甘き人生のあらすじと映画の結末は?巨匠マルコ・ベロッキオ監督が描く人間ドラマ

映画「甘き人生」はイタリアの巨匠と呼ばれるマルコ・ベロッキオが監督を務めた作品です。原作はマッシモ・グラメッリーニの自伝小説であり、母の死が作品のテーマです。本記事では映画「甘き人生」について、あらすじ、結末のネタバレ、原作情報、マルコ・ベロッキオについて、視聴者の感想などをまとめています。あらすじや感想の記事では映画の全容をネタバレしていますので閲覧はご注意ください。

甘き人生のあらすじと映画の結末は?巨匠マルコ・ベロッキオ監督が描く人間ドラマのイメージ

目次

  1. 甘き人生とは?
  2. 甘き人生のあらすじネタバレ
  3. 甘き人生の結末ネタバレ
  4. 甘き人生の監督マルコ・ベロッキオとは?
  5. 甘き人生の原作は?
  6. 甘き人生に関する感想や評価
  7. 甘き人生の映画ネタバレや原作・感想まとめ

甘き人生とは?

甘き人生の映画情報

映画「甘き人生」は2016年に製作されたイタリア映画です。イタリアの巨匠と呼ばれるマルコ・ベロッキオがマッシモ・グラメッリーニの自伝小説を映画化、日本では2017年に公開されました。

甘き人生の予告動画

予告動画では「甘き人生」の冒頭でツイストを踊る母とマッシモ。そしてこの映画の中で印象的な「楽しい夢を」と言い残していなくなる母。60年代の子供時代のトリノの記憶と90年代の大人になったマッシモとが交錯する様子が紹介されます。

夢と覚醒の抒情詩、というキャッチコピーが非常に印象的な本予告。ここからの記事で映画「甘き人生」についてのあらすじ、結末のネタバレほか、マルコ・ベロッキオや原作情報、最後に視聴者の感想などをまとめています。

映画「甘き人生」オフィシャルサイト

甘き人生のあらすじネタバレ

あらすじネタバレ:マッシモ少年

映画「甘き人生」はママと子供のマッシモが2人でツイストを踊るシーンで始まります。そこにあるのは仲睦まじい母と息子の姿が描かれます。子供時代のマッシモと母はとても仲良し。しかし、2人でバスに乗ったある日、母はどこかぼんやりと外を見つめており、思い悩んでいる様子でした。

あらすじネタバレ:楽しい夢を

ある雪の降る寒い日。マッシモが眠っていると部屋に母がやってきます。そしてマッシモのベッドに寄り添い、彼の耳元で「楽しい夢を」と告げる母。マッシモはこれに気が付くことはなく、これが母がマッシモへ向けた最後の言葉となりました。

あらすじネタバレ:いなくなった母

翌朝のまだ暗い時間、何かが割れるような音と父の叫び声がしてマッシモが目を覚まします。家には叔父と叔母、よその人もおり、何か異変があったのは明らかでした。マッシモは慌てて父を追いかけますが、父は誰かに連れられて外へ行ってしまい、母の行方はわからぬまま。マッシモの面倒は叔父と叔母が見ることになりました。

あらすじネタバレ:過去と向き合う

場面が切り替わり大人になったマッシモが実家へと戻って来ます。彼は実家を手放すため、家の中の遺品整理に来ていました。遺品整理をすることはマッシモにとって過去と向き合う行為でもありました。

あらすじネタバレ:母の死を拒絶

映像は再び過去へ。叔父と叔母に面倒を見てもらっていたマッシモは、父と教会へと向かいます。マッシモは母は病気だと言い張り見舞の花束を持って行きますが、そこで母が亡くなったことを告げられます。

しかし、マッシモは母の死を受け入れることができず、天国の母に祈ることを拒否。葬儀の場になっても母の死を認めようとはしませんでした。その後も父に反抗的な態度を取り続けるマッシモ。ある時、そんな彼を励まそうと父はマッシモをサッカーへと連れ出します。

サッカーが気に入ったマッシモは熱心に解説者の模倣をして見せました。しかし、サッカーに熱を燃やしても母への想いが消えることはなく、新しく家に来た家政婦に母の姿を求めるマッシモでしたが、家政婦からは拒否されてしまいます。マッシモは幼い頃に母と見た怪人ベルファゴールに心の中で話しかけ、自身の守り神として心の中に存在させていました。

あらすじネタバレ:10代の頃のマッシモ

10代になったマッシモには親友ができていました。或る日、親友エンリコの家を訪れたマッシモは、エンリコの母から息子をいかに愛しているかということを聞きます。エンリコはそんな母を鬱陶しがっている様子。しかし、母と楽しそうにじゃれ合う姿はとても仲睦まじく、マッシモはそんな2人の様子を羨ましそうに眺めます。

エンリコの母がマッシモに「いつお母さんに会いに行くの」と聞くと、マッシモは「母はニューヨークにいる」と答えました。この頃のマッシモは周囲に対して母が死んだことを打ち明けず、遠い所にいるのだと言っていました。

