2018年10月27日公開
2018年10月27日更新
悪魔の手毬唄のあらすじをネタバレ!石坂浩二の金田一耕助シリーズ【横溝正史】
横溝正史の人気小説「悪魔の手毬唄」は、市川崑監督・石坂浩二主演で1977年に映画化されて以来、1976年に公開された「犬神家の一族」と共に人気を博した映画版金田一耕助シリーズの人気作品です。「悪魔の手毬唄」は、岡山県と兵庫県の境にある寒村・鬼首村を舞台に、鬼首村に伝わる手毬唄になぞられた見立て殺人と真犯人と、23年前に同村で起こった怪事件の謎を金田一の推理で明かしていきます。
目次
悪魔の手毬唄のあらすじが気になる
手毬唄になぞられて起こる殺人事件を題材にした金田一耕助シリーズ「悪魔の手毬唄」は、横溝正史の小説を1977年に市川崑監督・石坂浩二主演で映画化された作品です。湖面から突き出た両足が印象的な石坂浩二主演の映画「犬神家の一族」と同じく、これまでに何度も映像化された人気作品です。本作品は、題名の通り手毬唄になぞられて起こる殺人事件を描いており、金田一が事件の真相を暴きます。
悪魔の手毬唄の原作は横溝正史の金田一耕助シリーズ!
映画「悪魔の手毬唄」の原作は、横溝正史によって執筆された金田一耕助シリーズの推理小説です。横溝正史の代表作である金田一耕助シリーズでは、悪魔の手毬唄の他に、「犬神家の一族」「獄門島」「八墓村」などがあり、リメイク版も含めて何度も映像化された人気小説です。また、1976年に公開された「犬神家の一族」では、横溝正史が金田一が宿泊する宿の主人役で出演し、話題になりました。
「悪魔の手毬唄」の原作について紹介
映画の原作にあたる「悪魔の手毬唄」は、文字通り手毬唄になぞられて起こった殺人事件を描いた作品で、アガサ・クリスティーの推理小説「そして誰もいなくなる」を参考に構想・執筆されたと言われています。作中に登場する手毬唄は、横溝正史が作詞したものです。見立て殺人を題材にした横溝正史の小説には、俳句になぞらえて殺害される「獄門島」があります。
小説「悪魔の手毬唄」は、横溝正史の複雑な生い立ちがモデル
横溝正史の生い立ちは非常に複雑だったと言われています。横溝の両親は、お互い既婚者で子どもまでいたにも関わらず、不倫関係になり後に駆け落ちし横溝正史ら兄弟が生まれました。その後、父方・母方の子供らと同居などを経験し、これらの体験を元に執筆された小説が「悪魔の手毬唄」だと伝わります。
悪魔の手毬唄のキャストを紹介!石坂浩二主演!
出典: https://eiga.com
映画「悪魔の手毬唄」は、主演・石坂浩二さんを始め、立花警部主任役の加藤武さん、権堂医師役の大滝秀治さんなど、市川崑監督の金田一映画シリーズに出演する俳優が起用されています。
石坂浩二/金田一耕助
横溝正史の金田一耕助シリーズにて、最も小説の金田一に似ていると称される石坂浩二さんの演技は、「悪魔の手毬唄」でも必見です。石坂浩二さんは、1976年と2006年にリメイクされた映画「犬神家の一族」にて主演・金田一耕助を演じ、時代を感じさせない演技が話題を呼びました。
青池リカ/岸恵子
「悪魔の手毬唄」に登場する青池リカは、金田一が宿泊する旅館の女将で、23年前、村に訪れた詐欺師によって夫・源次郎を殺害された未亡人です。凛とした佇まいの京女風の美人と称されています。リカを演じた岸恵子さんは、横溝正史原作、市川崑監督により映画化された「女王蜂」にも出演しました。
別所千恵(大空ゆかり)/仁科明子
「悪魔の手毬唄」にて、かつて「詐欺師の子」と村人からさげすまれてきた過去を乗り越え、人気歌手となった大空ゆかりこと、別所千恵役を仁科明子さんが演じました。現在は、「仁科亜季子」に改名して芸能活動を行なっています。2017年ドラマ「刑事のゆがみ」で薮田波江役を演じるなど、ジャンル問わず数々のドラマ・映画にて活動を行なっています。
由良敦子(泰子母)/草笛光子
映画「悪魔の手毬唄」にて仁礼家当主と対立する場面が多い、由良泰子の母・敦子を演じた草笛光子さんは、市川崑監督が手掛けた横溝正史の「金田一耕助シリーズ」の常連であり、全シリーズに出演を果たした女優です。金田一映画シリーズには、「犬神家の一族」「獄門島」「女王蜂」などに出演を果たしました。
