2018年10月18日公開
2018年10月18日更新
HANA-BIの映画あらすじをネタバレ!北野武監督の傑作作品の感想・ラストは?
映画『HANA-BI』は、北野武監督が監督・脚本・編集・挿入画・演出を全て手掛け、1988年に公開された映画です。妻や同僚の死を目の当たりにした孤独な刑事の生き様を描いた、暴力的で、それでいてどこかロマンチックな印象も与える作品です。最近では故・大杉漣さんの魅力を伝える映画としても話題となったこの作品。本記事では、映画『HANA-BI』のあらすじや、その衝撃的なラストをネタバレしていきます。
目次
HANA-BIの映画あらすじやラストが気になる!
映画HANA-BIはどんな作品?
映画『HANA-BI』は、1988年に公開された巨匠・北野武映画監督作品で、第54回ヴェネツィア国際映画祭にて金獅子賞を受賞しており、30年たった現在も根強い人気を誇る北野映画の一つです。最近では、故・大杉漣さんがこの映画で活躍されたことで再び話題となりました。
そんな映画『HANA-BI』のあらすじはどんな内容なのでしょうか?そしてその映画のラストとは?今回は映画『HANA-BI』のあらすじやネタバレ、ラストについてご紹介します。
HANA-BIの映画は北野武監督作品!
映画HANA-BIは北野武監督による作品
出典: https://eiga.com
映画『HANA-BI』はあの「世界のキタノ」と呼ばれる北野武映画監督によるヒューマンドラマです。映画監督だけではなく、脚本・編集・挿入画・演出まで全て手掛けています。
映画HANA-BIを手がけた北野武のプロフィール
お笑い芸人としてその地位を不動のものにしていた北野氏。映画監督としてのデビューは1989年映画『その男、凶暴につき』で、当時映画監督予定だった深作欣二氏が辞退し、松竹が北野氏に映画監督依頼をしたことがきっかけでした。その後も様々な映画作品を世に送り出し、1998年に映画『HANA-BI』で第54回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞。日本映画作品は40年ぶりの受賞という快挙を成し遂げました。
北野武の手がけた他の映画作品は?
北野武映画監督が手掛けた映画のことを、俗に北野映画と呼ばれています。そんな北野映画、他にはどのような作品があるのでしょうか?ここでは北野映画について簡単にご紹介していきます。
最新作はアウトレイジ最終章
北野映画は1989年『その男、凶暴につき』から最新作アウトレイジ最終章まで全部で18作品あります。最新作アウトレイジ最終章は、2017年10月に公開。ヤクザの抗争を描いた2012年公開映画アウトレイジの続編です。北野監督は監督・脚本・主演・編集まで務め上げました。また作品は日本だけでなくアメリカでも公開され、海外での北野映画の人気ぶりが伺えます。
映画HANA-BIの楽曲を作ったのは久石譲!
映画『HANA-BI』の楽曲を手掛けたのは、ジブリ作品でも有名な作曲家の久石譲さんです。久石譲さんは1950年生まれ。国立音楽大学を卒業し、ご存知のように映画楽曲を中心に作曲を手掛けています。特にジブリ作品では、1984年公開の映画『風の谷のナウシカ』以降、すべての作品の作曲と担当されています。
北野武映画監督の作品にも、1991年公開の映画『あの夏、いちばん静かな海』から今回ご紹介している映画『HANA-BI』を含め、7作品の作曲を担当しています。特に、映画『HANA-BI』が第54回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した際は、久石譲さんの音楽が非常に高く評価されたそうです。また、第22回日本アカデミー賞では最優秀賞として音楽賞も受賞しています。
映画HANA-BIには大杉漣が出演
映画HANA-BIには今年の2月に亡くなった名俳優、大杉漣さんも登場しています。大杉漣さんは40代まで泣かず飛ばずの俳優でしたが、1993年公開の北野武監督映画『ソラチネ』のオーディションで遅刻したにも関わらず合格。北野監督が大杉漣さんのヤミ金の取り立ての演技を気に入り、以来多くの北野映画に出演しています。映画HANA-BIでは主人公の刑事仲間で、半身不随になるという難しい役を見事に演じています。
大杉漣さんが亡くなったときには、ニュースなどでも映画『HANA-BI』に出演していた時の映像などが取り上げられ、ファンの間でも大杉漣さんを偲んで映画『HANA-BI』を観たという情報がSNS上で多く見られました。北野武監督は大杉漣さんの訃報を聞いた際は固まって暫く動けなくなり、ご自身が出演するTBS番組新・情報7daysニュースキャスターでは「近い人の死はこたえる」とコメントし、涙ぐまれていたとのことです。
1997年には多くの大作映画が公開!しかし映画HANA-BIは金獅子賞を受賞!
1997年は映画豊作の年でした。日本では宮崎駿監督によるジブリのアニメーション映画『もののけ姫』が公開され、興行収入は193億円を突破し当時の日本映画の興行記録を塗り替えと話題になりました。この作品は構想期間16年、制作に3年を掛けて作られた、ジブリシリーズの中でも大作中の大作でした。数多くのジブリ映画作品の中でも、『もののけ姫』が1番好きだという読者の方も多いのではないでしょうか。
また海外ではジェームス・キャメロン映画監督による『タイタニック』が公開。この作品は1912年に実際に起きた英国客船タイタニック号沈没事件を基に作成されたラブストーリーで、1998年アカデミー賞では作品賞、監督賞を始めなんと11部門で受賞した超大作です。主演のレオナルド・ディカプリオはこの作品からハリウッドスターの仲間入りを果たしたといっても過言ではないでしょう。また主題歌の「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」も大ヒットしました。
数々の名作が生まれた1997年。そんな中で映画HANA-BIも制作・公開され、第54回ヴェネツィア国際映画祭で40年ぶりに日本映画作品が金獅子賞を受賞するという快挙を成し遂げます。映画の内容ももちろんですが、この記録を見るだけでも、北野武映画監督がいかに素晴らしい作品を世に送り出したのか、ということがわかります。
HANA-BIの映画あらすじをネタバレ紹介!
