たそがれ清兵衛の映画あらすじ!真田広之など出演キャストも紹介【藤沢周平原作】

映画『たそがれ清兵衛』(2002年公開)は藤沢周平原作、山田洋次監督。主演は真田広之、宮沢りえ。記事では『たそがれ清兵衛』のあらすじ、キャストなどを紹介する。幕末の東北、下級武士の井口清兵衛は妻に先立たれ、母と娘とともに貧しい生活を送っていた。ある日、親友の飯沼の代わりに果し合いを受け、相手を木刀で倒したことで清兵衛の剣術の腕前が藩内に知れ渡る。飯沼の妹、朋江に想いを寄せられる清兵衛だが、貧しさゆえに拒絶する。そんな時、清兵衛は、藩の家老から逆臣の討手になれば禄を上げると持ちかけられる。

たそがれ清兵衛の映画あらすじ!真田広之など出演キャストも紹介【藤沢周平原作】のイメージ

目次

  1. たそがれ清兵衛の映画あらすじが気になる!
  2. たそがれ清兵衛の映画は藤沢周平原作!
  3. たそがれ清兵衛の映画キャストを紹介!
  4. たそがれ清兵衛の映画あらすじをネタバレ!
  5. たそがれ清兵衛の映画あらすじまとめ!

たそがれ清兵衛の映画あらすじが気になる!

『たそがれ清兵衛』は2002年に公開された山田洋次監督の映画だ。原作は藤沢周平の時代小説。主演は真田広之、宮沢りえ。同年の日本アカデミー賞を総なめにし日本映画史に残る名作となった。この記事では、あらすじのほか、原作、キャストについても紹介する。

『たそがれ清兵衛』のあらすじ:主人公は、幕末の庄内に住む平侍、井口清兵衛だ。清兵衛は妻に先立たれ、家族とつましく暮らしている。禄の低さから生活は貧しく、夕方、城での仕事が終わると酒の付き合いもせず帰宅する毎日だ。そんな清兵衛を同僚たちは陰で「たそがれ清兵衛」と呼んでいた。

たそがれ清兵衛の映画は藤沢周平原作!

原作は時代小説家の藤沢周平だ。秋田出身で、昭和46年『溟い海』でオール讀物新人賞、48年『暗殺の年輪』で直木賞を受賞し世に出る。下級武士や江戸下町の人々の生活や情愛をきめ細やかに描き人気を博す。歴史、伝記小説、エッセイなど幅広く執筆。藤沢周平作品の多数が映画化、ドラマ化、舞台化されている。平成9年逝去。

映画『たそがれ清兵衛』は、藤沢周平の短編『たそがれ清兵衛』、『祝い人助八』、『竹光始末』の三本を元に、内容をミックスして製作された。映画『たそがれ清兵衛』は2002年の日本アカデミー賞で各部門を総なめにし、次の年、米国のアカデミー賞でも外国語映画賞にノミネートされた名作だ。

たそがれ清兵衛の映画キャストを紹介!

ここでは『たそがれ清兵衛』のキャストを紹介しよう。何といっても『たそがれ清兵衛』の最大の魅力は主演の二人だ。主人公の井口清兵衛に真田広之。清兵衛を慕う美しい幼なじみ、朋江を宮沢りえが演じる。敵役、余呉善右衛門に田中冺。清兵衛の友・飯沼倫之丞に吹越満。叔父に丹波哲郎。ナレーターは岸惠子、とキャストには個性派俳優の顔ぶれが並ぶ。

主演はアクション俳優の大御所・真田広之!(主人公・井口清兵衛役)

『たそがれ清兵衛』の主人公、井口清兵衛役は真田広之。真田といえばアクションだ。映画では迫力ある殺陣を披露する。10代からジャパンアクションクラブ(JAC)に所属し『柳生一族の陰謀』('78)、『麻雀放浪記』('84)などに出演しJACの看板俳優となる。得意の時代劇の他『病院へ行こう』('90)などのコメディ、『魔界転生』('81)などのファンタジーまで幅広い役をこなす。

