2018年08月19日公開
2018年08月19日更新
ビューティフル・マインドのあらすじをネタバレ!結末や実話との比較も紹介
映画『ビューティフル・マインド』は、2001年に公開されたアメリカ映画です。第74回アカデミー賞では作品賞、監督賞、助演女優賞、脚色賞を受賞し、第59回ゴールデングローブ賞では作品賞(ドラマ部門)、脚本賞、主演男優賞、助演女優賞の最多4部門を受賞した作品です。今回はそんな名作『ビューティフル・マインド』のあらすじ・結末を紹介するとともに、映画のあらすじと実話のどのあたりが違っているのかをご紹介してきます。
目次
ビューティフル・マインドのあらすじをネタバレ紹介!
今回は名作とも言われている映画『ビューティフル・マインド』のあらすじをネタバレ紹介していきます!まだ『ビューティフル・マインド』を観ていないけどあらすじ・結末を知っておきたいという方や、観たけどあらすじ・結末を思い出したい、実話との違いを知りたいという方などにおすすめの内容になっております。
ビューティフル・マインドとは?
『ビューティフル・マインド』のあらすじ・結末をネタバレ紹介する前に、『ビューティフル・マインド』の基本的な映画情報についてお伝えさせていただきます。
監督や公開日は?
『ビューティフル・マインド』は2001年に制作されたアメリカ映画ですが、日本の劇場で公開されたのは2002年3月30日です。2002年に公開された他の映画は、例えば『モンスターズ・インク』、『スパイダーマン』、『ロード・オブ・ザ・リング』、『オーシャンズ11』、『バイオハザード』などが公開されており、これらのラインナップを見るだけで映画の当たり年と言えるのではないでしょうか。
『ビューティフル・マインド』の監督は、ロン・ハワード監督です。名前だけ聞いてもどれぐらいすごい監督なのかが分かりづらいので、ハワード監督が手がけた他の作品を挙げさせていただきます。
ハワード監督は、『バックドラフト』(1991年)、『アポロ13』(1995年)、『シンデレラマン』(2005年)、『ダ・ヴィンチ・コード』(2006年)、『天使と悪魔』(2009年)『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK -The Touring Years』(2016年)『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018年)等を手がけました。
いかかでしょうか?挙げさせていただいたのはあくまでも一部の作品に過ぎませんが、有名な作品ばかりではないでしょうか?これらの作品を見るだけでも、ハワード監督のすごさが分かりますし、その監督が手がけた中でも屈指の名作とも言われる『ビューティフル・マインド』の素晴らしさも伝わるのではないでしょうか。
ビューティフル・マインドの映画あらすじをネタバレ!
それでは、ここからはいよいよ本題である映画『ビューティフル・マインド』のあらすじをネタバレしていきます!詳細なあらすじや結末は後ほど書いていきますが、『ビューティフル・マインド』の大まかなあらすじとしては、数学研究者として独自の研究を続け、現在でも経済学で使われている「ナッシュ均衡」を生み出したジョン・ナッシュの半生を描いた、実話に基づくヒューマンドラマとなっております。
ビューティフル・マインドの登場人物・キャストは?
『ビューティフル・マインド』のあらすじに入る前に、まずは登場人物とそのキャストをご紹介をしていきます。
ジョン・ナッシュ(ラッセル・クロウ):主人公である天才数学者、統合失調症です。「この世の全てを支配できる理論を見出したい」とプリンストン大学時代から野望を持ち、人付き合いが極度に苦手で、周囲からは変人扱いされながらも独自の研究に没頭します。ある日ソ連の暗号解読の任務につき、スパイとしての活動をしていると思い込むようになります。
アリシア・ナッシュ(ジェニファー・コネリー):主人公ジョン・ナッシュの妻。ジョンが勤務するウイーラー研究所の聴講生であり、変わり者のジョンに興味を持ち、交際を経て結婚、統合失調症のナッシュを支え続けます。
チャールズ(ポール・ベタニー):ジョンのプリンストン大学時代からの親友。大学の寮でジョンのルームメイトです。大学卒業後、事故死した妹夫婦の娘を引き取ります。ジョンの前に現れる時は、いつもその姪と一緒にいますが、彼らは実はジョンが生み出した幻覚です。
パーチャー(エド・ハリス):国防省の諜報員。ジョンにソ連が有する原爆のありかに関する暗号解読を依頼し、常にジョンの行動を監視しています。実は彼もチャールズと同様にジョンが生み出した幻覚です。
マーティン・ハンセン(ジョシュ・ルーカス):プリンストン大学時代、ジョンと同じく奨学生として入学したため、ジョンのことをライバルとして見ます。彼はプリンストン大学で大学教授になり、ジョンが仕事を失った時に友人としてジョンが大学で研究を続けられるよう便宜を図ってくれます。
ビューティフル・マインドのあらすじネタバレ①(親友との出会い、ナッシュ均衡の誕生)
いよいよここからは、映画『ビューティフル・マインド』の詳細なあらすじ・結末をネタバレしていきます!一体どのような結末を迎えるのか、ぜひ最後までご覧ください!
