2018年07月07日公開
2018年07月07日更新
アウトレイジで塩見三省が病気から復帰!最終章で見せた名シーンも画像で紹介
2012年に「アウトレイジ ビヨンド」に出演した塩見三省が脳溢血を克服して2017年「アウトレイジ 最終章」に復帰しました。「アウトレイジ 最終章」で見せた名シーン・名演技を画像を交えて紹介します。実は塩見三省は「アウトレイジ」シリーズ以前は所謂ヤクザ役を演じたことが無かったそうですが、北野武監督も「塩見さんは本当に怖かった」とテレビで語っていました。そんな本当は怖い?塩見三省という凄い役者を紹介します。
目次
アウトレイジで塩見三省が復帰?一体どんな病気で休養していたのか徹底紹介!
今回は「アウトレイジ 最終章」によって障害を持ちながらも役者として復帰を果たした塩見三省の病気の内容と、どんな休養生活を送っていたのか。さらに役者としての経歴など、徹底的に調べて紹介を致します。「アウトレイジ ビヨンド」で見せた鬼気迫る怖い演技がまた見られます!
アウトレイジでど迫力の演技を見せていた塩見三省とは?
塩見三省は「アウトレイジ ビヨンド」「アウトレイジ 最終章」によって怖い顔も含めて、ド迫力の演技を見せていました。そんな恐ろしい塩見三省は本当に怖い人なのでしょうか。それともその姿も役者としての顔でしかないのでしょうか。
アウトレイジでは花菱会の若頭補佐である中田役を熱演!
「アウトレイジ ビヨンド」「アウトレイジ 最終章」では花菱会の若頭補佐である中田を演じました。この時の演技は正しく本物の極道であると高い評価を受けました。さらに鬼気迫る演技が多くの人に非常に高い人気を得ました。
その演技は、関西弁を巧みに操って、凄みのある表情の作り方から、塩見三省を、極道映画の常連組だと感じていたそうです。「アウトレイジ」シリーズに限らず所謂Vシネマや極道映画によく出演をしていた共演者の白竜と同じような役者であると。
アウトレイジビヨンドについて
ここでアウトレイジビヨンドの紹介をさせて頂きます。アウトレイジビヨンドは北野武監督作品になります。公開日は2012年10月6日。第69回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門正式出品作品になります。内容の暴力性を加味して、R15+指定になります。
「アウトレイジ ビヨンド」は前作「アウトレイジ」で大友(ビートたけし)が刺され、加藤(三浦友和)が山王会の二代目会長になり5年経過したところから物語は始まります。もともと大友組の金庫番だった石原(加瀬亮)は若頭にまで成り上がり、新体制の下、国政に影響力を及ぼすほどの勢力を政官界に拡大をしていました。
ビートたけし演じる大友と小日向文世が演じる片岡の画像
さらにマル暴の山本刑事(貴山侑哉)も山王会の差し金で心中に見せかけられて殺害されてしまいます。そこでもともと暴力団と太いパイプを持っている悪徳マル暴の片岡刑事(小日向文世)を暴力団対策の最前線に復帰させました。片岡は関西を拠点にする巨大暴力団・花菱会を利用しようとしましたが、山王会と花菱会は実は裏で協力関係にありました。
復讐に燃える木村を演じる中野英雄の画像
打つ手がなくなった片岡は、山王会に恨みを持つ大友を仮出所させて、たきつけようとします。しかし大友はヤクザの世界の抗争にかかわる気はなさそうに、古い知り合いである日韓フィクサーの張大成(チャン・テソン)会長(金田時男)の下で平穏な生活を送るのでした。片岡は仕方がなく、大友を刺した木村(中野英雄)を利用しようとします。
「お前らの本当の敵は山王会だ。」と木村と大友を和解(洗脳)して復讐心を焚きつけます。大友はやる気を見せないので、片岡は石原に大友の命を狙わせ、さらに木村の子分も山王会に惨殺される状況を作り出してしまいます。そうして大友は片岡の片棒を担ぐ結果になるのです。そうして花菱会の乗り込む、大友と木村は自らの覚悟を見せます。
この時登場する花菱会の若頭補佐である中田が塩見三省になります。わざと怒鳴り声をあげ、喧嘩を売る(ヤクザは脅しが仕事なので、ワザと、相手を威嚇するのです)のですが、そこで木村は自らの指をかみ切るケジメと所業にでます。そうして花菱会は山王会打倒のため、非公式の助力を決定するのです。
現在の山王会を崩すためには、仙台会長の関内(北村総一朗)の死の真相をしることが第一だと大友は考えました。そこで現山王会幹部・舟木(田中哲司)を拉致し、彼を脅迫して加藤の親殺しを自白させます。花菱会会長の布施(神山繁)は加藤にこの証拠を突き付け、この情報は石原が提供したことをほのめかします。
疑われた石原はパニックを起こし、大友を殺害しようとしますが逆に大友にピッチングマシーンを利用して殺されてしまいます。さらに舟木の証言が山王会の幹部にも送られて「親殺し」を知られてしまった加藤は、花菱会の手打ちによって、山王会と木村組の手打ちによって今回の抗争は終結を迎えた。
加藤は引退をして、白山(名高達男)は山王会三代目会長になり、五味(光石研)も三代目若頭に就任をして、山王会は事実上、花菱会の影響下に入りました。フリーランスの極道になった大友を木村は誘うが、大友は自らの手柄を全て木村に譲るのだった。さらに大友は韓国に渡ります。しかしパチンコをしながら一人寂しい日々を送る加藤を張会長の腹心の部下の李(白竜)と協力をしてナイフで刺殺するのでした。
出典: https://eiga.com
警察では山王会の代わりに花菱会が台頭しただけで、結局状況は変わりませんでした。当然片岡の責任が追及されますが、片岡は大友を巻き込んで、花菱会の力を削ごうとします。曰く木村を加藤の元部下をそそのかして殺害する。さらに「大友が木村を殺害した」という噂を流して、大友には「花菱会が木村を殺した」と吹き込むのです。
木村の葬儀にやって来た大友に片岡は同葬儀に参列している花菱幹部らを襲撃させるために拳銃を渡すが、片岡の思惑を全て、見抜いていた大友は片岡に向けて引き金を引きます。自らの手で葬りさることにするのです。以上が「アウトレイジ ビヨンド」の概要になります。
アウトレイジが初のヤクザ役となった?
