バード・ボックスのあらすじをネタバレ!チャレンジ動画が問題となった注目作

バード・ボックスは2018年にNetflixで独占配信された映画です。ここではバード・ボックスのあらすじ・結末からキャストまでネタバレでまとめて紹介しています。また、観た人の感想や「バード・ボックス」最大の謎である「それ」の正体も考察していきます。バード・ボックスは、映画の評価はあまり高くありません。しかし、目隠しをして生活するという「奇抜さ」から人気を集め、触発された人たちがwitterやYouTubeでチャレンジ動画をアップし、問題となった注目作でもあります。

バード・ボックスのあらすじをネタバレ!チャレンジ動画が問題となった注目作のイメージ

目次

  1. バード・ボックスとは?
  2. バード・ボックスのあらすじネタバレ
  3. バード・ボックスの結末ネタバレ
  4. バード・ボックスのチャレンジ動画が問題に
  5. バード・ボックスの正体や謎を考察
  6. バード・ボックスの登場人物・キャスト
  7. バード・ボックスに関する感想や評価は?
  8. バード・ボックスのネタバレまとめ

バード・ボックスとは?

「バード・ボックス」は、2018年アメリカで制作された映画で(邦題:Bird Box)Netflixで独占配信され一躍注目を集めた作品です。ジャンルはホラー・パンデミック・世紀末を掛け合わしたようなモノですが、Netflixではサスペンスとされています。本作は正体不明の"それ"に怯えた者が次々と命を絶ち、人口が激減する異常な世界を生き残るというあらすじです。

本作が注目され始めてから「バード・ボックス」チャレンジ動画なるものが流行し、社会問題になりました。配信会社から警告を出したことでも有名です。本作のあらすじでは、正体不明の"それ"から逃れ生き延びるために"見ないこと"で難を逃れていました。チャレンジ動画は映画画像からも分かる通り、主人公たちと同じように目隠しをして、何かをする動画をTwitterやYouTubeにアップする遊びのことを指しています。

「バード・ボックス」の主人公マロリーが、妊娠中に酒を飲んだり、子供は里子に出すなどと会話しているため、子供に冷たい母親という不評な感想を集めました。また、黙示録的なストーリーが宗教の観点で理解しづらく解釈が難しいのも、日本で良い感想が少ない理由の1つでもあります。

バード・ボックスの映画作品情報

ここでは「バード・ボックス」の映画作品情報を紹介します。本作は未曾有の謎の異変に襲われ、世界の終焉と人類滅亡の危機が迫る近未来世界を描いています。異変が次々と起こる中、生き残るためにできることは決して"それ"を見ないということだけでした。主人公マロリーは2人の幼い子供を連れており、子供たちを守るため命がけの旅に出ます。

「バード・ボックス」は2013年、ユニバーサル・ピクチャーズが映画化権を取得しました。しかし、2017年にプロデューサーのスコット・ステューバーがNetflixに移籍したため、本作もNetflixオリジナル映画として制作されることになります。その際、スザンネ・ビアの監督起用とサンドラ・ブロックの出演が決まりました。

バード・ボックスの予告動画

ここでは映画「バード・ボックス」の予告動画を紹介します。主人公マロリーは出産間近の女性です。動画を見てすぐに違和感を抱くのは目隠し(チャレンジはこれを真似ている)していることです。それを見たものは”破滅的な暴走を始める"という言葉の通り、病院の窓ガラスに頭を叩きつける女性や停車している車に衝突する事故など、異常事態が起こっていることを感じ取れる予告動画です。

2人の子供を連れ、目隠しをしたままボートで川を下っていく様子から、「見てはならない、自らの恐怖を」、「目を開けてはならない、生き残るために」というキャッチコピーの不気味さを煽り立てます。しかし、「バード・ボックス」の予告動画からは正体不明の何かを感じ取れるものの、"それ"が何なのかはわかりません。荒廃した町の様子から世紀末が伺いしれ、あらすじに沿った動画と言えます。

