パフューム ある人殺しの物語のあらすじと感想は?衝撃のラスト・結末もネタバレ

2006年制作のドイツ・フランス・スペイン合作映画『パフューム ある人殺しの物語』。原作は世界中で1500万部を売り上げたパトリック・ジュースキントのベストセラー小説です。香水の匂いという目に見えないものをテーマとし映画化困難との理由で原作者の承認がなかなか得られなかったと言います。そんな映画『パフューム ある人殺しの物語』の詳細なネタバレあらすじや感想をお届けします。この機会にせひご覧ください!

パフューム ある人殺しの物語のあらすじと感想は?衝撃のラスト・結末もネタバレのイメージ

目次

  1. パフューム ある人殺しの物語とは?
  2. パフューム ある人殺しの物語のあらすじネタバレ
  3. パフューム ある人殺しの物語の結末ネタバレ
  4. パフューム ある人殺しの物語の登場人物・キャスト
  5. パフューム ある人殺しの物語に関する感想や評価は?
  6. パフューム ある人殺しの物語のネタバレまとめ

パフューム ある人殺しの物語とは?

パフューム ある人殺しの物語の映画作品情報

『パフューム ある人殺しの物語』は2006年制作のドイツ・フランス・スペイン合作映画です。原作は世界中で1500万部を売り上げたパトリック・ジュースキントのベストセラー小説『香水 ある人殺しの物語』。

映画『ラン・ローラ・ラン』や『王様のためのホログラム』で知られるドイツの俊英トム・ティクバが監督を務めています。映画『パフューム ある人殺しの物語』は、18世紀のパリを舞台に生まれながらに超人的な嗅覚を持つ主人公ジャン=バティスト・グルヌイユと若く美しい女性ばかりを狙った連続殺人事件が織りなすサスペンスドラマとなっています。

パフューム ある人殺しの物語の予告編動画

上の動画は映画『パフューム ある人殺しの物語』の予告編です。観衆が罵声を浴びせる中、若い女性を殺害した罪で主人公ジャン=バティスト・グルヌイユに絞首刑の判決が言い渡される衝撃的なシーンです。もっと屈強な男を想像していた方には意外に思われるかもしれません。恐怖の殺人鬼、主人公は匂いをかぎ分けることに秀でた才能を持つ病的で繊細な男でした。

パフューム ある人殺しの物語のあらすじネタバレ

あらすじネタバレ:出生から思春期を経て

さっそく映画『パフューム ある人殺しの物語』のネタバレあらすじに移ってまいりましょう。物語の舞台は18世紀のフランスはパリ。悪臭漂う下町の汚い魚市場で働く女が、屋台の下で男の子を産み落とします。女は産んだ子どもを遺棄した罪で絞首刑にされます。男の子はジャン=バティスト・グルヌイユと名付けられマダム・ガイヤールという強欲な老婆が運営する孤児院に引き取られます。

5歳になってもグルヌイユは喋ることもできません。ただ生まれながらに持っている異常ともいえる嗅覚で匂いをかぎ分けることができるのみでした。グルヌイユが13歳になるとマダム・ガイヤールは口減らしのため彼を革職人に売り飛ばしました。ところがマダム・ガイヤールはその直後強盗に金を奪われたうえ殺されます。

革職人の下で過酷な労働を強いられる毎日。ただ自分の優れた嗅覚の力を信じて必死に働くグルヌイユでした。

あらすじネタバレ:殺人

あらすじ紹介、続いては本作のテーマの一つ、主人公が犯す”殺人”です。過酷な労働に耐えたグルヌイユに町に革製品を売りに行く仕事が与えられます。町に到着したグルヌイユは、いままでに嗅いだこともないさまざまな匂いがあることを知り夢中になります。その中でも理性を失ってしまうほど彼を惹きつける匂いに出会います。それはたまたま通りかかった果物売りの娘の体の匂いでした。彼は匂いをたどって娘の後を追います。

