあるカサブランカから飛行機や船に乗るのですが、すぐに乗れるのはごくわずかの金持ちや権力者のみに過ぎず、運もコネもない人々は、いつアメリカに渡れるかも知れず、カサブランカでただひたすらその時を待ちました。

ある日、カサブランカで重大な事件が起こりました。ドイツ人の将校が殺され、その通行証が奪われたのです。通行証は渡航時に必要なだけでなく、このカサブランカの闇市で高値で売買される貴重品です。町中にドイツ軍が散開し、怪しい人物を片っ端から逮捕し、逃げる者は即射殺し、徹底的に捜索しました。

映画「カサブランカ」あらすじ②リックのアメリカンカフェ

そんなカサブランカで「リッキー」と呼ばれるアメリカンカフェを経営するひとりの男がいました。男の名前はリック。かつてはパリでアメリカンカフェを営んでいましたが、パリ陥落の直前にジャズピアニストのサムと共にカサブランカへ避難し、アメリカンカフェを再建して軍や警察のお偉方から庶民まで様々な客に愛される店に成長していました。

このカフェで、ウガーテという闇商がリックにあるお願いをします。それは、ドイツ人から奪った通行証を預かっていてほしいという、非常に危険なお願いでした。渋るリックでしたが最後にはこれを承諾、通行証はサムの弾くピアノに隠しました。その後ウガーテはこのカフェで警察に逮捕されてしまいます。

映画「カサブランカ」あらすじ③リックとイルザの再会

逮捕劇に騒然とする店内が落ち着いてきたころ、カサブランカに着いたばかりの男女が入店しました。ラズロという名で予約していたふたりは、待ち合わせていたウガーテがいないことを気にしますが、ピアノを奏でるサムは一目見て女性が誰か理解しました。それはかつてパリでリックと交際していたイルザでした。サムに気付いた彼女は、ラズロが席を外すのを見て彼を呼び、思い出の曲「時の過ぎゆくままに」をリクエストします。

同じく席を外していたリックが店内に戻ると、流れる曲を聞いてサムに歩み寄り、「その曲は弾くなと言っていただろ」と叱責します。そして目の前の女性に気が付き、思い出話が始まったところでラズロが戻ってきます。すぐ後から店の常連でカサブランカの警察署長・ルノーが現れ、「ウガーテは逮捕された、そのことで話を聞きたいので明日警察署に来てください」と告げました。ラズロはそれを承諾し退店しました。

映画「カサブランカ」あらすじ④パリの思い出

閉店後の店で一人酒に溺れるリック。「必ず彼女はもう一度店に来る」そう言って飲酒を止めようとしません。リックはサムを呼び、今まで演奏を禁じていた思い出の曲「時の過ぎゆくままに」をリクエストします。その曲はパリでイルザと過ごした最後の日に流れていた曲で、その音楽の中でパリでのイルザとの甘い思い出に思いを馳せるのでした。

占領前のパリで出会ったふたりは、「過去は聞かない」という不問律のもとに愛を育んでいました。やがて戦況が悪化し、ついにパリにもドイツ軍の攻撃予告が発せられ、リックはイルザと共に逃げようと告げます。

列車に乗る手筈を整え翌日駅で待ち合わせを約束し帰宅。待ち合わせ場所にイルザは現れず、ホテルに迎えにいったサムには「もう会えない」旨のメモだけが残されていて、それきり離れ離れとなってしまいました。

映画「カサブランカ」あらすじ⑤出国許可の下りないラズロ

思い出に酔いしれるリックの前に、彼の予想通りイルザが店に現れます。「あなたがいると知っていたらカサブランカには来なかった」と言うイルザは、実はラズロと既婚であり、姿を消したあの日の真実を語ろうとしますが、溢れ出る恨み節を抑えきれないリックは暴言を浴びせてしまい、イルザは帰ってしまうのでした。

翌日、カサブランカの闇市の元締めであるイタリア人フェラーリのもとにラズロとイルザが訪れます。高値で裏取引されている通行証を買い取りに来たふたりでしたが、ドイツ軍からの圧力でイルザには売れるがラズロには売れないと断られてしまいます。その日の晩、ラズロは再びリックの店を訪れ、通行証を売ってくれと破格の値段を提示しますが、リックはこれを拒否。売れない理由は妻に聞けと突き放すのでした。

