30年後の同窓会のあらすじをネタバレ解説!映画の感想や評価まとめ

映画「30年後の同窓会」は、2017年にアメリカで公開されたロードムービーです。ベトナム戦争を共にした3人の男性たちがあることをきっかけに30年後に再び集い、過去を共に振り返りながら再び時間を重ねていく映画です。再会後の会話では軽快なジョークが飛び交い楽しそうな雰囲気を醸し出している3人の男性たちですが、その言葉の裏には戦争で受けた悲哀や悔恨が見て取れ、俳優陣の演技が素晴らしいという評価を受けた映画です。今回は「30年後の同窓会」のあらすじネタバレや、映画を見た人の感想を紹介します。

30年後の同窓会のあらすじをネタバレ解説!映画の感想や評価まとめのイメージ

目次

  1. 30年後の同窓会とは?
  2. 30年後の同窓会のあらすじネタバレ
  3. 30年後の同窓会の魅力
  4. 30年後の同窓会の主題歌・音楽
  5. 30年後の同窓会を見た人の感想や評価
  6. 30年後の同窓会の映画ネタバレまとめ

30年後の同窓会とは?

30年後の同窓会の作品情報

「30年後の同窓会」は2017年に公開されたアメリカ映画です。妻と息子を亡くしたラリー・シェパード(ドク)は、30年前にベトナム戦争で共に戦った友人のサル・ニーロンとローランド・ミューラーを訪ねます。実はドクの息子はイラク戦争で数日前に戦死しており、ドクは2人の旧友に「息子の遺体を引き取りに行くので同行してほしい」と願い出るところから物語が始まります。詳しい内容はあらすじネタバレで紹介していきます。

30年後の同窓会の概要

「30年後の同窓会」は2017年にアメリカで公開され、その後日本でも2018年に公開されました。「スクール・オブ・ロック」の映画で知られるリチャード・リンクレイターさんが監督を努め、主演はコメディアンとしても知られるスティーブ・カレルさんです。「30年後の同窓会」の主題歌はボブディランさんの「Not Dark Yet」で、原作はダリル・ポニクサンさんの小説「Last Flag Flying」を元にしています。

「30年後の同窓会」の原作となっているダリル・ポニクサンさんが2005年に発表した「Last Flag Flying」は、1970年に発表された「The Last Detail」という小説の続編作品です。しかし「30年後の同窓会」は「The Last Detail」を原作として製作された1973年公開の映画「さらば冬のかもめ」のキャラクターを一新しており、映画同士は正式な続編ではなく「精神的なつながりをもつ作品」という位置づけがなされています。

30年後の同窓会の監督・脚本

「30年後の同窓会」の監督と脚本を努めたのはリチャード・リンクレイターさんです。映画だけに留まらず舞台化やテレビ放送もされた「スクール・オブ・ロック」で監督を努め、「エブリディ・ウォンツ・サム!」や「6才の僕が、大人になるまで。」など、長い人生の中のかけがえのない一瞬を切り取った作品へ評価が高い監督です。「6才の僕が、大人になるまで。」ではベルリン国際映画祭の監督賞など様々な賞を受賞しています。

30年後の同窓会のキャスト

「30年後の同窓会」のキャストを紹介します。「30年後の同窓会」では、主演を努めたスティーブ・カレルを始め、旧友役のブライアン・クランストンやローレンス・フィッシュバーンの演技が映画全体の高評価に繋がったと言われています。30年ぶりに集まっても昔と変わらない軽快なやり取りを交わす3人ですが、時折ちらりと顔を覗かせる、悔恨のようなものをどことなく感じさせる演技が素晴らしいという感想が多かったようです。

ラリー・シェパード/スティーヴ・カレル

「30年後の同窓会」の主人公ラリー・シェパード(ドク)を演じたのは、コメディアンとしての評価も高いスティーブ・カレルさんです。1999年にコメディ・ニュース番組「ザ・デイリー・ショー」で知名度を上げたスティーブ・カレルさんは、2003年の「ブルース・オールマイティ」や2004年の「俺たちニュースキャスター」など、ニュース番組を題材とした映画に出演し、2005年には「40歳の童貞男」で主演を果たしました。

