ブレードランナー2049のあらすじネタバレ!Kやデッカードの正体と結末も考察

『ブレードランナー2049』のあらすじのネタバレをまとめました。ブレードランナー2049は前作『ブレードランナー』から25年振りの続編となるSF映画です。前作では、その独特な世界観と謎が残る物語でカルト的な人気を集めた傑作SF映画です。サイバーパンクの代表作となったブレードランナーですが、続編となるブレードランナー2049も高評価を受ける名作となりました。今回はそんなブレードランナー2049のあらすじを結末までネタバレすると同時に、Kやデッカードといった主人公たちの正体も考察しています。

ブレードランナー2049のあらすじネタバレ!Kやデッカードの正体と結末も考察のイメージ

目次

  1. ブレードランナー2049のあらすじをネタバレ解説!
  2. ブレードランナー2049とは?
  3. ブレードランナー2049のあらすじネタバレ!
  4. ブレードランナー2049のリドリー・スコット監督が衝撃発言!
  5. ブレードランナー2049の結末をネタバレ!
  6. ブレードランナー2049を見た人の感想や評価は?
  7. ブレードランナー2049には続編がある?
  8. ブレードランナー2049のあらすじネタバレまとめ

ブレードランナー2049のあらすじをネタバレ解説!

ブレードランナー2049は2017年に公開されたSF映画の中では屈指の名作と名高い作品です。この記事ではそんなブレードランナー2049のあらすじや結末のネタバレを解説しています。また、重要な予備知識となる前作ブレードランナーのあらすじを結末まで紹介しています。SF映画は敷居が高いですが、本作を楽しめるように情報をまとめたので、ぜひご覧ください!

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ブレードランナー2049とは?

『ブレードランナー2049』は2017年にアメリカで作られたSF映画です。邦題は数字の部分を「ニー・ゼロ・ヨン・キュウ」と読みます。原題はそのままアルファベット表記です。1982年に制作された『ブレードランナー』の続編にとなります。第90回アカデミー賞では5部門にノミネートされ、撮影賞と視覚効果賞の2部門に輝きました。他にも数多くの映画賞を受賞し、観客や映画評論家からの評価が高い作品です。

前作ブレードランナーの30年後を描いた作品

前作ブレードランナーが公開されたのは25年も前になるブレードランナー2049ですが、劇中の時間も前作から30年後という設定になっています。主人公は一新されていますが、前作の主人公であるリック・デッカードと、その恋人レイチェルも重要な役割を演じています。作品のテーマも前作の内容を大きく受け継いでいるため、正当な続編と言えます。視聴した感想の中には「前作を観ていないと意味がない」という意見まであります。

ブレードランナーの結末までのネタバレを簡単にご紹介

前作『ブレードランナー』の内容が非常に重要であるため、概要と結末までのあらすじを紹介しておきます。ブレードランナーは1982年にリドリー・スコットによって制作されたSF映画です。リドリー・スコットは『エイリアン』シリーズでも知られる巨匠です。ブレードランナーはフィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作としてます。この小説も、古典SFとしてたびたび取り上げられる有名作品です。

ただし、原作と映画には大きな違いもあり、代表的なものが「レプリカント」と「ブレードランナー」とという言葉です。これらは映画でしか出てきません。レプリカントは原作ではアンドロイドと表記されていました。一言で言うと人造人間のことです。そしてブレードランナーというのはレプリカントを取り締まる捜査官のことです。主人公のデッカードは始め、退職したブレードランナーとして登場します。

しかし捜査のために警察に呼び戻されたデッカードは、捜査過程でレイチェルというレプリカントと出会います。彼女は自分のことを人間だと認識していましたが、デッカードによって、自分の記憶が偽りであることを知り悲しみます。心惹かれたデッカードは、事件を追うさなか、レイチェルと結ばれます。そして、事件の首謀者であったレプリカントと決着をつけると、レイチェルと共に街を去っていきます。

与えた影響と続編『ブレードランナー2049』への繋がり

以上のようあらすじとなっているブレードランナーですが、独特の映像世界や哲学的なテーマを内包した作品として後のSF作品に大きく影響を与えました。サイバーパンクと呼ばれるジャンルの代表作となります。また、劇中で日本人キャストが登場したり、日本語の看板が大きく表示されることから、日本での人気・知名度の高い作品となりました。

