ブラッド・ダイヤモンドの映画あらすじをネタバレ!紛争ダイヤとはなに?

映画ブラッド・ダイヤモンドは2006年にアメリカで公開され、アカデミー賞では5部門、ゴールデングローブ賞では主演のレオナルド・ディカプリオが主演男優賞にノミネートされた映画です。アフリカ・シエラレオネ共和国の内戦での「ブラッド・ダイヤモンド」、いわゆる紛争ダイヤモンドを巡るサスペンス映画ですが、それだけでは終わらないリアリティとメッセージ性に、現在でも多くの評価を受けています。この記事ではそんな映画ブラッド・ダイヤモンドの魅力とあらすじをネタバレを含め紹介していきます。

ブラッド・ダイヤモンドの映画あらすじをネタバレ!紛争ダイヤとはなに?のイメージ

目次

  1. ブラッド・ダイヤモンドの映画あらすじをネタバレ!評価も紹介!
  2. 実話に基づいた映画ブラッド・ダイヤモンドとは?
  3. ブラッド・ダイヤモンドの映画あらすじをネタバレ!
  4. ブラッド・ダイヤモンドの映画ラストをネタバレ!
  5. ブラッド・ダイヤモンドの映画を見た人の感想・評価を紹介!
  6. ブラッド・ダイヤモンドの映画あらすじまとめ!

ブラッド・ダイヤモンドの映画あらすじをネタバレ!評価も紹介!

「ブラッド・ダイヤモンド」と呼ばれる、いわゆる紛争ダイヤモンドを知っていますか?このダイヤモンドを巡るサスペンスを描いたのが映画「ブラッド・ダイヤモンド」です。以下はこの映画の背景となっている紛争ダイヤモンドとはなにかということについて解説しながら、あらすじや映画の評価などを紹介していきます。

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実話に基づいた映画ブラッド・ダイヤモンドとは?

映画「ブラッド・ダイヤモンド」(原題:Blood Diamond)は、2006年製作のアメリカ映画です。監督は「ラスト サムライ」を撮ったエドワード・ズウィック監督。主演はこの映画でアカデミー主演男優賞にノミネートされたレオナルド・ディカプリオ。ストーリーは、実際にアフリカのシエラレオネ共和国であった内戦(1991年-2002年)での、紛争ダイヤモンドを巡る争いとそれに関わる人たちのドラマを描いたフィクションです。

「ブラッド・ダイヤモンド」と呼ばれる紛争ダイヤモンドとは、紛争の武器やその他の資金調達のため、密輸などで不法に取引されるダイヤモンドのことを言います。このダイヤモンドが市場に出るまでに多くの人が血を流していることから、ブラッド・ダイヤモンドの名前が付いたと言われています。

反政府組織は紛争ダイヤの不法売買で得た金で大量の武器を調達し内戦を拡大させる一方で、買う側の先進国ダイヤモンド会社は巧みなイメージ戦略や価格操作を行い莫大な利益を得ていく、そしてその紛争に否応なく巻き込まれる人々の悲劇。その図式をエンタテイメント要素を織り交ぜながらドラマティックに描いたのが映画ブラッド・ダイヤモンドなのです。

ブラッド・ダイヤモンドの映画あらすじをネタバレ!

以下は映画ブラッド・ダイヤモンドのあらすじになります。ネタバレを含む内容となりますのでご了承ください。

ブラッド・ダイヤモンドに関わっていく3人の人物

物語の舞台は1999年、内戦が続くアフリカ西部のシエラレオネ共和国。ここでメンデ族の漁師、ソロモン・バンディー(ジャイモン・フンスー)は穏やかに暮らしていましたが、ある日突然反政府勢力のRUF(革命統一戦線)に村を襲われ愛する家族と離れ離れになってしまいます。ソロモン自身はRUFに捕まり、強制的にダイヤモンドの採掘場で働かされることになるのです。

その採掘作業中に大粒のピンクダイヤモンドを発見したソロモンは、RUFのポイゾン大尉に見咎めながらも運よくそのピンクダイヤモンドを採掘場の近くに埋めて隠すことに成功します。その後、ソロモンとポイゾン大尉は政府軍に捕まり留置場へと連行されます。

その2人のいる留置場にたまたま居合わせたのが、元白人傭兵のダニー・アーチャー(レオナルド・ディカプリオ)。不正に取引きしたダイヤを隣国リベリアへ密輸しようして逮捕されていたところ、留置場でソロモンとポイゾン大尉のやり取りを聞きます。アーチャーはソロモンが見つけたピンクダイヤモンドを横取りしようと、自分の出所後ソロモンも釈放させるよう手配し、ピンクダイヤモンドの在り処を聞き出そうと近づきます。

その一方で、アーチャーが馴染みのバーで出会ったのがマディー・ボーエン(ジェニファー・コネリー)。しかしマディーがダイヤモンドの密輸の実態を追うジャーナリストだと分かった時点で、アーチャーは彼女と距離を置こうとします。こうしてそれぞれの目的でダイヤモンドを追う3人の登場人物が出会ったのです。

ソロモンの家族の行方は?

