2019年04月04日公開
2019年04月04日更新
凶気の桜のあらすじと結末をネタバレ!窪塚洋介主演映画の感想・評価まとめ
一時代にテレビや映画のスクリーンを大いに盛り上げていた俳優の窪塚洋介が主演を務めた映画作品です。映画「凶気の桜」はアンダーグラウンドの世界を窪塚洋介のハイでシャープな演技で構成されています。今回は隠れた作品である「凶気の桜」のネタバレのあらすじを紹介します。映画の盛り立て役のキャストや見た人の感想、そして映画の結末にも迫ります。これからみようとしている人はネタバレのあらすじには注意してください。
凶気の桜とは?
映画「凶気の桜」について紹介します。「凶気の桜」は若者の立場から純粋に国を想い、考える経過を切り取った一側面です。振り切った考え方の結果ではありますが、その表現の一部としてナショナリストというカテゴリーに属して表現しています。窪塚洋介演じる山口進の立ち回りは、窪塚洋介らしさを存分に引き立て、しかしその良さを役に落とし込んで練り上げられています。若さとパワーみなぎる作品です。
凶気の桜の映画作品情報
映画「凶気の桜」は2002年劇場公開の邦画の作品です。ヒキタクニオの同名小説「凶気の桜」を映画化した作品で、監督は主に映画やテレビドラマのタイトルバックをいくつも制作してきた薗田賢治が務めています。静と動を巧みに組み合わせた演出は当時の若者の心をくすぐりました。本作「凶気の桜」は初めから結末まで暴力を伴う映画ですが、2000年当時の渋谷でのロケも多く、世相を感じることのできる作品でもあります。
凶気の桜の監督
「凶気の桜」の映画監督は薗田賢次です。薗田賢次の代表作はこの「凶気の桜」以外に「鳶がクルリと」があります。東京の世田谷区出身で、本作「凶気の桜」の舞台である渋谷には近いところで育っています。多くはPVやドラマのタイトルバックの撮影をしています。タイトルバックを務めた代表的な作品は「ケイゾク」「TRICK」「池袋ウェストゲートパーク」があげられます。
これらのタイトルバックを務めたドラマは、作品のストーリーだけでなくオープニングなどの映像も非常に印象的です。ドラマ「池袋ウェストゲートパーク」も堤幸彦監督の代表作でもありますが、一般的にドラマの導入であるオープニング映像は視聴者の心を引き付ける必要性があり、この作品では時代を読み取り、若者の関心をさらいました。数フレーム単位で切り替わる映像がスタイリッシュな印象を与えてい与えていました。
「ケイゾク」は今でも語り継がれるほどのインパクトを持つ作品であります。それに匹敵して当時若者の関心を寄せたドラマは「池袋ウェストゲートパーク」でした。幾重にも重なるカットの中にもたくさんのメッセージが込められています。同様にタイトルバックを撮影していた監督がドラマや映画のメガホンを取ることは珍しくありません。
凶気の桜の映画あらすじをネタバレ
映画「凶気の桜」のあらすじを紹介します。映画を見ていない人もこのあらすじを読めば、内容を理解できます。ネタバレを含むあらすじを紹介しているので、これから初見で映画を見ようとしている人は注意が必要です。
あらすじネタバレ:平成維新
東京の街は戦後からの成長を経て、外部からの強い影響のもとに変わっていった愛国心や多種多様の価値観呼び倫理観で溢れていました。そんな今の日本の現状に憂いを隠し切れず、もどかしさにあえぐ渋谷生まれ渋谷育ちの山口進(窪塚洋介)が仲間の小菅(須藤元気)、市川(RIKIYA)と共に「ネオ・トージョー」を組み喧嘩に明け暮れていました。「暴力こそ正義」を信念に社会を浄化すべく拳を振り上げ、奮闘していました。
しかし、浄化といっても気に食わない輩を片っ端からつぶしていくだけで、若さゆえの膨大な体力と曲がった考え方の吐き出し口でしかありませんでした。そんなネオ・トージョーの3人の噂はヤクザの耳にも届くことになりました。青修連合がネオ・トージョーに接触を図ってきます。山口はヤクザとの関係を持ちたくはない立場でしたが、事務所に来れば車をくれるという誘いに市川がつられます。
