百万円と苦虫女のあらすじ！ラストのネタバレあり感想・評価も紹介

百万円と苦虫女は蒼井優演じる鈴子が百万円を貯めながら居場所を転々としていく生活模様を描いた作品です。鈴子はなぜ居場所を居場所を転々としなければならないのでしょうか。今回は百万円と苦虫女のあらすじをラストまでネタバレ紹介！また、気になる百万円と苦虫女の感想や評価も併せてまとめます。

百万円と苦虫女とは2008年7月19日に公開された映画です。監督を務めたのはタナダユキで、本作でタナダユキは、日本映画監督協会新人賞を受賞し、その後「ふがいないぼくは空を見た」など代表作となる監督を務めています。主演は「ニライカナイからの手紙」以降３年ぶりの主演作品となった蒼井優です。蒼井優も本作で芸術選奨新人賞映画部門を受賞し話題をよんだ作品です。

佐藤鈴子は短大を卒業後、就職浪人となり、アルバイト生活で収入を得ていました。実家を出たかった鈴子は、同じバイト先の友人、リコとルームシェアをすることにしました。二人で住むと考えていた鈴子でしたが、、無事に新居の契約を済ませた後で、リコからリコの彼氏も一緒に住むつもりなのだと伝えられます。契約してすぐだったので断るわけもいかず、実家を出る為ならばと仕方なく了承し、3人で住むこととなったのです。

引っ越し当日を迎えた鈴子でしたが、いくら待ってもリコは姿を表しませんでした。疑問に思った鈴子が、リコの彼氏に尋ねると、リコとは破局したのでリコがここに来ること告げられました。そして、１人では家賃の支払いが厳しいので予定通りにルームシェアをしてほしいと言われます。鈴子は戸惑いが隠せませんでした。

引っ越しの作業を終え、鈴子が部屋にいると外から猫の鳴き声が聞こえてきました。思わず窓を開けるとそこには捨て猫が。外は大雨だったので鈴子は猫を部屋にいれ、次の日に飼い主を探すことにしたのですが、鈴子が猫の餌を買いに外へでているあいだに猫はリコの彼氏に捨てられてしまっていました。鈴子は怒り次の日の朝、リコの彼氏が外へでている隙にリコの彼氏の部屋にあった荷物を処分してしましました。

リコの彼氏の荷物を全て捨ててしまったことにより、リコの彼氏が100万円の入ったバックを捨てられたと警察へ通報、鈴子は警察へと連れていかれてしまい、暫くの間留置されることとなりました。100万円が本当に入っていたのかは定かではありませんでしたが、鈴子は罰金20万円の刑に処され釈放されました。

警察へ留置されてしまったことにより、鈴子は近所の人に後ろ指をさされるようになってしまい、さらには弟に前科者が家にいたら受験に失敗する！と言われてしまします。そして鈴子の両親の関係もまた劣悪なものに。鈴子はその状況に耐え兼ねて「百万円貯まったら家をでていきますから！」と家族に宣言します。それから鈴子は仕事を何個も掛け持ちし、必死に百万円貯めました。

百万円を貯めた鈴子は公言通りに、家を出て新しい生活をはじめました。初めに行きついたのは海の家でのリゾートバイト。鈴子は再び百万円を貯める為、海の家でアルバイトをはじめました。初めての仕事でしたが、鈴子は「かき氷の才能がある！」と絶賛されるほどかき氷を作るのが上手でした。鈴子は弟に手紙で近況を報告するようになります。

海の家での仕事にも慣れてきた頃、お客として来ていたユウキにナンパされます。興味のなかった鈴子ですが、バイト先の息子が行きたい！と言い出し、ユウキから誘われたバーベキューにさんかすることになってしましました。ユウキは鈴子との距離を縮めようと必死にでしたが、他人と深く関わることを避けていた鈴子は百万円を貯めるとまたすぐに引っ越しました。

あてもなく再び街を引っ越した鈴子。海は合わないと感じた鈴子は次は山に住もうと決めました。行き先はありませんでしたが偶然喫茶店で知り合ったマスターに桃農家の仕事を紹介してもらい、鈴子は桃農家で住み込みのアルバイトをすることに。もちろん農家での仕事経験は全くありませんでしたが、鈴子はまたもや「桃をもぐ才能がある！」と絶賛されます。再び鈴子は弟に報告の手紙を書き送りました。