バード・ボックスの監督

映画「バード・ボックス」の監督はデンマーク出身のスサンネ・ビアです。映画監督・脚本家・プロデューサーとしてデンマーク、スウェーデンで活躍しています。2002年ドグマ映画「しあわせな家族」で知られるようになり、2010年「未来を生きる君たちへ」でアカデミー外国語映画賞、ヨーロッパ映画賞、ゴールデングローブ賞など受賞しています。

彼女の代表作は「ある愛の風景」、「未来を生きる君たちへ」、「真夜中のゆりかご」です。いずれも家族や愛を題材にした女性ならではの作品として高く評価を受けています。本作について「興味深く信憑性があるストーリーに、意外性のあるキャラクターが描かれているところに惹かれた」と述べており、登場人物に必ずしも好感度や共感は必要なく、しかし信憑性は必要だと言っています。

今まで男性が思い描いてきた母親像は、温かくて優しく包み込むように守ってくれる女性でした。マロリーは攻撃的で時に厳しく、子供たちを守るためならどんなことでもするというキャラクターです。この記事のあらすじで紹介していきますが、彼女は生き延びるために子供に名前をつけないという母親だからこそ、この映画の監督を引き受けることにしたと語っています。

バード・ボックスの原作

2014年に出版された「バード・ボックス」は、ジェシュ・マラーマン原作のポスト黙示録的な小説です。彼は読者の心を加速するためのサスペンスの要素として、正体不明の「見えないもの」を用いました。恐怖の本質を探る緊張と恐ろしい心理的ホラー・サスペンス作品です。また、評論家にも好評でミシガン州立図書館では2015年に、著名な本のリストの一部に選ばれました。

原作バード・ボックスは狂気に襲われた世界を舞台にしています。原作では暴力的で手に負えないほどの衝撃を引き起こして自殺を促す原因不明の出来事について語っています。免疫がある人は誰もおらず、誰がこの反応を起こすのかも分かりません。それが黙示録に繋がるのです。発生から5年後、生存者がほとんどいない世界で、マロリーは子供たちを連れて安全に過ごせる場所を夢見て旅立ちます。

バード・ボックス | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

バード・ボックスのあらすじネタバレ

「バード・ボックス」のあらすじネタバレは、現在と5年前の過去エピソードを織り交ぜたストーリー展開をしていきます。過去のあらすじから現在のネタバレに繋がるのですが、マロリーが描いた絵「繋がりのない人間関係」など、一見あらすじと関係ないような小物にネタバレが潜んでいるのも特徴的です。

あらすじネタバレ:集団自殺

ここからは映画「バード・ボックス」の結末に至るまでのあらすじをネタバレ紹介していきます。(現代パーツ)マロリーが幼い子供たちに「目隠しを取るな、静かにしないと死ぬ」と強く言い聞かせるところから始まります。マロリーは目隠しをしたまま小鳥を持ち、子供たちを連れ手探りでボートを探し川に向かいます。ここでストーリーのあらすじが5年前の過去へ遡ります。

マロリーは自宅で絵を描いており、姉妹のジェシカが買い物から帰宅しました。TVのニュースでヨーロッパからロシアにかけて謎の集団自殺が横行し世界中を恐怖に陥れていました。ジェシカはマロリーの絵を「孤独な人間の集団」と言い、2人で妊婦の検診へ向かいます。マロリーは妊婦ですが、どうやら結婚していない様子です。産まれてくる子供に興味もなく、気遣いもしないため医師が養子に出すことを勧めます。

病院の廊下に出るとガラスに激しく頭を叩きつける女性がいました。マロリーは慌てて車に乗ります。町では狂ったように暴走する車があちこちで事故を起こし始めました。ジェシカの様子が一変し、運転していた車を暴走させます。他車に乗り上げ横転し、自らトラックに轢かれ死亡するのを見てマロリーはしゃがみ込みます。リディアという女性が彼女を助けようとしますが、彼女も火の中に飛び込み死亡しました。