若頭の兵頭秀次(本田博太郎)に連れられて青修連合の事務所の扉をくぐった先には会長の青田修三(原田芳雄)と三郎(江口洋介)が待っていました。三郎は「消し屋」と呼ばれている殺し屋でした。消し屋は殺人だけでなく殺した人のそれまでの足跡や、また死んだ痕跡すらも奇麗にする仕事を担っている人物でした。三郎は山口達が戦闘服を着こんで暴れまわる様が馬鹿らしく思ってならなかったのです。
しかし山口は三郎の見下した態度に腹を立てて攻撃にでるが、喧嘩が強いことを自負していた山口が簡単に後ろを取られて、なおかつ他の2人が動けないほどの睨みをきかせてきたのであります。暴力で世間をのしていたネオ・トージョーが1人に圧倒されました。力の差を見せつけられた山口は負けを認めるしかありませんでした。青田は山口にイデオロギーを磨くことを言い渡し、約束通りネオ・トージョーに車を譲りました。
あらすじネタバレ:交流
ある時山口は突然男どもに囲まれて殴られました。一瞬の隙をついて逃げ出すも、執拗に追ってくる男どもに対するため、通りかかった公演で女子高生のラクロスのクロスを借りて応戦します。相手をやり込めることができた山口はクロスを持ったまま立ち去ろうとしました。あわてて取り返した女子高生の遠山景子(高橋マリ子)は山口の事が気になり声をかけ、山口の車で送ってもらうことになり、2人の接点が生まれました。
別の日に遠山がバスに乗っていると子供を抱えた女性の具合が悪くなりました。前に座っていた男性に席を譲るよう話しかけるも、寝たふりをして無視を決め込みます。そんな姿に親切心を亡くした日本の現状を見て、国を憂慮してしまいます。その後に、道端で人を殴りつけている山口に遭遇しました。レストランで騒いでいたことを理由に締め上げていましたが、遠山には口頭での注意で済むのではといさめられます。
変わらず暴力に明け暮れる山口達も青修連合と焼き肉をつつく機会が訪れます。先の時に完敗した山口達はそれぞれに青修連合の人に心を寄せ始め、市川は腕っぷしの強い三郎に傾斜し、小菅は兵頭から組への誘いを持ち掛けれました。山口は青田に自らの身の上話を語るほど、青田に徐々に信頼を寄せ始めていました。青田もそんな山口を気にかけて自らの家に遊びにくるように勧めました。
あらすじネタバレ:襲撃
ある日、山口達は「グリンゴ」というクラブで麻薬の売買が行われている情報を得て、襲撃に向かいました。屈強な外国人を相手に奮迅しますが多勢に無勢も重なり苦戦を強いられます。その最中に遠山が居合わせていることに気づき、山口達は車で逃げ出しましす。小菅はまだ喧嘩できると未練があり、また山口が遠山を助けた行為に、常々女の事で馬鹿にされていたので、怒りのベクトルが山口に向かいました。
山口と小菅は車を降りて対峙するも、小菅が顔を土につける結果になりました。日頃から山口に対して劣等感を持っていた小菅は、この喧嘩をきっかけにネオ・トージョーを去ることを決意しました。このクラブ襲撃に対して青田から叱責を受ける結果となった山口と市川でしたが、問題はクラブが敵対している小西組の息のかかっている施設だったことにありました。
山口達が青修連合に出入りしている為に、今回の襲撃が青修連合が攻撃を仕掛けたと小西組に思われてしまっていました。青田に迷惑がかかることに対して、小西組に今回の件はネオ・トージョーのしたことであると事情を説明しに行こうとします。しかし、事ここに至っては簡単にほどけることができないほどになっていました。兵頭の案で今回の件は青修連合が仕掛けたことにして、話を進めることになりました。
山口は仲たがいした小菅のその後を知しませんでしたが、青修連合に籍を置いていることを知り、驚きが隠せませんでした。山口は青田に談判に行くも、青田自身も部下の兵頭の最近の行動が理解できずにいて困惑していました。兵頭に任せた小西組のこともショバの買取へと話が傾いていました。現在の青修連合は兵頭の力が台頭していて信頼を置ける者がいないので山口に自分の助けを願いました。
凶気の桜の映画結末をネタバレ
ここまでは映画「凶気の桜」の導入から山場手前までを紹介しました。ネオ・トージョーと青修連合に忍び寄る怪しい陰と、暴力だけでは解決できない壁に山口(窪塚洋介)は悩みます。この大事に対して取る山口の行動をおいつつ、「凶気の桜」の結末に向けたネタバレのあらすじを紹介します。
結末ネタバレ:会合
