イヴの総て(映画)のあらすじをラストまで紹介!結末の感想は?

映画『イヴの総て(イヴのすべて)』は1950年にアメリカで公開され、その年のアカデミー賞6部門受賞し、うち、監督賞と脚本賞の二つを監督のジョセフ・L・マンキーウィッツが受賞している。秀逸な脚本からなる完璧な場面展開によって作られたこの映画は、半世紀以上たった今でも色あせない名作だ。演劇界裏側を細やかに表現した『イヴの総て』をまだ観ていない方、あるいは過去に観たけど忘れてしまった、という方にも『イヴの総て』のあらすじをラストまでネタバレ。また結末を観ての感想も集めてご紹介!

イヴの総て(映画)のあらすじをラストまで紹介!結末の感想は?のイメージ

目次

  1. イヴの総ての映画あらすじをラストまで紹介!
  2. イヴの総てとは?
  3. イヴの総ての映画あらすじをラストまでネタバレ!
  4. イヴの総ての結末の感想を紹介!
  5. イヴの総てのあらすじまとめ!

イヴの総ての映画あらすじをラストまで紹介!

ここでは映画『イヴの総て』のあらすじをラストまでご紹介。アメリカ演劇界で最も栄誉ある〝サラ・シドンズ賞(架空)”の授賞式から物語は始まる。この名誉ある賞を受賞したのは、まだ演劇界に入って間もない〝イヴ・ハリントン”。しかし華やかな授賞式で何人かの訝し気な顔がある。イヴがその栄誉に輝くまでに心を踏みにじられ、或いはかきまわされた面々である。

イヴが大女優〝マーゴ・チャニング”のまえに現れたのはおよそ8か月前のこと。マーゴの大ファンだというイヴをマーゴが気に入り自宅の客間に住まわせることになる。身の回りの世話を甲斐甲斐しくやってみせるイヴ。いっぽうマーゴは女優として、女として、歳をとることに負い目を感じ始めている。傍であれこれ世話をしてくれるイヴは若くて気が利く。言い知れぬ不安にマーゴはイヴを疎んじだす。

あるとき、イヴの企みでマーゴが舞台に間に合わない。イヴは記者等に声がけした上でマーゴの代役を見事に務め上げるが、その手助けをした脚本家の妻カレンの心は複雑だ。純真な田舎娘だと思っていたイヴが実はずる賢くマーゴの座を狙っていたのだ。そうとも知らずイヴに加担しマーゴをおとしめるようなまねをしたカレンだが、更にわるいことに、イヴはカレンの夫であるロイドまで自分のものにしようとする。

周囲の人々の気持ちを踏みにじり、踏み台にして勝ち取った"サラ・シドンズ賞”。マーゴはじめ関わった人間にしてみたら、素直には喜べないはずだ。授賞式を早々に後にしホテルの部屋に戻ったイヴだったが、そこには見たことのない娘が。その娘もまた、かつてのイヴのようにここにいる大女優に取り入ろうとしているのだ。その娘がイブの煌びやかなコートを羽織り鏡に写し、うっとりする姿。その姿が幾重にもなってラストを迎える。

イヴの総てとは?

映画『イヴの総て』は1950年にアメリカで公開された。1946年のメアリー・オル著の短編小説「The Wisdom of Eve」が原作。実在の女優エリザベート・ベルクナーをモデルにしている。

映画『イヴの総て』はアカデミー賞で6部門受賞していてそのうちふたつ、監督賞と脚本賞は監督であるジョセフ・L・マンキーウィッツが受賞している。マンキーウィッツ監督は『三人の妻への手紙』で前年度のアカデミー賞監督賞と脚本賞のふたつ受賞しており、後にも先にも二年連続でふたつの賞を獲得したのはマンキーウィッツ監督ただ一人だ。そして『イヴの総て』の配役も気になるところだ。

