2018年08月26日公開
2018年08月26日更新
ミュンヘンの映画あらすじをネタバレ!モデルとなった実話がある?
2005年に公開された映画「ミュンヘン」のあらすじについてネタバレ含めてご紹介します。みなさんはこの映画にはモデルとなった実話が存在していることをご存じでしょうか?本記事では監督やキャストといったミュンヘンに携わったスタッフなどの基本情報をはじめ、あらずじから実際に起きた出来事についてご紹介します。ミュンヘンという映画の製作を担当した監督が行った初の試みとは一体何なのか!?是非最後までご覧ください。
目次
ミュンヘンの映画あらすじをネタバレ紹介!
ミュンヘンという映画のあらすじについてネタバレ含めてご紹介します。この映画は実話を元に製作されました。その実話とは、1972年9月に西ドイツにあるミュンヘンで「黒い9月」というテロリストがオリンピック中に起こした事件と、イスラエル政府によるテロリストへの報復作戦です。映画では報復作戦を進めるにつれて苦悩する主人公の心理状態について描かれています。
映画ミュンヘンとは?
この映画は2005年12月23にアメリカで公開され、翌年2006年2月4日に日本で公開されました。監督は「インディー・ジョーンズ」シリーズや「ジュラシック・パーク」シリーズで有名なスティーヴン・スピルバーグです。第78回アカデミー賞にミュンヘンは監督賞、作品賞、脚色賞、編集賞、作曲賞の計5部門にノミネートされました。製作費は$70,000,000で、興行収入は$130,358,911を記録しました。
脚本は2人組で担当しました。後にスティーヴン・スピルバーグ監督と共に映画「リンカーン」を製作したトニー・クシュナー及びブラット・ビットが主演となり話題を呼んだ映画「ベンジャミン・バトン」でも担当したエリック・ロスの2人です。音楽はスターウォーズシリーズやハリーポッターシリーズでも担当し、40年以上スティーヴン・スピルバーグ監督を支えてきた作曲家ジョン・ウィリアムズです。
スティーヴン・スピルバーグ監督が生み出した大ヒット作品といえば「ジュラシック・パーク」シリーズや「インディー・ジョーンズ」シリーズなどのSF作品が多く、ミュンヘンのような史実に基づく作品は珍しいことです。ミュンヘンとはどのような映画でしょうか。そのあらすじについてはネタバレ含めて次章より記載します。
映画ミュンヘンのあらすじをネタバレ!
ネタバレあらすじ・起:黒い9月がオリンピック選手を人質に!
映画ミュンヘンとは1972年に西ドイツのミュンヘンで開催されたオリンピック中に起きたテロ事件を題材にしています。パレスチナ過激派組織「黒い9月」のメンバーがイスラエルのコーチと選手2名を殺害し、残りの選手団9名を人質にとりました。黒い9月はイスラエルに拘束されている仲間234名の解放を要求しましたが、西ドイツ警察との銃撃戦で人質にされていたオリンピック選手団全員が死亡してしまいました。
出典: https://eiga.com
事態を受けたイスラエルの首相ゴルダ・メイア臨席は黒い9月のメンバーに対する報復として暗殺を計画しました。その計画の実行部隊は各ジャンルのスペシャリストで結成されました。リーダーは首相の元警備を担当していたアヴナー(エリック・バナ)です。
アヴナーの他のメンバーはスティーヴ(ダニエル・クレイグ)、ロバート(マチュー・カソヴィッツ)、カール(キーラン・ハインズ)、ハンス(ハンス・ツィッシュラー)、エフライム(ジェフリー・ラッシュ)の5人です。スティーヴは自動車のスペシャリストです。ロバートは爆弾製造を担当しました。カールは現場の「掃除」係です。ハンスは文書偽造の専門家です。そしてエフライムはアヴナーへ作戦の指示を行っていました。
アヴナーは情報屋のルイ(マチュー・アマルリック)に接触しますが、ルイは二つの条件を提示しました。一つは政府の仕事を行わないこと、もう一つは対象者以外に犠牲者を出さないことです。アヴナーは政府がバックにいることについては黙るしかありませんでした。
ネタバレあらすじ・承:次々と暗殺を続けるアヴナー
ルイから得た情報を元に、朗読会を行っていた最初のターゲットを射殺することに成功しました。2人目のターゲットを見つけ、爆弾担当のロバートがターゲットが留守にしている間に彼の自宅に爆弾を仕掛けます。しかし、ターゲットの娘が帰ってきていることに気がつかず危うく娘も殺してしまいそうになりますが、無事にターゲットのみを爆弾で殺害することに成功しました。
アヴナー達は3人目のターゲットをルイから得た情報により発見します。その際ルイが手配してくれた爆弾を使用しましたが、その爆弾が強力すぎて危うくアヴナーまで死にかけてしまいます。その後の作戦中に、ルイが手配してくれた隠れ家にいるとテロリストの一人と鉢合わせしてしまったり、アヴナー達はルイに対して不信感を抱くようになります。
ネタバレあらすじ・転:ミュンヘン事件の黒幕を発見!