1947年に、プリンストン大学に入学したジョン・ナッシュ、彼は入学前から天才的な頭脳の持ち主として知られており、大学にも奨学生(奨学金もらって入学する学生)として入学しました。ジョンは極端に人付き合いが苦手ですが、数学のことになると自信過剰であり、さらに授業もサボって自分の研究に没頭してしまうため、周りの学生からは孤立した存在となってしまいます。
しかしそんなジョンにも親友と呼べる存在ができます。大学の寮で同じ部屋になったルームメイトのチャールズです。チャールズはジョンとは違い、とても社交的・自由で明るい性格、気難しいジョンに対しても分け隔てなく接してくれます。ジョンはチャールズに対しては心を開き、一緒に屋上でお酒を飲んだりし親交を深めていきます。
ジョンは将来、当時最高峰の研究機関であるMIT(マサチューセッツ工科大学)のウィーラー研究所に入り、自分の研究を突き詰めたいと考えていました。ところがある日、ジョンは教授から「皆、授業に出席し、論文を出している。考えているだけではダメだ。今のままではどこにも推薦できない」と言われてしまい、ウィーラー研究所へ進む道に暗雲が立ち込めます。
焦ったジョンは教授に認めてもらうための論文を必死に書き上げようとしますが、全く上手くいきませんでした。そんな状況を見かねたルームメイトのチャールズが「引きこもってないで外に出れば答えが見つかる」と助言し、ジョンは助言にしたがい、パブで考えることにしました。そこでジョンは突然閃きます。
閃いたジョンは言いました、「アダム・スミスは言った。”最良の結果はグループ全員が自分の利益を追求すると得られる。”間違いだ。“最良の結果は、全員が自分とグループ全体の利益を求めると得られる”」と。この発想は、1人の美女をみんなでナンパしてもみんな上手くいかない、美女以外の女性たちにみんなそれぞれアプローチした方がみんなが良い思いをすることが出来る、というパブに行ったからこそ得られたものでした。
急いで部屋に戻ったジョンは、その新しい理論を論文にまとめ上げ、教授に提出しました。新しい経済学の理論を見た教授は驚き、この論文を認めました。これが150年間覆されることのなかったアダム・スミスの経済論を覆すことになった、ナッシュ均衡の誕生の場面でした。こうして、ジョンは晴れてウィーラー研究所への推薦をもらうことが出来ました。
ビューティフル・マインドの詳細なあらすじネタバレ②(極秘任務、アリシアとの出会い)
憧れのウィーラー研究所にて自分の研究に没頭出来ることになったジョン、1953年には研究チームの主任となりました。その頃、ジョンはアメリカ国防総省からお呼びがかかり、極秘任務として数字の羅列からソ連の暗号を読み解く作業を依頼されます。ジョンは持ち前の閃き力で、その暗号がソ連のスパイの潜入ルートということを解読しましたが、その様子を見ていた国防省の諜報員パーチャーから声をかけられます。
パーチャーはジョンのことをウィーラー研究所の裏にある森の中の廃屋へと連れていきます。廃屋の中は極秘の暗号解読施設になっていました。そこでジョンはパーチャーから、ソ連の手に渡った原子爆弾のありかを探すように暗号解読を依頼されます。暗号は雑誌に載っているため、その記事を解読して結果を指定された建物のポストに投函するように伝えられます。
こうしてジョンは暗号解読の極秘任務を行う傍ら、ウィーラー研究所での研究と聴講生に対する講義をおこなっていました。その聴講生の1人に、アリシアという気丈な女性がいました。アリシアはジョンのことを変わり者だけど魅力的だと興味を持ち、2人は次第に恋人へと距離を縮めます。そしてジョンはアリシアと晴れて結婚することになりますが、極秘任務のことはアリシアには話さず、生活を続けていました。
ビューティフル・マインドの詳細なあらすじネタバレ③(ジョンの幻覚発覚~治療)
ジョンはアリシアと結婚し、幸せな生活を送っていましたが、ある日事件が起こります。いつものように暗号解読結果を投函しに行った時、突然パーチャーに車に乗せられます。するとソ連のスパイとのカーチェイスが始まり、ジョンは命からがら何とか家に帰ってきます。その事件が起こった後、ジョンは怖くなり暗号解読の仕事をやめたいとパーチャーに言いますが、拒否されてしまいます。
その事件以来、ジョンはソ連のスパイに狙われているのではないか、という不安が次第に大きくなり精神的に追い詰められていきます。そんなある日、ジョンはハーバード大学での全米数学者会議に出席し講演をおこないますが、ホール内に不審な人物を見つけたジョンは、ソ連のスパイだと思いホールから逃走します。
結局取り押さえられてしまいますが、その人物は精神科医のローゼン医師でした。実は妻アリシアが最近のジョンの様子を見かねて精神科医に相談していたのです。その後精神病院に搬送されたジョンは、重度の統合失調症にかかっていることが判明します。アリシアが病院に呼び出され、ここで親友チャールズ、諜報員パーチャー、そして暗号解読の極秘任務やソ連のスパイをジョンが妄想で作り上げているという衝撃的な事実が発覚します。
