ナインハーフのあらすじと感想・結末をネタバレ!どんな恋も9週間半で終わる映画?

1986年に公開されたアメリカの映画「ナインハーフ」。当時はエロチックな場面が多いということで、アダルトなイメージが強かったこちらの映画、「ナインハーフ」のあらすじを結末までネタバレ紹介。9週間半で終わる恋人とはいったいどんなふたりなのか?また、作中に使われた曲も当時ブレイクしていた曲ばかりで興味深いものばかりということで、サントラについてと、更にこの映画を観た人の感想・評価をまとめてみた。

ナインハーフのあらすじと感想・結末をネタバレ!どんな恋も9週間半で終わる映画?のイメージ

目次

  1. ナインハーフとは?
  2. ナインハーフの映画あらすじをネタバレ
  3. ナインハーフの映画結末をネタバレ
  4. ナインハーフの登場人物・キャスト
  5. ナインハーフの音楽・サントラ
  6. ナインハーフを観た人の感想や評価は?
  7. ナインハーフの映画ネタバレまとめ

ナインハーフとは?


ニューヨーク・チャイナタウンで出会った男と女。女は離婚したばかりのエリザベス。男はウォール街のエリートビジネスマンのジョン。ニヒルな笑みを浮かべるジョンは女の扱いに長けていたが彼の愛し方は独特だった。どんどん引き込まれていくエリザベスは葛藤しながらも未知の性を開花させていく。そんな二人の恋人としての9週間半の愛を描く。

ナインハーフの作品情報

映画「ナインハーフ」は1986年に公開されたアメリカの映画。『フラッシュダンス』のエイドリアン・ライン監督の作品だ。原作はエリザベス・マクニールで本名インゲボルグ・デイという雑誌の編集者が本業の女性で、「ナインハーフ」は作者の実話であると言われている。原作は映画よりもハードで、明確にSの男性とMの女性という表現になっているという。

1972年に公開された「ラストタンゴ・イン・パリ」という映画があるのだが、ミッキー・ロークはその映画に触発され「ナインハーフ」に取り組んだという話しがある。因みに「ラストタンゴ・イン・パリ」はパリのアパートで暮らす中年のポールと若い女性 ジャンヌの二人の性交のみの関係を描いている。 主演はマーロン・ブランド と マリア・シュナイダー 。暴力的な性描写が当時物議を醸し、問題作となった経緯がある。

また、「ナインハーフ」の続編「ナインハーフ2」が約10年後の1997年に劇場未公開で作られている。ミッキー・ロークのみ再出演だがこの頃のミッキーというと、1991年にボクサーに転身しており、ボクシングと加齢の為なのか顔が若干崩れているのも否めない。しかし見た目はさておき色気は健在ということ。更に、翌年1998年には「ナインハーフ3」が出ているが、こちらは別ストーリーでミッキー・ロークの出演もない。

ナインハーフの監督

「ナインハーフ」の監督は、個性的な映像を見せると定評のエイドリアン・ライン、撮影監督には「アナザー・カントリー」でカンヌ映画祭撮影賞を受賞したピーター・ビジウ。二人は"愛欲"のイメージを強烈な赤でその他はモノクロの色調にし魅惑的な映像にしている。ライン監督の映像は、必ず太陽の光と自然の風景を使うのが特徴。ロケ地選択は、50数か所以上の候補からライン監督自身が決定したという。

「ナインハーフ」で監督の一番の苦労だったのは、思うようなジョンのアパートが無かったことだという。やっとの思いでピアノ工場を改造した古く広々したスペースのあるペントハウスを発見した。そこは360度ガラス張りの為、監督達二人の必須事項である“太陽の光“があったのだろう。映像でそれがみてとれる。

また、街でのロケでは「ザ・ブロンクス・ウォリアーズ・ドラム」「バブル・マーチング・バンド」“ローリング・ストーンズ”のロン・ウッド率いる「ブラック・セイジ・レゲエ・バンド」など、他にも大道芸人達が数々登場し、パフォーマンスを見せている。そのあたりの現場の乗りも大事にしていたようだ。

ナインハーフの予告動画

官能的で刹那的な恋人たちの9週間半を描く「ナインハーフ」の予告動画がこちらだ。当時はYouTubeはじめ、動画などというものはなかっただろうから、ポスター或いはTV、雑誌等で映画の情報を得ていたことだろう。今や大方の人がスマホ等でこんな動画が見れるのだから便利な時代だ。

