2019年02月28日公開
2019年02月28日更新
映画オーケストラのあらすじと感想をネタバレ!泣ける演奏シーンと結末とは?
映画「オーケストラ」は、かつて一流といわれた清掃員の指揮者・アンドレイが、悪戦苦闘しながらも過去の楽団員を集め再びオーケストラで演奏までを描いた感動作です。この記事では、そんな映画「オーケストラ」のあらすじや、キャスト、視聴者の感想などを紹介していきます。チャイコフスキーの協奏曲の演奏や、予想外の結末に涙した人も多くいました。ネタバレを多く含みますので、閲覧はご注意ください。
目次
映画オーケストラとは?
映画オーケストラの作品情報
映画「オーケストラ」は、2009年に放映されたフランスのクラシックをテーマとした映画になります。清掃員としてボリショイ劇場で働くアンドレイは、かつて有名な指揮者として一世を風靡していました。30年前のようにオーケストラで指揮棒をとりたいと思った彼は、劇団を集めパリの劇場で演奏することを目論むのでした。こちらの作品は、第35回セザール賞で音楽賞と音響賞を受賞しています。
映画オーケストラの予告動画
こちらが、映画「オーケストラ」の予告映像になります。演奏の迫力はもちろんのこと、背景にある差別問題や、社会問題なども取り上げられています。アンドレイは、劇団員を集め、パリの劇場で再び演奏をすることができるのでしょうか。映画の予告編を見て、本編を見たくなったという映画の感想も多くありました。
映画オーケストラの監督・キャスト
- アンドレイ・フィリポフ役 アレクセイ・グシュコブ
- アンヌ=マリー・ジャケ役 メラニー・ロラン
- オリヴィエ・デュプレシス役 フランソワ・ベルレアン
- ギレーヌ・ドゥ・ラ・リヴィエール役 ミュウ=ミュウ
- サーシャ・グロスマン役 ドミトリー・ナザロフ
- イヴァン・ガヴリーロフ役 ヴァレリー・バリノフ
- ジャン=ポール・カレル役 リオネル・アベランスキ
- イリーナ・フィリポヴナ役 アンナ・カメンコヴァ
映画オーケストラのあらすじネタバレ
あらすじネタバレ:元指揮者
ここからは、映画「オーケストラ」のあらすじをネタバレありで紹介していきます。映画をまだ見ていない人は、閲覧注意です。ボリショイ劇場で清掃の仕事をしていたアンドレイは、パリのシャトレ座から送られてきた出演オファーのファックスを盗み、友人でチェロ奏者でもあるサーシャに自分たちがボリショイ劇場の団員になりすまして出演しようと持ちかけます。
サーシャは現実的に考えて無理があると彼を止めますが、アンドレイの熱意と説得に負けて計画を実行に賛同します。しかし、公演までそんなに時間はありません。アンドレイや当時の仲間たちは、30年のブランクを抱えていたのです。けれど、彼はかつての仲間と演奏をすることをあきらめる気はないようです。
あらすじネタバレ:パリへ
アンドレイとサーシャは、昔自分たちを辱めた共産党の政治家・イヴァン・ガヴリーロフに、仲介役を頼みます。明らかに因縁が残る雰囲気がある中、ガヴリーロフはなぜかアンドレイたちの頼みを引き受けました。アンドレイは、自身が魅せられたチャイコフスキーのバイオリン協奏曲を弾きたいといい、若い大人気ソリストのアンヌ=マリー・ジャケにオファーを送ります。アンヌは、物語のキーパーソンとなる人物です。
しかし、アンヌ=マリー・ジャケのマネージャーを務めるギレーヌは、乗り気ではありません。一度はオファーを断るギレーヌでしたが、アンヌはかつての有名指揮者であるアンドレイと共演することを望みました。アンドレイたちは、その他の楽団員たちも集めなくてはなりません。過去に共演した仲間やジプシーの奏者などをかたっぱしからあたり、出演依頼を申し込みます。