サル・ネルソン/ブライアン・クランストン

ドクの旧友でアルコールに入り浸りな毎日を送る酒場の店主サル・ネルソンを演じたのは、ブライアン・クランストンさんです。1982年にドラマ「白バイ野郎ジョン&パンチ」でデビューしたブライアン・クランストンさんは、テレビドラマシリーズへのゲスト出演を重ね、2008年から2013年まで放映された「ブレイキング・バッド」の主役ウォルター・ホワイト役の演技が高評価を受けエミー賞などの数多くの賞を受賞しています。

リチャード・ミューラー/ローレンス・フィッシュバーン

ドクの旧友で現在は牧師として暮らすリチャード・ミューラーを演じたのは、ローレンス・フィッシュバーンさんです。映画「マトリックス」のモーフィアス役で知られるローレンス・フィッシュバーンさんは、アメリカの人気テレビドラマシリーズ「CSI:科学捜査班」で2009年の第9シーズンから2011年の第11シーズンまで主役を務め知名度を上げました。また、日本アニメの愛好家であることでも知られています。

映画『30年後の同窓会』公式サイト

30年後の同窓会のあらすじネタバレ

30年後の同窓会のあらすじ

ここからは「30年後の同窓会」のあらすじをネタバレ有りで紹介します。あらすじを知りたくない方はご注意下さい。主人公のドクは、30年前にベトナム戦争に参加していた頃の友人・サルを訪ねます。サルは当時は海兵隊員で、現在は酒場を経営しています。ドクは当時は衛生兵で、現在は海軍刑務所の売店で働いています。2人は30年ぶりの再会を喜び合い、翌日、同じくベトナム戦争で共に過ごしていた友人・ミューラーを訪ねます。

ミューラーは当時「殴り屋のミューラー」と呼ばれる程の乱暴者で、ベトナム戦争では片足を負傷し、現在は教会で牧師をしています。当時を知るドクとサルを早く追い返したいミューラーでしたが、ドクの「軍に所属しイラク戦争で死んだ息子の遺体を引き取りに行くので同行してほしい」という願いを渋々受け入れます。当初はワシントンD.C.に向かう予定でしたが、デラウェア州の軍施設で遺体と面会をしてから引き取ることになります。

軍施設に着いた3人は、ドクの息子・ラリージュニアの上官だった中佐に会います。中佐はドクにラリージュニアは優秀な部下で、最後まで戦った英雄だったと話します。遺体と面会しドクが肩を落とす様子を離れて見守っていたサルとミューラーは、ラリージュニアの親友で同僚のワシントンから衝撃的な事実を聞き出します。実はラリージュニアは戦闘で死亡したのではなく、仲間たちの買い出しに行く途中で現地男性に射殺されたのです。

元々、ラリージュニアの遺体を妻の隣に埋葬してやりたいと考えていたドクは、軍の英雄たちが埋葬されている墓地をすすめる中佐の申し出を断ります。ワシントンからラリージュニアの死の真相を聞いてしまったサルとミューラーも、ドクに同意します。しかし当日は棺を乗せる車を手配することができず、翌朝に棺を引き取るために3人はワシントンD.C.のホテルに宿泊します。その夜、3人はベトナム戦争での出来事を語り合います。

ベトナム戦争中、精神を保つため、衛生兵であるドクが持っていたモルヒネを3人で使用し毎日をやり過ごしていました。しかし3人がモルヒネを使い切ってしまったせいで、仲間の兵士・ハイタワーが瀕死の重傷を負った際に鎮痛を行うことができず、ハイタワーはもがき苦しみながら死んでいきました。ドクはその責任を取り2年間服役、サルは怪我で退役後に酒浸りになり、ミューラーは拭いきれない後悔が理由で牧師になったのでした。

翌朝、軍施設にラリージュニアの棺を引き取りに行き、ワシントンが立会人として3人に同行することになります。旅を共にしワシントンとも打ち解けた3人は、昔のようにはしゃぎ倒します。そんな中フセイン大統領が逮捕されたニュースがテレビで流れていました。ドクは「彼も息子を亡くしたんだよな」とニュースを見て小さく呟くのでした。そして3人は、ドクの自宅のあるポーツマスに向かう途中、ある場所に寄ることに決めます。