別所春江/渡辺美佐子
今をときめく人気歌手となった別所千恵の母・春江を演じた渡辺美佐子さんは、1953年に映画「ひめゆりの塔」でデビュー後、NHK連続テレビ小説「おしん」、橋田寿賀子さんが脚本を手掛ける人気ホームドラマ「渡る世間は鬼ばかり」シリーズを始め、数々のドラマ・映画へ出演を果たします。
司咲江(文子母)/白石加代子
金田一が神戸へ向かった先で登場する文子の実母・司咲江を演じた白石加代子さんは、舞台を中心に活動する女優です。映画作品では、「悪魔の手毬唄」の他に、梶芽衣子さん主演の「女囚さそり第41雑居房」にて、壮絶な過去を持つ強烈な女囚役が話題を呼びました。横溝正史原作の映画では、「女王蜂」「八墓村」などに出演しました。
磯川警部/若山富三郎
映画序盤にて、金田一に療養先の紹介と23年前に起こった怪事件の推理を依頼した磯川警部は、映画終盤にて、金田一から亀の湯の女将・リカに恋心を寄せていたことを見抜かれていました。磯川警部を演じた若山富三郎さんは、映画「人形佐七捕物帖シリーズ」「極道シリーズ」「子連れ狼シリーズ」のように時代劇を中心に出演する俳優であり、「座頭市」で知られる勝新太郎さんは弟にあたります。
悪魔の手毬唄のあらすじをネタバレ!
映画「悪魔の手毬唄」は、昭和30年を舞台に、石坂浩二さんが演じる金田一が静養と称して訪れた鬼首村を舞台に物語が進行されます。鬼首村は、岡山県と兵庫県の境にある古い因習が残る寒村であり、その村では、23年前、不可解な殺人事件が起こり、いまだ事件が解明されずにいました。
あらすじ1:23年前の事件の概要
岡山県警磯川常次郎警部の紹介で鬼首村にある旅館「亀の湯」を訪れた金田一は、磯川警部から不可解な話を聞かされていました。今から23年前、鬼首村の住民・青池源次郎が殺害され、遺体は囲炉裏の中へ倒れ込み人相の区別がつかないくらい焼かれる事件が起こりました。
その頃、青池源次郎が殺害される数ヶ月前から、恩田幾三なる人物が村に突然現れ、輸出目的のクリスマス用のモール作りの内職を仲介を村人に提案します。しかし、世界恐慌のあおりを受けて事業は失敗し、彼は村中で詐欺師呼ばわりされ、青池源治郎の殺害と同時に行方をくらました謎多き人物で、今もその行方は分かっていませんでした。
あらすじ2:亀の湯の女将
金田一の宿泊先「亀の湯」は、鬼首村の中心部から遠く離れた場所に建てられており、女将・青池リカが女手一つで切り盛りしていました。リカは、23年前に起こった怪事件の被害者・青池源次郎の未亡人で、息子・歌名雄と、顔の形は美しいが、生まれつき心臓が弱く体半分に赤いアザを患う里子と暮らしています。
里子の容姿の考察とネタバレ
かつて日本では、妊婦が火事を目撃するとアザを持った子供が生まれるという迷信が信じられており、「悪魔の手毬唄」に登場する里子が生まれ持つアザも、作中での火にまつわる事故または事件との関連性を伺わせます。実は、この迷信と里子のアザが、鬼首村で起こった2つの怪事件の真相を解くカギとなります。
あらすじ3:鬼首村の若人衆
金田一が鬼首村を訪れて間もない頃、村出身の人気歌手・大空ゆかりが里帰りするという噂が村を賑わせていました。大空ゆかりの里帰りに合わせて歓迎会を開こうと、青年団副団長を務める青池歌名雄を筆頭に準備が進められていました。青池歌名雄は、村一番の美男子で歌が上手く、村の娘たちの人気者でした。そして、村の娘・由良泰子と交際しており、歌名雄に思いを寄せる仁礼文子はそのことに嫉妬していました。
歌名雄の恋人・由良泰子は、村の旧家・由良家の娘で、泰子の父は、23年前に現れた詐欺師・恩田幾三に騙され、失意の内に亡くなりました。そして、2人の仲を快く思わない仁礼文子の実家は、村にブドウ栽培を持ち込み、一代で財を築き上げた資産家でした。そして、現当主・嘉平は、娘の文子と歌名雄の縁談を亀の湯女将・リカへ持ち込むなど、由良家と対抗していました。