ナインハーフの映画あらすじをネタバレ

ここからは映画「ナインハーフ」のあらすじを詳細に結末までネタバレでご紹介。恋人達が如何に9週間半を過ごしたかそしてどんな結末を迎えるのか?あらすじを読み終わった後観たくなること必至。
 

あらすじネタバレ:出会い

エリザベス・マクグロウ、通称リズはニューヨークの画廊に勤めていた。三年間の結婚生活にピリオドを打ったばかりで社会復帰のお祝いを自宅で催すため、食材の買い出しに友人モリーとチャイナタウンに出かけたところでジョン・グレイに出会う。ジョンの愁いを帯びた笑顔がやけにリズの印象に残った。翌日蚤の市でリズを見かけたジョン、彼女が欲しそうに見ていた高級スカーフを買うとそっと後ろから近づき、スカーフで包み込んだ。

「あなたはいつも笑っているのね」とリズ、ジョンはいつでもニヒルに笑っていた。二人はレストランで食事をし、ジョンの友人のものだという川沿いの家に行く、家に入るや否やベッドの用意を始めるジョン。そんな彼にリズは戸惑い、一人その家を後にしたのだった。

あらすじネタバレ:ジョンの自宅

初めてのデートの後も女性の扱いに手慣れた様子で、スマートなアピールを繰り返すジョン。職場に薔薇の花束とともにデートの誘いが来たときにはもう、リズはすっかり堕とされていた。その夜リズの部屋で関係を持った二人、次にジョンの部屋に招かれると、リズは彼から時計をプレゼントされた。「毎日夜の12時になったら時計を見、僕との夜を思い出して」と。

あらすじネタバレ:恋人

「なぜわかったの?、わたしがあなたの言う通りになるってことが」というリズに「君はぼくの分身だから」と答えるジョン。彼は彼女の髪をとかし食事を与えたりする。リズが自分ですることは許さず「僕が食事を作り、君に食べさせ、皿を洗い、朝は服を着せ、夜は脱がせ、風呂に入れ、君の世話をする…」と、まるでお人形遊びかなにかのようにリズを扱うジョン。

ジョンのペースにはまっていきながら、自分ではどうしようもできない思いに戸惑っていたリズ。そんな思いを打ち消すため突然思い立って訪ねたジョンの職場で、彼はリズの知らない有能なブローカーだった。倒錯的な彼としっかりしたビジネスマンの彼。そうかと思えば、リズに万引きをそそのかしたりするジョンは普通の恋人が味わうような感情だけでは快感を得られないようだ。ますますもがき深みにはまっていくリズ。

仕事中もリズはジョンとのセックスを思い浮かべるようになっていた。まるでジョンの手がそうしているように、自分の体を愛撫するリズ。一方、仕事は老画家のファンズワースの個展を開くために忙しいリズは、いっこうにらちのあかないファンズワースの家におしかける。そこでの老画家の生活に触れ、ジョンと一緒にいる時とは違う感覚を味わう。

 

ナインハーフの映画結末をネタバレ

ここからは「ナインハーフ」の結末をネタバレでご紹介。あらすじでネタバレしたように葛藤しながらも惹かれていくリズに対して、何を考えているのかわからないジョン。9週間半過ごした恋人達の結末は?ジョンの愛し方に出したリズの答えとは?

結末ネタバレ:呼び出し

ある日、場末のホテルに呼び出されたリズ。ジョンはリズに目隠しをすると娼婦と共に戻ってきた。娼婦はリズの服を脱がせ始める、その様子をいつもの笑顔で見守るジョン。嫌がるリズを「君は僕の言う通りにしていればいいんだ」となだめるも、ファンズワース邸で感じた感覚と今の自分の感情のギャップにリズは耐えられず、そこから逃げ出す。

結末ネタバレ:展覧会

ファンズワース個展のオープニングはリズの献身ぶりが功を奏してマスコミやら批評家やらで賑わった。友人のモリーと元夫のブルースの仲も順調のようだ。ふと、ファンズワースと目が合うとリズは堪らない気持ちになっていく。ニューヨークには不慣れで嘘のない老画家と性欲に溺れた自分。思わず会場を飛び出すリズだったが…。

リズの行き先はやはりジョンの部屋だった、しかし彼女は決意していた。明け方荷物をまとめる彼女に彼は穏やかに「出ていくのか?」と訊ねる。彼女は何も言わずにうなずくが、その眼には涙が。「俺は5人兄弟の末っ子で...」と初めて身の上話を始めるジョンに遅かったと言い部屋を静かに出る。その背中に「愛している。戻ってきてくれ」とジョンは言うがリズはニューヨークの街に消えていく。

