追憶の森にブーイング殺到?映画の評価が低い理由やあらすじ・感想をネタバレ

洋画『追憶の森』は、2015年に公開されたアメリカ合衆国製作の映画です。監督にガス・ヴァン・サント、主演にマシュー・マコノヒーと渡辺謙という、人気・実力を兼ね備えた布陣で固められた映画ですが、評価は決して高くありません。第68回カンヌ国際映画祭での初上映時には、多くの観客からブーイングを浴びたという曰く付きの作品でもあります。洋画『追憶の森』の低評価の理由は何なのか?映画のキャスト・あらすじ、さらには感想のネタバレをしながら、探っていきます。

追憶の森にブーイング殺到?映画の評価が低い理由やあらすじ・感想をネタバレのイメージ

目次

  1. 追憶の森の評価が低い理由に迫る!
  2. 追憶の森の映画作品情報
  3. 追憶の森の映画登場キャスト
  4. 追憶の森の映画あらすじネタバレ
  5. 追憶の森はブーイング殺到?評価が低い理由は?
  6. 追憶の森を観た感想を紹介
  7. 追憶の森の評価が低い理由まとめ

追憶の森の評価が低い理由に迫る!

洋画『追憶の森』は、富士山の麓にある青木ヶ原樹海を舞台にした、死と再生の映画です。樹海の美しさは幻想的で、俳優陣の演技も確かなものですが、カンヌ国際映画祭ではブーイングで迎えられ、批評家たちには「ガス・ヴァン・サントのワースト・ムービー」と酷評されました。そんな洋画『追憶の森』の低評価の理由は何なのか?これから、内容のネタバレとともに、迫っていきます。

映画『追憶の森』公式サイト 4.29 Fri

追憶の森の映画作品情報

洋画『追憶の森』は、2015年公開のアメリカ映画です。自殺するために日本にやって来たアメリカ人男性が、樹海の中で一人の日本人男性と出会い、様々な体験の果てに再生を果たすのですが、そこでは、本来バラバラでつながらないはずの多くの符号が不思議な結びつきを見せます。そんな『追憶の森』の超自然的な世界観を映像化した名匠監督を、ここで紹介しましょう。

監督/ガス・ヴァン・サント

洋画『追憶の森』を監督したガス・ヴァン・サントは、コマーシャル制作の仕事を経た後、1985年に映画監督としてデビューしました。人間の微妙で複雑な心情を捉えるのに長け、心温まる感動作から体制への挑戦的な作品まで、幅広い作風の映画を撮り続けています。また、自身がゲイであることを公表していることから、同性愛というテーマに向かっていくことも多いです。

そんなガス・ヴァン・サント監督の代表作の一本と言えば、2003年の『エレファント』が挙げられます。コロンバイン高校銃乱射事件をテーマにして撮られたこの映画は、同年のカンヌ国際映画祭でパルム・ドールと監督賞を史上初めて同時受賞するなど、最高の評価を獲得しました。しかし、それとは対照的に、『追憶の森』では、同じカンヌでブーイングを浴びせられ、拒絶をもって迎えられたのです。

主要撮影はアメリカ

洋画『追憶の森』の舞台は、日本の青木ヶ原樹海です。よって、監督も、当初は日本での撮影を考えていましたが、それは叶わず、実際の撮影は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州フォックスボロのF. ギルバート・ヒルズ州立森林公園で行われることになりました。実際の日本でのシーンも一部ありますが、それは、主要な撮影をアメリカで終えた後、日本に移動した撮影隊によってなされたものです。

追憶の森の映画登場キャスト

洋画『追憶の森』のキャストを紹介します。出演している役者の人数は少ないですが、その分、人気・評価ともに高い3人の優秀な俳優たちが映画を支えています。まさに少数精鋭といった実力派キャストの面々を、それぞれ見ていきましょう。

マシュー・マコノヒー/アーサー・ブレナン役

マシュー・マコノヒーは、アメリカ合衆国の俳優です。初の主役を務めた『評決のとき』(1996)を出世作に、着実にスターの階段を登り詰め、2013年の『ダラス・バイヤーズクラブ』で、アカデミー主演男優賞に輝きました。翌2014年には、ハリウッドの殿堂入りを果たしています。

渡辺謙/タクミ・ナカムラ役

渡辺謙は、日本の俳優で、1987年のNHK大河ドラマ『独眼竜政宗』で主役(伊達政宗役)を演じ、一躍スターの座に駆け上がります。その後、方向性の模索の時期はありましたが、2003年のアメリカ映画『ラストサムライ』に出演し、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたことが転機となり、海外の映画に立て続けに出演するようになります。以後、日本を代表する国際派俳優として活躍を続けています。

ナオミ・ワッツ/ジョーン・ブレナン役

ナオミ・ワッツは、イギリス出身の女優です。長い下積み時代を経た後、デヴィッド・リンチ監督による2001年の映画『マルホランド・ドライブ』の主役に抜擢され、数多くの映画賞を受賞したことが、キャリアの転機になります。翌2002年には、日本で大ヒットしたホラー映画『リング』のアメリカ・リメイク版『ザ・リング』で主役を演じ、日本での知名度も上がりました。以後、様々な作品に出演し、活躍の場を広げています。

