0.5ミリとはどんな映画?あらすじや感想をネタバレ紹介【安藤サクラ主演】

2014年11月8日映画(邦画)「0.5ミリ」公開。脚本・監督安藤モモコと主演女優安藤サクラ(実妹)が初タッグを組んだ作品となっている。介護ヘルパーの山岸サワ(主演:安藤サクラ)がある日派遣先で寝たきり老人の娘から「冥土の土産に一晩だけ寝てやってほしい」と依頼される。その日予期せぬ大事件に巻き込まれ「家ナシ、金ナシ、仕事ナシ」の崖っぷちに立たされた。そんな映画「0.5ミリ」のあらすじやネタバレ、映画を観た人の感想などを紹介していく。

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目次

  1. 0.5ミリの映画あらすじや感想が気になる!
  2. 0.5ミリの映画あらすじをネタバレ!
  3. 0.5ミリは安藤サクラ主演!映画キャストを紹介!
  4. 0.5ミリの映画ロケ地を紹介
  5. 0.5ミリの映画を観た感想とは?
  6. 0.5ミリは素晴らしい映画だった!

0.5ミリの映画あらすじや感想が気になる!

2014年11月に公開された映画「0.5ミリ」は、安藤モモコ自身の介護経験をもとに執筆した小説を映画化したもの。老いは誰にでも等しく訪れる。高齢化社会へと突入し、身近な人や自分自身の老いに戸惑いながら生きる人へ「死ぬまで人間は懸命に生き抜くんだ」と生きる事、人生を全うすることの本当の意味を教えてくれる。そんな映画「0.5ミリ」のあらすじやネタバレ、感想をたっぷり紹介していく。

この映画「0.5ミリ」は原作「0.5ミリ」安藤桃子。主題歌「残照」寺尾紗穂を起用している、透明感と伸びのある高音とふくよかな中低音をバランスよく兼ね備えた寺尾の歌声で美しく歌い上げるエンディングはしっくりと感じるものがあるといわれている。

また本作「0.5ミリ」で安藤サクラが日本アカデミー賞主演女優賞を受賞。上海映画祭にて「0.5ミリ」が最優秀監督賞、優秀脚本賞、優秀作品賞を受賞した。

0.5ミリの映画あらすじをネタバレ!

映画「0.5ミリ」のプロローグ(あらすじネタバレ含む)

山岸サワ(主演:安藤サクラ)は介護ヘルパーをしている。ある日寝たきり老人片岡昭三(織本順吉)のご家族から「冥土の土産におじいちゃんと寝てほしい。」という依頼を受ける。サワは添い寝するだけとの条件で引き受けるがその夜、顔を舐りまわされ目が覚める。驚いたサワが突き放すと老人の寝巻きにストーブの火が燃え移り大惨事が起こる。慌てて1階へご家族を呼びに向かうと、片岡昭三の娘雪子が首を吊っていた。

警察での事情聴取は早々に終わったが、同時に仕事も帰る家も失くしてしまう。わずかな貯金を下ろし洋服を一式買い、片岡の家で着せられた古いワンピースをゴミ箱に捨てようとするが思い直し持ち帰る。夜、市電に乗ったサワは疲れが出て居眠りをしてしまい全く土地勘のない駅で降りる。手に持っているはずのコートは市電の中だった。寒空の中、行く当てもなく歩いていると一軒のカラオケ店に目がとまった。

映画「0.5ミリ」康夫との出会い(あらすじネタバレ含む)

カラオケ店の受付では、ホテルと勘違いして宿泊しようとしている高齢者に、何度も同じ説明をして頭を抱える店員がいた。サワは高齢者の連れを装い強引に部屋へと入る。サワは一晩屋根あり食事つきを確保できたのだ。一方高齢者は突然の事に驚くが気さくに話し自分の話を親身に聞いてくれるサワに打ち解けていく。高齢者の康夫は「妻が先立ち息子夫婦と同居を始めたが相続争いや喧嘩が絶えず外に出てきた」と言う。

しかし康夫には帰る家がある。酸素吸入器を引きずり手を振りながら朝の街に消えて行った。サワの手のひらには1万円札が握られ、肩には康夫のコートが掛けられていた。

映画「0.5ミリ」茂との出会い(あらすじネタバレ含む)

次にサワが見つけたのは、よく動き回りよく喋る高齢者。自転車に執着がありチェーンを切って窃チャリすると今度はスーパーの駐輪場でタイヤをパンクさせていく。「おじいちゃん何してるんですか?」とサワが声をかけるとビックリして逃げようとする高齢者。「持ち主に言うよ?警察がいいかな。」と脅しスーパー店内に入り高齢者の金で買い物を始める。

