ファイト・クラブ(映画)のあらすじをネタバレ!トリビアやサブリミナル効果も解説

20世紀末に発表されたファイト・クラブ。この映画はドッペルゲンガーをテーマにしながらも、個人の世界の崩壊が、現実の世界の崩壊につながることをビジョンとして提示した実験性の強い映画でした。今回はあらすじをネタバレを交えながら紹介、さらにファイト・クラブならではの驚きのトリビアやファイト・クラブ行われたサブリミナル実験の効果のほどについて考察と解説をしていきます。

ファイト・クラブ(映画)のあらすじをネタバレ!トリビアやサブリミナル効果も解説のイメージ

目次

  1. ファイト・クラブはどんな映画?あらすじやトリビア・サブリミナル効果などをネタバレ
  2. ファイト・クラブとは?
  3. ファイト・クラブのあらすじをネタバレ!
  4. ファイト・クラブはブラピも出演!キャストを紹介
  5. ファイト・クラブのトリビア12選!
  6. ファイト・クラブに隠されたサブリミナル効果とは?
  7. ファイト・クラブの映画史に残る名言を紹介!
  8. ファイト・クラブの映画あらすじまとめ

ファイト・クラブはどんな映画?あらすじやトリビア・サブリミナル効果などをネタバレ

20世紀末に製作されたファイト・クラブとは一体どのような映画だったのか。今回はあらすじやトリビアを交えてご紹介を致します。またファイト・クラブはトリビアも満載の映画であり、特にサブリミナル効果を使用した一種の視覚トリックは有名です。その部分も踏まえて、ファイトクラブという映画は現代の黙示録としてどのような効果を私たちに及ぼしたのか考察をしていきます。

ファイト・クラブとは?

そもそも、ファイト・クラブとは1999年12月11日に20世紀フォックス配給によって上映された洋画になります。監督は当時、犯罪スリラー映画セブンで注目を浴びていたデヴィッド・フィンチャー監督、原作はチャック・パラニュークの同名小説になります。主演はエドワード・ノートンとブラッド・ピットのダブル主演でも話題になりました。主題歌はピクシーズの「Where is My Mind」です。

主題歌はピクシーズ

主題歌はピクシーズの「Where is My Mind」です。この曲はピクシーズのデビューアルバム「Surfer Rosa」に収録されています。プロデューサーにスティーブ・アルビニを起用して、グランジ&オルタナティブサウンドが展開されています。

「ファイト・クラブ」の最後にサブリミナル的に何度も繰り返すコーラスが、まるでロスト・センチメンタルな気持ちが沸き上がってきます。

監督はデヴィッド・フィンチャー

デヴィッド・フィンチャーは1962年生まれのアメリカ合衆国、コロラド州デンバー市出身の映画監督です。1980から1984年までアニメーターをしていましたが、1986年に会社を設立、著名なミュージシャンのPVやCMを手がけました。1992年に「エイリアン3」でデビューをしましたが、評価は著しく低かったそうです。その後「セブン」「「ドラゴン・タトゥーの女」「ゴーン・ガール」の映画をヒットさせています。

原作はチャック・パラニューク!

チャック・パラニュークはジェネレーションX世代の小説の書き手と言われています。最初の小説「インソムニア」は不満が多く出版されませんでした。その後「インヴィジブル・モンスターズ」も不快すぎるという理由で出版社から拒否をされています。そうしてデビュー作「ファイト・クラブ」にかき上げました。出版社もこの不穏な小説の出版に踏み切ったそうです。

しかしいくつかの好意的な批評の後、店頭から消え去ってしまったのです。そこにハリウッドが映画化権を買い、デヴィッド・フィンチャーが1999年に映画化をして非常に高い評価を得ました。その結果原作「ファイト・クラブ」もカルト的崇拝を若い世代(所謂ジェネレーションX)からされて、一躍有名人になりましたが、日本では2002年の「ララバイ」以降発刊が途絶えている状況です。

ファイト・クラブのあらすじをネタバレ!