はぐれた家族を探し続けるソロモンにアーチャーは何度も接触して、家族を見つけることを条件にダイヤモンドの在処を聞き出そうとします。その話し合いの最中にフリータウンが RUFに襲撃され、2人は銃撃戦の中を命からがら郊外まで逃げることに成功します。その後マディーの協力によって得た情報で、3人はソロモンの家族がいるというギニアの難民キャンプに向かいます。

難民キャンプにRUFが紛れている可能性があるため、キャンプのフェンス越しにしか家族と面会できないソロモン。そこでソロモンは息子のディアがRUFにさらわれたことを知って悲嘆にくれます。さらわれたディアはRUFの少年兵として訓練と洗脳を受け、戦闘に加わることを強要されていました。

ピンクダイヤモンドを手に入れるのは?

マディーに密輸組織の情報を話すことの交換条件として、軍隊に守られた正規の報道陣の車に紛れて、ソロモンがピンクダイヤモンドを埋めた場所に向かうことになった3人。しかし途中で再びRUFに襲われ、ジャングルの中でRUFの元少年兵たちを更生させている村にたどりつきます。

ここでひと時の休息を得たアーチャーは、マディーに自分の半生を語ります。アフリカ生まれの白人で、9歳の時に両親を殺され、傭兵として参加していた紛争はただの利権争いだったと失望し、密売という金儲けに走った言うアーチャー。ソロモンが隠したピンクダイヤモンドは自分にとって「この荒れた大陸から出るチケットだ」と言います。

翌朝、村の教師と共にピンクダイヤモンドが隠された採掘場に向かいますが、途中教師がRUFの少年兵に撃たれてしまいます。アーチャーはその治療のために、傭兵時代の上司コッツィー大佐のいる近くの基地へと車で急ぎます。コッツィー大佐はアーチャーもRUF攻撃作戦に参加し、一緒にピンクダイヤモンドを探しに行くことを迫りますが、アーチャーはテントから装備などを盗み、ソロモンと一緒に基地を抜け出します。

途中の道で、RUFの車の中に息子のディアを見かけたと言い張るソロモン。言い争いながらもディアを諦めきれないソロモンの気持ちに打たれたアーチャーと、さらにその気持ちに応えようとアーチャーのことを理解しようとするソロモン。2人の間に小さな絆が生まれます。

ピンクダイヤを隠した採掘場にたどり着くと、アーチャーはRUFの気を逸らすために、コッツィー大佐の部隊に明朝の空爆を依頼します。しかしその夜、ソロモンはディアを探しだすため単独でキャンプに忍び込みますが、すっかり洗脳されたディアはソロモンを「敵だ」と言い、ソロモンはRUFに拘束されてしまいます。

翌朝、RUFのポイゾン大尉はディアを人質にソロモンにピンクダイヤモンドを掘り出すよう迫りますが、その時コッツィー大佐のヘリコプターによる空爆攻撃が始まります。物陰に潜んでいたアーチャーは空爆からディアを助けますが、大佐の部隊が攻め寄せ採掘場は傭兵部隊によって制圧されます。そして今度は コッツィー大佐がディアを人質に、ソロモンにピンクダイヤモンドを掘り出させようと脅迫します。

しかし隙をついてアーチャーとソロモンがコッツィー大佐と傭兵達を倒します。が、同時に自身も脇腹に被弾したことに気が付くアーチャー。ようやくソロモンがピンクダイヤモンドを掘り出すと、さらなる銃口がアーチャーを狙います。それはRUFによって洗脳されているディアの銃でした。ソロモンの必死の説得に涙を流すディア。「家に帰って親子に戻ろう」。ソロモンの言葉に親子はしっかりと抱き合います。

ブラッド・ダイヤモンドの映画ラストをネタバレ!

以下は映画ブラッド・ダイヤモンドのラストシーンのあらすじになります。ネタバレが含まれる内容となりますのでご了承ください。

アーチャーのラストシーン

ディアを取り戻し、ピンクダイヤを手に入れホッとしたのもつかの間、コッツィー大佐の部下たちが追ってきたのでアーチャーはソロモン親子を連れて急いで逃げ出します。目指すはアーチャーの密輸仲間が飛行機で待っている山の頂上の滑走路。しかしアーチャーは銃で受けた傷が思ったより深く、途中で倒れ込んでしまします。険しい岩場をアーチャーを背負って上っていくソロモン。

しかしアーチャーに限界が来ます。一歩も動けなくなったアーチャーは、ソロモンにピンクダイヤモンドを手渡します。「横取りしないのか?」と尋ねるソロモンに、「そうだな。チラッと考えたよ」と答えるアーチャー。2人の間に穏やかな信頼の笑顔が広がります。さらにアーチャーはマディーの連絡先と銃を渡し、「担いでやる」というソロモンを制し、「息子を連れて帰れ」と追手を一人で引き受けます。

