ガタカの映画あらすじをネタバレ！結末や傑作と言われる理由を解説

映画ガタカは隠れたファンが多く、多くの人の指示を得ているSF映画です。そんな映画ガタカには映像や音楽、構成など様々な魅力がありますが、何とってもストーリーの良さが評価されています。ここでは、人気SF映画ガタカのストーリーのあらすじをネタバレ解説し、傑作と言われている理由を考察していきます。

映画ガタカは近未来の世界を描いたSF作品です。SF作品といえば、派手なアクションが楽しめる作品や、設定に凝ったミステリー作品など、娯楽要素の強い映画が多く制作されているジャンルです。SF好きという人は、宇宙を駆け巡る大冒険映画が好みという人も多いでしょう。しかし、ガタカはSF映画ではあるものの、派手なアクションのある娯楽映画というわけではありません。

映画ガタカは世界背景や設定がSFではありますが、主軸は主人公の生き方とその周りの人々の人間模様を描いています。どちらかといえば、ジャンルはヒューマンドラマ映画です。静かに進行するストーリーと、主人公に感情移入してしまう切ない展開など、感動を呼び要素がたくさんある傑作映画です。ここでは、映画ガタカのあらすじを詳しくネタバレ解説していきます。

映画ガタカの舞台は近未来の地球です。未来の世界では遺伝子操作によって不良な遺伝子を取り除き、優良な要素だけを持った子供を産めるようになっています。こうして生まれた遺伝子的に優れた人々は「適正者」と呼ばれています。現代のように自然妊娠で授かって生まれてきた子供は、「神の子」と呼ばれています。主人公のヴィンセント（イーサン・ホーク）は自然妊娠で生まれた「神の子」でした。

「神の子」と呼ばれて生まれてきた子供たちは、生まれながらに持っている疾患や寿命までもが分かってしまいます。主人公ヴィンセントは先天的な心臓疾患を持っており、寿命は30歳だと診断を受けています。自然に生まれた「神の子」は別に「不適正者」という呼ばれ方もしており、知能や体格、外見において適正者には劣っている現状でした。

不適正者として適正者に成績で劣るヴィンセントを見て、両親は次の子供は適正者として生むことに決めます。こうして弟のアントンが生まれたのですが、幼少期からヴィンセントはあらゆる面でアントンには勝てません。ヴィンセントはいつも優秀な弟と比較されながら成長していきました。

不適正者として心臓疾患を抱えているヴィンセントですが、宇宙飛行士を夢見るようになります。居場所のない地球を飛び出して、広大な宇宙の向こうに何があるのかを見てみたいと感じていました。しかし、周囲の人間は宇宙飛行士のように優秀な人材が採用される職業は、不適正者であるヴィンセントには無理だと言います。

しかし、ヴィンセントは宇宙飛行士になる夢を諦めることはなく、青春時代をかけて血のにじむような努力を重ねていきます。努力のおかげで優秀な成績をおさめられるようになったヴィンセントですが、血液検査で「神の子」だと判明すると差別される日々が続きます。

「神の子」でも努力を重ねれば適正者に勝つことが出来ると信じているヴィンセントは、ある日弟に遠泳勝負を仕掛けます。幼少期から一度も弟に水泳で勝つことはできなかったのですが、ついに勝利することが出来ました。自身をつけたヴィンセントは宇宙飛行士になるべく旅立ちました。

ヴィンセントは宇宙開発会社であるガタカに入社しようとします。しかし、不適正者であると分かれば試験に落ちるのは分かっています。そこでヴィンセントはガタカの清掃員として働きながら、乗ることの叶わない宇宙船を眺めていました。

ガタカの清掃員として働くヴィンセントは、ある日DNAブローカーと出会います。ガタカに不正に入局するために、DNAブローカーを通して適正者の生体IDを手に入れることが出来ました。こうして紹介されたのがジェローム・ユージーン・モロー（ジュード・ロウ）という適正者でした。

ジェロームはとても優秀な遺伝子を持って生まれた水泳選手でした。しかし、優秀なあまり金メダルを取り続けて当たり前という周囲からのプレッシャーに押しつぶされ、ある日自殺を図ってしまいます。車の前に飛び出して自殺しようとした彼は、結果的に下半身不随のまま生きていく事となります。