兵頭の提案を受け青田は小西組に出向きます。そこで小西組が持つシマを買い取ることで争いを回避する作戦を取るも、青田自身の体調が悪く、うつ病を患っているため遅々として交渉がまとまりませんでした。結局今回の会合は合意には至りませんでした。その上、青田は山口の事すら忘れてしまうほどで、これから先のことに暗雲が立ち込めてきます。
後日山口が遠山と一緒にいると、市川と遭遇します。しかし市川の横には思いもかけず三郎がいました。三郎の魅力に傾注していた市川でしたが、今では常に行動を共にするほどになっていました。しかし、市川がしきりに手のかゆみを訴えていたこともあり、山口は心配になって三郎に市川をどうするつもりなのかを問いただしました。仕事を習いたい理由で市川はそばにいるだけだという回答に山口は納得がいきませんでした。
結末ネタバレ:始末
小西組との話し合いをまとめられなかった青田に代わり、兵頭が動き出します。三郎を使って小西を亡き者としました。その時の三郎は市川のネオ・トージョーの服に身を包み、市川から採取した指紋が付いた手袋で犯行に及びます。そしてこの一連の犯行を市川に背負わせるべく、市川を薬によって催眠状態にして自主させます。全ては兵頭のシナリオでしたが、山口だけは市川の無実を信じていました。
兵頭は追討ちをかけるように小菅に山口を襲うように指示しますが、小菅に拒否されます。引き換えにグリンゴに詫びを入れさせますが、襲撃されたことに怒りを抑えられない外国人に報復され下半身不随に陥ります。山口は青田と会い、全ては兵頭の計画であることを知りました。山口は青田に協力関係の解消をして復習に向かいますが、青田は山口に長曽根虎徹の偽物を贈りました。
その後兵頭の指示により、青田は三郎によって自殺に見せかけて殺害されます。山口は兵頭に襲い掛かり右腕を切り落としますが、とどめを刺そうとした刹那に、兵頭の後ろのカーテンから刀が伸びてきて兵頭を絶命させます。カーテンの裏には三郎がおり、青田の死の直前に兵頭の殺害を依頼されていたことを伝えました。山口は三郎に切りかかるもかわされ、逃げられます。思いを雄叫びに任せ、山口もその場を去りました。
凶気の桜の登場人物・キャスト
映画「凶気の桜」を彩るキャストを紹介します。当時旬の役者やベテランが脇を固めており、作品によっては主役を務められる役者が何人もいます。今回は主要キャストであるネオ・トージョーの3人をピックアップしています。しかし、それ以外にも今は亡き、名優の原田芳雄がキャストに組み込まれていることで、スクリーンをぐっと引き締めて、映画に厚みを持たせています。
山口進/窪塚洋介
「凶気の桜」で主役の山口進役を演じているのは窪塚洋介です。「GTO」や「IWGP」などで存在感を発揮して、いくつもの作品で主役を担っています。今回の役は喧嘩に明け暮れる若者を演じ、その激情的な演技は窪塚洋介のはまり役の一つです。しかし、その後空へ飛んだ窪塚洋介はしばらく役者の仕事から距離をとります。
その後は卍LINEという名前でレゲエ歌手として活動をしています。所ジョージが主役の声優を務めた映画「ザ・シンプソンズ MOVIE」の応援ソングをChop Stickと共に歌っています。最近は役者の仕事での露出も多くなり、窪塚洋介の認知度も徐々に高くなっています。
市川勝也/RIKIYA
RIKIYAは主要キャストの一人です。「凶気の桜」公開当時は芸名をRIKIYAと名乗っていましたが、現在は川口力哉に改名しています。元々モデルとして活躍していましたが、役者の道へと歩みを進めました。プロボクサーとしてのライセンスをも所持していますが、モデルとして足跡が大きく、PRADAのミラノコレクションに日本人初の専属モデルで出演しました。現在は映画・ドラマと実績を積み、活躍の場を増やしています。
小菅信也/須藤元気
出典: https://gori.me
小菅信也のキャストは須藤元気です。須藤元気と言えば格闘家としての面が強いですが、今回のように俳優であったり、書家であったりと様々な面を持ち合わせています。とくに近年ではWORLD ORDERとしてパフォーマンス集団を自らたち挙げて、世界的に活躍の場を広げています。「凶気の桜」が役者デビュー作ですが格闘家としての経験が生かされる立ち回りをしており、しっかりと見せ場をつくっています。
凶気の桜に関する感想や評価は?