あらすじネタバレ:サバイバル

マロリーはトムに助けられ、なんとか1件の家に辿り着きます。リディアの夫・ダグラスの家でした。中にいるのは同じように助けを求め避難してきた人たちです。外にいる正体不明の"それ"を見なければ安全と推測して、見ず知らずの他人と共同生活していくことになります。(マロリーの描いた絵と類似)グループは窓に新聞紙を貼り外が見えないようにします。そこに何者かがノックをし、助けを求めてきました。

ダグラスは開けるなと言いますが、マロリーが銃を構えトムが中に入れます。避難者はオリンピアという妊婦でした。食料が底をつき始め調達するかを検討すると、グレッグがモニター越しに外にいる"それ"を見ようと提案します。しばらくすると、彼は血を流し倒れていました。オリンピアは産まれてくる子供を心待ちにしてますが、マロリーは楽しくありません。話もそこそこに切り上げます。

(現代パーツ)川を下り6時間後、無線で連絡を取ろうとします。14時間後、マロリーは遠くから男の声を聞きます。その声は甘い言葉で目隠しを外すように語りかけ、近づいてきます。不審に思ったマロリーは銃で四方八方に撃ちます。ふいに腕を捕まれ襲いかかる男をナタで切りつけ撃退しました。その男は「俺は真実を見た。お前も見るべきだ」と言って川に沈んで行きました。

グループは食料を求めてチャーリーが勤務していたスーパーに行くことにします。車の窓に目張りをしてナビのみでゆっくりと走行させます。外は死体だらけでした。ナビの衝突信号が鳴り正体不明の"それ"に取り囲まれ、全員目隠しをします。チャーリーがスーパーの鍵を開け、グループは食料を確保し良いムードになります。ダグラスがあの家に帰らず、ここで生活しようと言い出しマロリーは反対します。

冷蔵庫から男の声がし、中に入れてくれと騒ぎ出しました。強引にドアを開けられそうになりチャーリーがタックルをしてみんなでドアを閉めます。「チャーリー綺麗だろ?」という男の声の後、ドアの下から血が滲み出してきます。再び中に入れてくれと男の声がします。恐怖に震えグループはスーパーを後にしました。その際マロリーは小鳥を持ち帰ります。

(現代パーツ)24時間後、ボートが何かにぶつかり男の子は川に落ちてしまいます。マロリーは彼を助け、気づくと食料も流されてました。マロリーはボートを降り食料を探しに行きます。建物を見つけ中に入ると目隠しを外し食料を見つけました。不気味な感覚に襲われ、幻聴がマロリーの名を呼びます(正体不明の"それ"だと思われる描写)。マロリーは銃を乱射します。

一方、ボートにいた女の子は銃声を聞いて、マロリーを助けに行こうとします。異変に気づいたマロリーが偶然女の子を見つけ、急いでボートに乗せ激しく女の子を叱りつけます。

あらすじネタバレ:侵入者ゲリー

オリンピアはゲリーという男を勝手に中に入れてしまいます。グループは不審な男に騒然となり、ダグラスは銃を向けます。ゲリーは「目隠しをしていない狂った人たち」に襲われたと説明しますが、ダグラスは信用しません。老婆シェリルが彼を花瓶で殴って気絶させ、反省させるためにガレージに閉じ込めます。

オリンピアは産まれてくる赤ちゃんの未来が不安になり、マロリーに赤ちゃんの世話を頼みます。マロリーはぬいぐるみを彼女に渡しました。音楽を聞いてリラックスしているとオリンピアに陣痛がきます。マロリーも同じく破水しており2人は2階で出産することになりました。ゲリーはご機嫌な様子で怪物の絵を描いています。オリンピアは女の子、マロリーは男の子を産み、2人は感動して泣きます。