そのまま高齢者宅に上がり込んだサワ。高齢者の石黒茂はまたチョコマカ外出していく。向かった先はファミレス。そこでいかにも胡散臭い男、斎藤君と親しげに話し始めた。何やら斎藤君は会社に内緒で儲け話を茂の為に持ち出してきたと言うのだ。サワはすぐ近くの席で聞いており帰宅後注意を促す。貯蓄額を聞くと素直に1000万円と答える茂は完全なるカモ。だが「斎藤君はお友達」の一点張りでサワの言う事を受け入れられない。

一緒に居ることで徐々に距離が縮まり茂はサワとの同居生活を心地よくも感じ始めていた。そこでサワはもう一度斎藤君の怪しさを訴え、茂の目の前でパンフレット記載の会社に電話をする。始めこそ丁寧な対応だが「お金が振り込まれない」と言った途端にガラの悪い口調で一方的に電話を切られてしまう。茂は「わしは斎藤君とお友達でおりたい」と呟く「お友達はお金なんてとらないよ」と静かにサワが返した。

しばらく落ち込んでいた茂だがサワに見せたいものがあると言う。1階駐車場にご自慢の「いすゞ117クーペ」が置いてあった。4年の歳月をかけ自分で磨き上げたと紹介する。ところがそこへ斎藤君が現れた、以前とは口調も顔つきも違う彼を見て一目散に逃げだした茂に代わりサワが彼に強い口調で今後一切近寄るなと言ってやった。怒る斎藤は家の窓を割り帰って行った。震える茂は「もう帰る」と言い出した。

2人は「いすゞ117クーペ」に乗りしばらくドライブを楽しむ。到着したのはとある施設。「ワシの宝物あんたにあげる」と言い残し、嘘臭い笑顔で出迎える職員たちに囲まれ帰って行く茂。サワは茂の宝物「いすゞ117クーペ」に乗りその場を後にする。

映画「0.5ミリ」真壁義男との出会い(あらすじネタバレ含む)

次にサワはショッピングモールで相手を探す。一日中モール内のベンチに座っているのは真壁義男(津川雅彦)。義男は本屋へと向かい周囲の目を気にしながら手に取ったのは女子高生の写真集、それをカバンの中へとした所にサワが手をかけ耳元で囁いた「セーラー服着てあげよっか?」慌てて逃げ出す義男だが建物を出た所でサワに見つかる。「自分は人望ある人間で証拠もなしに言いふらされても誰も信じない」と言うがサワはお構いなし。

辿り着いたのは広い一軒家。義男の妻・静江が寝たきりの為、週3回ヘルパーに来ている浜田が居た。義男が大切なカバンを保管場所へ片付けている間にサワは自己紹介を済ませていた。弱みを握られている義男は全てを飲むしか無かった。再び高齢者との共同生活が始まった。サワはヘルパー歴を活かし静江の介護も家事もこなしていく。夜中に妄想の中オペラ調で歌い出した静江が納得して寝入るまで寄り添うサワの姿がそこにあった。

しかしヘルパーの浜田は遺産を狙う義男の愛人という見方が強まり「若いのに生産性のないことして」とサワを良く思ってない、そして徐々に義男にまで横柄な態度で接するようになっていく。義男は想像の中で毎晩のように大声で歌い出す静江の口を力いっぱい塞いでいたが、サワの美しい歌声を聞いて静かに涙を流した。ある日一人の女性が訪ねきた、それは義男の姪ヒサコ。浜田からすごい勢いで「愛人に家を乗っ取られる」と電話を受けたらしい。

ヒサコは義男たちの顔をみてサワがどれ程良くしてくれているか分かると頭を下げた。先に妻の静江が認知症になり、その上自分もまた認知症に冒され始めていたのだ。あれほど大切にしていたカバンの中を浜田が勝手に捨ててしまっていても気付かなかった。サワを見て初めて会う記者と思い込んで戦争体験を語り始める「戦争くらい馬鹿らしいことはないです!いつ死ぬか今死ぬか、そればっかりです。」

何度も何度も同じことを繰り返し語る義男の目にはうっすら涙が溜まっていた。サワは謝礼と梅干をもらい真壁義男の家を出てまた一人当てもなく車を走らせていた。カセットテープに「サワさんへ」と書かれた義男の肉声を聞き一人で泣いた。

映画「0.5ミリ」マコトに再会(あらすじネタバレ含む)