ブレードランナーはその映像の斬新さだけでなく、「ある謎」が残されたことでカルト的な人気を博しました。劇中で示された6人目のレプリカントという言葉です。これは実際には誤植だったのですが、ファンたちは「6人目はデッカードではないのか?」という仮説を立てました。後にリドリー・スコットは肯定的に受け入れていますが、ハリソン・フォードは否定的であったという、製作サイドでも見解が違うという状態が起こりました。

長い間、続編が作られなかったため、この謎への明確な回答も出ないままでしたが、『ブレードランナー2049』が制作されたことによって、止まっていた時間が動きました。ブレードランナー2049は前作に残った謎に明確な回答を与えます。そして、人間とレプリカントが共存する世界を舞台に、人間や命の本質を問いかける作品となりました。

原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』とは

古典SFの名作と知られる『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』でも、主人公の名前がデッカードである点は同じです。しかし小説の中のデッカードは賞金稼ぎであり、8人のアンドロイドを処理するというあらすじです。人間とアンドロイドの区別ができなっていくデッカードの様子は、ふたつの映画版とも通じるテーマがあります。結末もブレードランナーとは別物なので、原作というよりも原案が適切とも言われます。

豪華なキャスト陣

前作と原作の情報を整理したところで、ここからは『ブレードランナー2049』の話題に戻ります。25年ぶりの続編となるブレードランナー2049はそれだけでも話題性がありますが、前作の主役であるハリソン・フォードを始めとする豪華なキャストにも注目です。

Kを演じたライアン・ゴズリング

『ブレードランナー2049』の主役であるKを演じたのはライアン・ゴスリングです。日本語吹き替え版のキャストは加瀬康之。ライアン・ゴズリングは「2016年最高の映画のひとつ」とも評された『ラ・ラ・ランド』の主演を務めたことで知られています。俳優以外にもミュージシャンとしての顔を持っていました。また、監督としてメガホンを取った経験があります。

リック・デッカードを演じたハリソン・フォード

前作の主役であり、ブレードランナー2049にも登場するリック・デッカードを演じたのはベテラン俳優ハリソン・フォードです。日本語吹き替え版のキャストは磯部勉。『スター・ウォーズ』のハン・ソロ役や『インディ・ジョーンズ』シリーズで主役を務めた事で知られるハリウッド・スターです。前作にはあまり良い印象を持っていなかったようですが、時間が経った事でハリソン・フォードの中でも整理がついたのかもしれません。

ジョイを演じたアナ・デ・アルマス

『ブレードランナー2049』のヒロインであるジョイを演じたのはアナ・デ・アルマスです。日本語吹き替え版のキャストは小林沙苗。キューバ出身の若手女優であるアナ・デ・アルマスは、劇中でKの良き理解者の疑似恋愛AI・ジョイを魅力たっぷりに表現しました。レプリカントとは違うロボット(AI)として登場しています。

ラヴを演じたシルヴィア・フークス

高い戦闘能力を持つレプリカント・ラヴを演じたのはシルヴィア・フークスです。日本語吹き替え版のキャストは志田有彩。オランダ出身のシルヴィア・フークスはジェフリー・ラッシュ主演のイタリア映画『鑑定士と顔のない依頼人』などに出演しました。また、『ドラゴン・タトゥーの女』の続編である『蜘蛛の巣を払う女』への出演も決まっています。

ジョシ警部補を演じたロビン・ライト

Kの上司であるジョシ警部補を演じたのはロビン・ライトです。日本語吹き替え版のキャストは深見梨加。『フォレスト・ガンプ/一期一会』のヒロイン役で注目されたロビン・ライトはその後も女優として活動を続け、昨今では『ワンダーウーマン』などにも出演しています。私生活では、ショーン・ペンとの結婚で芸名を変更した時期もありましたが、離婚後は芸名を戻しています。

ブレードランナー2049のあらすじネタバレ!