ゲリーが小鳥を冷凍庫に入れ、部屋の窓に貼られた新聞紙を取り払います。1階の異変に気づいたトムが見に行くと、ゲリーが彼を殴って気絶させます。そして、ガレージに閉じ込めたダグラスのところへ行きシャッターを開けます。ゲリーは2階に来て窓の新聞紙を剥がし、オリンピアは外にいる正体不明の"それ"を見てしまいました。オリンピアの目の模様が不気味に変化します。

ゲリーは「その子達に見せてやれ」と言い、オリンピアは赤ちゃんを抱いたまま窓に近づきます。マロリーは必死で赤ちゃんを取り戻し、オリンピアは気が狂って飛び降り自殺をしました。ゲリーは次に老婆シェリルを捕まえ、目を開かせました。彼女も正体不明の"それ"を見て、目の色が不気味に変わっていきます。自分の首をハサミで何度も刺して死亡しました。

ゲリーはゆっくりとマロリーに近づき、赤ちゃんを奪おうとします。そのとき目をつぶったダグラスが声を頼りに彼を射撃します。致命傷を与えられず、ゲリーはダグラスにタックルして2人は階段の手すりから1階に落ちます。ゲリーは持っていたハサミでダグラスを殺し「残念だ、あれを見せれなかった」とつぶやきました。トムが落ちていた銃を拾いゲリーを殺害します。

(現代パーツ)川を下り38時間後、女の子はぬいぐるみを大事そうに持っています。ボートは流れが早くなる(早瀬)危険地域に入ろうとしていました。マロリーは安全な方向へ誘導する役目を子供たちに説明します。大人の自分が目隠しを外すと誰も助からないとも言います。子供たちは「自分がやる」と言いますが、マロリーはそれを遮り「誰がやるかは私が決める」と言い、女の子を見つめました。

バード・ボックスの結末ネタバレ

ここでは「バード・ボックス」の結末ネタバレをまとめていきます。あらすじネタバレから生き残ったのは、マロリーと2人の赤ちゃん、トム、小鳥であることを踏まえたうえで結末のネタバレあらすじを紹介します。正体不明の"それ"を見た人たちの目が不気味に変化し、死の衝動に駆られる描写があらすじネタバレで判明しました。

結末ネタバレ:目隠し

あれから5年後、マロリーは5歳になる2人の子供たちと目隠しをして音だけを頼りに歩く訓練をします。トムとは夫婦の関係になり、2人に愛が芽生えていました。彼らは頭のおかしな連中から隠れて生活しています。ある夜、トムの無線が鳴りリックと名乗る男がコンタクトしてきました。「川の奥、急流の近くに共同体がある」というのです。マロリーは疑いますがトムは子供がいることを隠し、リックと会話をします。

「早瀬を過ぎた後、鳥の声がする方へ進め」と言いました。トムは子供たちに楽しい話をしますが、マロリーは楽しくないと激怒し喧嘩(未来への希望や子供の名前について)になります。翌日、マロリーが見つけた小屋に移動して食料を調達します。いちご味のビスケットを見つけ、子供たちに教えると静かに微笑み合いました。そこへ1台の車がやってきて、トムが囮となり3人を避難させます。

トムは男たちと銃撃戦になり負傷します。倒れたトムは覚悟を決め目隠しを外し、正体不明の"それ"を見たトムの目が変わります。支配されそうになるのを必死で抗いグループを全滅させました。その後、自殺します。マロリーは銃声を聞き、トムの死を悟ります。そして、川向こうの共同体へ行くことを決めました。

ここであらすじネタバレ「集団自殺」でのマロリーが子供たちに旅に出るが目隠しを取るなという冒頭のシーン(現代パーツ)に繋がります。

結末ネタバレ:子供の名前

ボートは早瀬に近づき誰かが目隠しを外さなければなりません。子供たち2人が自分がやると言いますが、マロリーは3人が目隠しをしたまま急流を下ることにします。激しい川の流れでボートは転覆し、3人は岸に辿り着きました。鳥の鳴き声を頼りに進んで行くが、マロリーは足を踏み外して崖から落ちてしまいます。3人はバラバラになり、マロリーは子供たちを探します。