当てもなく車を走らせていると、全てを失うきっかけとなった片岡家のマコトを発見する。マコトは無人の駄菓子屋さんで無銭飲食に万引きを平然とやっている。サワはマコトに声をかけ「泊めて欲しい」と頼むとあっさりOKが出る。筆談で「佐々木真」と父親に引き取られ苗字が変わっている事をサワに伝える。家は海のすぐ近く、海の家とでもいうような元商店の2階部分で本に囲まれ生活していた。

(ここからあらすじネタバレに注意。)1階部分は食事スペースになっているがゴミが散乱している。佐々木健はマコトが連れて来たサワを特に詮索するでもなく受け入れてくれる。ここでの生活もサワは家の掃除や家事をテキパキとこなしていく。毎朝健の昼飯用のおにぎりを2つ手渡した後はゴミ出しから始まるのだ。そんなある日サワが買い物から帰ってくると2階の窓からポイポイ本が降ってくる。慌てて2階に駆け上がる。

酒に酔った健が暴れていた。「俺の事一度でもお父さんと呼べないのか!お前には片岡の血しかねぇんだよ!」と言いながらマコトを押さえ込みハサミで髪をバサバサ切っていく。サワはマコトを助けようと近づくが簡単に跳ね飛ばされてしまう、タイミングをじっくり見計らうサワは後ろから思いっきり蹴り飛ばし倒れた健を分厚い本でボッコボコに殴りつけた。家を飛び出して行ったマコトを追いかけるサワ。(この後究極のネタバレ注意)

(ここから本作「0.5ミリ」の終盤ネタバレに注意)マコトを捕まえたサワは片岡家の重大な秘密を知ってしまう。マコトの足を真っ赤な血が伝っていたのだ。ホテルでシャワーを浴びせ買ってきた女性用下着を着せるサワ。マコトは昔の事を断片的に思い出していた。まだ祖父(片岡昭三)が元気だった頃、酌をさせられていた母、白いワンピースを真っ赤に染めた母、マコトの髪の毛をバリカンで刈る母の姿だった。

サワは火事の日に着せられていた古いワンピースをマコトに差し出す。そのワンピースに顔をうずめ膝をついて泣きだした「お母さん、生まれてこなきゃよかった!」マコトが初めて感情を爆発させ声を上げる。その姿を見ていたサワはトランクに封筒を見つける。石黒茂からの贈り物「サワの分100万円」だった。サワもまた声を上げ泣き叫んだ。

2人は一旦家に帰り少ない荷物を車に乗せた。マコトはあのワンピースを着て健の元を去った。2人を乗せた車は高知のキラキラ輝く海の上を走り自然に溶け込むようにしてこの物語は終わる。

0.5ミリは安藤サクラ主演!映画キャストを紹介!

山岸サワ(安藤サクラ)は介護ヘルパーの仕事をしている。あまり多くを語らない性格だが、ある事件に巻き込まれ「金ナシ、家ナシ、仕事ナシ」の崖っぷちに立たされる。生活の為に「押しかけヘルパー」となるが世話好きでお料理上手な事から次第に距離を縮めていき、お年寄りの心を開けていく。

真壁先生(津川雅彦)は月に何度か「勉強会」を開くため家を留守にするが、一日中ショッピングモールを歩き回り女子高生写真集を本屋で万引きする所をサワ(安藤サクラ)に止められる。几帳面で頑固だがスケベだ。

マコトの父親、ただしマコトが生まれる前(10数年前)に離婚し家を出ている。現在は2階建て倉庫のような場所でマコトを引き取り2人で住んでいる。造船所で働いているが生活は厳しく酒好き。片岡の家を嫌っていてマコトに何かと愚痴をぶつける。

自由気ままに動き回る生活をしている。気に入らない事があると他人の自転車を盗んだりタイヤをパンクさせるなどの迷惑行為をしている。過去に自動車整備士の仕事をしていた経験を持ち40年間大切に保管している「いすゞ・117クーペ」が宝物。

ほぼ寝たきりで日常的に介護が必要なお年寄り。ご家族が言うには「日によって状態は変わり、時に赤ちゃん返りが見受けられる」とのこと。会話はやや困難だが支えがあれば立ち上がりは出来る。

片岡昭三の孫。年齢は中学生くらいだが学校には通っていない。耳は聞こえているが意図的に話さず筆談で意思表示する。趣味は読書。

カラオケ店に訪れるがホテルと間違って部屋を取ろうとしている所サワ(安藤サクラ)と出会う。ケースに入った酸素吸入器を常に持ち歩いている。息子夫婦と同居しているが相続争いの喧嘩に嫌気がさしている。