映画「カサブランカ」あらすじ⑥あの日の真実とラズロの逮捕

その晩、イルザは再びリックのオフィスを訪れ、許可証を売ってくれるよう懇願します。そしてあの日の真実を語り始めます。収容所に入れられた夫ラズロが射殺されたと聞かされていたこと、リックと共にパリを出る約束をしたあの日に実は生きていたことを聞かされたこと。リックとラズロの間で揺れるイルザに「もう離さない」と語り掛けるリックでしたが、彼の元に地下会合を急襲されたラズロ達が逃げ込んできたのでした。

逃げ込んだラズロは、リックにふたつのことを語ります。それは、自分とリックが同じ女性を愛してしまい、そしてイルザ自身もそうであるということに気付いたことと、リックがイルザと共にカサブランカを出て、彼女の命を助けて欲しいというお願いでした。リックの返事を待つより先に、ルノー所長が部下を連れてアメリカンカフェにやってきて、ラズロを逮捕してしまいました。

映画「カサブランカ」あらすじ⑦ルノー署長とリックの談合

ルノー署長の元を訪れたリックは、署長に「通行証は私が持っている、そして今晩の飛行機でイルザと共にカサブランカを離れる。ラズロを助けるつもりはない」と告げ、そしてある取引を持ち掛けました。それは通行証を餌にラズロを罠にかけ、ルノーがそれを逮捕するというものでした。ラズロを釈放すれば店に通行証を取りに来るからその瞬間を捕まえろ、というリックの提案を署長は了承しました。

映画「カサブランカ」あらすじ⑧リックの裏切り

釈放されたラズロを、リックの作戦通りルノーは逮捕しました。リックに礼を言いかけたその時、リックはルノーに拳銃を向け、カサブランカの飛行場に電話するように要求。「通行証を持ったふたりを乗せろ」と言い電話を切ったルノーですが、実は電話の相手はドイツ軍カサブランカ司令官であるシュトラッサー少将でした。署長の意図を悟ったシュトラッサー少将は、すぐに警察官を飛行場に派遣させ、自身も車で駆け付けました。

映画「カサブランカ」あらすじ⑨リックの決意

飛行場に着いた4人は、さっそく出立の準備を進めます。リックは署長に、ラズロ夫妻の名前を通行証に書くよう指示。リックと一緒に逃げると思っていたイルザは驚きますが、リックは「今は良くても、きっと生涯後悔し続ける」と説得し、納得させます。通行証をラズロに渡しふたりは飛行機に搭乗。ルノーはリックに逮捕を宣言しました。

そこに、シュトラッサー少将が現れ、リックの警告にも動じず、飛行機を止めるべく管制に連絡を図ります。リックは少将に向けた銃を発射し、少将は倒れ込みます。

ルノー少将はこれを「お前にも愛国心があったとは」と言って咎めず、追ってきたドイツ軍には「犯人を捜せ」と言い、リックの罪を見なかったことにします。「これが友情の始まりだな」と笑いあうリックとルノーは、カサブランカの夜の闇の中に消えていくのでした。

カサブランカの映画名セリフや名言を紹介!

「カサブランカ」の名言!「あれを弾いて、サム。”時の過ぎゆくままに”を」

カサブランカのアメリカンカフェに現れたイルザが、驚くサムを呼び寄せて曲をリクエストします。その曲は「As Time Goes By(時の過ぎゆくままに)」。リックとイルザがパリで過ごした最後の日、リックのアメリカンカフェ「オーロラ」でサムが演奏していた曲であり、リックがサムに演奏を固く禁じていた曲でした。要所で効果的に奏でられるこの曲は、実は「カサブランカ」のために作曲されたものではありません。

「時の過ぎゆくままに」はブロードウェイミュージカルのために1931年に作曲されましたが、「カサブランカ」を機に世界に知られるところとなりました。サムを演じたウィルソンの歌唱は人気を博したものの、アーティストのストライキの影響で録音が発売されることはありませんでした。

「カサブランカ」の名言!「幸せすぎて怖いの」

パリ回想シーンの中で、リックの腕の中でイルザ語ったのがこの台詞です。迫りくるドイツ軍の恐怖ではなく、目の前にある幸せを怖いと言うイルザ、夫を失った経験がこの言葉を出させたのでしょうか?その愛は後にカサブランカの地で彼女を苦しめることとなります。