ここから、ファイト・クラブのあらすじをネタバレを交えてご紹介致します。現代における暴力の効能を描いたファイト・クラブのあらすじは主人公さえも騙そうとするプロットになっています。観客である私たちも一筋縄ではいかない映画です。いかに私たち観客がイメージやヴィジョンやサブリミナルに騙されやすいかが分かります。

僕の仕事は自動車会社勤務

あらすじのネタバレ!物語は、僕(エドワード・ノートン)の視点から始まります。「僕」は自動車会社に勤務している平凡な会社員です。その仕事内容は全米を飛行機や自動車で飛び回りながら、リコールの調査に大わらわになっています。脅迫観念に駆られて高級な家具やブランドを買いそろえていて、物質的には何も不自由がない生活を送っていました。

僕は不眠症で悩んでいた

あらすじのネタバレです!けれども、僕の心は一切安らぐことが無く、不眠症に悩んでいました。精神科医に自分の苦しみを訴えると、医者から「この世界にはあなたよりももっと苦しんでいる人がいる」と諭されて、睾丸ガン患者が集まるグループを紹介されました。そこで僕は、睾丸を失った男たちの悲しみに満ちた言葉を耳にします。すると自然に感動が押し寄せてきて、自然と不眠症は改善していったのです。

自助グループにハマった僕

あらすじのネタバレ!そうして不眠の回復とともに、感動癖がくせになった僕は末期がん患者や結核患者などの自助グループの中にニセ患者として通うようになりました。そこでも同じようにガン患者たちの悲しみに満ちた顔と言葉を聴くことが自分がまるで浄化されていくようになったのです。

僕は互助グループマニアのマーラと出会う

あらすじのネタバレ!そんな時僕は、僕と同じように互助グループに現れては、僕と似たような行動をしている女、マーラ・シンガー(ヘレナ・ボナム・カーター)と出会います。彼女は僕から見ても、不治の病に罹っているようには見えませんでした(当然僕も周囲からはそのようには見えないだろうけれども)。そんな彼女の姿を見ていると、僕は集まりに参加をしても感動することができなくなってしまいます。

石鹸商人タイラーとの出会い

あらすじのネタバレ!また不眠症をぶり返してきた僕は、自分の家のコンドミニアムが爆発事故によって高級家具やブランド品全てを失ってしまいます。家の亡くなった僕は出張中に飛行機の機内で出会った石鹸の行商人、タイラー・ダーデン(ブラッド・ピット)と出会い、救いを求めます。僕と魔反対な性格のタイラーは気のいい奴で結構危ない奴でした。

タイラーは僕に殴ることを求める

あらすじのネタバレ!バーで出会ったタイラーは僕に「俺を力いっぱい殴ってくれ。」と頼んできます。僕は断り切れなくて、フザケ半分ながら殴り合いをはじめます。殴り合いの中で僕は痛みを感じて、その痛みこそ生きている実感だと錯覚している気持ちになりました。さらに酔っぱらいも僕たちの殴り合いに参加をしてきました。そうして僕らは毎晩殴り合いをしました。

タイラーはファイト・クラブを主宰する

あらすじのネタバレ!ある日、いつものように殴り合いをしているとタイラーは「ファイト・クラブ」というクラブを作り、ルールを作りました。そのルールの一つに、ファイトクラブの事は他言無用、というのがありました。一般社会と「ファイト・クラブ」での強さは決してイーブンではなく、「ファイト・クラブ」で相手を殴り倒した時、「ファイト・クラブ」の男らしい強さを誇れるという仕組みでした。

僕はファイト・クラブで男らしさを取り戻す

あらすじのネタバレ!そうして僕も「ファイト・クラブ」で作った痣を隠しもせずに、会社に通っていました。けれども不眠症は改善していました。僕はタイラーの住居である廃屋でタイラーから偽善に満ちた世の中の仕組みを教えてもらいました。そうして簡単にテロを起こす方法まで。そのタイラーの話を楽しみながら聞いていました。

僕はタイラーの仕事の手伝いをするようになる

あらすじのネタバレ!そうして、何時しか僕はタイラーの石鹸の行商人を手伝うようになりました。それは高級痩身クリニックから捨てられた人間の脂肪を窃盗をして、その人間の脂肪から石鹸を作って売るというタイラーの仕事を副業としました。人間によって人間の汚れを落とすのはある意味合理的な発想で、ただその元が窃盗によって成り立っているということだけが問題です。