ところが彼が近づくと娘は怖がって逃げてしまいました。グルヌイユは娘を匂いで探し出すと後ろから近づきます。娘はそれに気づき叫び声を上げそうになります。グルヌイユはあわてて娘の口を塞ぎます。ところが力が強すぎたせいか娘は死んでしまいました。グルヌイユは動かなくなった娘の服を破り取ると、夢中になって彼女の匂いをかぎ恍惚となります。そしてこの匂いを永遠に保存できないか思案にくれるグルヌイユでした。

あらすじネタバレ:転職

次のネタバレあらすじは主人公が能力を生かせる職に就くシーンです。かつては繁盛していた老舗香水店の店主バルディーニは、客を呼び戻そうと必死になっていました。流行りの香水「愛と精霊」を買ってきて成分を確かめ自分で作ってみようとしますが皆目見当もつきませんでした。ある日グルヌイユは革製品を届けにバルディーニの店に寄ります。店の香水に興味津々のグルヌイユは店主バルディーニに取り入ろうとします。

バルディーニの衣類に付着したわずかな香水「愛と精霊」と同じものを調合すると見得を切ります。見事「愛と精霊」の成分を特定し同じ香水を生成するのに成功します。グルヌイユは店主に次はさらに優れたものを作るから雇って欲しいと申し出ます。それに対しバルディーニは少し考えさせてくれと即答を避けました。

グルヌイユが作り出した香水は素晴らしいものでした。一晩考えたバルディーニは革屋の親方からグルヌイユを買うことに決めました。革職人の親方はグルヌイユを売った金で酒を飲んで酔っ払うと海に落ちて溺死してしまいました。一方グルヌイユが調合する香水で店は大繁盛、バルディーニは大儲けします。グルヌイユは香水はいくらでも作るから匂いを保存する方法を教えて欲しいと店主に頼み込みます。

しかしバルディーニの方法では金属やガラス、人体の匂いは保存することができませんでした。頼みの綱が切れたグルヌイユはショックから病の床に伏します。医者にかかっても良くならないグルヌイユは他に匂いを保存する方法はないのかと店主に尋ねます。店主のバルディーニは香水の町グラースにいけばわかるかも知れないと話しました。

1週間後、病から回復したグルヌイユはグラースで働くため推薦状を書いて欲しいとバルディーニに頼みます。バルディーニは了解しますが、その対価として100種類の香水のレシピを書き残すよう要求します。香水の作り方を書き記したメモを残すとグルヌイユは新天地を求めて旅立ちました。これで店は安泰とバルディーニは安堵のうちに眠りにつきます。しかし深夜に家は崩れ落ち、バルディーニが目を覚ますことはありませんでした。

パフューム ある人殺しの物語の結末ネタバレ

結末ネタバレ:香水の匂い

ここからは、いよいよ映画『パフューム ある人殺しの物語』結末のネタバレあらすじとなります。グラースに向かう道中、休憩のため立ち寄った山で洞窟を発見します。入ってみるとそこには匂いがなく、グルヌイユをしても無臭と呼べる空間でした。グルヌイユは久しぶりにぐっすりと眠りにつくことができました。しばらくの間洞窟で生活することになるのですが、そこでグルヌイユが気付いたことがありました。

それは自分には体臭が無いということでした。その後洞窟を後にするとグラースに向けて歩みだします。その道すがら、ローラという美しい女性から立ち込める匂いに以前絞殺してしまった果物売りの娘を思い出すグルヌイユでした。

グラースで働き始めたグルヌイユは、すぐさまその才能を発揮し店のマダムに認められます。ところがなぜかマダムの夫はグルヌイユのことをよく思っていませんでした。グルヌイユは若い女性を手にかけ、さっそく店で覚えた保存方法を試します。しかし結果は満足のいくものではありませんでした。若い女性が手に入らないグルヌイユは娼婦に目を付けます。娼婦を買って体に動物の油を塗ります。

ところが刃物で油を取ろうとしたとき娼婦が抵抗しました。グルヌイユが娼婦を殺すと油を取り香水を作り出しました。それからは堰を切ったように次々と女性を襲い香水を生成するグルヌイユ。手元にあった13本のビンのうち12本までいっぱいになりました。最後の1本はローラを使って作ろうと考えていました。