ナインハーフの登場人物・キャスト

ストーリーがストーリーだけに、主演二人、ジョン役のミッキー・ロークとエリザベス役のキム・ベイシンガーの出演がほとんどなのだがその他には、老画家ファンズワース、リズの友人モリー、リズの元旦那などだ。そんな「ナインハーフ」のキャストを紹介。

ジョン・グレイ/ミッキー・ローク

ジョン・グレイを演じたのは、1952年9月16日アメリカ生まれのミッキー・ローク本名Philip Andre Rourke Jr.だ。母親の再婚で一度ニューヨークを離れるが19歳の時に単身で戻り、アクターズ・スタジオにて演劇を学ぶ。1979年に「1941」で映画デビューした後は順調にキャリアを重ね、1981年「白いドレスの女」での爆弾を作る男の役が評価されている。私生活ではこの年一度目の結婚をするが1989年離婚。

1982年に出演した「ダイナー」では全米映画批評家協会賞助演男優賞を受賞。1980年代には、世界で最もセクシーな男などと称された。「ナインハーフ」をはじめ「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」、「エンゼル・ハート」等の話題作で主演を務めた。俳優を志す以前にボクシングをやっていたこともあり1991年にはプロ・ボクサーに転身している。

ボクサー引退後に再び俳優業に戻る。2008年9月第65回ヴェネツィア国際映画祭で主演作の「レスラー」が最高賞の金獅子賞を受賞。また、ミッキー・ローク自身もゴールデングローブ賞ドラマ部門の 主演男優賞などを受賞している。彼はボクサー時代の怪我のために整形手術を受けているが2009年には、整形手術が失敗したと自ら述べている。2017年現在も整形手術は重ねられており心配の声も上がっている。

エリザベス・マクグロウ/キム・ベイシンガー

「ナインハーフ」でミッキー・ロークの恋人役、エリザベスを演じたのは1953年12月8日アメリカジョージア州生まれ、当時33歳のキム・ベイシンガーだ。彼女はジャズのバンドマンの父と、モデルで女優の母を持ち5人兄弟の三番目。16歳の時ミスコンでジョージア州の代表としてニューヨークに行き、その時モデル・エージェンシーに見いだされ、20歳の時にはトップモデルになっていた。

「ナインハーフ」での大胆な演技が評価され1989年バットマンヒロインに抜擢、1997年、往年の女優ヴェロニカ・レイクを彷彿とさせる役柄で「L.A.コンフィデンシャル」でゴールデングローブ賞 助演女優賞、アカデミー助演女優賞を受賞。

プライベートは1980年メイクアップ・アーティストの男性と結婚したが1988年に離婚。1993年「あなたに恋のリフレイン」で共演したアレック・ボールドウィンと結婚し、二人の間には娘が一人いるが、2002年に離婚。経済面では、1989年ジョージア州に1691エーカーの土地を購入し、映画スタジオ等を作って観光地にしようとするが失敗。1992年「ボクシング・ヘレナ」への出演を止めた為740万ドルの損害賠償金で破産している。

モリー/マーガレット・ホイットン

1950年11月30日アメリカのフィラデルフィアに生まれたマーガレット・ホイットン。彼女が「ナインハーフ」エリザベス役の友人でエリザベスの元旦那と恋人になるモリーを演じている。彼女は舞台女優から始め、1982年には「Steaming」でブロードウェイデビューを果たしている。1972年「Parades」で映画デビュー。1986年の当映画「ナインハーフ」出演後徐々に名前が知られるようになったようだ。

1989年「メジャーリーグ」で意地悪な野球チームオーナーを演じ、続編の「メジャーリーグ2」でも同役で出演しており、日本からの参加の石橋貴明と共演している。2016年癌のため67歳で息を引き取った。

ファンズ・ワース/ドワイト・ワイスト

あらすじで登場したように、この映画「ナインハーフ」で実はキーマンとなっているファンズ・ワース。その老画家を演じたドワイト・ワイストは1910年1月16日アメリカカルフォルニアで生まれている。多くの資料はないが1991年7月16日に亡くなっているようだ。出演映画は1983年「カメレオンマン」1986年「薔薇の名前」同じく1986年「ナインハーフ」1987年「ラジオ・デイズ」など。

ナインハーフの音楽・サントラ

映画「ナインハーフ」は映像と共にサントラも話題になった。大ヒットとまではいかなかったもののクールでセクシーな曲が詰まっている。80年代のヒットメーカーをギュッと詰め込んだこのサントラの楽曲を紹介しよう。

使用曲「This City Never Sleeps」

リズが仕事中にジョンを思い出すシーンで使われた曲はユーリーズミックスの「This City Never Sleeps」だ。イギリスのミュージシャン"ユーリズミックス“の1983年リリースのアルバム「 Sweet Dreams」に収録されたこの曲、6分23秒と長めだがセクシーでけだるい感じが映像とマッチしている。因みに「Sweet Dreams」は80年代を代表しており名盤との評価がある。
 

ユーリズミックスとは?