あらすじ4:詐欺師の娘の生い立ちのネタバレ
金田一は、23年前に起こった怪事件と共に人気歌手・大空ゆかりの出生についても耳にしました。大空ゆかり、本名・別所千恵は、詐欺師・恩田幾三が母・春江に産ませた子供でした。そのため、鬼首村で起こった怪事件で恩田が失踪した後、村人たちは千恵を「詐欺師の子」呼ばわりし迫害した過去がありました。
あらすじ5:謎の老婆と殺人事件
金田一が亀の湯にある温泉へ向かうと、先客が湯船に漬かっていました。先客は多田羅放庵と名乗り、村の庄屋の末裔、妻を7回も取り替えたこと、彼の5番目の妻・おりんから復縁を乞う手紙が届き、その代筆を親しくなった金田一に依頼します。
そして、別所千恵の里帰りが近づいてきたある日の夕暮れ、用事で総社の町へ向かう途中の金田一は、峠道でおりんと名乗る老婆とすれ違います。しかし、総社の旅館の女中の話によるとおりんは、昨年に亡くなったと聞きます。不信に思った金田一が放庵の元に訪れると、そこには、放庵とおりんの姿はなく、2人分の杯とわずかに吐血した後が残されていました。
あらすじ6:大空ゆかりの帰郷
かつて詐欺師の娘と呼ばれ、村で迫害を受けていた大空ゆかりこと別所千恵の歓迎会は、千恵と同年代である歌名雄たち青年団を始め、村中が歓喜に包まれました。しかし、その中には、千恵と同級生だった由良泰子の姿がありませんでした。その頃、千恵の歓迎会に向かう途中だった青池里子は、泰子と謎の老婆がどこかへ向かう姿を目撃していました。
あらすじ7:由良泰子と升・漏斗
行方不明となった泰子の探索は、夜を徹して行われた結果、村から遠く離れた滝つぼで発見されました。遺体には、絞殺された後が残され、滝の途中に置かれた升から水が溢れ出て、口に差し込まれた漏斗に流し込まれる奇妙な細工が施されていました。娘の変わり果てた姿を見た泰子の母・敦子は、対立する仁礼嘉平に疑いの目を向けます。
あらすじ8:仁礼文子と秤・大判小判
由良家で泰子の通夜が営まれた頃、今度は、仁礼家の娘・文子が行方不明となります。翌朝、村内の葡萄酒製造工場にて、絞殺された後、腰に竿秤が差し込まれ、秤の皿に正月飾りの大判小判が置かれた状態で発見されました。立て続けに起こる事件に頭を悩ませる金田一と警察が頭を悩ます中、由良泰子の祖母が、村に伝わる手毬唄を皆に歌って聞かせます。
あらすじ9:手毬唄殺人と被害者2人のネタバレ
泰子の祖母が金田一達の前で歌って聞かせた手毬唄は、かつて鬼首村を治めていたお殿様に、もてあそばれ最期に飽きて殺された3人の娘たち悲運を今に伝えるものであり、歌詞に登場する娘たちはそれぞれ「升屋」「秤屋」「錠前屋」の出身でした。そこで、金田一は、今回の一連の事件は、手毬唄に見立てた殺人であり、升屋は由良家、秤屋は仁礼家の屋号であることを突き止めます。
升屋の娘・泰子は升・漏斗、秤屋の娘・文子は秤と大判小判と結びつき、3番目の歌詞に出てくる「錠前屋」は、千恵の実家・別所家の屋号であり、次は千恵が狙われるのではと金田一は推測します。その頃、23年前の怪事件について、村で殺された泰子・文子が、実は、詐欺師・恩田の子供であることが発覚し、金田一は、真相を確かめるべく神戸に向かいます。
あらすじ10:錠前屋の娘の殺害
金田一は、磯川がかつてはなった「加害者と被害者が反対ではないか」という推測から、あることを思い付き、神戸へ向かいました。そこには、手毬唄殺人の被害者の母・由良敦子と、鳥取に嫁いだ文子の実母、千恵の母・春江が集まっており、金田一は、3人に恩田幾三の足の指の内、中指だけが突出していなかった問います。すると、3人とも、恩田の足の指は、不自然に中指だけがとても長かったと当時を語ります。
その頃、鬼首村に残った千恵は、金田一の頼みで警察の警護を受けながら生活していたある日、とうとう、第3の殺人事件が起こります。後頭部が殴られた後、服を脱がされた残虐な姿となった遺体のそばには錠前と鍵が置かれていました。しかし、現場に駆けつけた金田一や警察たちは、想定外の出来事に戸惑いを隠せずにいました。
悪魔の手毬唄の結末をネタバレ!犯人はだれ?