ヴィンセントはジェロームから生体IDを買い取り、尿や血液などの提供を受けます。代わりにガタカから支払われる給与をジェロームに支払う事になります。こうして契約を結んだ二人は、同時に友情も育んでいきました。

ヴィンセントはジェロームに完全になりすますため、苦痛を伴う身長延長手術にも耐え抜きます。ガタカにて時折実施される遺伝子チェックも、彼から提供された尿や血液でパスしながら、ヴィンセントはジェロームと協力しながらガタカで宇宙飛行士を目指します。

なりすましが発覚しないように細心の注意を払いながら、ヴィンセントは努力を重ね、適正者にも劣らない優秀な成績をおさめます。必死の努力の結果、ジェロームになりすましたヴィンセントは見事、タイタン行のクルーの選ばれることが出来ました。

宇宙への出発を控えたある日、ガタカにて殺人事件が発生します。殺害されたのはヴィンセントの正体を怪しいと思っている上司でした。捜査に協力する女性局員アイリーン（ユマ・サーマン）は、ヴィンセントの事を疑いながらも彼に惹かれていきます。ヴィンセントも同じく彼女に惹かれていき、二人は恋人同士になっていきます。

ヴィンセントは自分の正体を隠しているため、アイリーンと過ごすときも気を抜けない状態でした。警察がガタカを捜査する過程で、館内からヴィンセントの体毛が発見されてしまいます。適正者は遺伝子操作を受けており凶暴性を持っていないため、警察は最初からガタカの正職員に犯人はいないと睨んでいました。

不適正者ヴィンセントの体毛が発見されたことにより、警察の捜査はヴィンセントの元に伸びてきます。警察が家宅捜索に来ることを知ったジェロームは、何とか捜査の目から逃れるのでした。ヴィンセントの上司が殺害された事件は、真犯人が自供したことで収束します。犯人は局長で、土星探査に反対していた被害者を疎ましく思っていました。

事件が終息したことで無事に宇宙に旅立てるはずだったヴィンセントですが、捜査に参加していた刑事の中に弟のアントンがいたことが判明します。アントンはガタカから兄であるヴィンセントの体毛が発見されたことに驚いていました。不正にガタカに入局し宇宙飛行士になっているヴィンセントに嫉妬したアントンは、不正入局を摘発すると迫ります。

そこでヴィンセントはアントンに遠泳対決を吹っ掛けます。今度もまた努力を重ねた「神の子」ヴィンセントが勝利することが出来ました。努力は裏切らないと自信を得たヴィンセントは、無事に宇宙へ発つ日を迎えることが出来ました。

ヴィンセントは不適正者である「神の子」として生まれながらも、絶え間ない努力を重ねて宇宙行の切符を勝ち取ることが出来ました。生体IDの提供者ジェロームとも、物語の中で絆を深めていきます。ここまではガタカの詳しいあらすじをご紹介してきましたが、次は肝心の映画ガタカの結末をネタバレ解説します。

いざ宇宙へ旅立つ日を迎えたヴィンセントですが、出発の直前に抜き打ちの遺伝子検査を求められます。予定にない検査であったため、ヴィンセントはジェロームから提供される尿を仕込んでいません。自分の尿を提出すれば正体がばれてしまいます。仕方がないと天を仰ぎ、自分の尿を提出します。

検査の結果はもちろん不適格と出たのですが、産業医のレイマー医師は自分の手で適格と結果を書き換えてしまいます。レイマー医師の独断で宇宙船へと通されたヴィンセントは、無事宇宙へと飛び立つことが出来ました。実はレイマー医師の子供も不適正者で、ヴィンセントの事を希望に感じていたのです。

ヴィンセントはかつてあれほど離れたいと感じていた地球に、今は少しでも理解者がいることを知ります。今は離れがたくも感じながら宇宙へと旅立ちます。一方ジェロームは、今後ヴィンセントが困らないように大量の生体サンプルを残し、完全に証拠を隠滅するために自ら焼却炉に入り、自殺を図ります。宇宙についたヴィンセントは、ジェロームからもらった小包に彼の毛髪が入っていた事ですべてを理解し、静かに涙を流すのでした。