『イヴの総て』の配役は、大女優マーゴ・チャニング役にベティ・デイヴィス。マーゴの座を虎視眈々とねらっているイヴ・ハリントン役にアン・バクスター。マーゴの恋人で演出家のビル・サンプソン役にゲイリー・メリル。脚本家ロイド・リチャーズ役にヒュー・マーロウ。その妻カレン・リチャーズ役にセレステ・ホルム。セレステは後に本当に制定されたサラ・シドンズ賞を受賞。端役ではあるが女優の卵ミス・キャズエル役に若かりし頃のマリリン・モンローがいる。モンローファンにも見逃せない作品だ。

この時のアカデミー賞に、『イヴの総て』のイヴ・ハリントンを演じたアン・バクスターが助演女優賞ではなく主演女優賞にノミネートしたため、マーゴ・チャニングを演じたベティ・デイヴィスとのダブルノミネートとなり票が割れ結局、二人とも獲れなかった。実際の映画界でも『イヴの総て』の中のようにドロドロした確執があったようだ。

イヴの総ての映画あらすじをラストまでネタバレ!

ここからは、映画『イヴの総て』のあらすじの肝をネタバレ。純真に見えたイヴが実は何者なのか、我儘な大女優マーゴの本当の心はどこにあるのか、そしてどこに落としどころをつけてラストにもっていくのかなどすべてご紹介。

田舎から出てきた娘イヴのすべて

コートを着て変な帽子をかぶった、田舎くさい娘。そんな娘が毎晩マーゴ・チャニングの出演する舞台を見ている。序盤は清純で謙虚で可哀そうな田舎娘。と印象づけている。それが、したたかにマーゴの座を狙っているとわかるころには、もう、あの清楚な顔は身を潜め、毒々しい欲望だらけの顔に変わっていく。

マーゴの代役を務め終わっての楽屋で、マーゴの恋人の演出家であるビルに言い寄るが敢え無く玉砕した後の顔といったら、本当に同じ人かしら?と巻き戻して見てしまったほどだ。そこまで、観るとイヴの大方の本性、まさしく〝イヴの総て”は見えたようなものだ。あの変な帽子もマーゴや関係者に印象づけるための策だったのかと思い至る。

大女優マーゴ・チャニング

大女優といえば、おおかた言いたい放題で、気が強くてわがままなのだろう。『イヴの総て』での大女優マーゴ・チャニングのように。そんなマーゴも自分の歳に嘘はつけない、若い役は若い人がやればいいと思っていても女優としてのプライドもまだまだある。

そんな年齢にたいするジレンマのなか現れた若いイヴ。イヴの若さと才能にマーゴはイライラを感じ始めやがてそれを周囲にぶつけるようになる、恋人ビルにまで可愛げのない口調でつっかかり、遂には愛想をつかされてしまう。

そんな中、イヴが演じた代役が新聞で好評を得る。気丈に振舞っていたマーゴだったがかつての恋人ビルの顔を見た瞬間幼子のように泣きじゃくるのだった。そのことがきっかけで、ビルとよりを戻しその後あっさり女優をやめてビルと結婚すると宣言する。我儘で手の付けられなかったマーゴもビルの愛には素直な一人の女になる。『イヴの総て』の登場人物の中で一番厄介な人間だったマーゴだが、結局一番可愛らしい人間になっている。

『イヴの総て』の中のお人好しカレン

『イヴの総て』の中でキーパーソンのカレンは脚本家ロイド・リチャーズの妻。毎日舞台を観に来るイヴが気にかかるようになりついにカレンはイヴに声をかけてしまう。マーゴの大ファンだというイヴにマーゴを会わせるのだが、まさか自分が騙されているとは知る由もない。

イヴは巧みにカレンの同情を引き自分の味方につけることに成功。カレンは、常々わがままし放題言いたい放題のマーゴに嫌気がさしていたのだ、そこに清楚なイヴがあらわれたのである。

カレンはイヴを擁護しはじめ、マーゴの代役にイヴがなることを後押しする。更になんと、マーゴが舞台に間に合わないように車に細工してしまうのだ。イヴの思惑どうりに着々と事が進むなか、今度は夫のロイドまでイヴに取られそうになる。イヴのために良かれと思って目をかけ、心を砕いて尽くしていたはずのカレンだったが、あっさり裏切られてしまうのだ。

