岳(映画)のネタバレあらすじと評価・感想まとめ!キャストやロケ地は?
岳の正式タイトルは「岳 みんなの山」です。山岳救助を題材にした漫画で、2011年5月に実写映画化されています。小栗旬さんが主演の映画「岳」の評価は高く、ロケ地の山も綺麗で山に登りたいという感想が多くありました。実写映画を観て改めて山の怖さを実感したという感想もありました。映画「岳」のネタバレを含んだあらすじと評価や感想、キャストとロケ地の紹介をしていきます。
目次
映画岳の紹介
「岳 みんなの山」は石塚真一先生が作者の山岳救助を題材としている漫画です。単行本でのタイトルは「岳」です。2003年に「ビッグコミックオリジナル」で初掲載され、その後「ビッグコミックオリジナル」と「ビッグコミックオリジナル増刊」にて不定期連載を開始しました。2007年から「ビッグコミックオリジナル」で毎号連載になり、2012年に「岳」は完結しました。2011年5月に実写映画化されています。
「岳 みんなの山」は漫画大賞2008、第54回小学館漫画賞一般向け部門、第16回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞しています。単行本は全18巻発売されています。本誌に掲載される時と、単行本の時と「岳」のタイトルが違います。また英文の副題も本誌と単行本で違います。「岳」の主な舞台は北アルプスでも人気のある穂高岳、槍ヶ岳周辺と長野県松本市を中心に話が進みます。
映画岳のあらすじ紹介
映画「岳」のあらすじの紹介です。世界の名峰を制覇し、日本へ戻ってきた島崎三歩は山岳救助ボランティアとして活躍していました。彼の元に北部警察署山岳遭難救助隊の新人、椎名久美がやってきます。三歩の指導を受けて山岳救助の訓練を受ける久美ですが、実際の現場では救助者を助けられず自信をなくしてしまいます。猛吹雪の雪山で多重遭難が発生して、久美は仲間と共に現場に向かいました。
映画岳のキャラクターをネタバレありで紹介
島崎三歩の紹介
島崎三歩(しまざきさんぽ)は民間の救助ボランティア団体の山岳遭難防止対策協会に参加しているボランティアの救助隊員です。卒業を危ぶまれる程山に入り浸り、高校を卒業と同時に海外に渡り、世界の名峰を登頂しています。エベレストなど有名な山も登頂しています。岳の物語終盤で友人が率いる登頂パーティーを助ける為にエベレストへ駆けつけ、必死の救助で助けますが二重遭難して安否不明ですが、死亡した可能性が高いです。
椎名久美の紹介
椎名久美(しいなくみ)は長野県警察の山岳遭難救助隊隊員に異動してきた新米隊員です。長野県の北部警察署地域課所属の警察官でもあります。山岳救助の経験を積み重ねていく内に葛藤しながらも成長しました。新米隊員時代は山を好きになれずにいました。最終話でも隊員として活躍しており、隊員の小田から「三歩とそっくり」と言われる程になっています。結婚していて、一児の母となっています。
映画岳のネタバレあらすじ紹介①三歩との出会い
映画「岳」のネタバレありのあらすじを紹介します。北アルプスの山岳救助隊に異動になった久美は配属してすぐに遭難救助者に遭遇しました。遭難者を救助したのは山岳救助のボランティアの三歩でした。三歩は救助隊から親しみを込めて「山バカ」と呼ばれています。三歩から訓練を受けますが、彼の性格に苦手を意識を持ってしまいます。山に捨てちゃいけないものは?と三歩に聞かれましたが、久美はゴミとしか答えられません。
三歩に笑顔で雪に突き落とされた久美は答えを教えてもらえず、宿題となります。訓練を終えた二人が山荘に戻ると父親とはぐれたナオタという少年が助けを求めてきました。三歩が救助に向かいますが、発見したものの父親は息絶えてしまいました。母親が早くに亡くなり、死の直前まで握り飯しか作れない事を父親は詫びていました。山荘に無言の帰宅をした父親を前にナオタは泣き崩れました。
春になり、三歩はナオタの通っている小学校へ向かいました。校庭のアスレチックに座り、ナオタの父親は最期まで生きようとしていた事を伝えます。泣いているナオタは三歩が作った握り飯を頬張ります。三歩はいつかあの山で握り飯を一緒に食べようとナオタと約束しました。
映画岳のネタバレあらすじ紹介②初めての死に直面
山で訓練していた久美は意識のない男性を発見しました。救助隊が来るまで待機という命令を受けた久美は反発して一人で遭難者の救助をしようとしますが、背負ってしまうと前に進むことが出来ません。三歩が駆けつけると遭難者は既に死んでいて、久美は泣き崩れました。初めて遭難者の死に遭遇した久美を落ち着かせた後、遺体をフォールしました。亡くなった人に対する扱いの残酷さに久美は言葉を失いました。