働かせてもらっている桃農家には息子がいました。その息子は、親切ながらも鈴子が入浴中に脱衣所まで来て話しかけてくる。鈴子が寝ているところへいきなり入室してくるなどっ無神経なところがある男性でした。鈴子は困惑し、ストレスを感じながらも、桃農家に住み込みながら一生懸命働きました。

来る日も来る日も桃をもいでいた鈴子でしたが、ある日、村の住人たちから「桃娘」になって村をアピールする活動をして欲しいと言われます。鈴子の意見を聞くこともなく話が鈴子の進んでしまいますが、鈴子は辞退したいと申し出ます。しかし、辞退の意志を受け入れてもらえませんでした。困惑した鈴子はついに村人の集まる集会で、自分には前科があることを告白します。そして鈴子は結局そのまま村をでることにしました。

次の街へと向かった鈴子は、今度は地元の東京から小一時間程の距離にある街に住むことに決めました。新居の近くにあったホームセンターで働くことになった鈴子。そこで中島という鈴子と同い年の男性と出会います。中島は、人付き合いの苦手な鈴子と職場の人間との関係をうまくフォローしてくれました。鈴子はそんな中島に次第に好意をよせるようになります。

中島への気持ちに気づきはじめたちょうどその頃、スーパーで中島に会いました。思いがけず中島にお茶でもどうですかと誘われた鈴子。暫く話していると、不思議と自然に鈴子は中島に自分に前科があること、百万円貯めながら街を転々としていることなどを打ち明けました。ふと我に返った鈴子は真実を知られて嫌われてしまったと思い込み、その場はら逃げだします。

しかし、嫌われてしまったどころか中島は鈴子を追いかけ「好きです。」と鈴子に告白します。鈴子もぎこちないながらも中島に自分の思いを伝え、二人ははれてカップルとなりました。その日、そのまま鈴子は中島の家に夕飯を作りにいき、二人はより仲を深めました。

ある日、二人のアルバイト先に中島の大学の後輩が新人として入ってきます。二人の仲睦まじい姿を度々見かけるようになり鈴子は不安になっていきました。そんな中、中島は鈴子から度々お金を貸してほしいというようになりました。デートをするときもお金を出すのは鈴子。鈴子は中島はお金目当てで自分と付き合っているのだと思い始めます。

ある日、ばったり中島と後輩がカフェで二人で楽しそうに過ごしているところに遭遇した鈴子。鈴子も一緒にどうかと誘われるも断ります。二人が一緒にいるところをを見てしまい、嫌な気持ちになっている鈴子の気持ちに気づかず、中島は「お金貸して」と頼んできます。お金を貸した鈴子でしたが、どうして私があの子とのデート代まで払わないといけないの？鈴子はついに中島と別れることを決断します。

そんな中、弟の拓也から手紙が届きました。そこには拓也が学校でいじめられていること、腹がたちいじめっ子にけがをさせてしまったことなど、拓也の壮絶な近況が書かれており、最後には拓也は、いじめっ子から逃げるために中学受験をしようと考えていたが鈴子の逃げずに立ち向っていく生き方を見習い、自分も逃げるのをやめていじめっ子たちと同じ学校へ進学することに決めたことが綴られていました。

鈴子が拓也からの手紙を読んだのは、ちょうど中島に別れを告げた夜でした。大切な人との別れに悲しみ落ち込んでいた鈴子でしたが、拓也からの手紙を読み、自分も落ち込んでいる場合ではないと奮い立たされます。鈴子は、もう逃げて生きることをやめ、次の街ではきちんとそこで根をはり生きていこうと決意し、荷物をまとめ次の日街をでました。

中島には、鈴子に直接言えてない本当の思いがありました。それは、お金を借り続けていたのは百万円貯まって鈴子が出ていくのが嫌だったからということ。後輩の女の子とも深い関係にはありませんでした。中島の鈴子に対する気持ちは、お金目当てでは決してなかったのです。後輩は中島に、「百万円貯まらなくても出て行っちゃったじゃないですか、このままでいいんですか？」と促します。