カレンが夫ロイドとマーゴ、ビルの4にんで食事をしていると、同じレストランにいたイヴから化粧室に呼び出され、今度の舞台の主役を自分にするように働きかけるように、さもなくば、マーゴにしたことをばらす。と脅され、複雑な顔つきで席にもどるカレン。しかし、そんなこととは露とも知らないマーゴは「女優をやめて結婚する。」と、あっさり。マーゴを貶めたはずのカレンは結局マーゴに救われた。

『イヴの総て』の中の唯一信頼できるビル

あらすじの中ではあまり出てこなかった、マーゴの恋人のビルだが実は登場人物のなかで一番信頼できる人物だ。情熱的ゆえに喧嘩っぱやいところも垣間見えるが、総じて人間としてぶれない。イヴに言い寄られてもあっけなくかわしてしまうし、マーゴが打ちひしがれたときには一目散に慰めにいく。

女優のマーゴを愛するのと同時に一人の人間としてマーゴを愛しているがわかる。マーゴを慰めにいき、マーゴと抱き合うシーンはこの映画唯一ホッとする場面である。

イヴのすべてが明らかに、そしてどんでん返し

ラストに近いレストランでのシーン。マーゴと恋人のビル、ロイドとカレンが食事している。同じレストランにいたイヴから化粧室に来るようにと伝言が。カレンはイヴに「今度の舞台の主役を自分にするように、さもなくば、カレンがマーゴにしたことをばらす。」と脅される。

複雑な面持ちで席に戻るカレンだが、そんなことは露ほども知らないマーゴは「今度の舞台は出ない。結婚する」と宣言。一気に気の抜けたカレン。泣き笑いのような狂気じみた笑いがレストラン中に響く。

イヴの総ての結末の感想を紹介!

ここからは、既に『イヴの総て』を観たかたの感想を、いくつか紹介しながらサラに『イヴの総て』の魅力にせまる。

『イヴの総て』のラストが圧巻

『イヴの総て』を観た感想の中で、多いのがラストへのコメントだ。圧巻であった、もの凄い!粋である、などなど。若さゆえの自信とエネルギーが、先駆者を押しのけ蹴散らし頂点まで登りつめて行く様はある意味見慣れたストーリーではあるが、ラストまで観てイヴに嫌悪感が残らないというところが、凄い!という感想になるのだろう。

『イヴの総て』は何度観ても面白い

この感想もよく見る感想だ。脚本がしっかりしている。秀作である。アメリカ史上最も優れている映画だ。など、よくできた脚本だと讃える声が多い。脚本が秀逸であり、それを的確に、更に役者や衣装、音楽で肉付けした映像がつまらないわけがない。

若手に追われる大女優マーゴと若手のイヴ。更にはそのイヴを追う若手の女優の卵。幾重にもなり終わることのない様が短時間の中に表現されているのだから、秀逸と言わざるを得ないし『イヴの総て』は何度観てもおもしろいと言われるのだ。

アン・バクスターの演技に注目!

あらすじでも既にのべたように映画『イヴの総て』ではアン・バクスター演じるイヴ・ハリントンが徐々に性悪さを増していくのだが、そこに注目してる方も多数いる。イヴがサイコパス。だとか、アン・バクスターの演技が見もの。とか、アンに対しての評価が高い。加えてマーゴが純粋だということが終盤に明らかになると、イヴとマーゴのギャップ対ギャップが面白いところである。

イヴの総てのあらすじまとめ!

映画『イヴの総て』のあらすじをラストまでご紹介してきた。ネタバレであらすじを紹介してるので、ストーリーは大体つかめただろうが、感想にもあったアン・バクスターの豹変ぶり。これは観なければ分からない。白黒映画ということでレトロ感があるが、内容は永遠に色あせない人間模様だ。

また衣装も、背景もこれがカラーだったらどんなにか華やかであろうと想像してしまうだろう。まだ観ていない方やすでに観たことのある方も是非もう一度ご覧あれ。

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