"ユーリーズミックス"とはイギリスの二人組のミュージシャンで1980年代にヒット曲を連発し高い人気を誇った。二人は"ユーリズミックス"結成以前"トゥーリスツ"というバンドにおり、恋人同士の関係でもあったが二人での音楽活動を続けるにあたり関係を解消している。1980年、アニー・レノックスとデイヴ・スチュワートによって結成され、1981年に"ユーリーズミックス”としてデビューしている。

1983年、第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンの波に乗って「スイート・ドリームス」が全米1位の大ヒットを記録した。クールなエレクトリック・ポップのサウンドと、短髪で男性的なアニーのビジュアル・イメージは強烈な印象を与えたようだ。
 

1984年、マイケル・ラドフォード監督の映画「1984」のサウンドトラックに参加。そのうちアニーが歌う 「Sex Crime」 をシングルで発売するが、性表現に厳しいアメリカ内では度々規制された。1985年の「There must be an Ange」は彼らの代表曲の一つで、全英1位を記録。日本でも人気が高く、カバーバージョンやCM音楽でたびたび取り上げられている。ルチアーノ・パヴァロッティとのデュエットヴァージョンも存在する。

1985年にアニーはアレサ・フランクリンとの「Sisters Are Doin' It For Themselves」をヒットさせ、1986年にはアルバム「Revenge」全世界で1500万枚以上という爆発的なセールスを記録した。1990年に“ユーリズミックス"としての活動を停止し両者ソロ活動を経て、1999年に再結成している。2003年には映画「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」の楽曲「イントゥー・ザ・ウエスト」でアカデミー歌曲賞受賞。

私生活でアニーは1984年にドイツ人のクリシュナ教宣教師と結婚するが半年で離婚。1987年イスラエル人の映画プロデューサーと再婚、女児二人と男児をもうけるが男児は死産。その後離婚に至る。2008年には背中を怪我したらしく、2011年には「背中と左足が使い物にならなくなっている」と自身のサイトに載せている。

使用曲「Slave to Love(愛の奴隷)」

次は「Slave To Love 」はブライアン・フェリーの曲。日本でも人気のあるブライアンはクールでダンディが売りだった。85年のヒット作「Boys & Girls」にも収録されてる「Slaive TO Love」は洗練された音だと評価。和訳が"恋の奴隷"というだけあって映画の内容とピッタリだという声も。

ブライアン・フェリーとは

ブライアン・フェリーは、1945年9月26日生まれのイギリスのロック・ミージシャンで作曲家。ロックグループ"ロキシー・ミュージック”の個性的なボーカルとして有名である。
 

1971年にロック・グループ"ロキシー・ミュージック"結成、1972年デビュー。1973年にはバンドと並行してソロ活動開始している。ソロ・デビュー作は「愚かなり、我が恋」。"ロキシー・ミュージック”としての「恋はドラッグ」もアメリカでヒットした。「レッツ・スティック・トゥゲザー」「トーキョー・ジョー」は彼の代表作である。1975年にロキシー・ミュージックが解散してからは、ソロ活動に専念している。

1997年「イン・ユア・マインド」に収録されている「Tokyo Joe」が、木村拓哉主演「GIFT」(フジテレビの水曜劇場)で使用され、日本のオリコン洋楽シングルチャートで1位を記録している。

使用曲「I Do What I Do」

そして、「ナインハーフ」サントラからの最大のシングルヒット曲。デュランデュランのベース担当であるジョン・テイラーのソロ作。

ジョン・テイラーとは

ジョン・テイラーは1960年6月20日 生まれ。1978年から1997年までデュラン・デュランのベーシスト、ソロ活動もしており、俳優でもある。彼はデュラン・デュランの活動をしながら、自社"Trust The Process"から4年間にわたって12曲のソロアルバムを出している。また映画「シュガータウン」では主役を務めるなど俳優としても活躍していた。2001年デュラン・デュラン初期メンバーでの活動に参加。

デュラン・デュランとは

デュラン・デュランとは1978年イギリス・バーミンガムで結成されたロックバンド。1980年代前半のニューロマンティックといわれるムーブメントやMTVブームの火付け役とされている。バンド名はSF映画「バーバレラ」での悪役"デュラン・デュラン 博士"からだという。当時バンドの登竜門だったバーミンガムのクラブ”バーバレラ"が、同映画から取られている名前ということで、そこでの演奏を目指す意思を表しているという。

ナインハーフを観た人の感想や評価は?