マーラから助けを求める電話がくる

あらすじのネタバレ!ある日、マーラから薬を飲みすぎて、死にそうになった、という助けをもとめる電話がかかってきました。僕は無視をして受話器をほおっておいてしまいました。するとその電話を何故かタイラーが拾い、タイラーがマーラの所に向かいました。そして何故かタイラーとマーラは親密になり、僕を含めての三人暮らしが始まります。

タイラーと僕とマーラの間で三角関係が生まれる

あらすじのネタバレ!タイラーとマーラは普段からセックスをして、その音を僕に聞かせようとしているかのようです。そうして僕はタイラーが僕を放っておいて、「ファイト・クラブ」の会員に喧嘩を売って、ワザと負けるように課題を出します。そうして会員たちは、店の客や通行人にも喧嘩を売り始めます。

僕は上司を陥れて自由になる

あらすじのネタバレ!僕もタイラーの指示に従うように、上司の会社にリコール隠しをばらす様に恐喝をはじめて、上司の前でワザと自分で自分を殴りはじめます。痣をワザと作り、それをまるで上司に暴行されたと吹聴して、訴訟を恐れた会社から在宅勤務の権利を認められて、僕は晴れて自由の身になりました。

僕はタイラーのファイト・クラブとスペース・モンキーズの戦いに巻き込まれる

あらすじのネタバレ!「ファイト・クラブ」の中で「スペース・モンキーズ」と称する集団が現れました。彼らは僕らの住む廃屋の地下で作業を開始しました。そもそも彼らは名前もなく、自分たちが誰に命令されているのかも、目的さえ明かされてはいませんでした。疎外されている僕はタイラーが何を考えていて、何処にいるのかさえ分からなくなっていました。

ファイト・クラブは騒乱計画(プロジェクト・メイヘム)に変貌する

あらすじのネタバレ!「ファイト・クラブ」は現代の社会構造の中で物質至上主義・消費主義に疑問を持つ男たちへと変貌していきました。そうしてタイラーが発案した「騒乱計画(プロジェクト・メイヘム)」によって、社会的権威を破壊するテロリスト集団に様変わりをしていました。そうして騒乱計画にもルールがあり、それは騒乱計画について質問するな、という内容でした。

ファイト・クラブはテロを起こす

あらすじのネタバレ!「スペース・モンキーズ」はファストフードのチェーン店やパブリック・アートなどに対するいたずらにも似た行為でしたが、死者が出ることがありました。タイラーは警察首脳も拉致・脅迫をしました。タイラーの周りには狂信者たちが集ていました。

僕はタイラーを探偵する

あらすじのネタバレ!僕はタイラーが去った後、全米を飛び回った跡、使用済みの航空券から彼の足取りを探偵することにしました。実はタイラーは「ファイト・クラブ」を全米の都市に幾つもつくっていて、「騒乱計画」の犠牲者を聖者として讃えていました。僕が「ファイト・クラブ」の店主に話していると、僕が、タイラー・ダーデンであるということが分かりました。

タイラーは僕のオルター・エゴだった

あらすじのネタバレ!僕が慌ててマーラに電話で自分の正体を確認すると、再びタイラーが目の前に現れました。そうしてタイラーは自分自身がオルター・エゴであると答えました。そして不眠症になっていたのは、もう一つの人格であるタイラーが映画館やレストランで働いていたからだったのです。自宅の爆発さえタイラーとしての僕が破壊した結果だったのです。

全てはタイラーとして僕が行っていたことだった

あらすじのネタバレ!そうしてタイラーと僕の殴り合いさえも二人でではなくて、僕が僕自身を殴りつけていただけであり、マーラとのセックス自体、タイラーとしての僕が行っていたことでしかないのです。そして「騒乱計画」自体もタイラーとしての僕が全て指示をしていたことになるのです。僕はタイラーの全ての告白を聴いて意識を失ってしまいました。

僕はタイラーを殺すため僕を拳銃で撃った

あらすじのネタバレ!気が付くとタイラーは目の前から消えていました。僕は同時爆発テロの計画されていることを知って、強い衝撃を受けました。警察に自首しようとすると、「騒乱計画」の一員がタイラー本人でも計画の邪魔をするものは排除しろ、という命令のもと、襲ってきます。結局僕は僕と殴り合いをはじめ、タイラーを殺すため僕を拳銃で撃ちました。

