幸せのちからのあらすじ結末まとめ！実在するクリス・ガードナーとは？

幸せのちからは原題The Pursuit of Happynessとして2006年にアメリカで公開された映画です。原題はアメリカ独立宣言時の「The pursuit of happiness」に由来しています。日本でもおよそ1ヶ月遅れで公開されました。一時はホームレスになるまでに落ちぶれてしまいながらも最後には成功を掴んだ実在の人物であるクリス・ガードナーの半生を描いた映画です。

幸せのちからの監督は元々はイタリアで活躍して2000年代後半にアメリカに渡った映画監督ガブリエレ・ムッチーノさんが務めています。幸せのちからはそんなガブリエレ・ムッチーノ監督が手がけた映画の1つです。キャストとしては主に以下の俳優陣が登場しています。

• クリス・ガードナー/ウィル・スミス
• クリストファー/ジェイデン・スミス
• リンダ/タンディ・ニュートン
• ジェイ・トュイッスル/ブライアン・ホウ
• アラン/ダン・カステラネタ
• マーティン/ジェームズ・カレン
• ティム/ドミニク・ボム

またキャストとして正式にクレジットはされていませんが映画のラストシーンでは俳優ウィル・スミスが演じるクリス・ガードナーとクリストファーが手を繋いで歩くシーンで本物のクリス・ガードナーとすれ違うシーンも撮影されています。

上記のリストにも記していますが幸せのちからが注目を集めたきっかけの1つとなったのが主演を務めた俳優ウィル・スミスさんと共に実子であるジェイデン・スミスさんがウィル・スミスさん演じるクリス・ガードナーの息子のクリストファー役で出演しています。ジェイデン・スミスさんは幸せのちからをきっかけに俳優としてデビューし以降他の作品にも何度か俳優として出演した事があります。

ここからは幸せの力のあらすじを結末までネタバレありで紹介していきます。物語は1981年サンフランシスコから始まります。

ウィル・スミスさんがキャストを務める主人公のクリス・ガードナーは骨密度計測器の販売員をして生活をしていました。その仕事は出来高制で売れなければ収入にならない仕事である為に生活は苦しく、妻であるダンディ・ニュートンさんがキャストを務めるリンダが長時間パートで働く事でやっとという状態です。家賃の滞納や税金の未納もしている状態で家庭内には不穏な空気が漂っていました。

なんとか現状を打破したいクリスはとある日、路上で赤いフェラーリに乗る人を見かけます。思わず2つの質問をぶつけます。聞いたのは何の仕事をしているかとどうやってその仕事を初めたのかです。その男から株の仲介人をしていて学歴が無くてもなれるという話を聞いてクリスは株に興味を持つ事になります。妻には夢を見ている暇はないという反応でしたがクリスの思いは変わりませんでした。

クリスはそんな中で見つけたとある証券会社の養成コースに応募します。養成コースといえどかなりの倍率でクリスの元には養成コースに入れる連絡すら来ませんでした。そこでクリスは人事を担当しているブライアン・ホウさんがキャストを務めるトゥイッスルに接触を図ります。彼が乗るタクシーに便乗する形で自分を売り込む事にしたです。

トゥイッスルは当初話に興味を示しませんでしたが、熱中していたルービック・キューブをクリスがあっという間に完成させた事でクリスに興味を持ちます。しかしトゥイッスルがタクシーの料金を払わずに降りていってしまった事でクリスは窮地に追い込まれます。クリスはタクシー代を払う事ができずに逃げ出す事になるのです。しかも逃げ出す過程で大切な商材である骨密度計測器を落としてなくしてしまうのでした。

その上に妻リンダとの約束の時間にも遅れてしまったクリス。リンダは我慢の限界で家を出ていってしまうのでした。しかし悪い事ばかりではなく養成コースを受ける面接を受けられる事になった事が連絡が入りました。改めて気合を入れ直すクリスでしたが悲劇は続きます。過去に起こした駐車違反の罰金を滞納していた事で警察に拘留される事になってしまったのです。

ようやく開放されたのは面接当日の朝でした。面接までもう時間がありません。しかもクリスは逮捕された際にペンキ塗りをしていたので汚れた身なりのまま面接に向かう事になってしまいます。当然面接官たちは驚く事になるわけですが、クリスはユーモアのある答弁でこの危機を乗り切り逆に好印象を与え、養成コースに合格する事が出来るのでした。