'99年に英国での演劇公演『リア王』に出演し、'02年に本作『たそがれ清兵衛』がアカデミー賞にノミネートされ海外での認知が高まり、トム・クルーズの『ラストサムライ』にも出演。凛々しい剣士役で海外の観客をも魅了した。以来、ハリウッドを足がかりに海外へ本格的に進出し、国際派俳優として活躍中。『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)、『ライフ』(2017)など映画のほか、海外ドラマにも出演している。

国民的アイドルから演技派女優に・宮沢りえ(ヒロイン・朋江役)

『たそがれ清兵衛』のヒロイン朋江を演じるのは宮沢りえ。小学生の頃からCMなどに出演。'88年『ぼくらの七日間戦争』で女優としてデビューし日本アカデミー賞新人賞受賞。国民的アイドルとなる。18歳の時に出版した写真集『Santa Fe』は150万部突破。人気絶頂期の19歳、仕事や家族関連の理由で婚約者・貴花田との破談を余儀なくされしばし活動を休止する。

復活後、『たそがれ清兵衛』で宮沢りえは日本アカデミー賞・最優秀主演女優賞を獲得。'05年には『父と暮らせば』でブルーリボン賞・主演女優賞。2013年に舞台劇『おのれナポレオン』の主演・天海祐希が病気で降板した際の代役を完璧に務め、演技派女優としての地位を確固とした。『紙の月』('14)でも東京国際映画祭・最優秀女優賞を受賞。

『たそがれ清兵衛』個性派ぞろいのキャスト!

『たそがれ清兵衛』の脇役キャストは個性派ぞろいだ。敵役、剣の遣い手として清兵衛と闘う余呉善右衛門は田中冺が演じる。ダンサーでもある彼の立ち回りは真田に引けをとらない。朋江の元夫・甲田を大杉漣。ナレーションは岸惠子で、年齢を重ねた清兵衛の次女・以登が思い出を語るという設定だ。

そのほか、清兵衛の叔父・井口藤左衛門に丹波哲郎、気のおけない親友・飯沼倫之丞に吹越満、気のいい上司・久坂長兵衛に小林稔侍。彼らは人情味あふれる演技は『たそがれ清兵衛』を万人に愛される作品に仕立て上げた。

たそがれ清兵衛の映画あらすじをネタバレ!

では、『たそがれ清兵衛』のあらすじを詳しく見てみる。舞台は幕末の東北、庄内地方。海坂藩の下級藩士・井口清兵衛は老いた母と幼い二人の娘を養いつましい生活を送っていた。禄は低く妻に先立たれていた。城では御蔵役を勤め、夕刻の太鼓が鳴るとそそくさと家に帰る。酒の誘いにも乗らない清兵衛を同僚たちは陰で「たそがれ清兵衛」と呼んでいた。

帰宅すると呆けた母の世話をし娘たちと内職に励む。少ない禄だけでは食べていけないのだ。死んだ妻の葬式を出すため大事な刀も売り払った。そんな清兵衛に身なりを構う余裕はなく、仕事の出先で上役から不潔さを咎められる。それを恥に思った叔父、井口藤左衛門(丹波哲郎)が後妻をもらえと勧めるが、清兵衛は一顧だにしない。

ある日、清兵衛は幼なじみの飯沼倫之丞(吹越満)と再会する。飯沼は、甲田豊太郎(大杉漣)に嫁いだ妹の朋江を離縁させたと話す。甲田の暴力が理由だ。清兵衛が帰宅すると家に朋江がいた。夕刻、朋江を飯沼家に送ると、酒に酔った甲田が飯沼に果し合いを申し込んでいた。甲田は腕が立つため、飯沼に代って清兵衛が相手をすることになる。

