アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場のあらすじ感想ネタバレ!新しい戦争映画?

「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」のあらすじや感想そしてネタバレについてまとめる。この映画は新しい形の戦争映画として話題の作品だ。ドローンに搭載された「アイ・イン・ザ・スカイ」といわれる空からのドローンの目がどのようなあらすじでこの映画に登場したのかをネタバレしながら、映画の評価を見た人や「アイ・イン・ザ・スカイ」と呼ばれた2種類のドローンがどんな働きをしたのかを交えてまとめる。

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場のあらすじ感想ネタバレ!新しい戦争映画?のイメージ

目次

  1. アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場とは?
  2. アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場のあらすじネタバレ
  3. アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場の結末ネタバレ
  4. アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場のキャスト
  5. アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場に関する感想や評価
  6. アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場の映画まとめ

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場とは?

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場の概要

「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」の映画ではドローンを使用することによる現場にはAI搭載のドローンが飛ぶだけの戦争の世界がえがかれる。人間は会議室にいてそこが戦場になっていることから、「世界一安全な戦場」といわれている。この作品は2015年にイギリスで製作された。イギリスでの原題は「Eye in the Sky(アイ・イン・ザ・スカイ)」。
 

この作品はハリーポッターのスネイプ先生として多くの人が知っているアラン・リックマンの遺作映画になった事で「アラン・リックマンにもう会えなくなる事が悲しい」という感想も多くみられた。

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場の予告編動画

「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」の予告ではAI・ミサイル搭載のドローンを使う事でナイロビに潜伏するテロリストとの戦いを安全な場所から行うという作戦が実行されようとしていた。だれも戦場に行かないこの作戦は、誰も戦場で血を流すことなく行われる。「誰も現場にいない」。

それこそが、この映画の大問題を引き起こしたことを「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」の映画予告では読み取れる。作品のテーマである平和な場所を戦場とすることだからこそ起こってしまった問題をどう解決していくか。戦争ドラマとしての映像も迫力があるが、この作品の心理戦の部分も見どころがある映画という事が伝わってくる。

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場の受賞歴

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」の制作国がイギリスであるためイギリスのアカデミー賞とも言われる英国映画賞(British Academy Film Awards)の脚本賞を受賞している。この映画賞は英国の映画産業従事者たちの団体であるBAFTA(British Academy of Film and Television Arts)により授与されている。

「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」の評価されている点は戦争映画であるが会議室の中の心理戦を描いた脚本が素晴らしいと言われている。ネタバレになるが逃げに転じるものの苦しい言い訳、戦争を決定する最前線が一つの命を奪ってしまった時に文句を言うだけの政治家たちの責任転嫁する姿勢など、上に行けばいくほどの無責任なさまを「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」はえがいている。

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場は新しい戦争映画?

「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」ドローン、AIといった機械をコントロールすることで兵士が現地で血を流さなくても済むという点では新しい映画作品である。けれど広島・長崎の原爆がそうだったように民間人を巻き込んでしまう作戦であるという事は未だに戦争映画の悲惨さをはらんでいる。誰かの命を奪う武力行使がある限りどんな戦争映画も新しくはないという感想もあった。

かつてエミー賞を受賞した女優サリー・フィールドが「子供を持つ母親が政治を支配していたら、こんな忌々しい戦争は起きない」とスピーチしたことがある。命を自分の体の中ではぐくみ、そして外に出てからも慈しみ育てる命の大事さを描く映画の方が新しいのではないかという感想もあった。日本でも与謝野晶子が出征する弟に対して思う気持ちを読んだ歌集もある。

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場のあらすじネタバレ

あらすじネタバレ①作戦当日

「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」は会議室が中心の映画であるが舞台はテロリストのいるケニア、それを狙うドローン操縦士のいるアメリカ、そして会議が行われているイギリスが舞台となっている。映画ではこの3つの現場を映し出している。作戦の当日テロリストの武器庫を突き止めたキャサリン・パウエル大佐は上司のフランク・ベンソン中将と相談しながら作戦を練っていく。

武器庫の中ではテロリストたちが自爆テロの準備を始めていてテロリストが行動を実施してしまった場合民間人(およそ80人)の命に危険が及ぶ。

あらすじネタバレ②ドローン

「アイ・イン・ザ・スカイ」のタイトルは空からドローンが目となって見る風景のこと。安全な場所から攻撃するためにAI搭載のこの「アイ・イン・ザ・スカイ」と呼ばれる空からの目が必要になっている。この映画の中にはもう一つの「アイ・イン・ザ・スカイ」にはドローンの他に小さなところにも入っていける虫のような形の偵察機もある。

このドローンのシステムはアメリカ合衆国ネバダ州の軍事基地のドローンオペレータースティーヴ・ワッツ中尉がパイロットとして捜査している。昆虫型の小型ドローンがテロリストの武器庫に潜入して彼らの様子を映し出し情報を送ると最重要指名手配犯のダンフォードが大量の武器庫で自爆テロ準備を始めている。その画像を見たパウエル大佐は「すぐに攻撃すべきだ」と上司のベンソン中将につたえる。