最後の力を振り絞って、マディーに電話をかけるアーチャー。マディーにソロモン親子を助けてくれるよう頼みます。「今、すげえ景色を眺めているんだぜ」。アーチャーはアフリカの雄大な大地と無事に飛び立ったソロモンたちが乗った飛行機を見送りながら、“この大陸で流された血の色”だと言われる故郷の赤土を握りしめて息を引き取ります。

ブラッド・ダイヤモンド、その後のあらすじ

マディーの協力でロンドンに着いたソロモンは、裏で紛争ダイヤを買い付けている大手ダイヤモンド会社とコンタクトをとり、200万ポンドと家族をロンドンに呼び寄せることを条件にピンクダイヤモンドを渡します。マディーはその取引の一部始終を写真に撮り、記事にします。

2000年1月、南アフリカ・キンバリーで行われた紛争ダイヤモンド売買に関する会議に、証人として出席したソロモン。そして2003年、ブラッド・ダイヤモンド、紛争ダイヤの売買を監視し阻止する制度、キンバリープロセスが導入されます。

物語の最後は、あえてセリフを発することのないソロモンの視線だけで語られます。高級宝飾店のショーケースにに飾られている、光り輝くダイヤモンドを見つめる複雑なソロモンの瞳。マディーが最後に撮ったアーチャーの写真の載った記事を見つめる静かな瞳。映画は最後にこう締めくくっています。「シエラレオネは平和になった」「しかしアフリカにはまだ、20万の少年兵がいる」。観た人に確かなメッセージを残して。

ブラッド・ダイヤモンドの映画を見た人の感想・評価を紹介!

以下は、映画ブラッド・ダイヤモンドを観た人の評価で多かったものを、感想を含めて紹介していきます。あらすじやネタバレの内容もありますのでご了承ください。

戦闘描写が恐ろしい

ブラッド・ダイヤモンドを監督したのは、日本でも有名な「ラスト サムライ」を監督したエドワード・ズウィック監督。作風は「ラストサムライ」でも評価されていたとおり、このブラッド・ダイヤモンドでもドラマ性の中にある大スケールのアクションシーンが印象的でした。迫力ある戦闘シーン、スピード感のある映像。その一つ一つに目が離せません。

しかし国際規律である程度定められた国と国の戦争ではなく、同じ国、同じ民族同士の戦いの姿は凄惨を極めて描写されています。市街地に侵攻したRUFは片っ端から市民を射殺し、政府軍にも弾丸を撃ち込む。対する政府軍もバリケードの内側から敵・味方・市民関係なく銃を乱射します。そこには情も正義もない、まさに狂気に支配された戦場です。ズウィック監督この現実をブラッド・ダイヤモンドで表現したかったのかもしれません。

ストーリーが面白い!

ブラッド・ダイヤモンドは143分もの長編映画です。その長さを感じさせないストーリー展開とスピード感で、観ている人をまったく飽きさせない映画となっています。『「自由」「家族」「真実」―彼らはダイヤにそれぞれ違う輝きを見た』。この映画のキャッチコピーにもなっているように、三者が三様の目的をもってダイヤを求める中で生まれていくドラマ、その面白さが評価されています。

またアーチャーとマディーのやり取りも、アメリカの映画にありがちなあらすじではなく、極めて硬派に描かれていることもこの映画の評価につながっています。紛争ダイヤという重い題材をフィクションとかき合わせることでわかりやすく描き、メッセージ性を失わないよう、説教臭くならないよう、緻密に計算された良質のエンターテイメントであると言えるかもしれません。

レオナルド・ディカプリオの演技がすごい

主役のアーチャーを演じたレオナルド・ディカプリオは、このブラッド・ダイヤモンドでアカデミー賞、ゴールデングローブ賞の主演男優賞にノミネートされました。ディカプリオの代表作ともいえるあの「タイタニック」から約10年、それまでのディカプリオのイメージをすべて払拭するかのような、陰のある大人な雰囲気の元傭兵アーチャーを演じています。

映画の話題性としては同じ年に公開されたディカプリオ自身が出演した『ディパーテッド』の影に隠れてしまいましたが、間違いなくこのブラッド・ダイヤモンドはディカプリオの渾身の一作であると評価されています。

傭兵の役作りのために鍛え上げられた体、「I love you」なんてセリフを言わなくても伝わる演技力。確実にこの後のアクション俳優としてのレオナルド・ディカプリオの評価につながる映画になりました。2016年にアカデミー主演男優賞を受賞した「レヴェナント」のディカプリオもここから始まったのかもしれません。

ブラッド・ダイヤモンドの映画あらすじまとめ!

以上、映画ブラッド・ダイヤモンドのあらすじと評価をまとめてみました。紛争ダイヤモンドという重い題材を描きながら、観ている人に深い感動と強いメッセージを伝えてくる映画ブラッド・ダイヤモンド。社会派の映画なんて堅苦しいと思っている方、レオナルド・ディカプリオの評価が「タイタニック」で止まっている方にぜひお薦めしたい名作です。

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