追憶の森の映画あらすじネタバレ

カンヌ国際映画祭で盛大なブーイングを浴びたほど酷評された洋画『追憶の森』ですが、その低評価の中には、「ストーリーが陳腐で馬鹿げている」「ファンタジックなほどイライラするお涙頂戴もの」といった声もありました。それでは、問題の洋画『追憶の森』のあらすじをネタバレ解説していきましょう。

『追憶の森』ネタバレ1:青木ヶ原樹海で出会うアーサーとタクミ

妻に先立たれたアメリカ人男性アーサーは、自殺するために、はるばる日本の青木ヶ原樹海を訪れました。森の奥で座って薬を一粒二粒と飲んでいると、ぼろぼろの姿で彷徨っている一人の日本人男性を見かけます。アーサーは思わず声をかけ、出口まで案内しようとしますが、道はすでに途切れ、二人は深い森の中に閉じ込められていました。

アーサーは、日本人男性を自分のネクタイや破いたシャツで止血しながら、彼がなぜ自殺しようと思ったのかを尋ねます。なんでも、仕事でミスをして、何もさせてもらえない「追い出し部屋」という所に異動させられることになり、職場で事実上存在を無視されていたとのことです。しかし、一方で、彼には養わなければいけない家族がいたため、辞めるに辞められず、その板挟みが苦しかったという話でした。

日本人男性の名前は、ナカムラ・タクミといいました。妻の名前はキイロ。娘の名前はフユでした。二人は、出口を求めてさまよい、崖から落ちて負傷したり、多くの死体を発見しながら進みます。日本人のみならず、外国人の首吊り死体もありました。タクミは「世界中からこういう人が集まるのがここだ」と言います。夜、突然の大雨による鉄砲水で流されると、その先にはテントがありました。

『追憶の森』ネタバレ2:アーサーと妻・ジョーンの過去

テントの中には、トランシーバーやライターなどが揃っていました。焚き火にあたりながら、アーサーはタクミに、妻・ジョーンとの過去を話します。出来心で浮気してしまったことから、夫婦関係がぎくしゃくし始め、また、大学の非常勤講師に転職したアーサーと、不動産仲介の仕事をしているジョーンとの間に生まれた収入の差が、いっそう両者の関係を悪化させることになったのです。

ジョーンはアルコールに溺れるようになり、アーサーはそれを愉快には思っていません。ある日の大喧嘩を境に、夫婦は互いに距離を取るようになります。そんなとき、妻の脳に腫瘍が発見されます。本当に大切なものは何なのかに気づいたアーサーは、それまでの接し方を改め、治療する妻に寄り添います。そんな夫にジョーンは言います、「殺風景な病院で死ぬのは嫌だ。あなたは病院では死なないと約束して。理想の場所を見つけて」と。

幸い、ジョーンの腫瘍は良性でした。しかし、喜びも束の間、病院から別の回復室へと車で移動中に、トラックが突っ込む事故で、妻は死んでしまいます。アーサーの目の前での出来事でした。葬儀場で、アーサーは言います、「妻のことを何も知らなかった。好きな色も、季節も、本も」と。そして、アーサーは、以前妻の言っていた「理想の場所」を検索し、最初にヒットした青木ヶ原樹海へ向かうことになります。

『追憶の森』ネタバレ3:全ての符号がつながる

朝、疲れ切り動けないタクミにコートを掛け、アーサーは、トランシーバーを手に、単身、助けを呼びに出発します。途中、崖から滑り落ち動けなくなりますが、タクミが歌っていた曲から学んだ日本語「カイダン(階段)」が、山岳レスキュー隊に伝わり救助されます。タクミが歌っていた「楽園への階段」は、映画『パリのアメリカ人』で使われていた曲で、その映画はジョーンとの大喧嘩の前、妻のパソコンに映っていたものでした。

救助されたアーサーは、なぜか発見されなかったタクミを探しに、再び樹海へ入っていきます。途中、最初来た時に置き忘れた妻宛ての封筒を拾います。迷わないよう丸めた紙をパンくずの様に落としながら進むと、コートが見つかります。その下にはランの花が咲いていました。タクミは言っていたのです、「霊があの世へ行くと花が咲く」と。そして、アーサーは封筒を開けます。中に入っていたのは絵本「ヘンゼルとグレーテル」でした。

帰国後、アーサーは、絵本に挟んでいたメモを、たまたま学生の一人に見られます。彼は日本語ができたので、アーサーは知ることになるのです、メモされていた「キイロ」は黄色で、「フユ」は冬であることを。それが、妻・ジョーンの好きだった色と季節であることは、アーサーにとって、疑いようがありませんでした。「我々を引き合わせる不思議な法則」に思いを馳せながら、アーサーは、ランの花を自宅の庭に植えます。

追憶の森はブーイング殺到?評価が低い理由は?