あらすじネタバレ:自由な団員
何とか人数を集め、パリにたどり着いたアンドレイたち。現地で団員たちは報酬をすぐに払うように要求します。勢いに圧倒されたジャンは、彼らになけなしの金を払います。しかし、翌日のリハーサルに来たのは、ごく一部の人間だけでした。アンヌは、楽団のいい加減な様子に唖然とします。そんな中、1人の楽団員が、彼女の前でヴァイオリンを演奏します。
彼女は、彼に対してどこでヴァイオリンを学んだのか尋ねます。楽団員は、何を聞かれているのか理解できませんでした。彼女と他の楽団員たちの生い立ちや境遇の違いがわかるこの映画の印象的なシーンになります。そして、十分なリハーサルもできず、本番は近づいてきました。映画「オーケストラ」の結末はどうなるのでしょうか。
本番の前夜に、アンドレイはアンヌと食事をしていました。アンヌは、両親がいないことや、両親の友人であるギレーヌに育てられたことなどを語ります。そして、親のことをいつも考えていたといいます。父親は生物学者で、母親は人類学を専攻していた優秀な科学者であったとギレーヌに聞かされたと言います。
アンドレイは、協奏曲の魅力とともに過去の出来事について語ります。才能あふれるユダヤ人のレアというソリストの女性を見つけ、夫のイツハクとともに仲良くなり、音楽を追求し続けたといいます。しかし、当時の共産党指導者・ブレジネフはユダヤ人を楽団から追い出すと言い出しました。その前にボリショイ劇場でチャイコフスキーを弾こうと団結します。
彼らは、大勢の人々の前で曲を弾きますが、ブレジネフが演奏途中で乱入し、演奏を終わらせることができなかったのです。そして、楽団は霧散してしまいます。レアは、自由欧州放送でブレジネフを批判してしまいます。アンドレイは、魅了されたチャイコフスキーの協奏曲を弾ききることができなかったのが、ずっと心残りだったのです。アンヌは、何故自分をソリストに指名したのかとアンドレイに問いかけます。
そして、自分は彼の夢の達成を手助けすることはできないとはっきり言い放ちます。アンヌは、彼とコンサートをすることを夢見ていました。しかし、リハーサルのいい加減さに加え、自分がレアの代わりとして選ばれたのだと思い、公演の依頼を断り、中止することを促します。そして、自分はレアの代わりではないし、音楽は心の病を癒すためのものでもないと言います。
映画オーケストラの結末ネタバレ
結末ネタバレ:過去と真実
サーシャは、花束を持ってアンヌにコンサートに出演してほしいと頼みにきます。しかし、アンヌは断ります。そんな彼女にサーシャは、コンサートが終わった時に両親のことがわかるとしたらどうかと奇妙な質問をします。アンヌは、聞き返しますが、サーシャは花束を置いて去っていきます。そんな彼を彼女は追いかけます。しかし、追いかけた先でも話しを聞くことはできませんでした。
先の映画のあらすじで紹介した通り、アンヌは父母のまなざしを強く求めていました。そのため、サーシャの言葉を聞き流すことはできなかったのです。アンヌは家にもどりますが、そこにはギレーヌの姿はありません。ギレーヌは、レアの楽譜ともうアンヌの前には現れないという内容の手紙を残し去っていたのです。
ギレーヌが彼女をアンドレイたちに近づけたがらなかったのは、アンヌを守りたいという気持ちからだったようです。アンヌは、オーケストラに参加することにします。オーケストラの団員たちの携帯にはレアのために劇場に来るよううながすメールが送信され、ようやくメンバーが揃います。映画のクライマックスの幕開けです。