「カサブランカ」の名言!「君の瞳に乾杯」

パリの思い出の中でリックがイルザに語った台詞で、2005年の「アメリカ映画の名セリフベスト100」でも5位に入っている、映画「カサブランカ」を象徴する名台詞です。回想シーンの後も、リックとイルザが別れる直前まで繰り返し語られ、時には愛情表現、時には励ましや別れの言葉と、同じセリフでありながら微妙に異なるニュアンスで使われており、名優ハーフリー・ボガードの繊細な演技力が垣間見える台詞となっています。

「カサブランカ」の名言!「妻をそれほど愛している」

自分の代わりにリックにイルザと共にアメリカに渡るよう頼むラズロに対し、リックは「お前は本当にそれでいいのか」と念を押します。ラズロの返答は「妻が幸せであればそれでいい。妻をそれほど愛している」というものでした。イルザと再び一緒になりたいリックでしたが、この台詞を境に考えを改め、ラズロとイルザを逃がすことに成功しました。観客の心を揺さぶり、物語を大きく動かす名台詞です。

「カサブランカ」の名言!「君と幸せだったパリの思い出で俺は生きていける」

飛行場でリックがイルザにかけた言葉です。夫ラズロを置いてリックと共に逃げると思っていたイルザは、リックの「君はラズロと共に行け」という言葉に驚き、再びリックを傷つけてしまう自分をショックを受け、そしてリックの身を案じます。それに対するリックの答えがこれでした。これを言われたら世の女性は何も言えなくなってしまうでしょう。「君の瞳に乾杯」と続け、ふたりの最後の会話に終止符を打つリックでした。

「カサブランカ」の名言!「美しい友情の始まりだな」

映画「カサブランカ」最後の台詞となっています。クライマックスに向けて騙し合いを見せたリックとルノー。ラズロ夫妻を逃がしドイツ軍を撒いたところで、ルノーはリックに逃走の手助けと通行証の手配を提案します。実はルノーは地下活動家たちの支援者だったのです。これを受けたリックは、ルノーをファーストネームの「ルイ」と呼び、互いの友情を確かめ、それは同時に長年の孤独からの脱却でもあったのでした。

カサブランカのラストや結末の感想や評価を紹介!

映画「カサブランカ」好評の感想!

「カサブランカ」の好意的な感想に多く見られたのが、とにかく「美しい」というものでした。

特にサム役を演じるドーリー・ウィルソンの歌う「As Time Goes By」、それに乗せて思い起こされるパリでの思い出、リックの決意と深い愛。イルザ役のイングリット・バーグマン自身の美しさも見どころに挙げられるほどです。

また、横暴なドイツ軍にいい思いをしていないカサブランカの人々がフランス国家を歌う場面に感動したという感想もみられました。後述の不評派の感想とは全く逆の感想です。

現代日本での国家の立ち位置は式典で歌われる象徴的なものになっていますが、国家そのものが危ぶまれたフランス人にとって、異国であるカサブランカでアイデンティティを表現する唯一かつ最も強力な手段が国歌。それ故に感動の大きい場面となっています。

映画「カサブランカ」不評の感想!

映画への不評な感想については、「当時と現代の価値観の違い」を受け入れられないという感想が多くみられました。

「ふたりの男性に心を許してしまう」という描写は映画であっても現代では忌み嫌われ、特に映画「カサブランカ」のように既婚女性が別の男性を愛することを美化した映画はスキャンダルにもなりかねないため、特に現代日本では制作すら難しい分野でしょう。

また、社会的な背景も受け入れられない一因となっているようです。カサブランカ映画中でドイツ軍人が歌う愛国化をフランス国歌「マルセイエーズ」でかき消すシーンや、リックがドイツ人将校を目の前で射殺しておきながらそれを見過ごすフランス人の警察署長の描写は、反ドイツ・反ナチスのプロパガンダ映画としての一面を覗かせていて、映画が完全に娯楽と化した現代日本ではこうした強い政治色が受け入れられないようです。

カサブランカの映画あらすじまとめ!

映画「カサブランカ」のあらすじと名言、感想をご紹介してきましたが、名作映画の名に恥じない作品であることがお分かりいただけたかと思います。普段触れる機会の少ないレトロ映画ですが、その第一歩として映画「カサブランカ」を鑑賞してみてはいかがでしょうか。台風の多いこの夏、映画「カサブランカ」をはじめとするレトロ映画の名作と共に過ごされてみてはいかがでしょうか?

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