ベンソン中将は現状を伝えるが、政務次官や法務長官は「捕らえて裁判にかけるべき」という。「ダンフォードが今いる場所は武力勢力が支配している地域なので確保するのは無理だ」と、アメリカのドローン担当のワッツ中尉は現状を伝える。この報告からパウエル大佐は「すぐにでも攻撃すべき」と強く主張するがなかなか攻撃の許可が下りない。

パウエル大佐は「ミサイルを撃ち込む準備を始めるように」とワッツ中尉に伝える。ワッツ中尉もそばにいるキャリー上等航空兵も監視活動はこれまでも行ってきたが、ミサイルを撃ち込むという行為はまだ行ったことがなく動揺を隠せない状況にある。しかし許可が下りた時には発射できるように準備を始めた。

そして目標とする隠れ家の付近をドローンでチェックしていると、隠れ家の近くでパンを売る準備をしている少女アリア(アイシャ・タコウ)の存在に気が付く。

あらすじネタバレ③議論

ドローンの操作をするワッツ中尉はすぐに内閣府ブリーフィングルームで待機するパウエル大佐をはじめとする軍人や政治家に情報を報告する。軍人たちは任務の遂行を優先させたいと主張する。しかし政治方たちはたった一人の少女を犠牲にしたことが公になれば自分たちの評価が下がることを気にしている。少女の命を本気で助けたいと言うよりも意地と保身が会議室に蔓延する。

「少女の命を助けるべき」「他の民間人の命を救うために少女の犠牲は仕方ない」の二つで議論が平行線になる。イギリスの外相は判断については英国の首相にゆだねたいという。そのうちに昆虫型のドローンのバッテリーが切れ、焦ったパウエル大佐は周りへの被害が及ぶのが50%以下の確立にするから攻撃を許可してほしいと許可を待った。

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場の結末ネタバレ

結末ネタバレ①攻撃の命令

ベンソン中将は戸惑う政治家たちに「政府に軍事的な決定は任せられない」と強く攻撃の要請をすると「付随する損害が50%以下であるのならば」と迷いの中で許可をした。不随する損害はどう頑張っても65%までしか数字を出せなかったパウエル大佐だったが、「推測であるが45%になった」と報告し攻撃の命令をする。現地では現地工作員が少女からパンを買い取って少女がその場を去ることを願っていた。

少女がどかないままワッツ中尉達は目に涙を貯めながらミサイル発射のボタンを押した。着弾するまでの50秒。最後のパンが売れ少女はその場を片付け始めていた。けれどアリアが片付けてその場を去るまでに50秒は短すぎた。ミサイルは隠れ家に命中し少女アリアは吹き飛ばされてしまう。少女の父親が駆け寄るとまだ息のあるアリア。父親は現地の軍の車にアリアを載せてもらい病院に向かう。

結末ネタバレ②人形

最初のミサイルではダンフォードはまだ生きていた。ワッツ中尉は2発目のミサイルを撃ち込みダンフォードの息の根を止めた。アリアは病院についたが間に合わなかった。80名の命は守ったが何も知らず家族のためにパンを売っていた少女が犠牲になった。「任務完了」目的自体は果たしたパウエル大佐はそう言葉を発するが会議室は沈痛な空気が流れた。

「報告書には付随する損害の確率は45%と書くように」パウエル大佐は部下に伝え自宅に戻る。作戦成功の裏の犠牲者に誰よりも傷ついたのはパウエル大佐の様だった。パウエル大佐の上司であるベンソン中将は政治家たちから「恥ずべき作戦だった。君たちは安全な場所から命令していたのに」と責める。これまで5つの自爆テロの現場をみてきたベンソン中将は静かに反論した。

「自爆テロの現場での遺体はバラバラになってしまった現状を見てきた人間に戦争の代償を知らないなどと言ってほしくない」と現場にも赴いたことのない政治家に言ってその場を去る。そしてベンソン中将は自分の娘のために購入した人形の手足が動かない人形だったことを部下に話していた。気を利かせた部下は手足の動く人形を買っておいてくれた。

ミサイルを撃ち込んだワッツ中尉たちもまた沈痛な気持ちのままでいた。彼らの上官は1,2時間ゆっくり休むようにワッツ中尉たちに言うのだが、彼らにはまだ同じような任務があるのだ…。エンドロールは楽しそうに父親の作ったフラフープで遊ぶアリアの姿でこの映画は終わる。

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場のキャスト

キャサリン・パウエル大佐役/ヘレン・ミレン

英国の常設総合司令部司令官として指示を出すキャサリン・パウエル大佐を演じたのは、1945年生まれの女優ヘレン・ミレン。ヘレン・ミレンは英国のテレビ・舞台・映画と幅広く活躍する女優で1963年にナショナル・ユース・シアターからデビューした。その後1967年にロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに入団し研鑚を重ねて高い評価を得る女優となった。