ここからは映画「ナインハーフ」を観た人の感想や評価をまとめてご紹介。あらすじではあまりとりあげなかった官能シーンだが、ソフトエロだと言われ、R15指定でここまでが限界か?とまで言われるこの映画、観た人はどんな感想を持つのか?ツイッターなどからとりあげてみた。

エロティックな映画ということで、男性に人気なのか?と思いきやこちらの映画、実は女性に絶大な支持を受けている。恋人達の始まりから結末までを官能的な場面をはさみつつも、それだけではないおしゃれな映画に仕上がっているところが縁由のようだ。同じような感想は女性のものが多い。

公開当時80年代。その頃大人になり始めた乙女達は少し戸惑いながら見始めたであろう、こちらの映画。しかし、次第にこの恋人達に引き込まれていく。SMチックな面を原作よりは大分ソフトに仕上げているというこの作品だが、十分ドキドキしたのではなかろうか。

リアルタイムで観ても、今見返してみても映像の自然な光と、洒落た音楽。古びてないファッションが好きという感想が多い。この映画の官能シーンが己のバイブルだという感想の人もいるほど氷のシーンやフルーツ、牛乳を使っているところは衝撃的だった。ミッキー・ロークの眼差しやさりげない仕草に射止められた女性もさぞや沢山いたことだろう。

ポスタービジュアルからも分かる通り、ミッキー・ローク×キム・ベイシンガーの伝説的お洒落エロ映画。これ、二人とも人気絶頂だった時に撮影したというから驚き。 エロというよりはお洒落な雰囲気に傾いている、との前評判で観始めたんだけど、十分エロかったです…。エロいというか、官能的。豪雨のシーンはちょっと笑っちゃったけど、蜂蜜や氷は、ああこの映画が元ネタなのかと。この後幾つもこの雰囲気を真似した映画は出たわけですが(「氷の微笑」とか)、これが唯一観れるレベルだなあと。構図や音楽(テーマソングはビリー・ホリディ)にこだわっているところも、本人同士で完結してるのも、乾いていて見易い。これが子供やら親やらを巻き込みだしたら湿っぽくどろっとするんだろうけど、あくまで楽しくて刺激的な三か月を描いてすっきり終わる。

こちらは、映画全体を総評しており、客観的に観た全体像がつかめる感想だ。恋人達の9週間半の恋の結末が云々というよりは、そこから派生して後の映画に影響を与えているという事は興味深い感想だ。

本作を観た人は男女問わずに、ある事に気付くはずだ。エロスってこんなにも美しかったのか、と言うことに。俺なんかはエロスって男目線だけの物だと思っていたし、エロスとは何か?を探し続けていた俺は思わず叫んだ『エロスって、コレだよコレ~』。

女性だけでなく、もちろん男性にもエロスなり興味を感じることのできる映画のようだ。若い時にはわからないエロスが歳を重ねた今ならわかる。という感想もあるくらいエロスとは奥の深いものなのだ。

ナインハーフの映画ネタバレまとめ

高級ポルノだと言われたりする映画「ナインハーフ」いかがだっただろうか?恋人達の9週間半の始まりから結末まで描いているこの作品。なぜ9週間半なのか?だいたい二か月ちょっとなのだが、恋に落ちて浮かれ気分でのぼせていられるのは、大体三か月がいいところ。という万国共通の定説のようだ。原作よりは大分ソフトに描かれているという映画だが、監督の作風のおかげで素敵なソフトエロになり、好評を得ているのだろう。

あらすじや感想などで大体映画の内容がお分かりいただけたと思うが、文字だけでは伝えられない映像の秀逸さ、音楽の臨場感等は是非一度見ていただいたほうがいいと思う。名場面の氷のシーンやら目隠しでの行為は今や珍しくない場面なのだが、やはり美しさは「ナインハーフ」が一番ではなかろうか。

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