「凶気の桜」は劇場公開から15年以上経過している作品ですが、「凶気の桜」は見た人を惹きつけて止みません。窪塚洋介含むキャストの感想から映画自体の感想まで、鑑賞した人がどのように感じたのかを紹介します。感想の中にもネタバレやあらすじの一片が含まれていますが、それによってリアルな感想が表れています。
#凶気の桜
— たー (@tar_movie_etc) August 22, 2017
そのピュアさ、凶々し過ぎ。右翼社会の抗争に翻弄される三人の若者。主人公のピュアであるがゆえの凶々しさを表現しきった窪塚洋介の演技は見事。江口洋介も大人の渇いた魅力で対抗。そして、今は亡き原田芳雄の渋さと温かさは愛しくなるほど。男たちの魅力に、男の俺が参りそうである。
この感想は、映画「凶気の桜」内のキャストの演技に魅せられています。それぞれのキャストが自らの役に自分を落とし込めることができた結果、鑑賞者へ好印象を与えて得ることができた感想です。窪塚洋介の魅力もそうですが、この映画の中では、人気を二分する役が江口洋介をキャストに迎えた三郎です。彼のクールな出で立ちと演技は、そのスマートさゆえに若者に大きな支持を得ています。
右翼に所属していない純粋な愛国心を持つ青年たちが、ヤクザに利用されて人生ズタボロにされる、そんな話。#凶気の桜 pic.twitter.com/9zqb20DcfP
— PandaMafia (@sasa_tabenai) July 8, 2015
この感想は、映画「凶気の桜」を評価する人の中に一定数ある感想の一つです。若者がヤクザという大人の世界で自由に羽ばたけず、そして羽をもがれる様子はあまりにもやるせない結末でもあります。このツイートからは結末も何となく読めてしまいそうなほど映画の後半に対しての感想が溢れています。窪塚洋介ら3人のキャストが描いた映画をこのようにとらえる人の感想です。
チーマーの日常がたんたんと描かれています。窪塚洋介がスキンヘッドなのも衝撃ですが須藤元気も準主役で出ていたので驚きました。ジブラが歌うテーマ曲もズシンと重く、闇社会を描く作品に見事にマッチしてました。ラップで始まるイントロ部分がけっこう好きです。 #凶気の桜
— ムービーアルベルト映画・海外ドラマ見放題 (@new_movies55) September 4, 2014
映画は総合芸術とも呼ばれていました。ストーリーやキャストたちの演技だけでなく、それを陰に日向になりながら盛り上げるのが音楽です。映画は結末までをみて全てですが、映画の入りはとても大切です。この映画はテーマ曲でも注目を集めた作品でした。スタイリッシュな映像とそれに合うラップは、映画開始早々に心をつかまれます。
凶気の桜の映画ネタバレまとめ
ネタバレを含むあらすじを結末まで紹介してきました。ここには2002年の公開ながら今でもなお新鮮さを保ち続けている映画「凶気の桜」がありました。窪塚洋介はじめ、キャストの配役の妙であったり、うまく張り付いた曲であったりと相乗効果をなしていました。山口達の若さと信念が引き寄せる結末に気持ちの高ぶりを覚える作品です。