結末ネタバレ:協奏曲
ガヴリーロフは、本番前に党大会の演説に出かけようとします。彼の真の目的はこれだったのです。アンドレイに引きとめられますが、ガヴリーロフは会場に向かおうとします。そこで、本物の指揮者が劇場に乗り込もうとするのを目にします。ガヴリーロフは、彼に声をかけアンドレイたちのもとへ誘導するフリをして一室に閉じ込めるのでした。そして、オーケストラの成功を祈ります。
リハーサルもロクにしてこなかった団員たちであったため、演奏は案の定頭を抱えるほど残念なものでした。演奏が進む中、ようやくアンヌがソロパートを弾きだします。すると、今までの演奏が嘘であったかのように音が整いだします。彼らは、アンヌの演奏にレアの音色を重ね、当時のオーケストラを思い出したのでした。
ここからは、アンヌの生い立ちのネタバレになります。レアとイツハクは自由欧州放送の件がきっかけで、捕まりシベリアの収容所に入れられてしまいます。2人の間には当時6か月になる子どもがいました。アンドレイ、イリーナ、サーシャはエージェントに頼み、楽器ケースにその赤ん坊を入れてフランスへ逃がしてあげたのでした。
赤ん坊は、アンヌです。彼女は、レアの娘だったのでした。レアは、収容所の中で死ぬまで頭の中でチャイコフスキーの協奏曲を弾き続けたといいます。レアもアンドレイと同じくチャイコフスキーに強く魅了されていた1人だったのです。レアがなくなった後、間もなくしてイツハクも命を落とします。
これらの回想は、協奏曲とともに流れます。アンドレイは、ようやく長く夢見てきたチャイコフスキーの協奏曲を大勢の観客の前で演奏しきることができたのでした。演奏が終わった後、劇場は大歓声で幕を閉じるのでした。映画「オーケストラ」のあらすじは、ここまでになります。
映画オーケストラの見所は音楽・演奏シーン?
オーケストラの見所①パリでの演奏に至るまでの日々
一流指揮者であったアンドレイの楽団員も、凄腕の奏者ばかりです。しかし、それはあくまで30年前のことです。ブランクの長さに、不安を感じます。仲介役を請け負ってくれたガヴリーロフとは過去の因縁があり、完全に信用できません。また、ガヴリーロフはどこか別の思惑がある様子です。その他にも、ビザや予算など、問題は山ほどあります。アンドレイたちがパリにたどり着くよう奮闘する姿は、この映画の見どころの一つです。
オーケストラの見所②ソリストや主人公たち
映画「オーケストラ」でアンドレイは、何故かソリストにアンヌを指名します。そして、アンヌの過去のインタビュー記事などを大切に箱に保管しています。その様子は、ただのファンというわけではなさそうです。サーシャとの会話で、どうやら彼女とアンドレイの間にはなにか関係があることをにおわせる描写が登場します。映画の結末で明かされるアンドレイ、アンヌ、サーシャ、ギレーヌの関係にもご注目ください。
オーケストラの見所③ラストの演奏シーン
映画「オーケストラ」アンドレイとアンヌの関係がわかるのは、最後の演奏で流れる回想シーンです。楽団員たちが奏でる美しいチャイコフスキーの協奏曲、そして彼らの過去、結末は涙なしでは見られなかったと話題の名シーンでした。映画「オーケストラ」の結末は、悲しくも美しいものでした。映画「オーケストラ」はオーケストラ好きの人には外せない名作映画になります。
映画オーケストラに関する感想や評価は?