子供たちにはマロリーの声の幻聴が聞こえるらしく、目隠しを外してという声に戸惑っていました。マロリーは必死に叫びボーイを見つけます。しかし、ガールはいません。ガールが目隠しを外し目を開けようとしていました。マロリーはガールに呼びかけ、その声を聞いて少女が現れます。3人は鳥の声がする方に進むと、トムの声の幻聴が唸りをあげて追ってきます。

逃げるマロリーの手が建物に触れ危機一髪、ドアが開きリックが迎え入れます。そこは盲学校で中庭には多くの人と鳥が共存していました。そこであらすじネタバレでマロリーを診察した医師に会います。

医師は子供たちに名前を聞きます。子供たちはそれぞれボーイ・ガールと答え、マロリーはガールに「あなたの名前はオリンピア。とっても美しい名前よ」と言い、ボーイに「あなたの名前はトム。とっても勇敢な名前よ」と名づけます。マロリーはようやく安堵の表情を見せました。

バード・ボックスのチャレンジ動画が問題に

ここでは「バード・ボックス」のチャレンジ動画とは何かを説明します。映画「バード・ボックス」は、配信後1周間でのべ4500万人以上に視聴されるほどの人気作となりました。そのため、本作に触発にされた人々が目隠しをしながら何かをする様子を撮影し、SNSやYouTubeにアップされました。この一連の騒動を「バード・ボックスチャレンジ」といいます。

「バード・ボックスチャレンジ」には、虐待だとネットやニュースで批判を集めた動画もあります。話題になったバード・ボックスのチャレンジ動画は、目隠しされた幼児が壁に激突する映像です。目隠しをしてなければ、幼児が壁に激突することはありません。このチャレンジ動画は日本のテレビで流れ、親を批判する感想が多数挙がっています。ケガや事故の可能性に繋がる無謀なチャレンジは問題があります。

バード・ボックスのチャレンジ動画は危険な行為

バード・ボックスチャレンジが流行ったため、2019年1月にNetflixは「バード・ボックスチャレンジは危険なのでやめて欲しい」という趣旨の声明を発表しました。アメリカで10代の女性がバード・ボックスチャレンジを行い、交通事故を起こしています。車を運転するチャレンジ動画も多数あり、批判する感想とともにSNSにUPされています。

日本にもバード・ボックスチャレンジに似た古くからの遊びがあります。それは「スイカ割り」です。日本で危険なチャレンジ動画が流行らない理由は、もともと安全を確保した遊びがあったためです。チャレンジ動画に批判的な感想が多数寄せられるのも納得できます。

バード・ボックスの正体や謎を考察

ここでは「バード・ボックス」に登場する正体不明の"それ"は何者だったのか、また作品に隠された謎を考察していきます。結局、最後まで正体不明の"それ"を明かされないままで映画は終わります。ここでは作中の気になる点2つを考察します。正体不明の"それ"が分からないという感想を持つ方は、この記事を参考に考察してみましょう。

考察①災厄をもたらすものの正体

作中、スーパーで食料を確保する時にチャーリーが言った言葉が、「宗教や思想では悪魔や霊魂が存在する。恐怖や悲しみを利用して人に取り憑くんだ」と言っています。彼の言葉から"それ"の正体は人間が抱く心の闇であり、悪魔のように甘くそそのかすようです。例えば、マロリーはトムの幻聴を、ガールはマロリーの声で目隠しを外すようにと聞いています。
 

キリスト教や黙示録など宗教的なものは理解し難いという感想も最もだと言えます。しかし日本風に言い換えれば「狐憑き」が分かりやすい例えになります。オカルト的要素であればリングが代表的ですが、完全に正体を追求しなくともよいという感想があることや、本作の監督が家族愛や女性にスポットを当てた作品が多いことから、"それ"の正体が個々人で違うことも想像がつきます。