医師から告げられたアリシアは、当初医師の話を完全に信じてはいなかったものの、実際にジョンの研究室にある大量の雑誌の切り抜きや大量の封筒が投函された廃墟のポストを目の当たりにして、ジョンに病気のことを説明しました。しかしジョンがその話を全く信じようとしなかったため、強制的に治療が開始されました。
そして1年後、ジョンは投薬によりほとんど幻覚を見ることはなくなっていましたが、薬の副作用により無気力になっているジョンは、アリシアとの関係も上手くいかなくなってしまいます。ジョンは何とかしようと思い薬の服用をやめてしまうのですが、また幻覚症状が始まってしまいました。しかしジョンは、チャールズの姪が全く歳をとっていないことに自分自身で気づき、この時本当にチャールズ達が幻覚なのだと自覚します。
ビューティフル・マインドの詳細なあらすじネタバレ③(ジョンの大学復帰)
アリシアは、ジョンの大学時代ライバルだったマーティンがプリンストン大学の学部長となっていることを知り、ジョンに大学への復帰を勧めます。そしてマーティンは友人として、ジョンが復帰するよう便宜を図ってくれ、ジョンは図書室で研究を続ける傍ら授業を聴講出来るようになりました。そして1978年、50歳になったジョンのもとに1人の学生が訪ねてきて、ジョンの講義を受けることになります。
対人関係が苦手だったジョンの姿はもうここにはなく、知識の深さと独特な講義方法で1人の学生にとどまらず、次第にジョンの講義を聞きに学生達が集まるようになりました。この時もジョンにはまだチャールズやパーチャーが見えていましたが、ジョンは幻覚を受け入れ、無視できるほどになっていました。そしてその様子を見たマーティンは、ジョンに正式に教師として教壇に立つようにしてくれ、ジョンは見事に社会復帰を果たします。
ビューティフル・マインドの結末は?
ノーベル経済学賞受賞!
ここまで『ビューティフル・マインド』のあらすじをネタバレしてきましたが、最後の結末は一体どうなるのでしょうか?あらすじの最後としてその結末で締めくくらせていただきます!
1994年3月、プリンストン大学で教鞭をとっていたジョンは、1人の学生からジョンがノーベル経済学賞の候補になっていることを告げられます。ジョンは一瞬それこそ幻覚ではないかと思いますが、まぎれもない事実でした。そして1994年12月、場所はストックホルム、ジョンがかつて提唱したナッシュ均衡が見事ノーベル経済学賞に選ばれました。
ジョンは受賞者のスピーチで、「愛の方程式の中にこそ、本当の解があるのです。妻こそ私のすべて。ありがとう」とこれまで献身的にジョンを支えてくれた妻アリシアに対する感謝の言葉を述べ、感動的なエンディングを迎えます。
ビューティフル・マインドの実話と比較!
ここまで読んでいただければお分かりいただけますが、映画『ビューティフル・マインド』は実話をもとにした映画です。そこで最後に、映画『ビューティフル・マインド』と実話の違いに触れさせてください。
『ビューティフル・マインド』と実話との違い①
『ビューティフル・マインド』と実話との違い1つ目は、ジョンの統合失調症が顕在化するタイミングです。映画のあらすじでは、ジョンは大学院時代から統合失調症の症状が出ていたようになっていますが、実際はその数年後から症状に悩まされていたそうです。
『ビューティフル・マインド』と実話との違い②
『ビューティフル・マインド』と実話との違い2つ目は、ジョンとアリシアの関係です。映画のあらすじでは、アリシアは生涯ジョンを献身的に支えたように描かれていますが、実際は1963年に2人は離婚しています。その後2001年に再婚しますが、それまでは2人の間に夫婦関係はありません。ただ離婚した後も同居人として生活していた時期がありました。
『ビューティフル・マインド』と実話との違い③
『ビューティフル・マインド』と実話との違い3つ目は、ジョンの子供についてです。映画では、アリシアとの間に授かった子供しか登場しませんが、実際のジョンは別の女性との間にも子供がいます。映画ではそのことは一切触れられていません。映画のあらすじには関係無いためあえて触れていない、ということでしょうか。
ビューティフル・マインドのあらすじまとめ!
以上が映画『ビューティフル・マインド』のあらすじ・結末でした。映画のあらすじの最初の方は、ジョンは天才的ではあるが人間性に難ありといったように描かれていますが、あらすじの最後には数学者としても人としても素晴らしい一面を見せてくれています。実話をもとにしているとはいえ、このような素敵なあらすじにしてくれたロン・ハワード監督はやはり偉大な監督です。
確かに映画のあらすじと実話との相違点はありますが、ノーベル経済学賞受賞のスピーチはアリシアさんに向けられたものですし、映画のあらすじのように素晴らしい関係が2人の間にはあったのではないでしょうか。ジョンの天才的な頭脳よりも、ジョンとアリシアの夫婦関係の素晴らしさを映画を観て感じてみてはいかがでしょうか。