無作為に音楽映画にハマってるんだけど、おとといみたオーケストラっていう映画の主題のチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲が、ドラマティック過ぎていろんな人の演奏で聴きまくってる。
— sugi (@sorafa_photo) April 17, 2018
チャイコフスキーは好きだ。
ここからは、映画「オーケストラ」の感想を紹介していきます。映画「オーケストラ」の演奏を聞いて、チャイコフスキーに興味をもったという視聴者もいました。一流の楽団員が奏でる美しいメロディに魅了されてしまったという映画の感想は、多くありました。ソリスト・アンヌの演奏も必見です。
たまたまTVで見始めた2009年の仏映画「オーケストラ!」
— とも☆ぞう💜 ノノ*`∀´ル (@junxtomo7) January 1, 2017
ドタバタで始まり、どうなる事やらとハラハラ、ラストに思った以上の結末が待っていて思わず落涙。
忘れかけていたけどそういう時代だった。
映画「オーケストラ」の結末は、映画のあらすじで紹介した通り予想以上のものだったという感想もあります。アンヌの父母は、別の人物だと途中まで予想していた人もいました。結末の意外性も映画のみどころの一つのようです。そして、当時の壮絶な差別に心を痛める映画「オーケストラ」の映画の感想も多くありました。
『オーケストラ!』(原題:LE CONCERT)
— ふみ (@fumifumi0920) May 4, 2017
TLでチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲が来季の候補曲に上がってて、それも賛成。この曲、のだめでも演奏シーンありましたが、この映画が個人的にはおすすめ。前半グダグダですが最後の演奏シーンは何度見ても泣く。FSなら自分号泣必須です
映画「オーケストラ」は、中盤まではパリの劇場にたどり着くまで、ごたごたと忙しい印象を受ける人も多くいます。そのごたごたした映画のこうしたシーンが、さらに映画ラストの演奏シーンを感動させてくれるものとなったようです。
オーケストラ!(2009)
— さえ (@nn_icdi) September 15, 2018
チャイコフスキー"ヴァイオリン協奏曲"。前半のゴタゴタ展開、仏映画っぽいノリ、舞台ロシアの空気感…ひっくるめて感想を一言で表すと「これがやりたかったんだろうなあ…」って言いたくなっちゃう最後の20分間、圧巻。ストーリー自体はシンプル、さくっと観れる。 pic.twitter.com/cwWaV1Eo1Z
アンドレイは長く夢見ていた舞台を、最後にやっと実現できました。彼が魅せられたチャイコフスキー、どうしても演奏したかった理由など、すべてひっくるめて感動する作品であるとの感想もあります。映画「オーケストラ」のあらすじもわかりやすいとの評価もあります。
オーケストラ!観終わったー。昔名門楽団がユダヤ人迫害のためにみんな散り散りにされて、それから30年前ぶりに当時の仲間の天才演奏家達を集めて何とかなりすましてパリで公演するお話しで、途中まですげーグダってる感じだったけどラスト10分クソ泣いた。
— ANDY (@ANDY_Y_DNA) April 24, 2013
映画「オーケストラ」のあらすじはざっくりとしていて、映画中盤は落ち着かないという映画の感想が目立ちます。コメディ要素は、思わずクスリと笑ってしまったという映画の感想もありました。しかし、アンドレイやアンヌを取り巻く映画の結末に、涙せずにはいられなかったとの感想もありました。映画終盤のチャイコフスキーの演奏だけでも、見る価値は十分あります。
了解。自分の無知を学べました。とにかく「オーケストラ」は必見です。「のだめ」と比較すると文化の重層的な厚みやソ連のユダヤ人迫害など凝縮した脚本が見事。QT:協奏曲はconcertoなのです。concertだと管弦楽組曲とか演奏会ですね。オーケストラの @ritespring
— 西村幸祐 (@kohyu1952) August 27, 2010
映画「オーケストラ」は、ユダヤ人への差別といった文化的背景を描いたところを評価する声が多くあります。クラシック音楽だけでなく、ロシアやフランスの文化に興味がある人も、楽しめる内容の映画となっています。
「オーケストラ!」是非見てくれ〜〜〜ご都合主義か所はもちろん否めないけど、最後の演奏シーンはにはまじで引き込まれるし、ラストシーン終わったあと絶対拍手したくなるから〜〜〜頼む〜〜〜
— 録音機(たけぞう) (@takezounosera) September 3, 2018
映画「オーケストラ」は、ブランクがあるのにロクにリハーサルをやらずに成功したという最後の描写や、フランスに入国するために偽造パスポートをつくったにも関わらず捕まらないなど、色々とご都合主義と感じてしまう人も多くいました。しかし、それらのことはどうでもよく思えてしまえるほどの感動作であったとの意見もあります。
映画オーケストラのネタバレまとめ
ここまで、映画「オーケストラ」のネタバレを多く含む映画のあらすじやキャストを紹介してきました。涙せずにはいられない感動の結末や、美しい演奏、社会問題などを取り扱った名作として、非常に人気の高い名作映画です。挫折と再生の美しい物語を、ぜひご覧ください。