恩田と関係を持った3人の女性、被害者3人の母親の目の前に出された一枚の写真には、無残に殺されたリカの夫・青池源次郎の足の指、中指だけが突出している姿が映っていました。これで、恩田幾三と青池源次郎が同一人物であることが確定し、金田一の推理通りに真相が解明されつつあるとき、金田一も想定していなかった出来事が鬼首村で起こります。
殺された錠前屋の娘の正体とネタバレ
殺された錠前屋の娘は、千恵ではなく、体中にできた赤いアザから亀の湯の女将リカの娘・青池里子でした。後に、金田一の推理により、里子は手毬唄の犯人を知っていた、そして次の殺害計画も知っていたから、千恵の身代わりになったと推測されました。文子の通夜にて、長髪をバッサリ切り落とし、頭巾を外した里子の変貌ぶりは、犯人に何かを伝えたかったようにも見えました。
結末あらすじネタバレ1:真犯人のネタバレと過去
身代わりとなった里子の死を知った千恵は、里子の死に悲観に暮れるリカの元を訪れます。そして、リカは、千恵に一連の事件の犯人は自分であること、そして、第3の殺人は別所千恵を狙った犯行であったことを認めます。そして、未解決事件であった23年前の事件の真相を語り始めました。
23年前、トーキー映画の台頭により青池源次郎を始めとする活弁士の仕事は日ごとに激減していました。いよいよ仕事を失った源次郎は、妻・リカと長男・歌名雄を連れて、故郷・鬼首村へ戻り、家業の「亀の湯旅館」を継ぎました。同時に、源次郎は、実業家「恩田幾三」という顔を持って村へ現れると、モール作りの内職を村人に仲介する仕事を始め、源次郎の1人2役の生活が始まりました。
結末あらすじネタバレ2:3人の娘たちの出生秘密とネタバレ
青池源次郎が子供の頃、家は村で一番の貧乏という理由から、子どもたちからいじめられていた過去がありました。そして、成人後は、神戸で活弁士として活躍するも時代の波に乗れず失業し、また、幼少時代に受けた仕打ちを忘れずにいた源次郎は、亀の湯から離れた集落にて恩田幾三の偽名を使ってモール作りの仲介業を始めます。その頃、村の娘たちと関係を持ち、後に泰子・文子・千恵が生まれました。
結末あらすじネタバレ3:里子のアザ
源次郎の復讐は、やがて妻であるリカの耳に届きます。とうとう業を煮やしたリカは、夫・源次郎こと恩田幾三を殺害してしまいます。しかし、殺害現場を多田羅放庵に目撃され、その後放庵の指示で源次郎の顔を人相の判別がつかないほど焼き、恩田幾三による詐欺と殺人事件に仕立て上げました。程なくしてリカは、赤いアザを持った赤ん坊を出産し、里子と名づけます。
結末あらすじネタバレ:手毬唄殺人の概要をネタバレ
23年後、青池源次郎の殺害の目撃者、多田羅放庵を毒殺や、手毬唄になぞられて殺害された娘3人を殺害するとき、リカは、既に亡くなっていた放庵の5番目の妻・おりんに変装して彼らに近づいていました。しかし、この変装は、後に娘・里子に目撃され、手毬唄殺人の犯人ではと感づかれてます。そして、里子は千恵子の身代わりとなって殺されてしまいます。
結末あらすじネタバレ:女の嫉妬
泰子・文子・千恵が、恩田幾三こと青池源次郎の娘であることが分かって以来、歌名雄が交際する泰子や、縁談を持ち込んできた仁礼家の文子は、血縁上は異母兄妹になるので結婚はできないと悟ったリカは、放庵から聞いた手毬唄に見立てた殺害計画を立て、実行に移しました。
