2018年10月18日公開
2018年10月18日更新
シャニダールの花ネタバレあらすじ!映画の感想や結末は?【綾野剛・黒木華】
「シャニダールの花」は2013年7月に公開された日本映画で、監督は邦画史上最もパンクな映画監督といわれる石井岳龍監督。人気俳優の綾野剛と黒木華がダブル主演を務めるこちらの映画はシャニダールの花を巡るミステリアスで壮大、かつホラーチックな物語だ。静かに流れていく時間の中での独特な世界観を表現しているこちらの作品「シャニダールの花」のネタバレのあらすじと、よくわからないなどといわれるこちらの映画の感想と結末をご紹介!
目次
シャニダールの花のあらすじネタバレや感想が知りたい!
2013年に公開された人気俳優綾野剛の主演「シャニダールの花」。監督は日本で監督史上最もパンクな監督と称される石井岳龍監督。パンクと言われるように、同監督の作品はロックテイストのハードな表現が多いので男性に人気がある監督なのだがこちらの映画はまるでテイストが違う。若い女性の話であることもあり「シャニダールの花」の公開劇場は綾野剛の人気も相まって女性達で埋め尽くされた。
そんな、人気俳優綾野剛主演映画「シャニダールの花」だが、観た人達の感想となるとなかなか厳しい評価が続く。果たして「シャニダールの花」とはどんな映画なのか?あらすじを結末までネタバレ。さらに感想の詳しい内容はどんなものなのか?さらにさらに人気俳優綾野剛についてもご紹介!
シャニダールの花の映画作品情報
「シャニダールの花」の石井岳龍監督は2018年の「パンク侍、斬られて候」など、ロックをベースにした激しいリズム感のある作風のイメージが強い。同監督の作風は賛否両論の癖の強いものが多く独特の世界観を持っている。ロックテイストの作品が多いので特に男性に人気がある監督だ。そんな岳龍監督が作るこの映画は今までとは一線を画した作品だ。花が主役ということもあり、穏やかで華やか且つ狂気じみた作品に仕上がっている。
この映画「シャニダールの花」を恋愛ファンタジーと括るのか、ミステリー、ホラーと括るのか見る側の主観によるだろう。そういわざるを得ないほどミステリアスでホラーチックな恋愛映画でもあり、壮大なスペクタクル映画でもある。シャニダールの花という朱色の魅惑的な花を巡って翻弄される若者達。シャニダールの花が原始の時から脈々と受けついできた、植物としてのしたたかさへも思いを巡らせた、一言では言い表せない作品だ。
映画「シャニダールの花」はこの年のモントリオール世界映画祭のフォーカス・オン・ワールド・シネマ部門というカナダ以外の国で制作された作品を上映する部門に出品された。同監督が海外の映画祭に出品したのは28年ぶり。1984年映画「逆噴射家族」でベルリン国際映画祭で出品している。そこで注目され、イタリアのサルソ映画祭ではグランプリに輝いている。
シャニダールの花主演の綾野剛の世界からの評価が高い!
映画「シャニダールの花」の主役の大瀧を演じるのは今を時めく綾野剛だ。綾野剛は1982年1月26日岐阜県で生まれた36歳(2018年現在)高校卒業後上京し、モデルやバンド活動を経て2003年「仮面ライダー555」のスパイダーオルフェノク役で俳優デビュー。本人談「俺、怪人です。仮面ライダーやってないです。」と軽く謙遜している。
この時のファーストカット23回のNGを振り返り、『「お前が素人だろうと関係ない。見てる人達はお前が本物だと思ってみてるんだ。」と石田秀則監督に言われ発奮した。』と語る。それまでは俳優業にあまり傾倒してこなかった綾野剛が役者を真剣に始めようと思った瞬間だったそうだ。
綾野剛はその後意欲的に俳優業に取り組んでおり、2007年の初主演映画「Life」では音楽監督を兼任するなど、別の才能もみせつけている。また、映画「奈緒子」では高校時代に県で準優勝を果たしたという健脚を生かし、主役のライバルにあたるマラソン選手の役で出演し、好演している。
出典: https://prcm.jp
ドラマでは、NHK朝の連続ドラマ「カーネーション」でヒロインの恋人役として出演しているが、登場回数は短いながらも、綾野剛出演回は視聴率が跳ね上がり、存在感をみせつけた形になった。近年では主役を務めることの多い綾野剛はTBSドラマ「コウノドリ」日本テレビドラマ「フランケンシュタインの恋」テレビ朝日ドラマ「ハゲタカ」等、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
2013年カナダでの第37回モントリオール世界映画祭に出品した際、綾野剛は別の映画の公開初日と重なり、現地には行けず石井岳龍監督が舞台挨拶を務めた。現地の観客は「主演の男性がとてもよかった」と絶賛。「何故彼を起用したのか?」との問いに「彼はとてもスマートでミステリアスな影と色気を持つ今日本で最も人気がある俳優だ。」と答えると会場から大きな拍手が巻き起こったという。