それは3人がモルヒネを使ったせいで苦しみながら死んでいった、ハイタワーの実家でした。ハイタワーの母親に真実を告げ謝った3人でしたが、ハイタワーの母親の「何のための戦争だったの?」という悲しい問いかけに何も答えることができなかったのでした。「30年後の同窓会」のあらすじネタバレを紹介しました。30年ぶりに再会した3人の旅は、佳境を迎えます。どんな結末へ向かっていくのか、次で最後まで紹介していきます。

30年後の同窓会のネタバレ・結末

「30年後の同窓会」の結末ネタバレを紹介します。結末ネタバレを知りたくない方はご注意下さい。ラリージュニアの棺をドクの自宅まで連れてきた3人は、翌日に控えたラリージュニアの葬儀の準備をします。当初は学生服で埋葬すると話していたドクでしたが、死因は何であれ軍に属している身で亡くなったのだから、やはり軍服を着せて埋葬してやろうという話になります。そして葬儀の当日、サルとミューラーも軍服に身を包みます。

軍隊様式の葬儀を執り行い、棺の上には畳んだ星条旗が置かれ、全員で敬礼をし棺を見送ります。ドクの希望通りラリージュニアは妻の墓に並んで埋葬されました。葬儀後、ドクはワシントンから息子の遺書を受け取ります。ドクはサルとミューラーと共に遺書を読みました。そこには「父さん、母さん、愛しているよ。この国と軍隊に入ったことを誇りに思っている。僕が死んだら軍服で埋葬してほしい」と書かれていたのでした。

「30年後の同窓会」のあらすじと結末ネタバレを紹介しました。ベトナム戦争やイラク戦争など、争いを繰り返すアメリカへの皮肉も会話の中に多分に含まれており、そこが面白いという評価を集め話題になった映画でもあります。次では「30年後の同窓会」の魅力についてネタバレ解説していきます。

30年後の同窓会の魅力

笑いの中にある人生の背景

「30年後の同窓会」はあらすじでは書ききれない程の3人の軽口やギャグといった会話を中心にストーリーが進んでいきます。しかし笑顔で交わす3人の会話には、自虐やそれぞれの歩んできた人生が見え隠れします。「30年後の同窓会」には過去の回想は登場しませんが、ベトナム戦争当時の状況やその後離れ離れになった3人が生きてきた30年間が背景にあることが見て取れると言われています。

”時間”の台詞

リチャード・リンクレイター監督は「スクール・オブ・ロック」や「エブリバディ・ウォンツ・サム」、「ビフォア・サンライズ」「ビフォア・サンセット」「ビフォア・ミッドナイト」の『ビフォアシリーズ』などの映画の中で、人生の中での一瞬を切り取った儚い美しさや時間の不可逆性を何度も描写しています。「30年後の同窓会」の中でも同様に、残酷でありながらも淡々と流れていく時間に対する台詞がいくつも登場します。

作中で特に魅力的だという感想が挙がっていたのは「”かつて”か。深い言葉だな」「俺たちも今や愚かな中年だな」という台詞で、時間の流れの残酷さが表現されています。また「各世代それぞれに戦争がある」といった、常に”戦争”の文字がついて回るアメリカに対する皮肉とも取れる台詞も登場します。

「さらば冬のかもめ」の原作者

「30年後の同窓会」の原作小説は「Last Flag Flying」で、著者はダリル・ポニクサンさんです。ダリル・ポニクサンさんは「Last Flag Flying」の前日譚である「The Last Detail」の原作者でもあり、「The Last Detail」は「さらば冬のかもめ」という題名で1973年に実写映画化されています。「30年後の同窓会」ではベトナム戦争中に収容されていたドクが旧友と再会する話でしたが「さらば冬のかもめ」はその逆となっています。

