映画ビジランテのあらすじ・結末をネタバレ解説！3兄弟が守ったものとは？

本記事でご紹介するビジランテとは2017年に制作された日本の映画作品です。映画ビジランテは埼玉県を舞台に3人の兄弟が父親の遺産を巡って争う姿を描いた作品であり、大森南朋や鈴木浩介、桐谷健太といった著名俳優達が主演を務めています。有名俳優が多く出演する映画ビジランテはキャストの演技力もあって見事にダークで救いのない雰囲気が表現されており、多くの映画鑑賞者から賞賛を浴びることになりました。

• 監督・脚本：入江悠
• 制作：間宮登良松・江守徹・太田和宏・平体雄二
• 制作総指揮：加藤和夫・江守徹
• 音楽：海田庄吾
• 撮影：大塚亮
• 編集：佐藤崇

大森南朋や桐谷健太などの有名俳優が出演する映画ビジランテですが、はたして映画ビジランテはいつ公開されたのでしょうか。映画ビジランテは2017年に制作され、東京テアトル配給のもと2017年の12月9日に全国で劇場公開されました。映画ビジランテは入江悠が10年ぶりにオリジナル脚本に挑んだということもあって映画自体が125分と長いものの、公開当初から一躍大ヒットを記録することになりました。

映画ビジランテは主人公の1人である借金まみれの長男一郎はある日亡き父親から莫大な予算を受けとることになります。それを知った市議会議員の次男二郎とデリヘルで雇われ店長をしている三男三郎は父親が残した莫大な遺産を手に入れるために争うことになってしまいます。本記事ではそんなあらすじの映画ビジランテの結末ネタバレや映画内に描かれた謎の意味などをまとめてご紹介していきます。

本記事で結末までのあらすじネタバレや意味のネタバレ解説などをご紹介する映画ビジランテの監督を務めたのは日本の映画監督兼脚本家である入江悠です。入江悠は1979年に映画ビジランテの舞台となった埼玉県で生まれ、2002年に制作した「OBSESSION」でゆうばり国際ファンタスティック映画祭2003のオフシアター部門に入選したことで注目を集め、本格的に映画監督として活動を開始しました。

その後入江悠は2009年にラッパーを夢見る少年を描いた映画「SRサイタマノラッパー」を制作し、富川国際ファンタスティック映画祭最優秀アジア映画賞やゆうばり国際ファンタスティック映画祭2009オフシアター・コンペティション部門グランプリを受賞するなど大ヒットを記録し、2009年には東京スポーツ映画大賞と監督賞にノミネートしました。

数々の賞を受賞した入江悠は「SRサイタマノラッパー」シリーズを中心に映画を制作し、一躍日本を代表する監督へとなりました。そんな入江悠は10年ぶりに映画ビジランテで脚本と監督両方を担当し、再度大ヒットを記録しました。この功績により入江悠は2018年に行われたゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアターの部門審査員に選ばれることになりました。

• 神藤一郎役：大森南朋
• 神藤二郎役：鈴木浩介
• 神藤三郎役：桐谷健太
• 神藤美希役：篠田麻里子
• 岸公介役：嶋田久作
• サオリ役：間宮夕貴

• 石原陸人役：吉村界人
• 大迫護役：般若
• 亜矢役：岡村いずみ
• 神藤武雄役：菅田俊

ここからは映画ビジランテの結末までのあらすじをネタバレ紹介していきます。神藤家の三兄弟である一郎・二郎・三郎の3人は母が死亡した日に父武雄を刺して川を渡って逃走を図っていました。しかし一郎が箱にナイフを隠した時、父武雄に捕まって額の左に大きな傷を負うほどの攻撃を受けます。その後3人は武雄から厳しい折檻を受けることになり、長男の一郎は次男二郎と三男三郎を残して姿を消してしまいました。

その後30年の時が経ち、父武雄の葬儀が行われることになりました。次男である二郎は土地の有力者であった父の後を継ぐかのように市議会議員となり、地元市議会の最大派閥大泉一派の一員として出世コースを歩んでいました。一方三男である三郎は二郎とはまったく別の生き方をしており、現在は地元のヤクザである石部組の一員大迫の下でデリバリーヘルスの雇われ店長となっていました。

二郎は葬儀に来ることが無かった三郎に父の遺骨を渡し、大泉が行っているアウトレットモール誘致建設計画を行うために父が持っていた土地の権利書を要求します。三郎は父が嫌いだったことで二郎の要求を承諾するのですが、突然謎の男が土地を相続する権利を主張します。そうこの男こそ姿を消した長男一郎であり、二郎は慌てて顧問弁護士の飯田に相談します。しかし残念ながら土地を相続するのは一郎でも問題ありませんでした。