ここからはブレードランナー2049のあらすじを結末までネタバレしていきます。前作に出てきたレプリカントは寿命があり、人間に対して反逆も起こしました。ブレードランナー2049の時代には新型レプリカントが誕生しています。主人公であるKは自身も新型レプリカントでありながら、旧型のレプリカントを処分するブレードランナーです。

サッパー・モートンの農場

ある日、Kは操作のために郊外で農場を営んでいるサッパー・モートンの元へ訪れます。逃亡レプリカントとしての疑いのかかるサッパー・モートンはKに抵抗しますが、Kは自身の任務を遂行しました。モートンは「奇跡を見たことがない」と意味深なことをKに告げます。農場の周辺を調査していると、枯れ木の根元にトランクが埋まっていることに気付きます。

エマネーターと同期するジョイ

仕事から帰ったKは基本検査を受けます。問題ないと判定されたKが自室に戻ると、同居しているホログラムのAIのジョイにエマネーターをプレゼントしました。エマネーターはポータブルデバイスであり、ジョイのシステムと同期することで、屋外へジョイを連れ出すことができます。雨の中、Kがホログラムのジョイとのデートを楽しんでいると、上司から連絡が来ました。サッパーの家で見つけたトランクのことでした。

サッパー・モートンの正体

トランクの中には女性の遺骨と髪でした。検死の結果、その遺骨の女性は分娩時に死亡したことがわかります。実は衛生兵だったサッパー・モートンは緊急で帝王切開を施していたのでした。Kがさらに詳しく調べると、骨にはシリアルナンバーが刻まれていました。遺骨の女性はレプリカントだったのです。

レプリカントの妊娠は前代未聞のことでした。社会への影響を考慮したジョシ警部補に口止めをされたKは、事件の痕跡を始末するように命じられます。生まれた子供の抹殺に、「魂があるから」と抵抗を感じるKでしたが、「命令に逆らう選択肢はない」として任務を開始します。ジョシ警部補はKを引き止め、「あなたは魂がないのによくやっている」と言いました。

レイチェルとデッカードのその後について

モートンの「奇跡を見たことがない」という言葉を思い出しながら、Kは捜査を進めます。製造番号を調べてみると相当古いレプリカントであることがわかりました。そして、捜査中のKの前にウォレス社で働くラヴというレプリカントが現れます。彼女に誘われた部屋にはデッカードとレイチェルの検査記録がありました。遺体のレプリカントはレイチェルだったのです。Kはデッカードを探します。

レプリカントの生殖技術を欲するウォレス

Kの捜査の裏で、レプリカント製造メーカーの社長・ウォレスは、レプリカントの生殖技術を欲していました。部下であるラヴから報告を聞くと、レイチェルの子供を見つけて連れてくるように命じました。

Kが見た「61021」の意味

手がかりの得られないまま、Kはサッパー・モートンの家に戻りました。そこで、赤ん坊を抱えた女性の写真を見つけます。そして、トランクが埋まっていた木の根元をもう一度調べると「61021」という数字が彫られていることを発見しました。それはKの記憶にある玩具の木馬に彫られている数字を同じものでした。その時、ラヴはレイチェルの遺骨を盗み出していました。

ジョイ警部補の元へ戻ったKは、子供の頃を話すように命令されます。Kはそれは植えつけられた擬似記憶だとしながらも、木馬の話をしました。それを聞いたジョシ警部補は、KにDNAを調べて報告するように告げました。Kは2021年6月10日生まれの出生記録とDNA記録を調査します。そして、同一のDNAを持つ男女のデータを発見しました。

孤児院の正体

ふたりは孤児院にいて、女の子はすでに死んでいることがわかります。そして、生き残っているはずの男を調べるために、Kは孤児院へ調査へ出向きました。しかし、その道中、襲撃を受けます。それを遠隔攻撃で救ったのはKを監視して泳がせているラヴでした。Kは孤児院へとたどり着きます。そこは無数の子供たちが、働かされている労働施設でした。

経営者の男を脅して調査を進めるKですが、求めている情報だけが記録に残されていません。施設内を探索するKは、そこが自分の記憶にある風景と同じ場所であることに気付きました。「61021」と刻印された木馬の玩具も発見します。自宅に帰ったKにジョイは、製造されたのではなく、生まれた証拠だと喜びます。そして、ジョーという名前を送りますが、それまでレプリカントだと信じてきたKは戸惑います。

