青いパパイヤの香りのネタバレあらすじと結末!ベトナム映画の評価と感想は?

映画『青いパパイヤの香り』は、映画「ノルウェイの森」を手掛けたベトナム出身のフランスの映画監督、トラン・アン・ユン監督によって制作された映画です。主演キャストには、トラン・ヌー・イェン・ケーをはじめとした俳優陣がキャスティングされ、1950年代のベトナム・サイゴンの商家の生活が再現された、主人公ムイの恋愛模様が美味しそうなベトナム料理と共に描かれています。そんな映画『青いパパイヤの香り』のあらすじが気になります。映画『青いパパイヤの香り』のあらすじを結末までネタバレし、映画の感想もご紹介します。

青いパパイヤの香りのネタバレあらすじと結末!ベトナム映画の評価と感想は?のイメージ

目次

  1. 青いパパイヤの香りとは?
  2. 青いパパイヤの香りの映画あらすじをネタバレ
  3. 青いパパイヤの香りの映画結末をネタバレ
  4. 青いパパイヤの香りの登場人物・キャスト
  5. 青いパパイヤの料理・音楽が魅力的?
  6. 青いパパイヤの香りに関する感想や評価は?
  7. 青いパパイヤの香りの映画ネタバレまとめ

青いパパイヤの香りとは?

青いパパイヤの香りの映画作品情報

映画『青いパパイヤの香り』は、1951年のサイゴンを舞台に、ベトナム出身でパリ育ちの映画監督であり、脚本家のトラン・アン・ユン監督によって製作され映画です。サイゴンのある家に奉公にやってきた少女ムイの懸命に働く姿や、その家の長男がチュンが連れてきた友人のクェイいに憧れを抱き恋心を抱くヒューマン恋愛物語です。映画『青いパパイヤの香り』は、カンヌ国際映画祭で新人賞とセザール賞新人監督賞を受賞しています。

≪映画『青いパパイヤの香り』の作品情報≫

  • 監督:トラン・アン・ユン
  • キャスト:トラン・ヌー・イェン・ケー/トルゥオン・チー・ロック/トラン・ゴック・トゥルン/他
  • 製作年:1993年
  • 製作国:フランス
  • 上映時間:104分
  • ジャンル:ラブストーリー/ヒューマンドラマ

青いパパイヤの香りの予告編動画

映画『青いパパイヤの香り』の予告編は、パパイヤの説明から始まり、魅惑のメロディーで奉公人ムイの10歳から20歳にかけて成長する姿が見られます。ラブストーリーでありながら、どこかミステリーのような雰囲気も漂わせ、観る側の興味をそそり、本編に誘い込むような予告編になっています。セリフは少なく、物静かな中に繊細な人間模様が描かれた美しい作品と評されています。

映画『青いパパイヤの香り』でベトナム・サイゴンで奉公人になったムイは、憧れのクェイとの関係に進展があるのか、映画のあらすじの結末までが気になります。下記より映画『青いパパイヤの香り』のあらすじの結末までをネタバレし、感想も含めてご紹介していきます。

青いパパイヤの香りの映画あらすじをネタバレ

サイゴンのある資産の家で、10歳のムイは奉公人として働き始め、長男のチュンの友人のクェイと出会い、10年後、ムイの生活が変わっていきます。映画『青いパパイヤの香り』のあらすじのネタバレを見ていきましょう。

あらすじネタバレ①サイゴン

1951年ベトナム・サイゴンで、10歳の少女ムイは奉公先の家を訪ねますが、道に迷ってしまい辿り着いたのは夜でした。そんなムイを女主人の「母親」と先輩奉公人のティーが迎えます。その家は、「父親」と長男のチュン、次男のラム、三男のティンとの5人暮らしでした。ムイは翌朝のために仕事の支度を整え始めます。

母親は父親に死んだ娘のトーが帰ってきたようだと語りかけますが、父親は何も言いません。母親が義母の世話をする間、チュンと楽器を演奏に興じています。翌朝ムイは、庭に生っている青いパパイヤを眺めていました。ティーの指導の元、朝食の調理を手伝い配膳します。

ある日、ムイが悪戯好きの三男のティムに悪戯をされながらも淡々と業務をこなしていると、チュンが連れてきた友人のクェイを目にし、ムイは彼に恋心を抱きます。ムイは、生地屋を営み、仕事で得た収入や貴金属を金庫にしまっている母親に、2か月後に休みをとって家族に会いに行ってはどうかと提案されます。

あらすじネタバレ②失踪

ムイは、祭壇に先祖の写真と一緒に並ぶ幼い少女の写真を目にします。10年前のある日に父親が失踪し、しばらく家に帰らないことがありました。父親が不在の間にその少女は病気になってしまい、父親が戻った翌日に息を引き取った経緯をムイはティーから聞きます。それ以後、父親が家出することはなくなったといいます。