あらすじネタバレ:教会へ通うマッシモ

理科の神父による宇宙誕生の話を聞いていたマッシモは「宇宙が誕生する前は何があったのか」と神父に問います。何度も問い詰めるマッシモに神父は「それは信仰の問題だ」と答えます。そして、死は光と共にあることを告げます。それを聞いたマッシモは夜に学校の礼拝堂へと忍び込み、教会の中の電飾つけて回ります。

しかし、電飾をつけて回っている内に神父に見つかりお咎めを受けます。マッシモは神父に、母のところへ行きたい一心で天国に近づきたいと言います。どうやら明かりをつけることで母に近づけると考えたようです。神父は「母がいる場所は天国だ」と説得し、マッシモに母の死を乗り越えさせようとしました。

あらすじネタバレ:母の死因

マッシモは父に母の死因を問うことにしました。母が死ぬところを見たのか、と問うマッシモに首を振る父。そして、母は心筋梗塞を起こして亡くなったとマッシモに告げます。母は体が弱く、あの日は寒かったから、と言い聞かせます。

あらすじネタバレ:新聞記者として働く

場面は変わり、1992年、大人になり新聞記者をしているマッシモが登場します。彼はサッカーの記事を書いており、その評判は悪くはない様でした。ある時新聞社の社長に呼び出され、自宅を訪れるのですが、タレコミでもあったのか突如警察官が訪れ騒然とした雰囲気に。

支度をするから待ってくれ、と警官に告げて奥の部屋に引っ込む社長と現場を見守るマッシモ。すると突然銃声が鳴り響き、社長が拳銃自殺。マッシモが編集長にそのことを電話で告げると「その場でその記事を書け」と命じられます。この記事によってマッシモは一躍成功を収めました。

あらすじネタバレ:エリーザとの出会い

1993年、今度はサラエボの紛争地帯で取材を行うマッシモ。凄惨な現場を目の当たりにし、取材を終えて帰ると自宅に母親の遺品だというマッチの箱が届いていました。それを手にした途端、パニックに襲われたマッシモは不安に駆られ医者に電話を掛けます。

対応してくれた女医の名はエリーゼと言い、マッシモは診察のために彼女の元を訪れました。エリーザの診察を受けたマッシモは彼女へ信頼を寄せるようになります。そして、診察の帰りに橋の上で、過去に母親が橋の上から花束を投げているシーンを思い出しているとそこにエリーザが現れます。

映画では詳細については描かれませんが、彼らはこの出会いをきっかけに恋人として付き合うようになります。

甘き人生の結末ネタバレ

結末ネタバレ:父との再会

1995年、マッシモは父と再会。再会したのは1949年に地元サッカー選手が航空機墜落事故によって亡くなった追悼式の場で、親子は久しぶりに顔を合せました。父には30も年下の若い恋人がおり、マッシモは驚きます。その場で父はマッシモに遺品を託しました。

結末ネタバレ:編集長の心遣い

新聞社では「傲慢な母を愛せない」という読者投稿の件が話題となっていました。その場で「こんな投稿に返事が書けるか」と盛り上がりましたが、マッシモの過去を知る編集長は個人的にマッシモにその返事を書いてみないか、と提案。

マッシモは自分の気持ちを打ち明けるかのように、自分も過去に母を亡くしたこと、例え傲慢な母であろうとも目の前に母がいることは幸福なことであると綴り、最後に「母を抱きしめて欲しい」という旨を書きました。ベテラン記事は母を売り物にするなんて、と批判しましたが読者からは大きな反響を呼びました。

結末ネタバレ:踊るマッシモ

マッシモはエリーザに呼ばれ、彼女の祖父母のダイヤモンド婚を祝うためのパーティーに出席します。マッシモの母への想いを綴った記事は大きな反響が合ったためか、そこでのマッシモは有名人。記事を読んだという視聴者から声を掛けられ、エリーザからも記事について「気に入った」という感想を聞きます。

ダンスで盛り上がる会場に、マッシモは一歩引いたところで見守っていましたがエリーザに誘われダンスの輪の中へ。「踊れないんだ」と照れくさそうにしていましたが、踊り始めるとノリノリで親族たちの前で見事なダンスを披露。踊るマッシモの姿は映画の冒頭で母とツイストを踊る幼少期のシーンを彷彿とさせます。

結末ネタバレ:母の死の真実

遺品の整理をするマッシモは、昔テレビで見た映像を思い出します。それは女性が高い階から飛び降りるもので、不安に駆られたマッシモは夜中に叔母を呼び出し「死の真相を教えて欲しい」と請います。叔母は棚から一冊の本から新聞記事を取り出しました。

そこにはマッシモの母が飛び降り自殺をしたという記事があり、初めて母の死の真相を知りショックを隠せないマッシモ。叔母は「母は病気で苦しんでいたのだ」と告げますがマッシモは「母は自分を見捨てた」と反論します。