鈴子が去った後、中島は、バイトを抜け出し鈴子の元へと自転車を全力で走らせました。しかし、駅までの途中でドーナツ屋さんに入ってしまった鈴子は追いかけてきた中島とすれ違ってしまいます。結局、出会うことができなかった中島と鈴子。鈴子は中島の本当の気持ちを知ることなく、ラストは中島が追いかけてきていることを願いながら後ろを振り向き、「来るわけないか…」と呟いて映画は終わります。

主人公、佐藤鈴子を演じたのは、蒼井優さんです。蒼井優さんは、2006年フラガールで日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞し注目を集めた実力派の女優で、最近では「彼女がその名を知らない鳥たち」では第41回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞しました。

物語の冒頭で鈴子と同じ職場の同僚、そして鈴子とルームシェアをする予定だったリコを演じていたのは平岩紙さんです。平岩紙さんは、数々のＮＨＫ連続テレビ小説などに出演されており、現在はファブリーズのＣＭに出演していらっしゃる個性派女優です。

鈴子とルームシェアをするはずだったリコの元カレを演じたのは弓削智久さん。弓削さんは、モデル出身で、現在は仮面ライダー鎧武など、仮面ライダーシリーズに多く出演されていることで知られている俳優さんです。

鈴子の弟、佐藤拓也を演じたのは、齋藤隆成さんで、当時12歳の子役として出演しており素晴らしい演技力で注目されていました。現在は21歳となり、現在も俳優業を続けていらっしゃいます。

鈴子が海の家のバイト先で知り合った、ユウキを演じていたには竹材輝之助さんです。竹材さんは黒髪の印象とは打って変わって金髪のチャラ男を見事に演じていらっしゃることから、「あの金髪の男の人って竹材輝之助さんだったの！？」と驚きの声も多くあがりました。

鈴子が桃農家で住み込みのバイトをはじめた際の無神経で不器用な息子を演じたのはピエール瀧さんでした。ピエール瀧さんは、「電気グルーヴ」のメンバーとして活躍するミュージシャンであり俳優業もこなす多彩な俳優さんです。また、声優としての活躍もされており、アナと雪の女王のナレーションや、オラフの日本語吹き替え版声優として有名です。

鈴子が最後まで思いをよせていた大学生、中島亮平を演じたのは森山未來さんです。森山未來さんは最近でも「怒り」で優秀助演男優賞を受賞どするなど、実力派俳優ですが、ダンサーとしての活動もされています。現在は主に舞台やダンスでの活動で活躍されていらっしゃいます。

ここからは、実際に百万円と苦虫女を見た人の感想をまとめていきます。まず、感想の１つとして自分も百万円貯めてみたい！と思う方が多くみられました。とりあえず、百万円貯まったら自分も何か挑戦ができるかもしれない！と感じた方が多いようです。

知らない土地で知らない人に囲まれて一人で生活するのはとても勇気がいることです。１度は自分のことを誰も知らない土地へ行って生活してみたいけどそんな勇気がない、と鈴子のたくましく一人で生活している姿に憧れるという感想もまた多いです。

蒼井優さんの美しさに加えて、儚げな鈴子を演じるその演技力の素晴らしさを評価している感想も多いです。儚げな蒼井優さんと中島を演じた森山未來さんとの相性が抜群にあっているとの声も。演技力の高いキャストも高評価を集めている作品と言えるでしょう。

森山未來さんの演じた不器用だけど真っすぐで優しい中島にかっこいい！と称賛の声もまた多いです。派手過ぎず、落ち着いた雰囲気の中島に憧れを抱く女性も多いです。現実世界にも中島のような男性がいてほしい！という感想が多くみられました。

本当の気持ちを伝えらずに別れを迎えてしまった中島に、ヤキモキするも、その不器用な二人の恋の結末がいいと映画のラストの評価も高い作品です。ただ悲しいだけじゃなく、どこか爽快で前向きな気持ちになれる作品です。

百万円と苦虫女のあらすじはいかれて崖の上のだったでしょうか？百万円と苦虫女は2008年に公開された映画ですが、現在も多くの人に行く人に見られている作品です。人生に行き詰ったとき、鈴子を見て勇気づけられる人が沢山います。見たことがない方は、ぜひ見てみてください。人生のバイブルになるかもしれません。若かりし頃にこの映画を見た方も、もう一度見返してみることをおススメしたい作品です。