そのため"それ"の正体を明かさず、見た人の目の色が変色するという描写を用いています。ここを統一したことで災厄をもたらすものの正体が、「自分に破壊的衝動を向け自殺する人」と「目隠しをしてない攻撃的な人(悪魔の誘いにのった人)」の対比で現されました。ではなぜ自殺するのでしょうか。それは闇に耐えられなかったからでしょう。

西洋の伝統的な道徳性をニーチェは著書「善悪の彼岸」で、キリスト教を盲目的に信じることを否定しており、アンチ的態度を取っています。この深淵とは自分に立ちふさがる敵ではなく、自分が目指す目標のことでもあります。心理学者が使う意味で「ミイラ取りがミイラになる」とあり、恐らく闇に飲まれた人間=狂った連中が作中の敵として登場しているのも、これを暗示したものと言えるでしょう。

"Beware that,when fighting monsters,you yourself do not become a monster・・・ for when you gaze long into the abyss. The abyss gazes also into you."

怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。

考察②タイトルの意味

本作のあらすじから結末まで、鳥が終始登場します。炭鉱夫の例えで言うなら、カナリアは危険を察知します。このことから、鳥は正体不明の"それ"を知らせてくれるのです。下の画像は「ヒワの聖母」といいキリストの受難の象徴として扱われています。この絵は2人の子供と鳥も描かれており、マロリーと重なります。彼女が2人の子供たちと川を下るシーンも黙示録の「いのちの水」を示唆しています。

バード・ボックスは直訳すると鳥カゴです。人々は建物に強制的に閉じ込められて生活を強いられました。それはまるで鳥カゴを思わせます。バード・ボックスはダブルネーミングですが、マロリーは危険を冒し安住の地へ子供たちと向かいます。そこは盲学校であり、多数の子供たちがいます。

バード・ボックスの登場人物・キャスト

マロリー/サンドラ・ブロック

映画「バード・ボックス」のマロリーを演じたキャストは、サンドラ・ブロックです。彼女はアメリカ・バージニア州出身の女優で映画プロデューサーです。1994年「スピード」に出演して一躍有名になり、映画出演、制作など幅広く活躍しています。ゴールデングローブ賞・アカデミー賞を受賞、ラジー賞ではジャケットとパンツ姿で現れ、大量のDVDを荷台に乗せて登場しました。

各種・雑誌で有名なスターとして選出される他、事件・事故(2001年のテロ事件で12ブロック先のホテルに滞在、2014年自宅にファンが侵入)にも合っています。また、彼女は社会貢献活動に積極的に参加しており、多額の寄付をしています。2011年東日本大震災で、ハリウッド女優の中で真っ先に義援金を寄付したことは有名なエピソードとして知られています。

トム/トレヴァンテ・ローズ

映画「バード・ボックス」でトムを演じたキャストは、トレヴァンテ・ローズです。彼は高校時代にアメリカンフットボールに取り組み、2009年パン・アメリカンジュニア陸上競技選手権大会で400メートルリレー走に出場し、金メダルを獲得しました。

彼は元陸上競技選手で大学卒業後に俳優として活動を始めました。2012年短編映画に出演、2016年「ムーンライト」で主人公シャイロンの成人期を演じて脚光を浴び、助演男優賞をノミネートされました。彼の代表作は「ザ・プレデター」です。

ダグラス/ジョン・マルコヴィッチ

映画「バード・ボックス」でダグラスを演じたキャストは、ジョン・マルコヴィッチです。彼はアメリカ合衆国の俳優・映画プロデューサーで個性的な演技派俳優として世界的に活躍しています。1976年にゲイリー・シニーズと設立したステッペンウルフ・シアター・カンパニーで数々の舞台に立ち高い評価を得ます。その後ブロードウェイでオビー賞などを受賞しました。

彼は1984年に映画デビューしました。悪役を演じることも多いですが「チェンジリング」、「バーン・アフター・リーディング」、「RED/レッド」で主役・準主役を演じました。1999年「マルコヴィッチの穴」でニューヨーク映画評論家協会賞・助演男優賞を受賞したほか、全米映画評論家協会賞やエミー賞も受賞しています。また、ファッションブランドを立ち上げ、2012年にiPhone 4SのCMに起用されました。