翌朝、城下の河原で清兵衛と甲田は対峙する。真剣で斬りかかる甲田をかわし清兵衛は木刀一振りで甲田を倒した。それを村人が目撃しており清兵衛の剣の腕前は城内に知れ渡り、これまで「たそがれ清兵衛」と呼んでいた同僚も見方を変える。一方、清兵衛の家では、毎日のように朋江が清兵衛の家を訪れかいがいしく家族の世話をしていた。

そんな時、海坂藩の藩主が若くして亡くなり、城内で後継者争いが勃発していた。上級職であり争いと無関係でない飯沼は妹、朋江の行く末を案じ、後妻に迎えてほしいと清兵衛に頼む。朋江がそれを望んでいるというのだ。清兵衛も朋江をにくからず思っているが、自分の貧しさと身分の低さから申し出を断る。その次の日から、朋江の姿が清兵衛の家から消えた。

ある夜、清兵衛の家を人の良い上司、久坂長兵衛が訪れ、清兵衛が城から呼び出しを受けていると告げる。いぶかしく思いながらも久坂と共に登城する。居並ぶ重臣の前で平伏する清兵衛に家老は、一人の藩士を討てと言う。藩の後継者争いに決着がつき、敗れた一派は切腹を命じられたが、一人だけ命に従わず屋敷にたてこもっているという。

討つ相手は余呉善右衛門(田中冺)。一刀流の手練れだ。切腹を拒み続ける余呉に討手を放った藩だが返り討ちにあったという。藩は甲田を倒した清兵衛の腕前を知り、「たそがれ清兵衛」がかつて富田(とだ)流の師範代だったことも調べ上げていた。清兵衛は固辞するが許されず命を受ける。ただ、役目を果たせば禄高を上げるという話は清兵衛の心を捉えていた。

翌朝、清兵衛は朋江を家へ呼び、身支度を頼む。そして、出かける間際、もし無事に役目を果たし生きて帰ることができたら嫁にきてほしいと自分の気持ちを打ち明けた。しかし、一度、清兵衛に断られた朋江は、他家からの縁談を受けてしまっていた。余呉の屋敷の前には怯える役人が控え、庭には余呉に斬られた討手が転がっていた。清兵衛が用心しながら屋敷に入ると憔悴した余呉善右衛門がいた。

刀を構える気配もなく清兵衛に身の上話を始める。苦しい生活、17で逝った娘。二人は共感し、清兵衛が余呉を逃がすと決めた矢先、清兵衛の携える刀が竹光であると知った余呉の目の色が変わった。小太刀しか持たない清兵衛に、侮られたと激昂した余呉が、突如刀を抜いて斬りかかる。及び腰ながら迎え討つ清兵衛。死闘の末、清兵衛が余呉を討ち取った。傷つきながらも家に帰った清兵衛を待っていたのは、娘たちと朋江だった。

清兵衛は朋江を妻に迎え、家族とともにしばし幸せな生活を送るが、戊辰戦争が勃発し、出兵した清兵衛は官軍の弾に倒れる。最後の場面、年齢を重ねた次女の以登(岸惠子)がスクリーンに登場し、「父が亡くなったあと朋江が自分たちを育ててくれた。父は幸せ者だった」と語って『たそがれ清兵衛』の物語は終わる。

たそがれ清兵衛の映画あらすじまとめ!

『たそがれ清兵衛』は日本映画史上に残る傑作と言われながら、一部批判もある。成長した次女が独白するラストシーンは果たして必要だったか、というものだ。幕末という時代に女手一つで子供二人を育てる、という内容のセリフは時代考証的にも無理がある。しかし、そんな批判も帳消しにしてくれる魅力がこの作品にはある。

人気作家、藤沢周平作品を山田洋次が映像化した『たそがれ清兵衛』。貧しい平侍ながら剣の達人という主人公に真田広之、彼を慕う美しい幼なじみに宮沢りえを起用し、二人の間の静かな思慕の行方と、剣士同士の手に汗握る立ち回りで観客を魅了した。宮沢りえの凛とした美しさ、真田広之と田中冺の迫真の殺陣はぜひ映像で見てほしい。

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