綾野剛にとって主演映画が海外の映画祭に出品されるのは初めてのことで「新たな世界で新たなまなざしで観ていただけると思うと感謝しかありません。」とコメントしている。また、翌年の38回モントリオール世界映画祭では映画「そこのみにて光り輝く」で会場入りし、上映後のスタンディングオベーションを全身で体感したようだ。観客は「素晴らしい映画の誕生だ。」等と絶賛。綾野剛は「今後の人生の糧になる。」とコメント。
シャニダールの花の映画登場キャスト
ここからは、「シャニダールの花」の女性キャストを紹介しよう。シャニダールの研究員の大瀧賢治役に綾野剛、セラピストの美月響子役に黒木華。シャニダールの花を提供する若い女性、ハルカ役に刈谷友衣子、ユリエ役に伊藤歩、ミク役に山下リオ。研究所所長の吉崎役に古舘寛治などである。下の写真は右から石井岳龍監督、ユリエ役の伊藤歩、大瀧役の綾野剛、美月響子役黒木華、ハルカ役の刈谷友衣子と並ぶ。
ヒロインの美月響子役を演じたのは黒木華だ。黒木華には初主演になるこちらの作品、ダブル主演の綾野剛にもひけをとらないほど数々の作品に出ている。幼いころから演劇に興味を持ち高校大学と演劇の勉強をしてきた黒木華は今では知らない人がいないほどの露出度だ。初主演映画「シャニダールの花」以来ブレイクした感があり、その後、映画「小さいおうち」やドラマ「花子とアン」「みをつくし料理帖」「西郷どん」等、多数出演。
ハルカ役の刈谷友衣子は1966年11月30日生まれ。2009年雑誌モデルでデビュー後2010年映画「告白」で女優デビュー。その後着々と出演作品を重ねるも、2015年以降の活動はみられない。自身のブログも2014年3月に体調不良を理由にしばらく休むと発表している。
ミク役の山下リオは1992年10月10日生まれ。2006年柴咲コウに憧れ女優を目指し、同じプロダクションを受け、現在所属する。2007年には12代目リハウスガールに選ばれ、モデル活動を経て同年女優デビューをはたす。NHK連続朝ドラマ「あまちゃん」やドラマ「リミット」での演技は高く評価されいっきに知名度があがり、TBSバラエティー「A-Studio」のアシスタントを一年務める。現在ネットやBSのドラマ等活躍中。
大瀧に恋心を抱くユリエ役には伊藤歩だ。1980年4月14日生まれ、6歳のころよりモデル等の仕事をし、1993年映画デビュー。1996年「スワロウテイル」で第20回日本アカデミー賞新人俳優賞及び優秀助演女優賞を受賞している。映画撮影のための剃髪やヘアヌードも厭わないといった体当たりの役者魂が際立つ女優だ。
シャニダールの花の映画あらすじネタバレ
ここからは、「シャニダールの花」あらすじネタバレでご紹介!「花の始まりは謎に包まれている」の言葉から始まるこの物語。「花は恐竜がありとあらゆる生物を食べ尽くしていた時代に身を守る為に種を作り、やがて恐竜を滅ぼした。」と続く。
シャニダールの花を自分の胸で育てる女性達
シャニダールという花から新薬開発の極秘な研究が行われているシャニダール研究所。そこで植物の研究員として働く大瀧賢治と本社からセラピストとして転任してきた美月響子が出合う。赴任初日に大瀧は美月の案内係として施設内を説明して歩く。真っ白い建物内、真っ白い部屋のゲストルームと呼ばれるところにその女性たちは生活していた。提供者と呼ばれる彼女達もまた真っ白い衣装に身を包んでいる。
白い衣装の胸に異質なカプセルがついていてその中に朱色の鮮やかな花を育てる女性達。そこにいる女性達は思い思いに穏やかに暮らしている。ごく一部の限られた女性にしか芽吹かない、また芽吹いたとしても上手く育つかは、母体提供者と言われるその女性たちの心の在り方で満開を迎えられるか否かは違ってくる。
その提供者の心のケアは必須で、セラピストは重要な役割を果たす。そのセラピストとして赴任した美月響子は大瀧から初日に「ここは特殊な場所。考え直したほうがいい」と忠告を受けるも、淡々としかし満足げに業務をこなす。
ゲストハウスに住んでいる母体提供者の女性ハルカは美月が初めて面会説得して施設に来た͡娘だ。ハルカは高額の契約金を母にあげるために入所を決めた。入所後心が安定しなかったハルカだが同じく提供者のミクに心惹かれミクの絵を描くことで心が安定してくる。やがてシャニダールの花は満開を迎える。逆にミクは父親が愛人と逃げ、母親も面会に来ないという背景があり花が上手く育たなくなる。施設を出されることになるミク。
ミクは落胆の末逆上し他の女性の花をむしり始める。ハルカは「私の花をあげる!」と自分の花をむしり取って差し出すが、直後失神してしまう。それをみていた美月もまた倒れる。美月のからだに異変が起きていたのだ、提供者の女性達と同じように美月もまた限られた女性の一人だった。美月の胸に芽吹く花。美月は異様なまでに花に陶酔していった。それはまるで、美月自身が花そのものになったかのように。