しかしクリスはこの養成コースを受ける半年の間は無給である事、さらに養成コースを受ければ必ず雇用されるわけではない事を合格後に知って絶望します。しかし残された息子のジェイデン・スミスさんがキャストを務めるクリストファーを守るべく、ハードスケジュール覚悟でこの養成コースと本来の骨密度計測器のセールスを両立する事を決めるのでした。

厳しいスケジュールをこなすクリスでしたが辛い事はまだ続きます。家賃の滞納で家を追い出されてしまった上に、骨密度計測器の売り込みに成功しても税の未納分の徴収として差し押さえられてしまうのです。ひどい時には全財産21ドルと追い込まれ、クリスとクリストファーは駅のトイレや教会を転々とするホームレス生活を送る事になります。一方で養成コース自体は順調でクリス自身もその仕事に手応えを感じていました。

クリスは養成コースの最後に行われる筆記試験も無事に終了させ、実技試験を兼ねる実際の商談も上手くいきましたが、同時に養成コースの参加者達が猛者であり優秀である事も分かっていた為、その結果に自信が持てずにいました。そんな中で合格発表が行われる事になります。合格発表の日、結果を発表する面接官からクリスは「明日は君の初日だ」と合格を伝えられました。

クリスは喜びで思わずガッツポーズをし、目には涙が溢れていました。保育園に預けていたクリストファーを迎えに行くと幸せを噛みしめます。映画のあらすじの最後はその後クリスが独立して投資会社を設立していく経緯などが描かれて結末を迎えます。

映画幸せのちからのあらすじは以上ですが、映画幸せのちからだけでは実在した人物であるクリス・ガードナーの実話の断片的な部分でしかありません。ここからは映画幸せのちからでは描かれていない部分も含めてクリス・ガードナーについて紹介していきます。

上記の映画幸せのちからのあらすじでは触れていませんがクリス・ガードナーの幼少期は映画幸せのちからのあらすじに負けないくらい悲惨な物です。実父に関しては全く知らず、母と再婚した継父のフレディーに育てられました。しかもフレディーはアルコール依存症で日常的に母に暴力を振るいクリスを含む3人の兄弟は怯えながら生活していました。

そして不幸にもクリスの前から母もいなくなる事件が起こってしまいます。DVに耐えられなくなった母が泥酔しているフレディーが中にいる事を知りながら家に火を放ったのです。この事件でフレディーはなんとか生還、母は放火犯として警察に逮捕、刑務所に収監される事になってしまいます。以降クリスは17歳で海軍に入るまでこの父に怯えながらの生活を続ける事になります。

クリスの息子としてジェイデン・スミスさんがキャストを務めたクリストファーですが、実際には浮気してできた子供でした。映画に登場するリンダがその浮気相手でジャッキーという歯学生です。クリスは別に結婚した妻がいましたが、箱入り娘だったようで不満を覚えて浮気を繰り返していました。そしてジャッキーとの間に生まれたのがクリストファーだったのです。

クリスはジャッキーが妊娠すると正式に妻と別れようとしますが正式に離婚が成立するまで実に9年もの歳月がかかりました。その間にもあらすじで紹介しているようにジャッキーとも別れています。つまりジャッキーとの関係は最初から最後まで不倫関係だったのです。

クリスとジャッキーの別れも残念ながら穏やかではありません。ジャッキーは映画のリンダがそうであるように気性の荒い性格で暴力を振るわれたと訴えた為に裁判にまで発展。クリスはその間息子と会う事も許されませんでした。余談ですが、この頃実際のクリストファーはまだ赤ん坊だったそうです。

クリスが成功するきっかけとなったフェリーニの男ですが、実話ではその後も一定の関係を築いていました。クリスは車を止める駐車場を提供した代わりに業界について教わり、さらには証券会社の支店長を紹介してもらったのです。この当たりにもクリスの人柄が現れるエピソードとなっています。

映画幸せのちからのあらすじをみると分かるように次々とクリスに襲いかかる不幸ですが、これらの出来事は実話でも実際にほぼ同時期に起こっていました。あらすじでも描かれた警察に逮捕されてしまったのはもちろんジャッキーによって家を引き払われ、出所したクリスに残っているのはまさにその時身につけている物だけになっていたのです。

数々の不幸が連続で描かれている幸せのちからですが、映画幸せのちからで描かれていない不幸な実話もあります。実は面接の前、クリスは既に他に就職先を見つけていました。そこにクリスが出勤すると誰もクリスの事を知らなかったのです。調べてもらうとクリスを採用した人物が既に解雇されており、クリスの雇用も博しに戻ってしまったのでした。