映画ガタカが傑作と言われる理由として、様々な魅力があることがあげられます。全体的に静かに進行していく映画なのですが、様々なメッセージが込められています。映画のストーリーに込められた複線やメッセージから、さまざまな考察が出来ることも、見る人を楽しませ傑作映画と評価される理由の一つでしょう。

映画ガタカの中で最も見る人に衝撃を与える場面は、何と言ってもラストのジェロームが死んでしまう場面でしょう。せっかくヴィンセントと友情を育んだのに自殺してしまいます。彼は作中で「旅に出たい」と話していました。しかし実際は車いす生活でそれも叶わない日々を送っています。

ラストでヴィンセントが宇宙に旅立つのと同時に、彼も命を絶つことで不自由な身体から解放され、旅立ったのではないかと考察されています。作中ではヴィンセントがジェロームに「無重力は母親の胎内に近い」と語るシーンもあります。試験管から生まれた「適正者」ジェロームは胎内を知らないので、ひそかにヴィンセントと宇宙へ行きたいと思っていたのではないかとも考察されています。

映画ガタカの魅力の一つに名言がたくさんあることも上げられます。名言の多い映画は人々の記憶に強烈に残るため、ガタカが傑作映画と言われるのも納得です。映画ガタカに登場する名言をいくつかご紹介します。

まず、ジェロームがヴィンセントに言った名言に、「くじけずに頑張れば、いつか成功する」というものがあります。この名言は、水泳選手として優秀な成績を収めながらも、プレッシャーに負けてくじけてしまった自分を振り返っているとも、手段を選ばずに努力を続けているヴィンセントに夢を託していったとも、考察されています。全ての人の希望にもなるような、素敵な名言です。

また主人公ヴィンセントが言った「僕に何が出来て何が出来ないか決め付けるな！」というセリフも名言です。物語を通して大変な努力を重ねるヴィンセントを見ているからこそ、心に響く名言です。このセリフは終盤で弟アントンに言い放ったものですが、ヴィンセントが不適正者だからと不当に差別を繰り返す、全ての人々に向けた心からの叫びとも言えます。

映画ガタカを見て考えさせられる映画だったという感想を抱く人が多いです。遺伝子を操作して優秀な人間を作り出せる近未来の世界は、現実にもあり得そうな設定です。そんな映画の世界観の中で、才能とはいったい何なのか、努力の意味とは何なのか、色々と重いテーマを考えされてくれます。

映画ガタカを見てヴィンセントとジェロームの友情に心を打たれ感動する人も多くいます。ガタカは二人の友情に焦点を当てた映画ではありません。そのため、わかりやすく青春ドラマ映画のようなはっきりとした友情の描写はありません。しかし、静かに進行していく映画のストーリーの中で、確かに二人の間に芽生えている熱い友情に感動したという感想が多くみられます。

映画ガタカを見てスタイリッシュな映像がカッコいいと感じている人も多数います。ガタカはSF映画らしくどこか無機質な映像が続く映画です。スタイリッシュなSF映画という位置づけがされているガタカですが、メインテーマは差別との戦いや夢に向かった努力など、熱く泥臭い映画となっています。そのギャップもまた良いという感想が多いです。

映画ガタカのあらすじを詳しくネタバレ解説しました。ネタバレあらすじを見てみると、深く考えさせられるストーリーのSF映画という事がわかります。見る人によって様々な感想に分かれる映画ガタカですが、見た人の多くの印象に深く残る良作です。映画ガタカを見て勇気を貰ったり、影響を受けたりしたという人も多いです。

映画ガタカの魅力は、あらすじにまとめたようなストーリーの良さだけではありません。美しい映像や音楽、静かに進行する人間模様など、他にも色々な見る人を引き付ける魅力が満載の映画です。ここでご紹介した映画ガタカのあらすじネタバレを読んで興味を持った方は、ぜひチェックして欲しい傑作映画です。