「さらば冬のかもめ」では海軍刑務所に収容される予定の若い兵士と、彼を護送する2人の海軍下士官の物語です。小さな罪で収容されることになった兵士を可哀想に思った下士官たちは、道中で酒や女性と遊ぶことを教えてやり、刑務所に送り届けたあと再会することを誓ってバラバラになっていくというストーリーです。「30年後の同窓会」は「さらば冬のかもめ」の対となる作品で、精神的続編であるという位置づけの映画です。

30年後の同窓会の主題歌・音楽

主題歌を担当したのはボブディラン

「30年後の同窓会」の主題歌はボブ・ディランさんの「Not Dark Yet」です。1997年9月に発売されたアルバム「Time Out Of Mind」に収録されている曲で、1998年にシングルカットされました。1997年5月に心臓病で倒れたボブ・ディランさんが新曲を書くのは難しいだろうと思っていたファンたちは、7年ぶりのオリジナル・アルバムが発売されることに大いに喜び、1998年グラミー賞では最優秀アルバム賞を受賞しています。

「Not Dark Yet」では『今はまだ暗くないが徐々に自分の心は段々と冷たくなっている気がする。自分の荷物は重すぎて限界を超えてしまうこともある』という内容の歌詞が登場します。「30年後の同窓会」のドク、サル、ミューラーたちもベトナム戦争での悔恨を抱えていました。しかし3人は主題歌とは対象的に、30年ぶりに再会したことによってまた前を向いたように見え、歌詞の内容との対比も面白いという評価があるようです。

30年後の同窓会の主な使用音楽

「30年後の同窓会」の音楽は、グレアム・レイノルズさんが担当しています。2003年にグレアム・レイノルズさんと出会ったリチャード・リンクレイター監督が、2006年公開のSFアニメーション映画「スキャナー・ダークリー」の音楽を依頼したことが2人が一緒に仕事をするきっかけでした。その後もリチャード・リンクレイター監督はグレアム・レイノルズさんと共に何度か仕事を共にしています。

グレアム・レイノルズさんはSFアニメーションの「スキャナー・ダークリー」から一転、2013年の恋愛映画「ビフォア・ミッドナイト」ではロマンチックな内容に合わせた繊細な音楽を担当し、「30年後の同窓会」では50歳を超えた男たちの悲哀も見せる旅を彩る音楽を制作し、映画を盛り上げています。

30年後の同窓会を見た人の感想や評価

感想①哀愁が溢れている

「30年後の同窓会」のあらすじと結末や、映画の魅力を紹介しました。ここからは「30年後の同窓会」を見た人の感想を紹介します。まずひとつ目は、哀愁が溢れているという評価です。主人公のドクを始めサルもミューラーも、30年ぶりに会ったにも関わらず昔と変わらない関係性で楽しそうに笑い合っています。しかし会話の中や雰囲気には流れた30年分の時間がうまく表現されており、哀愁が漂っていると評価を集めたようです。

感想②まるでドキュメンタリー

「30年後の同窓会」の中では、3人の友情の他にもアメリカと戦争についての関係や闇の部分も織り込まれています。ドクの息子は戦死したのではなく仲間の買い出しに使われた時に死んだことがわかり、3人が共に戦っていたベトナム戦争時の状況も徐々に明かされていきます。アメリカと戦争の暗部について淡々と描かれるストーリーが、まるでドキュメンタリーのようだと感じた方もいたようです。

感想③アメリカを問う映画

「30年後の同窓会」では、イラク戦争で死んだドクの息子の遺体を、ベトナム戦争に参加していたドク、サル、ミューラーが引取りに行く旅を描いた作品です。戦争をずっと行ってきたアメリカでは、時に人と時間をつなぐのが戦争になってしまうという面を、ギャグと笑いに落とし込んだ素晴らしいエンタメだという感想もあったようです。

30年後の同窓会の映画ネタバレまとめ

「30年後の同窓会」のあらすじから結末までのネタバレや映画を見た人の感想・評価を紹介しました。失意の底にいたドク、サル、ミューラーが旅を通して昔のように笑い合い、前向きな気持で再び前を向いて歩いていく様子が描かれていたことがおわかり頂けたでしょうか。年齢を重ねてから鑑賞するとまた違った感想を得られるという評価が話題になった映画「30年後の同窓会」を是非一度ご覧になってはいかがでしょうか?

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