アナ・ステリンとの邂逅

Kはレプリンカント記憶作家のアナ・ステリンを訪ね、自身の記憶が本物であるのか確かることを依頼します。Kの記憶を調べたアナ・ステリンは涙を流しました。「誰かが経験している実際の出来事」だと彼女は言い切ります。本物の記憶だと知ったKは感情を爆発させました。そこへ、警察が現れ、Kは逮捕されます。

検査を受けたKは異常という診断結果を受けます。Kはジョシ警部補に「子供を見つけて処分した」と嘘の報告をしました。Kは48時間後に再検査を言い渡されて解放されます。帰宅したKが「ジョイが正しかった」と言うと、ジョイは「私も本物になりたい」と言って呼んでいた娼婦と同期し、Kと身体を重ねました。

逃亡を決めたKに、ジョイは自身の全データをエマネーターに移植し、部屋のバックアップを消去するように頼みました。何かあればジョイの存在が消えるリスクがありましたが、Kはジョイの願いを聞き入れ、ふたりは旅立ちます。そして、Kの監視をしていたラヴも異常に気づいて動き出しました。Kを見つけられないラヴはジョシ警部補の元を訪れて殺害します。そして、データベースにアクセスしてKを追いました。

隠遁していたデッカード

Kは玩具の馬を詳しく調べることで、その材料がラスベガス産と言うことを突き止めます。荒廃した土地の奥地にはデッカードがいました。Kはデッカードに子供のことを尋ねます。しかし、デッカードは子供のことを仲間に預けており、その後の世界の混乱のせいで会ったことすらないと言いました。デッカードは自分が会いに行くことで、子供に危険が及ぶ可能性を考えて他人として生きることを選んだのです。

親子の感動的な対面とはならなかったふたりの元へ、ラヴの部隊が襲撃します。ふたりは叩きのめされ、デッカードは拉致されてしまいました。そして、エマネーターはラヴによって踏み潰されてしまいます。ジョイは最後に「愛してる」と言って消滅しました。

レプリカント解放運動のフレイザ

Kはレプリカント解放運動のフレイザたちに救われます。フレイザはサッパーの家の写真に写っていた女性でした。レイチェルを看取ったのもフレイザです。革命を計画しているフレイザはKを仲間に誘います。しかし、Kはフレイザの言葉からレイチェルの産んだ子が女の子であったことを知ります。子供は男という情報はフェイクだったのです。

愕然とするKにフレイザはレイチェルの娘とレプリカント解放運動の情報を漏洩を防ぐため、デッカードを殺すことを依頼します。Kはそれまで得られた情報からアナ・ステリンこそが、デッカードとレイチェルの娘であると気づくのでした。

ウォレスの取引

囚われの身となったデッカードの前にウォレスが現れます。そして、再生されたレイチェルも姿を見せました。ウォレスはレイチェルと引き換えに、デッカードの仲間の情報を要求します。しかし、デッカードは提案を拒みました。ウォレスはデッカードに、拷問してでも情報を吐かせると告げます。

Kの決断と物語の結末

失意のKは雨の中、パーソナライズされていないジョイのホログラムに話しかけられます。それはKが愛したジョイと同じ姿をした別の存在でした。そして、フレイザの「大義のために死ぬのはもっとも人間らしい行動」という言葉や、サッパーの「奇跡を見たことがないからだ」という言葉が頭を過ぎります。Kは銃を握り締めまました。

Kはデッカードを連行しているラヴの輸送機を襲撃しました。ラヴとの一騎打ちを制したKは囚われていたデッカードを救出します。「デッカードは溺死した」ということにしたKは「これでやっと娘に会える」と言って、デッカードをアナ・ステリンの元へ連れて行きました。

ステリン研究所の前で、Kは玩具の木馬をデッカードに渡します。デッカードは「なぜ俺のために?」とKに尋ねます。Kはただ「娘に会ってやれ」とだけ言いました。デッカードを見送ったKは座り込み、血に濡れた脇腹を見ます。そして、そのまま仰向けになって舞い落ちる雪を見続けていました。

ブレードランナー2049のリドリー・スコット監督が衝撃発言!