僕にはテロを止める時間がなかった

あらすじのネタバレ!僕は喉をうつと、タイラーは消えました。結局弾丸は急所をそれてしまい、僕は死にませんでした。結局僕は「スペース・モンキーズ」に連れられてマーラと再会しますが、テロを止めさせる時間はなく、高層ビルディングが爆破によって崩壊するさまを二人でみていました。

ファイト・クラブはブラピも出演!キャストを紹介

「ファイト・クラブ」には「セブン」にも出演をしていてデヴィッド・フィンチャー監督作品には二度目の出演になります。それ以外にもカメレオン俳優と呼ばれているエドワード・ノートンも出演しています。

タイラー役はブラッド・ピット

タイラー・ダーデン役のブラッド・ピットは1963年12月18日のアメリカ合衆国オクラホマ州出身の俳優、映画プロデューサーです。1991年の「テルマ&ルイーズ」で知られるようになり、ロバート・レッド・フォード監督の「リバー・ランズ・スルー・イット」の弟役でブレイクしました。「マネーボール」ではアカデミー主演男優賞にノミネートされています。

ナレーター役はエドワード・ノートン

ナレーター(僕)役のエドワード・ノートンは1969年8月18日生まれのアメリカ合衆国の俳優です。「真実の行方」で二重人格役を演じて、アカデミー助演男優賞ノミネートをしました。またウディ・アレン監督のミュージカル映画「世界中がアイ・ラブ・ユー」にも出演をしています。

マーラ役はヘレナ・ボナム・カーター

マーラ・シンガー役のヘレナ・ボナム=カーターにイギリスの女優です。1997年には「鳩の翼」でアカデミー主演女優賞にノミネートされています。また2010年には「英国王のスピーチ」でジョージ6世の王妃エリザベス・ボーズ=ライアンも江地手英国アカデミー賞助演女優賞を受賞して、アカデミー助演女優賞にもノミネートされています。

ロバート役はミート・ローフ

ロバート・ポールセン役を演じたミート・ローフは1947年9月27年アメリカ合衆国生まれのロックシンガーです。1977年にはトッド・ラングレンのプロデュースのアルバム「地獄のロック・ライダー」が大ヒットをしました。Q誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガーでは第90位に選ばれています。

エンジェル役はジャレッド・レト

エンジェル・フェイス役は1971年12月26日生まれ、合衆国ルイジアナ州出身の俳優、ジャレッド・レトです。2013年の「ダラス・バイヤーズクラブ」では性転換手術を受けたHIV患者を演じるため、30kgの減量をしたそうです。また今作で第86回アカデミー賞助演男優賞等、数多くの賞を受賞しました。

ファイト・クラブのトリビア12選!

この章ではファイト・クラブのトリビアをお伝えしたく存じます。本上映前に映画のオチを生放送で流れる等、考えられない事実もありますが、それでもこの映画の評価が変わらないのは、それだけ「ファイト・クラブ」が優れた映画であるという事実があるからでしょう。

タイラーはラッセル・クロウが演じる予定だった?

ブラッド・ピットが演じたタイラー・ダーデンはもともとラッセル・クロウが演じる可能性がありました。当時「ファイト・クラブ」製作陣では「L・A・コンフィデンシャル」の評価が高く、ラッセル・クロウかブラッド・ピットのどちらかに演じてもらおうとかんがえていたそうです。結局、ブラッド・ピットに決まったのですが、ラッセル・クロウのタイラーも面白そうです。

3人の有名監督に断られていた?

「ファイト・クラブ」の監督にはデヴィッド・フィンチャーの前に3人の候補がいました。まず「ロード・オブ・ザ・リング」で有名なピーター・ジャクソン。それから「スパイダーマン」で知られるブライアン・シンガー。そうして「トレイン・スポッティング」のダニー・ボイル。結局この三者が辞退をしたため、デヴィッド・フィンチャーが「ファイト・クラブ」という傑作をものにしたのです。

マーラ役はジュディ・ガーランドを参考にして演じられた!