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ユリエは大瀧に恋心を抱いていた、花が咲くまでは彼は自分に優しく接してくれると悟ったユリエは、花を切除することを拒むが美月のセラピーにより安定を取り戻し、切除手術を受ける。
しかし、手術中に心肺停止で亡くなってしまう。花を切除する際に母体に多大な負荷が掛かることを、研究所は組織的に隠蔽していたのだ。やがてそれがニュースに出ると研究所は閉鎖に追い込まれる。
シャニダールとは?そしてその花の意味
シャニダールとはイラクの紛争地帯の地名で、そのシャニダールから発見されたネアンデルタール人の墓に花の化石があったことから「人の死を悼むという、心の発生を現した花」と言われていた。ネアンデルタール人とは約40万年前に出現し、2~4万年前に絶滅した現人類とは別系統の人属のことを言う。野蛮な獣から人間になるには心が必須になる。「花を女性に送って初めて男性は獣から人になる。」と作中でも言われている。
ここからはネタバレになる。その花の意味の前提が根底から覆される発言が終盤の元研究所所長の口から告げられる。「心の発生にまつわる花の話は嘘だ」と、花の化石は死者に手向けられたのではなく、人に寄生した花がネアンデルタール人を絶滅に追いやったのだと。
ここで、冒頭述べらている「恐竜から身を守る為に植物は種を作り、やがて恐竜を絶滅に追いやった。」ということにつながる。故にこの花は兵器になる、危険なものだ。と
シャニダールの花の逆襲か?
美月の胸にシャニダールの花が芽吹いたことを知った大瀧は「一緒に暮らしてやり直そう。その花の芽は俺が切除する」と言うが、美月は花を咲かせて種を取ることを望んでいると説得し眠りにつく、大瀧は眠っている美月の胸の芽をナイフで摘んでしまう。翌朝それに気が付いた美月は静かに大瀧の前から姿を消してしまう。シャニダールの花を育てることは心を満たすことなのだということが大瀧には理解できなかった。
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大瀧は神西大学園芸学部の研究員になり平凡な日々を送る中、差出不明の種が届く。今まで同僚あてに届いていたサンプル品が今度は大瀧に来たのだろうと判断した同僚が窓からばらまいた種。それがやがて芽を出しはじめる。その花に偶然気が付いた大瀧は慌ててその花の芽を掘り起こしハルカの家を訪ねる。種を送ったのはハルカが美月に頼まれたもの。しかし美月本人は冬眠状態という眠りについていて起きることはない。
シャニダールの花の結末は?
眠りにつく前美月はハルカに大瀧宛の手紙を託していた。「どうしても花を育てたかった。わたしはもともと花で体や心は借り物、廻りに溶けて消えていくそれが本当の私だという喜びに満たされている私は花に戻ります。とっても幸せ」
美月響子は花になったのか?
気づけば街中に咲いているシャニダールの花。花の陰謀があるのか否か。ストーリーは幻想的な世界に突入する。そこは美月の夢の中か大瀧の夢か定かではないが、荒涼とした大地にシャニダールの花だけが咲く。美月は大瀧に「私が目覚めたのではない、あなたが目覚めたのよ」と、二人は手をつなぎ「僕たちは」「みんな花にもどる」でストーリーのラストだ。あらすじをネタバレで紹介したところで、理解できるかは謎だが是非ご覧あれ。
シャニダールの花を観た感想や評価は?
「シャニダールの花」のあらすじをネタバレで紹介したように、実に難解、曖昧な感じのストーリーで、観た人の感想もやはりそんな類のコメントが多い。主役のお二人を絶賛する声もあるなか、謎めいた花について細かい所の説明が足りない。もしや、観客にそこは丸投げで想像してくれということなのか?等の感想で、評価としては5段階中2~3。あらすじをネタバレしてもネタバレというほど説明が十分ではない作品である。
感想の一部詳細は次のようなものだ。ストーリーが難解だ。細かいストーリーをもう少し上手くはめ込むことができればいい。不思議な世界観の題材だ。美しい映像、旬な役者がそろっているのにはっきり言って面白くない。説明不足だった謎に包まれた伏線が中途半端にしか回収できていなかった。幻想的なラストも唐突で曖昧。研究機関の描き方が浅い等、解りずらいというのが大半、唐突な展開だという感想も多くみられる。
シャニダールの花のあらすじネタバレや感想まとめ
以上、映画「シャニダールの花」のあらすじをネタバレでご紹介したわけだがいかがだっただろうか?ダブル主演の綾野剛、黒木華を堪能したい方には、ストーリー度外視で楽しめるだろう。あらすじでも紹介したようにネタバレしてもなおわかりずらい話なので、論理的に理解したい方にはモヤっとするストーリーだろう。ただ、そんな幻想的な世界感がお好きな方には綺麗な花と綺麗な役者で満足していただけるのではないだろうか。