前作の紹介でも述べたように、ブレードランナーという作品を語る上で、もっとも取り上げられるのは「デッカードはレプリカントなのか?」という疑問です。これに関しては前作の監督であるリドリー・スコットが「デッカードはレプリカントだよ」と明確に発言しています。その発言の真意について詳しく掘り下げて見ましょう。

リドリー・スコットの発言

リドリー・スコットの発言からも、デッカードがレプリカントであることは間違いありません。しかし、これは前作「ブレードランナー」製作開始時から決められていたことではないと言われています。製作途中で湧いて行きたそのアイディアをリドリー・スコットは気に入り、続編を作るならレプリカントとしてデッカードを登場させると言っていました。

そのため、デッカードがレプリカントという設定は製作陣に共有されているものではありませんでした。主演のハリソン・フォードもデッカードレプリカント説を否定していたほどです。しかし、監督の発言を裏付けるような映像がディレクターズカット版にて追加されています。

ユニコーンの夢のネタバレ

ディレクターズカット版にて追加されたシーンというのが、デッカードの見るユニコーンの夢です。これはデッカードの夢であるはずなのに、ラストシーンのガフが作ったユニコーンの折り紙と相成って、作られた記憶であることを暗示させるものでした。リドリー・スコットはこのシーンを撮影終盤に作ったのですが、劇場公開版にはスタッフからの反対で入れることができませんでした。

ユニコーン(馬)はブレードランナーの象徴的なものとして登場しています。前作のディレクターズカットもさることながら、ブレードランナー2049においても、Kの記憶の鍵は玩具の馬でした。結果的に、Kの記憶は作られたものでした。馬の記憶が作られたものである、ということはユニコーンの夢も同様に作られたものであることを強く印象付けています。

ブレードランナー2049の結末をネタバレ!

Kの正体を巡って二転三転するシナリオはブレードランナー2049の魅力です。Kとデッカード、ふたりのブレードランナーの物語の結末として描かれた場面をもう一度詳しく見ていきます。

Kの正体のネタバレ

結論から言うとKはブレードランナー2049の世界においてありふれた新型レプリカントのひとりでした。自分の記憶に結びつけれられた玩具の木馬をきっかけに、自分の出生を疑うことになるKですが、結果的にKはごく普通のレプリカントと言うのが結末です。Kは物語の序盤から人間らしさを感じさせるキャラクターでした。例えば、レイチェルに子供がいるとわかったシーンの反応です。

上司のジョシ警部補は子供の抹殺を命じますが、ブレードランナーであるはずのKが抵抗を感じている様子が見られます。それは製造されたレプリカントではなく、生まれてきたものであるなら「魂がある」と考えたからでした。しかし、ブレードランナーとして職務に忠実なKは言葉にするまでで、任務に取り掛かります。この時点ではデッカードの息子という意識はなかったKですが、魂という概念への崇敬を感じさせます。

物語が進むと、Kは自分の記憶とレイチェルの周りに残された情報から、自分こそがデッカードとレイチェルの息子であると考えます。アナ・ステリンに記憶が本物だと告げられたKは始めこそ激しく動揺しますが、自分にも魂があることはレプリカントにとっては非常に重大でした。これはジョイが「私も本物になりたい」と言ってKと交わったことからも、被造物全体の願望であることが終盤のフレイザの発言からも、明示されています。

そのため、物語の結末に差し掛かると、Kにはショックな出来事が連続して起こります。まずは、父親だと思っていたデッカードと会って酒を飲んだ時です。他人として生きることを選んでいたデッカードとの会話は、久しぶりに再会する親子の会話という感じではありませんでした。デッカードの反応にショックを受けている様子のKですが、その後、レイチェルの写真を見つけて感慨深げに眺めています。

デッカードとふたりでいるところへ、ラヴが襲撃してきます。そこで、Kは最愛の女性であるジョイを失います。常にKのことを一途に思ってくれたジョイの喪失に、Kは涙を流しました。しかし、その悲しみも癒えないうちに、フレイザからレイチェルの子供は女であることを告げられます。それまで自分は人間だと思っていたKは激しく狼狽しました。

その様子を見たフレイザは、「みんなそう思うの、自分ならいい」とレプリカントは皆そういう願望を抱くと言います。これは、レプリカントが皆そう感じるという一般論であると同時に、K以外にもアナ・ステリンのダミーとなる存在がいることも明示しています。ジョイと人間としての生まれというふたつの大きなものを失ったKですが、それでも最後には人間らしく、誰に命令されるわけでもなくデッカードを救いました。

物語の結末で、デッカードはKに「なぜ?」と尋ねます。吹き替え字幕では「おれは君にとってなんだ?」という質問です。Kはそれには直接答えません。父親だと思っていたデッカードはただの他人です。ふたりが酒を飲んだ時に、Kがひとりで「他人に乾杯」と言った通りの関係でした。瀕死の状態で雪に倒れるKは、例えレプレリカントであってもその行動は人間らしいものであったという結末です。

ブレードランナー2049を見た人の感想や評価は?