しかし、その夜、なかなか外出から戻らない父親が、金庫のお金や貴金属類を全て持って失踪してしまいます。母親はムイの寝顔を見ては、死んだトーのことが思い出されるようで涙していました。翌朝、母親は、ティーにイヤリングを渡し換金して米代にするように言います。トーの法要の日にも戻らない父親に、子供たちは不安を隠せません。

ティムは父が恋しいあまりに、ムイに対する嫌がらせや悪戯が日に日に増してきます。母親の商売も今一つの業績で、ついに蓄えの食料も底を突き始めていました。ムイは庭に生ってい青いパパイヤの実で食事を作ります。ムイは、ある夜に義母から責められている母親の姿を目にします。奉公人のティーは主人が戻らないことに涙し、次男のラムは家を飛び出してしまいます。ずっと人前では泣かないよう堪えていた母親も涙を流すのです。

クェイがやってくる夜、母親はまとまった収入を得ると大量に食料を買い込み、客人のためにと張り切ます。ムイもより一層料理に力を入れ、一張羅でクェイに給仕します。ある朝、母親の貴金属をもったまま玄関先で倒れている父親が発見されます。父親は重篤な病気を患っており、母親が高価なものを売って治療費に当てて看病しますが、しばらくして父親は息を引き取ります。母親は疲労のため倒れてしまいます。

あらすじネタバレ③10年後

それから時は経ち、10年後、ムイは美しく成長し、一家の家事全般を任されていました。母親はすっかり老け込み、ムイだけが心の拠り所でした。一家の財政は苦しいところまで来ており、ムイは、チュンの妻に若手の音楽家として成功しているクェイの家に行ってはどうかと提案されます。ムイは、憧れの思い人であるクェイの家で奉公することになります。

母親の本心は、ラムと結婚して本当の娘になってほしいとの希望がありましたが、ラムが不満を持ち、家が気に入らないと出ていってしまったために、それは叶いませんでした。トーのために取っておいた美しい装身具やアオザイをムイに餞別にと持たせます。ムイは荷造りを終えると10年間お世話になった家の隅々までを見渡します。ムイが発つことで号泣する母親を、ムイは強く抱きしめ、母親はムイを娘と呼び、2人は別れを惜しみます。

青いパパイヤの香りの映画結末をネタバレ

フランス帰りの音楽家クェイの家で奉公することになったムイは、その奉公先でクェイとどのようにして関係が変わっていくのでしょうか。映画『青いパパイヤの香り』のあらすじの結末をネタバレしていきます。

結末ネタバレ:ピアノの練習

ムイはクェイに思いを寄せながら、ピアノ奏者のクェイの練習の邪魔にならないように家事に勤しみます。クェイには裕福な家の生まれの我儘な恋人がいましたが、恋人よりもピアノに関心が強く、彼女を蔑ろにしていました。ムイは、クェイの留守中に母親に贈られたアオザイに袖を通し、装身具を着け、クェイの恋人の忘れ物である口紅をつけて美しく着飾ります。

すると、そこに帰宅したクェイが、ムイの美しい姿を目にし驚愕します。ムイは恥ずかしさのあまり物陰に隠れます。その時、音楽ばかりに気を取られていたクェイは、ムイが常に部屋を清潔に保っていたことに気づき、ムイに関心を持つようになるのです。

結末ネタバレ:指輪

クェイの関心や信頼が自分よりムイに向いていると知ったクェイの恋人は、嫉妬で狂ったように泣きじゃくります。クェイはムイの似顔絵を描き、ムイへの思いを募らせます。ある夜、クェイは自分の気持ちを抑えられなくなり、眠っているムイの元を訪れ、愛の告白をします。クェイとムイの関係に気づいたクェイの恋人は、怒りを露にしムイに平手打ちすると、クェイから送られて指輪を置いて去っていきます。

クェイとムイは付き合い始め、クェイは読み聞かせをムイに教えます。ムイは10年前、初めてクェイに料理を振る舞った時と同じように青いパパイヤの実を使って愛情を込めて料理をします。そして、クェイとムイは結婚します。ムイのお腹には新しい命が宿っていました。クェイの演奏するピアノを聞きながら、ムイは、生まれてくるお腹の子供に詩を読み聞かせるのです。

青いパパイヤの香りの登場人物・キャスト

ムイ/トラン・ヌー・イェン・ケー

奉公人の少女ムイは3年前に父親を亡くし、母と妹と暮らしていました。勤勉で料理上手な一生懸命な女の子で、嫌なことをされても微笑みを絶やさず、淡々と仕事をこなします。そんなムイの10年後、美しく成長した大人のムイを演じているのは、トラン・ヌー・イェン・ケーです。

トラン・ヌー・イェン・ケーは、1968年生まれのベトナム出身の女優で、1991年の舞台で女優デビューし、今作品の映画『青いパパイヤの香り』に出演したことをきっかけに、トラン・アン・ユン監督と結婚しています。以後、トラン・アン・ユン監督の作品には必ず出演しています。出演作品には、『シクロ』『夏至』『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』があります。