フォールを終えて下山すると怒り悲しむ遺族が待っていました。三歩は言い訳をせず、遺族の前で土下座しました。その後、何事もなかったように山荘でナポリタンを食べる三歩に久美は怒りを爆発させました。三歩は久美に初めて山岳救助をした時の話をしました。しかし、納得できない久美の苛立ちは勤務態度に表れて不注意で遭難した救助者に八つ当たりし、別行動をとった久美が遭難してしまいます。
久美は三歩のおかげで助かりますが、ヘリの操縦者に「アマチュア」だと言われてしまいました。ショックを受けた久美は欠勤が続き、救助隊のチーフの野田が三歩の過去を語ります。三歩が初めて山岳救助で背負ったのは唯一無二の親友で、親友の死体を二日かけて麓に運んだのです。三歩に聞いたエピソードを思い出した久美は彼の笑顔の裏に壮絶な過去がある事を知りました。
映画岳のネタバレあらすじ紹介③捨ててはいけないものは命
職場に復帰した久美は三歩との訓練の最中に自分が山岳救助を目指した理由は父親にあると話します。久美の父親は三歩に負けないぐらいの山バカで山岳救助隊員でした。しかし、18年前救助中に死亡してしまい、父親が残したカセットテープが見つかったのは去年の事でした。山の様子だけでなく、死の直前までの音声もありました。テープが途切れた後、三歩が言葉を引き継ぎます。
山に捨ててはいけないものは命だと言い、「生きよう」と三歩に言われて久美は涙ぐみました。久美にとって二度目の冬を迎えました。ナオタの授業参観に向かっていた三歩は嫌な予感に襲われます。予感は的中し、山で三組の遭難者が発生したのです。ナオタは三歩が来ない事を残念に思いながら作文を読んでいました。山岳救助隊は二組の遭難者を救助し終えましたが、残る一組の父娘のいる地点には爆弾低気圧が近づいていました。
三歩は偶然その父娘と山荘で会話をしていて、娘の結婚前最後の登山と笑っていたのを思い出します。父娘の遭難地点に向かったのは久美で、ヘリのピックアップ地点の誘導は吹雪で困難になっており、なんとか辿り着いて娘をヘリに乗せたものの、爆弾低気圧の影響で久美達は父親を置いていかざるをえなくなっています。
映画岳のネタバレあらすじ紹介④無事に生還
父親を呼ぶ娘をみて、撤退準備を辞めた久美は地上に残された父親の元へ向かいます。しかし、久美と父親はクレバスに閉じ込められ、父親の足は雪に潰されていました。父親は生還を諦め、娘の花嫁衣装が見たかったと呟きます。久美の父親も死の直前、同じことを言っていて自分の父親と重ね合わせた久美は救助を再開して父親の足を切断、クレバスからの脱出を試みます。同じ頃に、三歩が久美達の救助に向かっていました。
三歩は雪崩にあって気絶してしまいますが、久美の赤いマフラーをみつけて立ち上がりました。三歩が見たのはクレバスの中で一郎を背負って息絶えている久美の姿でした。三歩は久美に心臓マッサージと人工呼吸を施し、「捨てちゃだめだ」と語りかけます。三歩の蘇生により、意識を取り戻した久美は三歩と共に無事に生還を果たしました。久美達の生存報告に山岳救助隊は沸きあがりました。
入院した久美の元に、心臓マッサージをしていた時にカセットレコーダーを壊してしまった三歩が謝罪に来ます。父親を助けてくれたお礼に訪れた娘に三歩は本当の恩人が久美である事を告げて「山のプロフェッショナル」だと紹介しました。しばらくして久美は職場に復帰しました。死にかけた経験もあるのに「登りたいんです何万回でも」と言う久美同僚達は「山バカ」と言いました。映画「岳」のネタバレあらすじを紹介しました。
映画岳のキャストを紹介
映画岳のキャストを紹介①島崎三歩役の小栗旬
映画「岳」で島崎三歩役を演じているキャストは小栗旬(おぐりしゅん)さんです。父は舞台監督、兄は元俳優、妻はモデルで女優の山田優さんです。SNSはなりすましアカウントが出現した為、やっていません。小栗さんは原作の「岳」のファンで、役作りの為に3ヶ月かけてトレーニングを行い、山岳スキルを磨いたというエピソードがあります。映画に入れる予定の無かった難易度の高い山岳技術を使うシーンが追加されました。
映画「岳」のキャストコメントで小栗さんは原作「岳」を全部読んでいて撮影前に出来る限りクライミングの練習をしていたと話しています。小栗さんは高所恐怖症で克服するところから始めています。山に入ってから「山が大好きな三歩」の気持ちになったのが不思議で、山を走り回りたい気分と話していました。無事に撮影が終わる終わる事を一番にして頑張りますと意気込んでいました。