グルヌイユは以前香水店の店主バルディーニから聞いた古代エジプトの伝説となっている香水の話を思い出します。その香水は作られてから数千年経っているにもかかわらず、匂いを嗅いだ人を虜にしてしまうということでした。その香水は13種類あり12種類までは成分が解明されていましたが、残り1種類は不明のままでした。

町では人々が相次ぐ殺人鬼の犯行に震えあがっていました。警察はとりあえず怪しい人物を逮捕し一件落着をはかります。ところがローラの父リシだけは真犯人が別にいてローラを狙っている気配を感じていました。リシは娘のローラを伴って町を出ます。その日は海沿いの宿に泊まり翌日フェリーに乗って遠方にわたる予定でした。しかし異常な嗅覚を持つグルヌイユに居場所を突き止められローラは亡き者にされてしまいます。

結末ネタバレ:グルヌイユの死

結末のネタバレあらすじ、いよいよ最後はグルヌイユの死についてです。世界を支配できる香水を完成させたグルヌイユでしたが、運の尽きか遂に警察に捕まってしまいます。この記事冒頭予告動画の場面になりますが、群衆の見守るなか判決文が読み上げられ翌日刑が執行されることになります。ローラから作り出した最後の香水を頭にかけグルヌイユはおずおずと群衆の前に進み出ます。

その匂いを嗅いだ群衆はそれまで「殺人鬼に死を!」と殺気立っていたのが嘘のように静まります。すべての人々がグルヌイユの無実を信じ、周囲の人に愛を感じるように変貌してしまいました。大切な娘を殺されたリシもそのひとり、グルヌイユが自分の息子だという始末です。

しばらく経ち魔法が解けるように正気を取り戻す人々。結局もう一度事件の捜査をすることになります。捜査の結果、グルヌイユの働いていた店から殺された女性たちの衣類や毛髪が発見されました。今度はマダムの夫が容疑者として逮捕され、有罪判決が下り処刑されます。事件は一件落着となりました。

いよいよ『パフューム ある人殺しの物語』の結末あらすじとなります。グルヌイユはパリにある彼の生地、魚市場に向かいます。そこで自ら作り出した香水を頭からかぶります。その匂いに誘われて集まってきた人々は彼を天使だと思い、むしゃぶりつくと食べ尽くしてしまいました。地面に転がった香水の瓶に残っていた一滴のしずくがこぼれ落ちます。こうして世にも怪奇なお話『パフューム ある人殺しの物語』は最期を迎えました。

パフューム ある人殺しの物語の登場人物・キャスト

ジャン=バティスト・グルヌイユ/ベン・ウィショー

ジャン=バティスト・グルヌイユは映画『パフューム ある人殺しの物語』の主人公。生まれつき人並外れた嗅覚を持ち、匂いに対し異常ともいえる執着心を抱きます。劣悪な環境で愛情を受けることなく育ったせいか、異性に対しも歪んだ愛情を示し人に死にも無関心、平気で人を殺してしまいます。

映画『パフューム ある人殺しの物語』でジャン=バティスト・グルヌイユを演じたのは、1980年生まれのイギリスの俳優ベン・ウィショーです。彼は英国王立演劇アカデミーを卒業後、舞台・映画・テレビ映画とざまざまな作品に出演するようになります。2005年『ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男』ではローリング・ストーンズのキース・リチャーズを演じ注目されました。

また批評家に絶賛されたトレヴァー・ナン演出の舞台『ハムレット』でタイトルロールを演じた時、舞台を見た監督のティクヴァやプロデューサーのアイヒンガーは今回の映画『パフューム ある人殺しの物語』主演へのオファーを決めたといいます。『パフューム ある人殺しの物語』出演後は『007 スカイフォール』でジェームズ・ボンドを陰で支えるQに起用されたほか、『白鯨との闘い』でハーマン・メルヴィル船長を演じました。

ジュゼッペ・バルディーニ/ダスティン・ホフマン

ジュゼッペ・バルディーニは、パリにある老舗の香水店の店主です。かつては繁盛した店も今はさびれ自分の代で店じまいになってしまうことを恐れています。革屋の配達で店を訪ねてきた主人公グルヌイユの才能に驚き、店の救世主になるかも知れないと革屋の親方からグルヌイユを買い取ります。