結末ネタバレ:母との別れ

マッシモは外から母が飛び降りた階を見上げます。映像はプールへと切り替わり、エリーザが飛び込み台から飛び込むシーンへと繋がります。母の飛び降りを連想させるかのような繋がりです。そして、夜、ソファに横になるマッシモに寄りそうエリーザは「行かせてあげて」と囁きます。

エリーザの一言は「母を行かせてあげて」という意味なのでしょう。最後に幼いマッシモと母がかくれんぼをする映像が流れます。何度探しても見つからない母にマッシモが不安の声を上げると「ここにいたのよ」と教えてくれる母。こうして幼い日の記憶を最後に映画「甘き人生」は幕を閉じました。

甘き人生の監督マルコ・ベロッキオとは?

マルコ・ベロッキオのプロフィール

「甘き人生」の監督を務めたマルコ・ベロッキオは1939年11月9日、イタリア北部のボッビオで生まれました。1959年から映画製作を学び、映画監督デビューは1965年「ポケットの中の握り拳」という作品です。その2年後の1967年「中国は近い」という映画で第28回ヴェネツィア国際映画祭で審査員特別賞を受賞。監督としての地位を築きました。

後に精神科医のマッシモ・ファジョーリと出会ったことで、彼の作風は哲学的なものを含んだ精神世界を描くような作風へと変化していきます。特に80年代から90年代の「肉体の悪魔」や「蝶の夢」などは精神世界を描くマルコ・ベロッキオを代表する作品と言えます。

2000年代からは社会的・政治的要素を取り入れた映画も製作しており2009年に製作した「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」では、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の監督賞ほか8部門を受賞。今回ご紹介の「甘き人生」は2016年の映画ですが、マルコ・ベロッキオが得意とする精神世界を描いた作品となっています。

マルコ・ベロッキオは原作の理解が不十分?

映画への感想は常に賛否両論あるものですが、この映画に批判的な声の中には「甘き人生でマルコ・ベロッキオは原作を理解しきれていないのでは?」との声も。母を失った喪失感を映像で表現するシーンが多く、分かりやすくストーリーが進む物語とは違い抽象的な印象の強い「甘き人生」。

意味を理解するのが難しいシーンもあり「甘き人生の中でマルコ・ベロッキオは何を描いているのだろう?」と思う視聴者もいたようです。原作小説もありますので、小説を読むとまた印象が変わる可能性もありそうです。

甘き人生の原作は?

甘き人生の原作は自伝小説

「甘き人生」の原作はマッシモ・グラメッリーニの「Fai bei sogni」という小説です。この小説を直訳すると「よい夢を」という意味で映画「甘き人生」の冒頭で母がマッシモに語り掛けるシーンを思い出させます。この「Fai bei sogni」という原作小説は作者マッシモの自伝となっており、イタリアのベストセラー小説となっています。

甘き人生に関する感想や評価

ここには「甘き人生」を実際に視聴したユーザーの感想を集めてみました。「甘き人生」を鑑賞して切なさを覚えた視聴者の感想です。

批判的な感想の中には「どれだけ母親の死を引き摺るのか」といった声もあったようですが、母への思いというのは時に人生の中の重要なテーマとして扱われることもあります。マルコ・ベロッキオ自身も長年考えていたテーマですので、強い思いがあったのかもしれません。

「甘き人生」への感想と共にマルコ・ベロッキオへの感想も語られています。映画を製作した時、既に70を超えていたマルコ・ベロッキオですが、その才能はまだまだ衰えていないようです。

イタリアといえば母を大切にする分化が強く根強いているという印象を持つ人も多い様子。国の文化が違えば感想や印象も変わりますので、イタリアでは日本以上に評価が高かったのでは、という感想です。この映画は映画の中の色合いにも拘っているそうなのですが、この感想ではそれに対しても評価されています。

甘き人生の映画ネタバレや原作・感想まとめ

映画「甘き人生」についてのあらすじ、結末のネタバレ、原作情報と感想のまとめいかがだったでしょうか。イタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ自身も探求していたテーマが込められており、一部ではイタリア映画史に残る傑作だとも言われました。

この記事でも少し触れましたが、ストーリー展開がわかりやすい作品と違って、切り替わる映像によって表現されるため分かりづらいシーンも多い映画。この映画では物が落下するシーンが多いです。例えばマッシモが像を落とすシーンだったり、サッカーボールをぶつけてレリーフを割ってしまうシーンなど。

登場人物が高い場所から飛び降りるシーンをテレビで見る母や、プールに飛び込むエリーザなどもそうです。こういった「落下」シーンは全て母の死を思わせるものであり、その都度マッシモは母の死を考えさせられるという印象的なものとなっています。奥深さを秘めた作品ですがマルコ・ベロッキオのファンや彼の精神世界を描いた作品が好きな方は是非。

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