当初、マーラ・シンガー役は「キューティー・ブロンド」で知られるリース・ウィザースプーンが演じる予定でした。ヘレナ・ボナム・ガーターはマーラを演じるにあたりジュディ・ガーランドを参考にしたそうです。ジュディ・ガーランドはドラッグやアルコールの問題を持っていましたが、晩年は精神疾患を患っていたそうです。

TVの司会者がオチを生放送で喋っていた

アメリカのテレビ司会者、ロージー・オドネルは「ファイト・クラブ」が非常に気に入らなかったため、自身の番組で「セックスとバイオレンスしか内容がない」と批判をしていました。尚且つブラッド・ピットとエドワード・ノートンが同一人物であることを生放送で暴露をしてしまっているのです。

楽屋落ちが満載?

劇中でエドワード・ノートンが映画館の前でタイラー役のブラッド・ピットが主演をしている「セブン・イヤーズ・イン・チベット」の看板が立っています。さらに「ラリーフリント」のポスターも貼ってあります。これはエドワード・ノートンが「ファイト・クラブ」にキャスティングされるきかっけになった作品だそうです。なんという魅力的な楽屋落ち!

間違った爆弾製造法を敢えて書いた

「ファイト・クラブ」ではタイラーが爆弾をつくるため必要なリストを書いています。しかしロサンゼルスの爆弾処理班の要望によって、デヴィッド・フィンチャー監督は敢えていくつかのステップを省きました。やはり自分の映画を元に爆弾を製造されて、あまつさえテロでも起こされてはたまったものではないからでしょう。

主演のエドワード・ノートンが自分で見ることが出来るほどのクオリティ

エドワード・ノートンは自分の出演作を見るのは好きではないらしいです。しかし唯一の例外が本作、「ファイト・クラブ」です。エドワード・ノートン自身がこの作品の複雑さや繊細を高く評価をしているそうです。その理由としてエドワード・ノートンはデヴィッド・フィンチャー監督とブラッド・ピットと共にDVDのオーディオコメンタリーに参加をするため、共に映画を見たそうです。

タイラーのラストシーンはゲイリー・オールドマンを意識していた

ブラッド・ピットはタイラーが死ぬシーンではゲイリー・オールドマンを意識しながら演技をしていたそうです。DVDのオーディオコメンタリーでブラッド・ピットは「僕が死ぬシーンはゲイリー・オールドマンを参考にした。ゲイリーの死ぬ演技は誰にもまねが出来ないから」とゲイリー・オールドマンの演技を高く評価していました。

マーラのモデルは原作者の同級生

マーラ・シンガーという女性の名前は、実は原作者が子供時代の時、妹をイジメていた同級生から取ったものだそうです。さらにマーラ・シンガーという名前の人物がアメリカに実際に一人だけいたそうで、その人物と「ファイト・クラブ」のマーラ・シンガーは一切関係がないと、20世紀フォックスが弁護士を雇って証明しなければなりませんでした。

デヴィッド・フィンチャー監督の無茶ぶり

主人公がタイラーに殴られるシーンでは打ち合わせ段階では、殴る振りをするだけだったそうです。しかし、本番を撮る直前には監督から実際に殴れと指示をされた主人公を演じたエドワード・ノートンは、実際にブラッド・ピットを殴ったそうです。ブラッド・ピットはそれを知らず本当に痛かったと言っています。エドワード・ノートンは笑っていたそうです。

デヴィッド・フィンチャー監督のオープニングシークエンスへの拘り

デヴィッド・フィンチャー監督はオープニングシークエンスに力を入れています。そのオープニングはどの作品もデヴィッド・フィンチャー監督独自の美学によって作られていることが分かります。

デヴィッド・フィンチャー監督によるとオープニングシークエンスは本編とは別に予算をつけてもらっているのだそうです。

世界最大の映画サイトが10位の評価をしている

世界最大級の映画レビューサイトimdb.comでは「ファイトクラブ」は☆8.9とランクがつけられています。そのランクは映画ランキングTop250では10位になっています。1位は「ショーシャンクの空に」で2が「ゴッド・ファーザー」です。好みはあれども、これは信用できる順位と言えるかも知れません。

ファイト・クラブに隠されたサブリミナル効果とは?