洋画『追憶の森』は、カンヌ国際映画祭でブーイングが巻き起こったほど、評価が真っ二つに分かれる映画です。日本では擁護する声も一部ではあるものの、海外での評価はとりわけ厳しいものです。作品の評価を低くしている原因は、一体どこにあるのでしょうか?ネタバレ込みで、まとめていきます。

カンヌ映画祭でブーイング?低評価の理由①樹海行きの唐突さ

『追憶の森』低評価の理由として最も挙げられるのが、「主人公が自殺するために、なぜわざわざアメリカから日本へ向かうのかがわからない」というものです。劇中では、妻と約束した「理想の(死に)場所」を検索して最初に出てきたの青木ヶ原樹海だったという理由付けはされているのですが、日本人のように樹海=自殺という図式に馴染みのない海外の人には、ピンとこなかったようです。

カンヌ映画祭でブーイング?低評価の理由②退屈な二人芝居

『追憶の森』低評価の理由として次に挙げられるのが、延々と森の中で繰り広げられる会話劇の単調さです。マシュー・マコノヒーに渡辺謙という実力派俳優二人を起用しながら、ただスピリチュアルで抽象的な会話をしながら樹海を彷徨い続けるだけなのを、退屈に感じる向きが少なくないようです。ガス・ヴァン・サントの映画としては、アート系ではなく商業系に分類される作品なだけに、なおさらそう感じてしまうのかもしれません。

カンヌ映画祭でブーイング?低評価の理由③違和感の残る日本描写

『追憶の森』の評価が低いのは海外だけではありません。アメリカ人視点を払拭しきれない日本の描き方に違和感を持つ日本の観客も多いです。背景などを細かく突っ込んでいけばきりがないのですが、劇の本質に関わるところだけでも、例えば、樹海の中で偶々出会った日本人が英語に堪能だったり、その妻の名前が「キイロ」などという全く一般的ではないものだったりするところに、作りの甘さが感じられるようです。

追憶の森を観た感想を紹介

2015年のカンヌ国際映画祭で、コンペティション部門に出品された作品中、「群を抜いて最もけなされた作品」である洋画『追憶の森』を、日本の観客はどう観たのでしょうか?具体的なネタバレ込みの感想を見ていきましょう。

よく指摘されているとおり、わざわざ死に場所を求めて日本に来るのはあんまり現実的じゃないと思われるが、それはエピソード次第だろう。何というか、脚本が甘いのだろう。キャストも監督も映像も内容も良いのに、つまらない。

『追憶の森』の脚本は、「ブラックリスト」と呼ばれるまだ制作されていない優良脚本のひとつだったのですが、その評価は決して芳しいものではありません。不評の一番の理由である「樹海行きの必然性のなさ」に関してはもちろんですが、回想シーンでの主人公夫婦関係の描き方も平凡で面白みに欠けるという意見もありました。映像や演技を悪く言う声はほぼ見られないので、脚本がこの映画の最大の弱点のようです。

カンヌでものすごいブーイングだったらしいですが、その評価はあんまり関係ないです。日本人なら共感できるし、すんなり感動できるんじゃないかな。

『追憶の森』の世界観は、海外の人にとっては理解しがたく、ときにはファンタジックな甘さと誤解されがちな面もあるようです。それがカンヌでのブーイングの一因でもあるのでしょう。しかし、この映画の幽玄な死生観は、日本人だからこそ無理なく理解できるという感想も多く見られます。海外や権威ある映画祭での評価は、必ずしも絶対ではないということです。

日本に降り立った主人公がまっすぐ樹海に向かわず街中歩く、新幹線が対面式シート、現代の設定でタクシーが昭和

『追憶の森』は、日本を舞台にしたアメリカ映画のため、日本人からすると、やはり違和感を持ってしまう所が散見されます。主演の一人である渡辺謙が、不自然にならないよう、監督にいろいろとアドバイスはしたようですが、どうしてもおかしなところは残ってしまうようです。シリアスな内容の映画なのに思わず笑ってしまうという感想も、ちらほら見受けられました。

渡辺謙演じるナカムラタクミの妻の名前は「キイロ」娘は「フユ」ではなく、「ミドリ」と「アキ」にしたらどうでしよう??だったら、名前でしっくりくると思うけど…

『追憶の森』ラストのネタバレに関わってくる重要なシーンへの突っ込みです。日本人なら多くの人が不自然さを感じるはずの名前ですが、このように自然な名前の方が良かったと思われてしまうところが、作品の作り込みの甘さを物語っているのかもしれません。この辺が、海外ほどの拒否感は持たれないが、今一つ積極的に受け入れられるわけでもない日本での評価に関わっているのでしょう。

追憶の森の評価が低い理由まとめ

以上、洋画『追憶の森』低評価の理由を、あらすじのネタバレをしながら、解説してきました。カンヌ国際映画祭でブーイングが起こるほど拒否された海外と、不自然な国内描写で違和感を覚えさせる日本とでは、それぞれ、作品の受け取られ方に微妙な違いがあるようです。いずれにせよ、百聞は一見に如かずなので、興味を持たれた方は、ぜひご自分の目でご覧になったうえで、判断してみてください。

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