ブレードランナー2049は映画批評家に高い評価を受け、映画賞も受賞している2017年に公開された映画の中でも屈指の名作です。視聴した人の主な評価と感想をまとめました。

ブレードランナーの世界観を壊さない映像美

ブレードランナー2049で描かれた世界は前作の雰囲気を残しながらも、最新の技術を使った映像で好評を博しました。近未来SFといっても、CGやVFXで過度に派手な演出をしていないところが良いという感想が多いです。全体的に静かで暗いイメージなので、ホログラムであるジョイの美しさが際立ちます。

前作の物語の結末として良い

ブレードランナー2049の主役はKですが、デッカードの物語の続きとしても見ることができます。前作はデッカードとレイチェルが逃避行に出るという終わり方でしたが、ふたりが長く平和に暮らせなかったとしても、奇跡としてアナ・ステリンが残ったことが大いに希望の持てるストーリーだと話題になっています。その助けとなったKも決して犬死にしたのではなく、自分の意志に従った行動であるため、美しい結末だと評判になりました。

前作を観てないと意味がない

デッカードは単なるゲスト脇役以上にスポットが当たる存在なので、前作を知っておかないと意味がないという感想もあります。確かに、前作の結末までのあらすじや基本的な設定を全く知らずに見るには敷居の高い作品かもしれません。派手なアクションが売りのSFアクションではなく、哲学的なテーマを持った硬派なSF作品のため予備知識があったほうが楽しめます。

長く退屈な作品

映画の長さに関してはリドリー・スコットも苦言を呈しいています。派手な戦闘シーンやユモーア、ラブロマンスといった要素が散りばめられている作品ではないので、暗く地味なシーンが続くと退屈に感じられるのも無理はありません。SFというジャンルも相成って、視聴する人を選ぶ映画です。

ブレードランナー2049には続編がある?

リドリー・スコットは構想を持っている?

「ブレードランナー2049には続編があるか?」という質問に対して、製作総指揮を務めたリドリー・スコットは「もうひとつ別の物語がある」と話しています。また、「確実にもう1本撮ることができる」とまで言っています。そのため、条件さえ整えばブレードランナー2049の続編が制作される可能性は高そうです。ただし、本作が前作から25年経って制作されたことを考えると、続編がいつになるかはわかりません。
 

本作『ブレードランナー2049』と前作『ブレードランナー』にはとある共通点があります。それは、「興行的な成功を納めていないこと」です。映画製作もビジネスなので、興行成績が良くないと続編制作は難しくなります。そのため、いくらリドリー・スコットが構想を用意していたとしても、資金集めといった問題から制作が難しいことが考えられます。

ただし、コアなファンの多い作品であるため、新しい時代の資金調達方法である「クラウドファンディング」を利用して制作することも考えられます。いずれにしろ、リドリー・スコットは高齢なので、「いつ」「誰が」続編のメガホンを取ることになるのか、現状ではファンが期待しているだけと言えます。

ブレードランナー2049のあらすじネタバレまとめ

以上、ブレードランナーおよび、ブレードランナー2049のあらすじと結末までのネタバレをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?ブレードランナー2049は2時間30分を超える長い映画ですが、多くの映画ファンから喝采を浴びていることからもわかるように、傑作SF映画と言って良いでしょう。レプリカントの設定と、前作のネタバレあらすじさえ大まかにわかっていれば楽しめる作品です。

前作ブレードランナーの主人公デッカードの物語の結末としても、新しい主人公Kの生き様を描いた作品としても成立しています。ド派手なアクションシーンが満載といった映画ではありませんが、静かな中にも美しい映像で描き出す近未来の景色と、複雑なKの心情を見事に演じきったライアン・ゴズリングの演技が光ります。ネタバレをしていても味わい深い映画なので、ぜひご覧ください!

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