一郎は実家でサオリという若い女性と暮らしていました。しかし一郎は薬物中毒であり、サオリが逃げてしまいます。そこで一郎は三郎の店にいる亜矢を実家へ呼ぶのですが、薬物中毒が原因で亜矢に暴力を振るいます。これを知った三郎は激怒するものの、薬物で幻覚を見る一郎へ手出しが出来ませんでした。結局亜矢は一郎の暴力が原因でお店を辞めることになり、お別れをするために中華料理店でご飯を食べることにしました。

一方二郎は治安維持を行っている自警団のけやき防犯会のリーダーへ就任し、町の見回りを行っていました。するとある日二郎が訪れた中国人労働者が暮らす場所で問題が発生します。この時二郎は騒音問題が起こっていることを中国人労働者に伝えるのですが、けやき組の若者石原が暴力を振るってしまいます。これが原因で大騒動が起こり、二郎はこの騒動の責任を取るために市議会議員を辞める危機に陥ってしまいます。

その頃大泉一派の1人である岸は土地の権利を公正証書で主張する一郎へ業を燃やし、裏で一郎の権利を破棄させるために動きだします。一方ヤクザの大迫はみかじめ料を納める三郎に一郎が持つ土地の権利を受け取るよう話します。大迫の命令で三郎は一郎に土地の権利を渡すよう要求するのですが、祖父が戦争後購入した土地をアウトレットモールにしたくない一郎は三郎の要求を断固拒否してしまいます。

しかし一郎は借金まみれであり、横浜の暴力団の幹部である湊に怯える日々を送っていました。その頃二郎は中国人労働者が住む場所を注意して見回りしている時、怪しい2人組の中国人を発見します。この中国人は暴力事件の復讐を企てており、パチンコで発射した石が石原に命中してしまいます。石原は石が左目に命中したことで失明してしまい、中国人労働者は更に世間から冷たい目で見られるようになってしまいました。

一方三郎は大迫の呼び出しで焼き肉店を訪れていました。そこで三郎は土地の権利を貰うことが出来なかったことでお店を辞めると話すのですが、激怒した大迫に金属の棒で右手を刺されてしまいます。そして大迫は明日の17時までに土地の権利を手に入れないとお店の女性を皆殺しにすると話し、去っていきます。大迫の言ったことは本気であり、お店で働く女性達はすでにコンテナの中に詰め込まれていました。

三郎は痛む右手を我慢しながら急いで車に乗り込みました。一方左目を失明した石原は恨みを晴らすために中国人労働者が住む場所にガソリンをまき、火を付けて燃やすことにします。その頃三郎は二郎の元へ行き、土地の権利を渡すよう一郎へ頼んで欲しいと懇願します。すると二郎の家に中国人労働者が住む場所で火災が発生したという報告が入り、妻である神藤美希は二郎へ火災の件を伝えることにしました。

二郎は三郎に実は30年前に父親を刺したのは三郎だと話し、三郎の要求を拒否しました。三郎は一郎がナイフを隠した箱を取り出すのですが、疲れから眠ってしまいます。一方二郎は美希と共に火災現場へ向かっていました。そこで二郎は石原が中国人を追いかけているのを目撃するのですが、美希は追いかけることを止めました。その後火災と暴行事件は全て解決することになり、二郎は土地の公正証書を入手するため動き出します。

二郎の妻である美希は夫がアウトレットモール建設計画から外されそうになっていることを察知し、1人で大泉がいる部屋へ行くことにします。その頃三郎は目を覚まし、目の前にサオリの姿を目撃します。なんと目が覚めた時間は約束の17時間近となっており、慌てて三郎は一郎の説得にあたります。するとその場に部下を連れた大迫が現れ、一郎を恫喝するのですが、一郎は一切土地の権利を渡そうとはしませんでした。

さらに一郎がいる場所へ横浜ヤクザである湊が現れ、一触即発の空気となります。そこで大迫は湊と話をし土地の権利を貰うことにします。しかしお互いが書類を集める中で怒号が飛び交うことになり、一郎はその隙を突いて三郎が入手したナイフで大迫の首を刺すことにします。この傷が原因で大迫は死亡してしまい、大迫の組と湊の組が銃を使う乱闘へ発展してしまいます。そしてこの騒ぎで大迫の部下は全滅してしまいます。

一郎も銃弾を受け、サオリが泣き叫びました。横浜のヤクザである湊は死体を処理することにし、三郎は一郎に抱き着くサオリをどけてお店の女性達が捕らえられているコンテナへ向かうことにします。そして三郎は無事女性達を救出するのですが、サオリが姿を消してしまいます。一方二郎はアウトレットモール建設計画のメンバーを発表する会場へ訪れており、そこで二郎がメンバーに選出されることになりました。