しかし塩見三省は1991年に出演した三谷幸喜脚本の「12人の優しい日本人」の陪審員1号から2012年に出演した「アウトレイジ ビヨンド」まで一度も極道・ヤクザを演じたことが無かったそうです。つまり「アウトレイジ ビヨンド」が初極道役だったのです。雑な書き方をするならば塩見三省は極道童貞だったのです。
病気をした後の塩見三省の画像
この事実は「アウトレイジ ビヨンド」に出演していた周囲の役者たちも驚かせました。さらに監督の北野武も驚いていたことが、当時のインタビューにも記録として残っています。そんな塩見三省は2014年3月に脳溢血で倒れてしまっていました。そのことを2016年2月のテレビ番組で告白をしています。
塩見三省は一体なぜ痩せてしまったのか?かかってしまった病気とは?
塩見三省は何故、痩せてしまったのでしょうか。それは当然病気になったからですが、その病気は脳溢血と言われています。脳溢血とは脳内におこる出血を起こす状態を指し、脳出血とも言います。細かい病状にまでは分かりませんが、意識障害や行動に障害が残るとも言われる病気です。
あまちゃんの翌年に自宅で倒れる
塩見三省は「アウトレイジ ビヨンド」に出演した後、NHKの朝の連続テレビ小説「あまちゃん」に琥珀の勉さん役で出演していました。そうして「あまちゃん」がクランクアップを迎えた翌年2014年3月に自宅でお風呂に入っているときに倒れているところを発見されたそうです。
塩見三省の病気は脳溢血だった
倒れた塩見三省は、救急車によって緊急搬送されましたが、診断をした医師によって脳出血を起していることが分かりました。医者の処置によって一命をとりとめましたが、一歩間違えれば、亡くなってしまうほど、深刻な状態にあり、左半身に麻痺が残る身体になってしまっていました。
脳出血で一時は余命が危うかった?
病気になった当時は、脳出血が起きたことを隠して、仕事のオファーが来ても断り続けました。そうしてその理由は体調不良の為と、発表していたそうです。そうしてその間に入院をして、奥さんと共にリハビリを始めました。
塩見三省の妻の懇親的介護とリハビリ
しかし左半身に残った麻痺は、深刻な状態であり、幾度かリハビリを重ねようとも、杖でしか歩行が出来ず、それも継続して歩き続けることが出来ない状態だったそうです。病院のベッドで自分の身体の状態を確認しながら5ヵ月後には退院をすることになります。その時の塩見三省の心は絶望の中にあったそうです。
病気の為体重が落ちた
体重も元々72kgありましたが、入院の間に10kg以上減少してしまい、60kg以下になってしまったそうです。病院を退院した後も妻の献身的介護を受けながら、リハビリ施設に通いつつ、リハビリテーションを続けていました。そんな苦しい戦いの中、励みになったのは、Mr.ジャイアンツこと長嶋茂雄だったそうです。
病気を克服できたのは長嶋茂雄の存在があった
実は長嶋茂雄も2004年に脳梗塞で倒れていたのです。そうして重度の障害が残る姿でテレビ出演をしていました。塩見三省も、日本を代表する野球選手であり一流スポーツ選手である長嶋茂雄が頑張っている姿をテレビを通して知ることで、リハビリテーションをより一層励むそうになったそうです。
塩見三省は病気のリハビリテーションを兼ねて俳優業を行っている
そうして2016年2月、脳溢血によって倒れて約2年後、NHKで放送された「恋の三陸 列車コン」というドラマによって役者として復帰を果たしました。さらに2月26日の同局で行われた情報番組「あさイチ」で自分自身の闘病生活を公表したのでした。
岸辺一徳と塩見三省と西田敏行の画像
そうして塩見三省は現在も尚、役者業をしながら、以前のように役者として以前の身体を取り戻すため、リハビリを続けているそうです。そうして2017年には「アウトレイジ 最終章」に出演することになります。当時塩見三省も「アウトレイジ 最終章」のジャパンプレミアの檀上に登壇して、観客やメディアを沸かせました。
しかし当然、塩見三省は登壇している間も脳溢血の後遺症が残る身体だったのです。しかし2年間のリハビリテーションによって回復には向かっているので、不治の病という訳ではないことをメディアにアピールするきっかけにもなりました。ファンとしては、塩見三省が元気な姿を見せていることだけでも一安心なのです。
私たちはもう一度、「アウトレイジ ビヨンド」「アウトレイジ 最終章」の怖い極道役に限らない色々な顔を持った塩見三省の姿を知ることが出来るのではないでしょうか。
アウトレイジ最終章で塩見三省が登場!話題となった画像とは?