母親/トルゥオン・チー・ロック

ムイの奉公先の女主人で、夫と3人の息子がおり、ムイが奉公に来る10年前に、娘を1人病気で亡くしています。ムイの姿を見ると、娘が帰ってきたようだとムイを本当の娘の様に可愛がります。働かない夫の代わりに生地屋を営んで家計を支え、義母の面倒もみています。

人前では絶対に泣かないという強いポリシーを持ちますが、家族がバラバラになっていくのに堪えきらず、ムイの前で泣く場面が見られます。そんな女主人を演じているのはフランス在住のベトナム出身のトルゥオン・チー・ロックです。映画『青いパパイヤの香り』が映画初出演のようです。

父親/トラン・ゴック・トゥルン

サイゴンの資産家の家に生まれたムイの奉公先の主人は、若い頃から遊んで暮らしていたため、結婚後もその習慣が抜けきれず、現在も仕事はしていません。長男と夜遅くまで音楽に興じていいる場面がしばし見受けられます。

放浪癖があり、頻繁に長期的に家を留守にすることがありましたが、長女が病気で死んでからは長く家を留守にすることはなくなりました。最後は自身も病気を患い、病死します。そんな主人を演じているのは、ベトナム出身でフランス在住、トラン・ゴック・トゥルンです。トラン・ゴック・トゥルンも映画初出演のようです。

青いパパイヤの料理・音楽が魅力的?

青いパパイヤの魅力①料理シーン

映画『青いパパイヤの香り』の魅力は、複数回登場する料理を作るシーンです。ムイが作った料理がテーブルに並べられ、その食卓で完成された料理が写るシーンはありません。しかし、食卓に運ばれる前の盆にのった完成された料理が写ることはあり、その料理の色が鮮やかでどれも美味しそうに感じられると言った感想もありました。ベトナム料理に詳しくなくてもその画面から食欲がそそられるという鑑賞者が多いようです。

青いパパイヤの魅力②音楽

映画『青いパパイヤの香り』の魅力の2つ目は、劇中に流れる音楽は最小限に留められ、自然音を最大限に活かし、シーンを盛り上げるような効果音などは一切使用されていないところにあるようです。また、主人公をはじめ、登場人物のセリフも少なく、人間関係や心情は、鑑賞者が観て感じるスタンスを取っており、自然と映画『青いパパイヤの香り』の世界感に惹き込まれていきます。

青いパパイヤの香りに関する感想や評価は?

映画『青いパパイヤの香り』の感想には、サイゴンに奉公してきた少女の献身的な働きぶりと劇中の音楽や映像が美しいとの感想が多く見られました。また、10代の少女の艶っぽさや、大人に成熟したムイがエロティックなだけでなく、妖艶で美しいとの感想も上がられ、おすすめの映画と話題となっているようです。

サイゴンを再現してセットが組まれ、全編フランスで撮影されたとは思えないほど全てが自然な映像に、多くの鑑賞者が魅了されていたようです。あらすじの最初から結末まで大きく心が揺さぶられることはなく、結末も予想できたようですが、綺麗な終わり方で後味がよかったと感想も上がっています。

青いパパイヤの香りの映画ネタバレまとめ

ここまで、サイゴンの資産家のに家に奉公に来た少女ムイを描いた物語、映画『青いパパイヤの香り』のあらすじの結末までをネタバレし、この映画の魅力となる部分とキャストの紹介、映画の感想をご紹介してきました。

映画『青いパパイヤの香り』は、主人公のムイが、奉公に来るところから始まり、大きな逆境の中、懸命に生きていくというよりは、淡々と勤勉に奉公に取り組み、得意の料理を披露し、幸せな結婚生活を手に入れるあらすじの物語となっています。1950年代のベトナム・サイゴンの商家の暮らしを再現したかのようなあらすじの内容で、戦乱になる前のサイゴンの当時の暮らしを知ることが出来る貴重ともいえる映画のようです。

出てくるベトナム料理もどれも美味しそうに写り、どのような味がするのだろうかと、観る側の興味を惹きます。特に青いパパイヤの実は、ベトナムでは野菜と捉えられ、野菜炒めや皮をむいて千切りにし、ドレッシングのようなものをかけて食べるサラダは、見ているだけで食欲がそそられるたと鑑賞者の感想にありました。

映画『青いパパイヤの香り』は、音響にも拘り、自然音を最大限に活かし、主人公たちのセリフも最小限に抑え、映画の中の空気感だけで魅せる、とても美しい映画という感想が多く目立っていました。主人公の成熟したムイを演じたトラン・ヌー・イェン・ケーの一挙手一投足が美しく、大和撫子のような風貌で観る者を魅了します。

映画あらすじの結末では、思い人のクェイと結婚し、何も知らないムイに「僕が全て教えてあげる」というクェイとの密なやり取りに美しく魅せられたという感想も上がっていたようです。心が大きく揺さぶられる作品ではないですが、ベトナムの生活の歴史を感じさせ、芸術のように美しく魅せる映画でおすすめの作品となっています。映画『青いパパイヤの香り』を未見の方は是非、ご覧になってみるといいかもしれません。

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