二郎はそこで就任の挨拶をしようとするのですが、突然岸から血だらけの公正証書の写真を見せられます。そうこれは土地の権利問題が解決したということであり、二郎は涙を流しながらアウトレットモール建設計画を精一杯行うと決意します。一方女性達を助けた三郎は車に乗りながら空き地へ向かい、ガソリンスタンドに1人歩いて向かうことにします。その場所には一郎を射殺した湊が乗る車が止まっていました。

そして三郎は錆びたナイフで湊達が乗る車に襲い掛かります。その後ガソリンスタンドに銃声が鳴り響き、湊達の車が去っていきます。お店の女性達は三郎の帰りを待つ中、三郎はお腹を撃たれたことで倒れてしまいます。実は車に乗る女性達は三郎が救出に来るか賭けをしていました。そして三郎は這いつくばって女性達が乗る車へ向かい、映画ビジランテの物語は結末を迎えるのでした。

ここからは映画ビジランテの謎や伝えたい意味などをネタバレ紹介していきます。映画ビジランテのタイトルとなったビジランテという単語は自警団といった意味を持つ言葉となっています。自警団という存在はいわば警察に変わって自分達が罪人を罰する集団になります。本作ではこの自警団が多数登場しており、タイトルの意味と同じく警察の代わりに主人公達が罪人達を罰しようとしています。

映画ビジランテの主人公達は闇の世界へと足を踏み込むのですが、結果的に家族を守ろうとしていることが結末まで見ると分かります。一郎は薬物中毒にありながら先祖の土地を守ろうとし、二郎は子供と妻を守ろうとします。そして三郎は家族同然でもあるお店の女性達を守ろうとしています。またこの3人の兄弟はそれぞれの兄弟達を守ろうとしており、この守るという言葉こそ映画ビジランテの重要なキーワードとなっています。

主人公である3人の兄弟達は暴力的な父親を深く憎んでいます。しかし一郎は暴力的な性格、二郎は目的のためなら何でもする政治家的な性格、三郎は裏社会と関わる父親の性格を持っています。そう3人の兄弟は父親のことを恨みながらも憎き父親が流す血を背負って生きるしかないのです。この兄弟達が思う父親の存在と血の意味を考えると、映画ビジランテは暴力的な父親無くしては物語が描かれることが無かったでしょう。

映画ビジランテの作中では自警団と中国人労働者の激しい対立などの暴力描写が度々描かれていました。映画ビジランテに描かれた暴力は「目には目を葉には歯を」といった考え方が浸透しており、争いが絶えない負の連鎖が表現されています。実際現在までの歴史を見るとやり返しの連続で争いは絶えません。もしかすると映画ビジランテは埼玉という小さな土地で大昔から世界中で起こっている争いの醜さを表現したのではないでしょうか。

2017年の12月9に公開された映画ビジランテは2018年の5月9日にDVDが発売されました。この映画ビジランテのDVDには撮影のメイキング映像や感性披露上映会の舞台挨拶映像、予告動画などの映像特典が豊富についています。もし映画ビジランテを観ようとお考えの方は是非一度DVDの特典もチェックしてみてください。

2018年の5月にDVDが発売された映画ビジランテですが、2019年9月現在動画配信サイトで配信はされているのでしょうか。映画ビジランテはU-NEXTやdTV、amazonプライムといった動画サイトで配信されています。また他にも映画ビジランテはツタヤTVやビデオパス、music.jpなどの動画サイトでも配信されています。もしDVDをご購入するのが面倒な方は動画配信サイトで映画ビジランテをご覧ください。

映画ビジランテに関する感想では物語が辛いといった感想が多く寄せられていました。上述の意味解説でご紹介した通り映画ビジランテの主人公達はそれぞれ守るものを持っています。しかしそれぞれの思いは交差し、ハッピーエンドとはいきません。この幸せにならない結末を見た映画鑑賞者の多くは心を痛めることになりました。

映画ビジランテに関する感想では主演を務めた大森南朋と鈴木浩介、桐谷健太の演技が凄いといった感想も多く寄せられていました。映画ビジランテの主演を務めたキャスト陣はどれも演技派俳優ばかりであり、暗くて辛いダークな映画ビジランテの雰囲気を見事に表現されています。

映画ビジランテに関する感想では篠田麻里子の演技が凄いといった感想も非常に多く見受けられました。篠田麻里子は二郎の妻である美希役として映画ビジランテに出演しています。篠田麻里子は本作で難しい役どころを見事に務めあげ、その演技力の高さに一躍注目を集めることになりました。

本記事では映画ビジランテについて結末までのあらすじや意味、感想などをまとめてネタバレ紹介させて頂きました。映画ビジランテはダークな雰囲気の作品となっているのですが、出演している俳優・女優の演技が凄まじく、入江悠の代表作として2019年9月現在も人気を博しています。本記事をご覧になって映画ビジランテにご興味頂けた方は是非一度映画ビジランテをご覧ください。