ジュゼッペ・バルディーニを演じるのは、1937年生まれのアメリカの俳優ダスティン・ホフマンです。彼は1960年にブロードウェイデビュー。1967年には『The Tiger Makes Out』で映画デビューを飾ります。同年の映画『卒業』では世の中に不満を抱く大学生役でアカデミー主演男優賞ノミネートされるなど世界的な名声を獲得します。

1979年『クレイマー、クレイマー』と1988年『レインマン』で2度オスカーの栄冠に輝いています。また2012年初監督作品の『カルテット! 人生のオペラハウス』がトロント国際映画祭で上映されました。

リシ/アラン・リックマン

リシは、グルヌイユがその匂いに惹かれどこまでも追跡し、最後は匂いを手に入れるため殺してしまう美しい女性ローラの父親です。愛する娘を殺されグルヌイユの極刑を望みますが、彼の作った香水の匂いを嗅ぐと熱病にでも侵されうわ言でもいうようにグルヌイユを「自分の息子」だと公言します。

リシを演じたのはイギリスの舞台・映画俳優アラン・シドニー・パトリック・リックマン(1946年- 2016年)です。彼は長いあいだ英国の舞台演劇で活躍していました。映画デビューは1988年42歳の時。『ダイ・ハード』で冷酷無比な強盗団のリーダーを演じ世界的に注目を集めます。

その後は『ロビン・フッド』で英国アカデミー賞助演男優賞受賞。『ラスプーチン』でゴールデングローブ賞男優賞、とエミー賞主演男優賞受賞と華々しく活躍しました。

パフューム ある人殺しの物語に関する感想や評価は?

ウィショーの演技に引き込まれる!

最後に『パフューム ある人殺しの物語』を観た感想を紹介します。意図的に操作したわけではなくツイッターから任意に選んだのですが、いずれも好意的な感想でした。

『パフューム ある人殺しの物語』最初の感想は、ベン・ウィショーの無言の演技に引き込まれたという感想です。強烈なインパクトのある目つきと雰囲気で観る者を呆然とさせるウィショーの演技力が光る作品になっています。

香りに酔うような作品!

『パフューム ある人殺しの物語』の感想、続いては2時間の大作にも拘わらず飽きる事なくみれたというものです。映像も音楽も最後まで美しく、香りはないものの酔うような作品に仕上がっていたという感想でした。

ハッピーエンドになれば…

不遇な生い立ちから愛情を受けたことのない主人公と、美しく気立てのいい女性をみると誰しもハッピーエンドを期待してしまうもの。こちらの方も『パフューム ある人殺しの物語』を観てそんな感想を持ったようです。しかし物語は残酷にも、結末に向けてそれとは全く逆の方向へと進んでいくのでした。

ウィショーの狂人演技がすごい!

映画『パフューム ある人殺しの物語』の感想、こちらも主演のウィショーを称賛するものでした。また、愛する娘を殺害した犯人、主人公のグルヌイユに心を支配されるリシことアランリックマンにかわいそうという感想を持ったようです。

驚愕の結末!

映画『パフューム ある人殺しの物語』次の感想は、驚愕の結末に関するものです。究極の匂いがもたらす帰結は驚愕の一言と表現した上で、一見の価値ありと結んでいます。

難しいジャンルの映像美!

映画『パフューム ある人殺しの物語』最後の感想は「ニオイという難しいジャンルを上手く描き美しく映像化した」ことに感心したという感想です。恐ろしいサイコパスの物語ですが、その中にファンタジーさえ感じさせる映像美があるのも多くの方が認めるところです。

パフューム ある人殺しの物語のネタバレまとめ

ここまで映画『パフューム ある人殺しの物語』についてネタバレあらすじや感想などをお届けしてきました。観た方の感想にもあるように、この映画の魅力としてまず18世紀のフランスはパリ界隈に迷い込んだと錯覚するばかりの臨場感あふれる映像美と主人公を演じるウィショーの真に迫る演技をあげることができます。もしご覧になっていないようでしたら、これを機に本編を鑑賞してみることをおすすめします。

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