カラオケ店の店員で受付を担当していた。来店した康夫がホテルと間違え泊まろうとしたため、何度も説明して頭を抱えていた。

周りから素っ気ない態度を取られている茂の話を親身になって聞いたことから親しくなる。茂に投資話を持ち掛ける詐欺師かヤクザか。

0.5ミリの映画ロケ地を紹介

映画「0.5ミリ」でアホの坂田こと坂田利夫が演じる茂のエピソード舞台を紹介する。上町2丁目で降りて月の瀬橋を渡るとサニーマートがある。茂が自転車置き場で他人の自転車後輪をパンクさせている所に「おじいちゃん何やってるんですか」とサワ(安藤サクラ)に捕まる場所。

市電の旭町3丁目で降りるとサワ演じる安藤サクラと茂が買い物をした北浜商店にたどり着く、ウナギを焼く良い匂いがしてくる。

市電鏡川橋で降りると茂の家がある。お向かいに美容室があり映画「0.5ミリ」の撮影中は役者さんや撮影風景が見れて楽しかったと話す。斎藤君に壊された扉は外されている。ここにいすゞ117クーペが保管されていたのだ。

旭駅の線路沿い。映画「0.5ミリ」の作中でサワ(安藤サクラ)と茂の2人で盗んだ自転車を返していくシーン。「ごめんなさい」と書いた貼り紙を付け自転車を置いた場所。

津川雅彦演じる真壁義男先生のエピソード舞台を紹介する。包丁片手に飛び出したサワ(安藤サクラ)が「みなさ~ん!こんばんわ~!ここにお住まいになられる~!真壁義男先生は~!」と大声を出すシーン。

市電葛島橋東詰駅で降りると真壁先生がお弁当を食べる丘がある。市電から見える光景は映画「0.5ミリ」のシーンと全く同じ。

御免方面へ32号線を進んでいくと絶海池との間にサワ(安藤サクラ)が車で通る畔道が見えてくる。秋には水田がコスモス畑に姿を変える。

土屋希望が演じる片岡マコトから佐々木マコトになってからのエピソード舞台を紹介する。高知球場の売店。映画「0.5ミリ」の作中にサワ(安藤サクラ)とマコトがうどんを食べながら「私とマコト君の距離はこれくらいが丁度いい」と言ったシーン。

映画「0.5ミリ」の佐々木健と佐々木マコトの家のセットがあった場所。種﨑海水浴場の公園内。マコトが酒乱の父親から逃げ出しサワ(安藤サクラ)が追いかけるシーン。

種崎海水浴場周辺、有名な桂浜の対岸。映画「0.5ミリ」ラストシーンでサワ(安藤サクラ)とマコトが2人で泣くシーン。

0.5ミリの映画を観た感想とは?

  • 林真理子(作家)老いた人も若い人も、みんな哀しくいとおしい。それでいて上質のユーモアに充ちている。怖るべき天才の姉妹。
  • 辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)新しい感性と、日本の古き良き人情が共存している人生のロードムービー。やはり安藤桃子監督の内部にはおじいちゃんの人格がいることを確信しました。

  • 豊崎由美(書評家・ライター)並み居る素晴らしい役者の中にあって、それでも際立つ坂田利夫の存在感。安藤桃子監督が引き出した師匠のポテンシャルの高さに瞠目刮目アーンド注目!

沢山の著名人からこの映画「0.5ミリ」を観た感想が寄せられている。ご紹介した方以外にもベッキーや水道橋博士、塚本やすし、曽我部恵一、くさか里樹などの感想・コメントが映画「0.5ミリ」公式サイトにて搭載されている。

0.5ミリは素晴らしい映画だった!

俳優・奥田瑛二とエッセイスト安藤和津を両親にもつ安藤桃子監督と実妹の安藤サクラが初タッグを組んだ。本作「0.5ミリ」は人と人が親密に近づき静電気が起きる距離を表していると言う。父親の奥田瑛二がエグゼクティブプロデューサー、母親の安藤和津がフードスタイリストを務め、更には安藤サクラの義父母である柄本明と角替和枝も出演と家族一丸となっての映画作りとなった。

映画「0.5ミリ」のあらすじやネタバレ、「0.5ミリ」を観た人の感想を紹介した。安藤サクラさんを始め俳優陣の演技が素晴らしく、また坂田利夫ら老人たちのやりとりを、ユーモアを存分にこめて綴る人間ドラマ。この映画「0.5ミリ」を是非一度ご覧になってはいかかだろうか?

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