ここからは、映画『HANA-BI』のあらすじやラストシーンについて詳しくご紹介していきます。映画のネタバレを含んでいますので、まだ映画を観ていない方はご注意ください。
映画HANA-BIのあらすじをネタバレ紹介!妻の病、堀部の負傷
主人公である西(北野武)の妻・美幸(岸本加世子)は体調不良で病院に行ったところ、そこで不治の病で余命わずかであることを告げられます。そのことを知った西はショックを受けますが、どうすることもできず、妻のお見舞いに行っても黙ってそばについてやることしかできません。
そんな西の状況を知った堀部(大杉漣)は、西の代わりに張り込みを買って出ます。しかし、そこで犯人(薬師寺保栄)に撃たれ負傷し、一命は取りとめたものの下半身不随となり、車椅子生活を余儀なくされてしまいました。
映画HANA-BIのあらすじをネタバレ紹介!犯人を捕まえようと躍起になるが…
堀部の負傷を知らされた西は何としても犯人を捕まえようと躍起になり、ついに駅の構内で犯人を追いつめますが、抵抗した犯人が発砲し、部下の田中(芦川誠)が射殺されてしまいます。そして同じく部下の中村(寺島進)も撃たれ、負傷します。逆上した西は、犯人に向かって発砲・射殺します。さらに、死んだあとも犯人の身体に何度も銃を撃ち込みました。
映画HANA-BIのあらすじをネタバレ紹介!刑事の仕事を追われた西
犯人を射殺した一件で、西は懲戒免職の処分を受けます。しかし、余命いくばくもない妻に最後に何不自由ない生活をさせてやりたいと考えた西は、ヤクザから借金をします。一方、堀部は妻と子どもと別れ、妻が最後に「絵でも描いたら」と一言残したことをきっかけに、絵を描き始めます。
西はそんな堀部に画材道具を買ってやったり、亡くなった部下・田中の妻に仕送りをしてやったりすることで、次第に借金が膨らみ、返済が厳しくなってしまいます。
映画HANA-BIのあらすじをネタバレ紹介!妻のために、大胆な行動に出た西
借金の返済が苦しくなった西は、銀行強盗を計画します。警察官の姿で銀行に入った西は強盗を成功させ、ヤクザに借金を返済します。そして妻との最後の思い出を作るために鎌倉へ旅行にでかけます。しかし、銀行強盗が西の仕業だと知ったヤクザが鎌倉まで西を追いかけてきます。
妻との最後の時間を邪魔されたくない西は、追ってきた3人のヤクザを全員殺害してしまいます。その後、元部下・中村が西を逮捕しにやってきます。中村に「ちょっと待ってくれ」と西は声をかけ、妻・美幸とともに拳銃で自殺します。以上が映画『HANA-BI』のあらすじと、映画のラストのネタバレとなります。
HANA-BIの映画を観た人の感想とは?
映画HANA-BIの終わり方が良い!
ここからは映画『HANA-BI』の感想や評価について、いくつかピックアップして紹介していきます。
なんだかんだ『HANA-BI』のラストめちっちゃ好きやで やりすぎだけど
— 稲生 (@phoenix_0zu) October 14, 2018
映画『HANA-BI』のラストは主人公と妻が拳銃自殺をするという衝撃的な結末でした。ですが、観た人の中では意外にも「ラストがよかった!」という感想が多くみられました。
大杉漣の演技がすごい!
名優、大杉漣さんの代表作。
— maribu (@maribulog) February 28, 2018
#ヴェネツィア国際映画祭
#北野武映画
#映画好きと繋がりたい
映画『HANA-BI』の私的な感想―静寂の狂気― - マリブのブログhttps://t.co/QG7wp3sY1Z
やはり、故・大杉漣酸と関連付けた感想も多くみられました。映画『HANA-BI』は大杉漣の代表作と考える人もいるようです。
北野武監督が大杉漣さんについて「俺が生かして殺したようなもんだ」と語った。北野映画では常に死が付きまとう。唐突に死ぬ登場人物。『HANA‐BI』では自殺未遂してリハビリする刑事という北野監督自身の様な役を演じた大杉さんが亡くなってしまうなんて、まるで北野映画自体が亡くなってしまった様だ
— 魂のアソコ少女の王国さそり監督 (@sasorikantoku) February 24, 2018
中には、大杉漣さんが亡くなったことで「北野映画自体が亡くなってしまった様だ」と感じる人も。それだけ大杉漣さんが北野作品にとって重要な存在だったことがわかります。
HANA-BIの映画ネタバレまとめ!
いかがでしたか?映画『HANA-BI』のあらすじ、そしてその衝撃のラストをネタバレを含めて紹介してきました。最近では故・大杉漣さんを偲んで再度映画HANA-BIを視聴される方も多く、再び注目を浴びています。また、北野監督が世界的評価を確かなものにした映画作品でもあります。名前は聞いたことあるけど観たことがない、という方は、この機会に是非ご覧下さい。