この章では「ファイト・クラブ」に隠されているサブリミナル効果について説明をします。サブリミナル効果とは映像と映像の間に何度も同じ映像をいれることで視聴者に対して無意識化に訴える効果を言います。何故「ファイト・クラブ」はサブリミナル効果を利用したのでしょうか?

実は複数回挟み込まれるタイラーの映像

「ファイト・クラブ」ではタイラーが登場する飛行機のシーンの前に、タイラーが何度か写るサブリミナルが行われています。それはマーラが立ち去るシーンや睾丸ガン患者のシーンです。このサブリミナルから繰り返し現れるタイラーが実は想像上の存在であることを観客に無意識化に訴えようとした遊び心なのかも知れません。

タイラーのサブリミナルの意図は?

タイラー自身も子供向けアニメ映画にサブリミナル効果を使い一瞬だけ裸の女性の映像を挿入して、子供を泣かせるシーンがあります。タイラーのサブリミナルの意図は子供は無意識化に嫌いな事を嫌いだと叫ぶことが出来ること、つまり恐怖に対してとても自覚的な存在であることを伝えているのではないでしょうか。

スターバックスの宣伝もサブリミナル

実はスターバックスのサブリミナル効果も行われていて、スターバックスのカップを飲むシーンも観客に気付かない程度に幾度か出ています。映画を爆破シーンにスターバックスの看板を破壊する案もでたそうですが、それは却下されたそうです。そもそもスターバックスのロゴ自体にもムンクの叫びのように見えるサブリミナルが隠されているそうです。

この世界には私たちが創造している以上のサブリミナル効果が使われています。主人公の「僕」がもう一人の理想の自分を作り上げるのも、幾度も自己の無意識を自分のサブリミナルさせることでまるで本当に自分がもう一人存在するかのように錯覚を起こしたのではないでしょうか。

ファイト・クラブの映画史に残る名言を紹介!

この章では、映画史に残る「ファイト・クラブ」の名言をご紹介します。デヴィッド・フィンチャー監督独自美学によって成り立っている世界は言葉使いも独自であり魅力的です。

違う時間に違う場所で目を覚ましたら、僕は違う人間になれるだろうか?

高級コンドミニアムを持ち物質的には一切満たされながらも、精神的には満たされていない「僕」はもう一つの人生や自分を思い浮かべていました。そうして主人公はタイラーを創造して「ファイト・クラブ」を作りテロを決行してしまうのです。もう一つの人生、リ・ライフ。誰もが考えるグロテスクな希望であり妄想です。

腫瘍が出来たらマーラと名付けよう

自分と同じ偽物の患者をしている女性マーラを見たとき、「腫瘍のように邪魔で忌々しい女性だ。」と強い嫌悪感をマーラに抱きます。それはマーラが自分と似すぎているから。いつか「僕」に腫瘍が出来るとき、マーラと名付けるのは逆説的な愛情とも言うべき感情です。逆に「僕」にとってマーラはなくてはならない存在になっているのです。

お前は物に支配されている

「僕」の前に現れたタイラーが「僕」を見つめながら言い切るセリフ。今まで高級コンドミニアムに収集した高級ブランドに家具が全て失った「僕」の心の中を見透かすような言葉です。「僕」が言ってほしかった言葉を分身のタイラーが「僕」に発するというネタをしっていると二重の意味に取ることが出来る名言です。

第1のルール、クラブの事を口外するな。第2のルール、クラブの事は口外するな。

まるで軍隊のように何度も繰り返される暴力的なルール。このルールは強調されることでまるで「ファイト・クラブ」における真理として成り立っていきます。カルトが生まれる瞬間がこの映画には存在します。タイラーは理想の自分だからこそ「僕」は何度も彼にタイラーとして言葉を繰り返させるのです。

ワークアウトは自慰行為だ。男は自己破壊を!