アヴナーはミュンヘンオリンピック事件の黒幕であるサラメを発見します。しかし、暗殺する直前で酔っ払いに妨害され、作戦は失敗してしまいました。ルイの情報では、アメリカのCIA(他国で諜報活動を行う情報機関)の関係者がサラメと取引しており、作戦を妨害していた可能性があるとしていました。
暗殺計画を進めるアヴナーでしたが、報復とはいえ自分達が今行っていることも殺戮なのではないかと悩むようになります。さらに仲間のカールとハンスが殺害されてしまい、いつ自分の命が狙われてもおかしくないと恐怖するようになりました。追う者の立場がいつの間にか追われる者の立場になってしまうかもしれない。アヴナーはそう考えました。
ネタバレあらすじ・結:任務を解かれたアヴナー
アヴナーは精神をすり減らしつつも暗殺の対象であるテロリスト11人のうち7人を殺害することに成功しましたが、アブナーはここで任務を解かれます。久しぶりの妻子との再会を喜び日常生活に戻ったアヴナーでしたが、自分は誰かに命を狙われているのではないかと常に緊迫した状態でいました。殺害を繰り返した罪悪感や心の葛藤に悩む日々が続きます。
映画ミュンヘンのモデルとなった実話がある?
前章の冒頭でも述べましたが、映画ミュンヘンに登場したテロリストが起こしたミュンヘンオリンピック事件やイスラエル政府による報復は、架空の事件ではありません。実際に起こった事件です。その実話の事件を題材にし、スティーヴン・スピルバーグ監督が映画にしました。
映画と史実との相違点
実話のミュンヘンオリンピック事件及びテロリストへの報復作戦には、映画で描かれた内容とは違う点がいくつかあります。映画で登場した報復作戦実行部隊は各ジャンルのスペシャリストでしたが、実際には「カエサレア」と呼ばれるモサドの特殊部隊が命じられていました。また、この暗殺計画には「神の怒り作戦」または「バヨネット作戦」というコードネームがつけられました。
ミュンヘンオリンピック事件の黒幕とされる「サラメ」についても、映画と実話で相違点があります。映画ではロンドンで発見したサラメを暗殺する直前で酔っ払いに妨害され暗殺失敗してしまう展開となっていましたが、実際にはノルウェーにあるバス停にいるサラメと思われる男性を射殺しました。しかも、その男性は実際には全く無関係のモロッコ人でした。
また、映画ではサラメの死については触れられていませんでした。しかし、実際には女性工作員のエリカ・チャンバースがサラメの行動を確認し、暗殺部隊と協力してサラメの車が通る場所に爆弾を仕掛け、その爆弾でサラメを殺害しました。サラメの暗殺により、神の怒り作戦は終結しました。
映画ミュンヘンの感想や評価まとめ!
報復は何も生まれない
テロリストが起こした事件に対するイスラエル政府の報復が主題となった映画だけに、その感想は「報復は何も生まれない」という声が多いです。「報復がさらなる報復を呼ぶ悪循環でしかない」というネガティブな感想も目立ちました。一方で、絶妙なタイミングのギャグを入れつつ残酷なシーンになるのがとてもスピルバーグ監督らしい作品と、映画の内容についてではなくスピルバーグ監督の作品として評価していた方もいました。
スティーヴン・スピルバーグ監督初の試み
日本で映画ミュンヘンが公開される前日に放送された「筑紫哲也NEWS23」にて次のように述べていました。「この作品は、疑問を投げかけていますが答えは掲示していません。私の映画では初めてのことです。パレスチナとイスラエルの対立に今答えがあるとは思えないからです。そして33年前のミュンヘン五輪での悲劇の際にも答えは存在しなかった。」
映画ミュンヘンのあらすじまとめ!
オリンピック中にテロリストが起こした事件に対する報復を題材にした映画ミュンヘンは、主人公であるアヴナーが戦争でもないのに人を殺し続けたことで徐々に精神が極限状態に陥ってしまいます。いつ自分達が殺されるかわからない恐怖と、政府から命じられた任務とはいえ人を殺した罪悪感といったアヴナーの心情について描かれています。
今回は映画、ミュンヘンのあらすじとモデルとなった実話などを紹介しましたがいかがだったでしょうか?ミュンヘンは1972年に西ドイツのミュンヘンで開催されたオリンピック中に起きたテロ事件を題材にしている作品でした。様々な人物の死や苦悩を描いた作品でしたが実話をもとに作られたこの作品はリアリティがあると評判です。この作品に興味が出た方は是非ミュンヘンをご覧ください。