日本でも話題になった2007年の「クイーン」ではエリザベス女王を演じアメリカのアカデミー賞にも選ばれるなど高い評価を得た。ヘレン・ミレンは2009年の「ザ・ラスト・ステーション」でもアカデミー賞の主演女優賞にもノミネートされた世界的に評価の高い女優である。

スティーヴ・ワッツ中尉役/アーロン・ポール

ドローンの目となり的確な遠隔操作を行くアメリカ軍の操縦士スティーヴ・ワッツ中尉を演じたのはアーロン・ポールである。アーロン・ポールは1979年アメリカアイダホ州生まれの俳優。高校時代に俳優になる事を夢見てLAを拠点として活動を始めた。LAの映画館の係員からはじめて1998年に俳優としてデビューした。1999年のビバリーヒルズ青春白書」のテレビシリーズにも出演し日本でもおなじみの俳優である。

「ブレイキング・バッド」ではテレビ界のアカデミー賞といわれるエミー賞を受賞する。映画の方では2014年、映画「ニード・フォー・スピード」で主演を果たしている。この作品以降も対策と呼ばれる作品に助演としても評価の高い演技をしている。

フランク・ベンソン中将役/アラン・リックマン

キャサリン・パウエル大佐の上司でありイギリス国防副参謀長のフランク・ベンソン中将を演じたのはアラン・リックマンである。アラン・リックマンは日本ではハリーポッターのスネイプ先生として子供から大人までが知る俳優である。1946年イギリス・ロンドンに生まれ大学卒業後は一般企業で働いていたが俳優への夢を叶えるため王立演劇アカデミーのスカラシップ(奨学金による特待生)を獲得し3年間在籍した。

その後「ダイ・ハード」ではテロの首謀者役、「ロビンフッド」でも観客が悪役に感情移入してしまうような魅力的な悪役を演じたことでも有名な俳優である。その他「ラスプーチン」など悪役が続くがコミカルな演技も評価されている。声優としての遺作になった「アリスインワンダーランド」では笑顔で青虫の役を演じていた。本人が画面にも出演する映画としては「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」が遺作である。

ジャマ・ファラ役/バーカッド・アブディ

ケニアの首都ナイロビに住む現地工作員のジャマ・ファラ。テロリストたちの近くでパンを売り続ける少女を何とかテロリストの攻撃目標の小屋から移動させる工作員を演じたのはバーカッド・アブディである。バーカッド・アブディは1985年ソマリアに生まれ、家族は内紛を避けるようにイエメンに移りさらに彼が14歳の時にアメリカに一家で移住した。

ミネソタの大学を卒業し、2013年トムハンクス主演の「キャプテン・フィリップス」ではソマリアの海賊を演技未経験ながら演じ話題になった。その後も音楽活動を続けながら、ソマリア系アメリカ人が受ける苦悩を映画「Ciyaalka Xaafada」の製作に監督として着手している。

ブライアン・ウッデール閣外大臣役/ジェレミー・ノーサム

戦地でパンを売る少女の情報を知りブライアン・ウッデール閣外大臣たち政治家は少女の人命第一とパウエル大佐たちの強行しようとする軍人に対立する。ブライアン・ウッデール閣外大臣を演じるのは、ジェレミー・ノーサム1961年イギリス生まれの俳優である。テレビドラマ・映画などを脇で支える演技をしている。

「ジャーニーズ・エンド」でデビューし、「エマ」「ミミック」「理想の結婚」「エニグマ」など多くの作品に出演している。

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場に関する感想や評価

戦争をすることこそが地球温暖化を最も進めると戦争反対を口にする感想もある。しかしここでは現実に目の前のテロの被害を最小限にして防ぎたいという人々への行動に対する評価である。「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」が英国映画祭で脚本賞を受賞したのは会議室の中の心理描写が評価されたからである。

「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」のあらすじを多少ネタバレしているが、この映画を正しく評価するためにはこのツイートのような心構えをもって見ると自分なりの評価や感想が持てる。

感想や評価の多くに「巻き込まれ血を流し死んで行くのはいつも民間人の罪のない人」とあった。そして戦場に行くのは権力の無い兵士、安心な場所にいる政治家は決断を下すだけ。その命には責任を持たない。

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場の映画まとめ

「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」は安全な場所から兵士の命を危険にさらす事もなく攻撃をする側にとっては安全だが、戦場では相変わらず命は消えていく。「アイ・イン・ザ・スカイ」という注目されているドローンも話題が集まったが、虫型のドローンへの感想も多くあった。会議室の中ではプライドや保身や誰かの命を守るという事よりもまず自分が一番大事というのがさらけ出された。

「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」を見た後の感想には面白かったというものと同じくらい後味が悪いという感想もあった。その感想を導き出すほどに人間の本質に近付いた作品でもあるという感想も多い。評価は高い映画であるが、視聴後の感想はそれぞれの「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」気になる人はチェックしてみては?

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