人に見せびらかす肉体を作ることに嫌疑的なタイラーの主張です。タイラーは男らしさとは暴力であり自己破壊だと考えているのです。その主張の一端が「ファイト・クラブ」になります。「僕」がタイラーの分身だとすると、「僕」自身がマッチョな男性に対して強いコンプレックス(劣等感)を抱いているため、タイラーに自分の感情を代弁してもらっているようです。

気が済んだか、サイコ野郎

この言葉は主人公が「ファイト・クラブ」の会員を殴り潰すシーンにタイラーがあきれたように発する言葉です。「ファイト・クラブ」は暴力を肯定するクラブであるはずなのに主人公の行動は周囲に呆れられてしまいます。ここには主人公とタイラーが同一人物という物語上の罠と共に、「ファイト・クラブ」が決して一枚岩ではないところから来ています。

苦しみと犠牲が尊いんだ。

肉体を傷つけられた「僕」にタイラーが伝える言葉。この行為はカルト的であり、「僕」は自分の分身に痛みこそが人生における最高なものだ、と暗示をかけられているのです。タイラーという理想の自分は観念でしかないので、実は痛みを感じることがありません。「僕」は思考と肉体を分裂させて、自分の本当の苦しみから逃げ続けているのです。

この男が疑問にも思わずやってきたこと。それが悪を生んできた

会社の上司を憎むため、あえて理由をこね繰り出す「僕」の言葉です。上司と喧嘩をして「負ける」ため、自分を殴りつける「僕」。暴力が先か、憎しみが先か。暴力を振るうために、相手を憎む。純粋な暴力=理由なき暴力であり、その後の感情には憎しみに限らずある種の計算高さが存在します。「負ける」ためだからこそ純粋な暴力となりうるのです。

すべてを失って真の自由を得る

タイラーは「僕」に人間の当たり前の死と、それを知ることで自由を得ることが出来ることを諭します。自由とは肉体を滅びることを知ることで、それが純粋な暴力であればあるほど、より人間らしい自由が得られるというタイラーの「マッチョ」な思想が垣間見える言葉です。「僕」は自分が実は暴力にひかれていることに気付くのです。

死ぬなんて彼女は利口だわ

マーラは死に憧れています。ガン患者の会に行くのも、どこかで彼らの死と共に生きる姿に羨望を感じているからです。しかし自分自身はまだ死ぬことになれていません。いつかマーラは生きることを選ぶことが出来るでしょうか。マーラにとって真実とは自己破壊ではなく、自分の人生を再設計することにありそうです。

これは証拠品じゃない。僕の友人で、名前のある人間だ。

タイラーの作った「ファイト・クラブ」は「スペース・モンキーズ」というテロ組織に変貌してきました。そうして悪戯を繰り返す「スペース・モンキーズ」の行為は死人まで生み出します。それは一人の男性でした。その死を直面することで「僕」の中にリアルが甦ってくるのです。それは自分の行動が何を産もうとしているのか、という疑問に繋がります。

お前が俺を創ったんだ。

タイラーを作り出したのが実は「僕」だったという衝撃の事実を前にして、タイラーが発する言葉。理想の自分と考えていたタイラー自体が、結局自分の想像の産物でしかないという現実をタイラーが発するという自己矛盾と自己破壊が完全に自己完結をしているという多重構造的な面白さと「ファイト・クラブ」の独自の美意識が成り立っている名言です。

タイラーしっかり聞け。僕は目を開いている!

タイラーが創造物でしかないという現実を前にして、尚且つ理想の自分と戦おうとする「僕」。そのタイラーと戦う覚悟、それは現実から目を逸らさず、タイラーが自分の作り出した幻であることを知るということ。そうして「ファイト・クラブ」を作り出したのは「僕」自身であるということを知ること。そうしてタイラーを殺すのには「僕」を殺さなければならないということ。その現実に「僕」は覚醒しているのです。

これからは、すべてよくなる

既にテロも防ぎようのない時、主人公はマーラに希望を伝えます。すべての悪いことは起こった。あとは良いことしか起こらない、と。これは不安や緊張を持つ必要がない悲しみを持った人間しか持ち得ない最後の感想だと考えられます。それは生きること自体が一つの希望として存在する人間の姿です。

ファイト・クラブの映画あらすじまとめ

今回は映画「ファイト・クラブ」のあらすじとネタバレを踏まえてまとめました。この映画は暴力と悲しみに満ちた映画であり、他人を貶める言葉で彩られています。だからこそ最期の言葉、「これからは、すべてよくなる」という暗示が価値を持ち始めるのです。世紀末に生まれた絶望の書、「ファイト・クラブ」は是非とも人生に一度ならず何度も見たい映画です。

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