映画では6ヶ月だったホームレス生活ですが、実話のホームレス生活は1年に近い間に及びました。しかも上記で記したように実話のクリストファーはまだ赤ん坊だった事もあって映画よりもさらに過酷だったと言えます。

クリスの幸せは実話でも映画でも描かれているように不幸があった頃からこそであるといえます。映画の中で描かれる数々の不幸もそれが実話では全て成功して幸せになっている事が分かっているからこそ見所にあふれているといえます。

クリスにとってそのきっかけとなったのは間違いなくフェラーリの男との出会いです。その次点ではクリスに何か変わった様子はなく男がクリスの質問に対して丁寧に答えたからこそ掴んだ兆しであると言えます。こういう場面を上手く活かしたからこそクリスの成功はあったのではないでしょうか。

次の分岐点になったのがタクシーの中でルービック・キューブを披露した場面です。ここで興味を引けたからこそクリスは面接に漕ぎ着ける事ができました。まさにチャンスを掴んだ瞬間といえます。

しかしそのチャンスを掴むのと同じ日、クリスは妻に出ていかれていってしまいます。それでもクリスは何かを掴む為には何かを失うものと切り替えてチャンスを掴もうと頑張るのでした。

クリスの機転が光るのが面接です。クリスは警察に勾留されてしまった事で作業員のような格好で面接に挑む事になってしまいます。印象は間違いなく最悪です。その状態からクリスは持ち前の機転と絶妙なトークで印象を逆転させる事に成功したのです。

面接には合格したもののその中身は半年の無給で社員になれる確約もないというものです。非常に狭き門で自ら辞退する事があっても不思議ではない場面ですがクリスはそれで諦めずに挑み続けました。だからこそこの小さなチャンスを掴む事に繋がったといえるのではないでしょうか。

忙しい日々を送るクリスですが、状況は少しずつ好転していきます。元々の骨密度計測器の売上も伸ばすと同時に養成コースの研修も順調にこなし手応えを掴んでいました。

それでもまだクリスには不幸が襲い続けます。これらの苦境の中にあっても頑張り続けるからこそつかめるのが幸運なのではないかというのが分かる場面です。

幸せのちからはどちらかといえば不幸なシーンが多く描かれていますがそれも全て結末で描かれるクリスの成功、そして最後の最愛の息子クリストファーとのシーンがあるからこそ幸運を掴んだ映画として見所にあふれています。

ここからは既に幸せのちからを視聴した人の感想を紹介していきます。幸せのちからはウィル・スミスさん主演である事で注目を集めた映画ですがその中身の感想としてはやはり実話ベースである事に触れる感想が多いです。

幸せのちからはクリスの半生をどちらかといえば不幸な部分から幸せになる為に奮闘する姿を描く映画です。実話であるという事実も相まって力をくれる、前を向きたい時におすすめしたい映画であるとも言われます。

反面、実話の半生を2時間の映画で収めるという関係上、どうしても見えてこない側面があるのも事実だと言われています。あらすじでは描かれていない部分も多く、それらが気になるという人も多いです。しかしその削ぎ落とし方に違和感はなくしっかり映画としてまとまっているという感想も多くなっています。

キャスト陣は総じて評価が高く、特に評価が高いのが主演を務めたウィル・スミスさんはもちろんですがウィル・スミスさんの実の息子でもあるジェイデン・スミスさんについて触れる感想が非常に多いです。現在も俳優として活動している事から、ジェイデン・スミスさんの俳優の原点として、また幼い頃の姿を見る事が出来る映画としても人気が高いです。

幸せのちからは俳優ウィル・スミスさんが主演を務めた実話ベースの物語です。それぞれのキャストを演じた俳優陣の演技力も高い事から違和感なく見る事ができ、まさにアメリカンドリームを掴んだ話としても人気が高いです。特に俳優ウィル・スミスさんの実の息子で同じく俳優の道を進むジェイデン・スミスさんのデビュー作であるという意味でも人気が高く、俳優陣にも注目して視聴する人も多くなっています。

感想の中でも「前を向きたい時に」「背中を押されたい時に」見る映画として幸せのちからを推す人も多い映画です。まだ視聴した事がないという人はぜひ1度、そのような気分になった時に視聴してみてはいかがでしょうか？