さらに、今回は「アウトレイジ ビヨンド」から「アウトレイジ 最終章」の激変しながらも恐ろしく、鬼気迫る演技を披露した塩見三省の画像をご紹介します。「アウトレイジ 最終章」ではかつての体重から10kg程落ちて、左半身麻痺といった障害を持ちながらも、演技をし続けたすさまじい役者の姿を紹介します。
アウトレイジ最終章で見せた、塩見三省の激変ぶり
前述した「アウトレイジ ビヨンド」内でビートたけし演じる大友に「殺ったろうやないかい!」と引き金を引きかける木村を恫喝し片足をテーブルに叩きつける塩見三省の威圧感は、もともと持っていた厳つい顔を有効活用した恐怖を相手や観客に受け付けることにたけたまさに堂にいったヤクザっぷりでした。
アウトレイジ最終章の塩見三省の画像
しかし「アウトレイジ 最終章」の塩見三省にはかつての堂々なヤクザの面影はありません。左半身麻痺した左手は動かずに、ずっとサングラスをかけていました。その眼力溢れる目の表情は見えないままです。さらにほぼ座ったままの演技であり立ったシーンは殆どありませんでした。その姿は明らかに障害が残っている様子でした。
アウトレイジ最終章の大杉漣の画像
また「アウトレイジ 最終章」では障害を持っている塩見三省が演じる中田は殆ど出ずっぱりの状態です。何故なら物語が花菱会の西野と中田の関係性に重点を置いているからです。前会長の布施会長が退いた後、元・証券マンの野村(大杉連)は古参幹部の西野(西田敏行)がうるさくて仕方がありません。それは西野が野村批判を繰り返しているからです。
アウトレイジ最終章の塩見三省の画像
物語は昔ながらの仁義を重んじる中田は野村と戦う構造になります。さて西野と野村と中田、この三名の中では野村と西野がただ怒声を浴びせ合うのではなく、中田という軸がなければ、ヤクザの形式が成り立たないのです。その結果、主役である大友よりも塩見三省の方が出演しています。ただその姿は左半身は不自由で、明らかに表情が作れていない顔面をスクリーンに映し、一人だけひどく老けてしまった姿が見られます。
アウトレイジ最終章の塩見三省の画像
この映画は「アウトレイジ ビヨンド」で無類の活躍をした塩見三省に北野武監督が冥途の土産代わりに作ったのではないでしょうか。塩見三省はまだ生きていますが、「アウトレイジ ビヨンド」の時の感謝の気持ちを込めて、役者として使い続けたのではないでしょうか。つまり「アウトレイジ 最終章」は塩見三省のリハビリテーションを映した記録映画でもあったのです。
アウトレイジでまた観られる?塩見三省の今後の活躍に期待しよう!
私たちはもう一度「アウトレイジ 最終章」で塩見三省の活躍が見られるのでしょうか。左半身麻痺と言う障害を持ち、それを開示しながらも役者としてのクオリティを下げることなく、尚且つ鬼気迫る恐ろしい演技を披露した塩見三省の活躍は必ずみられるでしょう。
塩見三省の恰幅の良かった体つきはやせ衰えてしまい、実際口調も少々聞き取りづらくおかしかったです。見た目も「アウトレイジ ビヨンド」からは一変して10歳も20歳も老け込んでしまっているようでした。生気が感じられない表情からは、末期状態のがん患者で、今にも倒れるのではないか、と勘違いをするほどです。
しかし役者業に復帰をして、仕事をこなすこと自体がリハビリテーションに繋がるらしいことは、観客としても理解できます。私たちはもう一度、「アウトレイジ ビヨンド」「アウトレイジ 最終章」にかかわらず、「あまちゃん」の琥珀の勉さんなど、変幻自在な塩見三省の演技を楽しむことが出来そうです。