リカが犯行に及んだのは、倫理上の問題ではなく女の嫉妬も絡んでいました。自身が生んだ娘は、醜いアザを持って生まれたのに、恩田幾三が生ませた娘3人は皆、容姿端麗であることを内心、悔しくも悲しく思っていました。
結末あらすじ:真犯人の最期
23年前に起こった青池源次郎殺害・恩田幾三失踪事件と、今回起こった手毬唄殺人事件は、亀の湯の女将・青池リカによる一連の犯行であることが、判明しました。そして、全てを語り終えたリカは、底なし沼へ身を沈め命を絶ちます。
結末あらすじネタバレ:事件解決後の鬼首村
後にリカの遺体は、底なし沼から引き揚げられました。しかし、無残に殺された妹と一連の事件の真犯人が母親だと知る歌名雄は失意の底に落ち、程なくして鬼首村を出ていきます。そして、金田一も静かに村を去り、帰路につきます。
悪魔の手毬唄のロケ地を紹介!
悪魔の手毬唄は、横溝正史の出世地である岡山県をモデルに、岡山県と兵庫県の県境にある古い因習がいまに伝わる寒村・鬼首村を舞台に物語が進行します。映画では、山梨県某所で撮影が行われており、金田一役の石坂浩二さんが自転車をこいだ道路や、亀の湯旅館のロケに使われた民家が現在も残っています。
ロケ地1:六道の辻
「六道の辻」と刻まれた石碑とお地蔵さまが置かれたこの場所は、錠前屋の娘・千恵の身代わりとなった里子の殺害現場です。実の母親が娘を手にかける「悪魔の手毬唄」でもっとも残酷な場面でしょう。撮影に使用された石碑とお地蔵さまは、撮影のために設置されたものであり、現地には、代わりに灯篭が置かれています。
ロケ地2:仙人峠
石坂浩二さんとおりん婆さんを演じる岸恵子さんが出会う仙人峠は、映画では、もやがかかった不気味な場所のイメージが強いでしょうが、この場所は、晴天の日に富士山がはっきり見えるスポットです。しかし、悪魔の手毬唄は、岡山県が舞台なので、このシーンはあえて曇りの日に撮影を行なったと言われてます。
ロケ地3:亀の湯
石坂浩二さんが演じる金田一が宿泊した旅館「亀の湯」は民家を借りて撮影が行われ、現在も住民の方が暮らしている個人宅です。現在は、建物の修繕などが施されているため、石坂浩二さんが撮影に訪れたときの外観とは異なります。亀の湯旅館のモデルとなった古民家は、現在も個人宅なので無断撮影は慎みましょう。
ロケ地4:総社駅
金田一耕助が駅から物語の舞台を去るシーンは、石坂浩二さん主演の金田一シリーズのお決まりの一つでしょう。映画のラストに登場した「総社駅」の撮影は、静岡大井川鉄道・家山駅で行われており、撮影当時の雰囲気を今でも味わうことができます。
もっと横溝正史の「悪魔の手毬唄」を知りたい方におすすめ
山梨市にある「横溝正史館」は、悪魔の手毬唄の作者、横溝正史が晩年まで書斎として使用していた木造平屋を東京都世田谷区成城から移築された建物です。横溝正史の死後、建物の老朽化による解体時に、長男亮一氏から書斎と横溝正史直筆の原稿などを含めた遺品とともに寄贈されました。ロケ地と共に、資料館へも足を運んでみませんか。
悪魔の手毬唄のあらすじネタバレまとめ!
23年前の怪事件と石坂浩二さんが演じる金田一耕助が携わった手毬唄殺人事件は、1人の女性の死を持って紐解かれた悲しい物語とも捉えられるでしょう。石坂浩二さんが主演を務めた映画金田一シリーズは、単なる推理物やホラー映画としてでなく、描かれる複雑な人間の心理にも着目して鑑賞したい名作として知られています。