ジェシカ/サラ・ポールソン

映画「バード・ボックス」でジェシカを演じたキャストは、サラ・ポールソンです。彼女はアメリカ・フロリダ州出身の女優で、テレビドラマ・映画で活躍しています。代表作は「アメリカン・ホラー・ストーリー」です。また、「アメリカン・クライム・ストーリー/O・J・シンプソン事件」でエミー賞・ゴールデングローブ賞・全米映画俳優組合賞を受賞しています。

シェリル/ジャッキー・ウィーヴァー

映画「バード・ボックス」でシェリルを演じたキャストは、ジャクリーン・ルース・"ジャッキー"・ウィーヴァーです。彼女は1960年代よりオーストラリアの舞台・テレビ・映画に出演しています。1971年に映画デビュー作「Stork」でオーストラリア映画協会賞主演女優賞を受賞しました。

2010年に「アニマル・キングダム」で2回目のオーストラリア映画協会主演女優賞を獲得したほかアカデミー助演女優賞をはじめとするアメリカン合衆国の映画賞にもノミネートされました。彼女は2012年にコメディ映画「憧れのウエディング・ベル」でハリウッドデビューしています。

バード・ボックスに関する感想や評価は?

ここではバード・ボックスに関する感想や評価をまとめていきます。バード・ボックスはあまり評価の高い作品ではありません。また、他の作品とのデジャヴを感じるとの感想を持つ方も大勢いらっしゃいます。なによりチャレンジ動画に関して批判の感想が目立ち、映画作品が薄れた感が拭いきれません。

こちらの感想は好意的で、視聴者は見ることができるので視覚を奪われた恐怖を共感できないのですが、俯瞰して観れるとの感想を持っておられます。また、宗教の面や鳥カゴの意味をしっかり感じ取れたという感想がわかりやすく書かれています。

ラストが好きとの感想を持つ方は少数派、モヤモヤするとの感想を持つ方は大勢いらっしゃいます。原作の書籍でも根本解決はされていないそうです。しかし、恐怖感は映画以上であるとの評判も高く、日本語訳はされていませんがホラー好きの方は一見の価値ありです。なによりラストが衝撃を受ける内容です。

後半は非常に辛辣な感想ですが、社会問題にまで発展したのだから仕方がありません。安住の地へ辿り着いた後、無線で呼びかけているので敵も聞いており、いつか攻めてくるのではないかと不安を抱いている方の感想です。

禁止ルールを破ると死ぬという作品が増えたとの感想の声ありました。Netfix配信なのでわざとシリーズを集めたのかも知れません。バイバイマンの絵が本作でゲリーが描いた絵と類似しているとの感想を持つ方もいらっしゃいました。

バード・ボックスのネタバレまとめ

ここでは映画「バード・ボックス」のネタバレをまとめていきます。本作は評価が低いのですが、主人公マロリー演じるサンドラ・ブロックの演技が際立つ作品として有名です。彼女は人間関係が煩わしく、子供に愛情を持てない母親を演じるのに苦労したと語っています。愛着を持ってしまう、子供も自分を愛してしまわないための方法が「名前」をつけないというものでした。
 

彼女の意に反して子供たちは他人を慮る"優しい"性格に育っていました。だからこそ、ボートで「誰も目隠しを取らない」と決断したのです。川下りは彼女が母となる試練でもありました。また、執拗に子供を狙ったのは、子供は未来の担い手・輝く希望だったからです。本作は、いつの世も悪が栄えた試しがないという未来の夢を視聴者に委ねた形で終わりました。

こうしたネタバレあらすじをまとめた記事は、映画鑑賞する前に読むかどうかを決めることをおすすめします。しかし、本作は宗教的解釈が濃い部分もあるので、1度観た人で内容が理解できなかった人など、ネタバレを知ればより興味を持てることでしょう。面白いと思った方はぜひ映画「バード・ボックス」を観てください。

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