映画岳のキャストを紹介②椎名久美役の長澤まさみ
映画「岳」の椎名久美役のキャストは長澤まさみ(ながさわまさみ)さんです。父は元サッカー日本代表です。目標の女優に松たか子さんをあげています。小栗さんが撮影前にトレーニングを始め、長澤まさみさんも映画「岳」の為にトレーニングを積み、髪の毛を30センチ切って撮影に臨んでいます。映画「岳」のキャストコメントで髪の毛を30センチ切る事は勇気がいったけど、切って気持ちが替わったと語っています。
山では体力の限界を感じたり、精神的にも不安定になって自分との戦いで、長澤まさみさんもいつも一生懸命な久美ちゃんに近づきたいとも話していました。映画「岳」では山で起きる事が想像している以上の出来事がたくさん描かれていて、多くの人に山を知ってもらえる映画だから自分でも楽しみとも語っています。役に入り込む為に長い髪を切る長澤まさみさんのプロ根性に感心する人が多くいました。
映画岳のキャストを紹介③野田正人役の佐々木蔵之介
映画「岳」の野田正人役のキャストは佐々木蔵之介(ささきくらのすけ)さんです。京都市の佐々木酒造の次男で、酒豪でもあり、実家の職業もあって利き酒も出来ます。映画「岳」の初日舞台挨拶で「隊長はあまり登っていない報告を受けて指示を出すからと他の共演者に比べると山に登っていない事を自嘲気味に語っています。小栗さんからはヘリコプターに乗ってすごい景色だなーと写真を撮っていたエピソードも語られています。
映画岳の評価をネタバレありで紹介
映画「岳」の評価については賛否両論です。人間ドラマとして評価している人もいれば、山を登る人からするとありえないことの連続と憤る人もいます。山の怖さを徹底的に教えてくれる映画だという感想もあります。良い評価としては映像と山が綺麗で、山に行きたくなる、生きる事の大切さ、執念を教えてくれる、小栗旬さん好きは満足できる、期待以上に楽しめた、などの評価が多数ありました。
映画「岳」の悪い評価も多くあり、岳の原作ファンだけど登場人物の微妙な心情が全く表現されていない、登山歴の長い人からすると日本に深いクラバスはない、ピッケルで足は切断できない、救助を待てなど実際に救助経験のある人からするとリアリティがないという評価です。映画という短い時間でまとめているので、長澤まさみさんキャストの久美の良さが伝わらず、見ていて苛々するという人もいました。
映画「岳」に関して評価は分かれてしまっていますが、リアリティを求めなければ楽しめるという声もあれば、映画のオリジナルストーリーがひどいので原作ファンは見ないでという酷評もあります。しかし、原作ファンの方が最初は三歩役が小栗旬さんだという事に僅かな不安を覚えたものの、映画を観終わってみると三歩役をやってくれてよかったという感想もありました。評価について分かれてしまうのは仕方がないと言えるでしょう。
映画岳のロケ地紹介
映画「岳」のロケは様々なところで行われています。岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神楽坂西穂高岳では登山者が滑落した雪山として使われ、三歩が救助に向かっていた尾根などがあります。長野県大町市大町の大町山岳博物館は長野県北部警察署として出ています。長野県松本市安曇の穂高岳は島崎三歩が登っていたジャンダルムの見える山として登場します。
長野県松本市安曇の涸沢は島崎三歩がクレバスに滑落した人の救出準備をしていた沢として登場します。山梨県甲斐市宇津谷の日本航空学園はヘリコプターが離着陸する空港として登場しました。長野県南佐久郡小海町稲子の稲子湯は谷村山荘として使われていました。横井ナオタが通っている小学校で長野県大町市大町の大町北小学校が使われました。映画「岳」のロケ地はたくさんあり、聖地巡礼する人もいました。
映画岳のあらすじネタバレと評価を紹介した
映画「岳」のあらすじネタバレとキャストの紹介、映画「岳」の評価について紹介しました。映画「岳」の評価はリアリティがない、久美がイラっとするなど、マイナスな評価もありますが、山が綺麗、命の大切さを知ったなどプラスの評価もたくさんあります。キャストの小栗さんと長澤さんは役作りの為にトレーニングをして気合十分で撮影に臨んでいました。映画「岳」で原作が気になった方は是非読んでみましょう。