マイヤーウィッツ家の人々（改訂版）の感想ネタバレ！Netflixの大人コメディ

本記事ではNetflixオリジナル作品「マイヤーウィッツ家の人々（改訂版）」の情報をお届けします。気難しい芸術家肌の父とそれに振り回されながら大人になった子どもたちのやりとりがテーマの作品で、本記事では監督情報、あらすじネタバレ、感想や評価、キャスト情報などをまとめました。

映画「マイヤーウィッツ家の人々（改訂版）」はNetflixで配信された映画です。こじらせた大人の物語への評価が高いノア・バームバックが監督を務めており、Netflixでの限定配信が話題となりました。自由奔放で芸術家肌の父ハロルドとそんな父に大人になっても振り回されてしまう子供たちが描かれた作品で、Netflixにて2017年10月13日より配信されています。

「マイヤーウィッツ家の人々（改訂版）」はカンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映されています。Netflixのオリジナル作品で初めての出品となったことで大きな話題にもなりました。カンヌ国際映画祭ではNetflixでの配信であることを問題視もされたようですが、映画自体への感想を見ると視聴者からの高い評価がうかがえます。

Netflixオリジナル映画「マイヤーウィッツ家の人々」は親子関係をこじらせてしまった家族の物語を描いています。親子関係はテーマとしては重たいものと捉えられることが多いのですが、ノア・バームバックが描く「マイヤーウィッツ家の人々」はクスっと笑えるユーモアがあり、不思議と心温まる魅力がある、と高評価を得ています。

ノア・バームバックは「マイヤーウィッツ家の人々」以外の作品でも人間関係をテーマにした作品が多く、ラブコメや一風変わった人間模様を描いた作品が主なのですが、こじらせた大人たちを、シビアに、しかしどこかユーモラスに描くのが特徴と言われています。

ノア・バームバックの名を一躍有名にしたのは2005年に監督・脚本の両方を務めた「イカとクジラ」です。10代の多感な年ごろの兄弟が両親の離婚に直面し、葛藤しながら成長する物語を描いた作品でアカデミー賞脚本賞にノミネートされています。「イカとクジラ」はノア・バームバック自身が幼少期に両親が離婚しており、彼の自伝的作品と言われています。

そのほか、プロのモダンダンサーを夢見る女性を、シビアにユーモラスに描く「フランシス・ハ」や、40代の夫婦が20代のカップルと出会い、若者に触発されていく姿を描く「ヤング・アダルト・ニューヨーク」も知られています。精神病院から退院した40代の男の孤独を描く「ベン・スティラー 人生は最悪だ!」はベルリン国際映画祭で金熊賞にノミネートされています。

映画「マイヤーウィッツ家の人々（改訂版）」は文字通り親子関係をこじらせてしまった大人たちの物語です。主にこじらせているのは息子たちの方で父は昔も今も自由奔放なままですが、長男のダニー、長女のジーン、次男のマシュー、3人ともそんな父をどこか憎めずいい年をした大人になっても父の愛情を未だに求め葛藤しています。

父と息子たちの会話はいつも一方通行です。息子たちが父に何か提案をしても聞く耳持たず、自分の好きなものや自慢話ばかり、気に入らない時は逃げ出すこともあり父のハロルドはまるで子供のようです。子供たちはそんな父の自由奔放で傍若無人とも取れる態度や行動に腹を立てながらも、いつも振り回されてばかりいます。

しかし、ダニーもジーンもマシューもそんな父を愛しているのでしょう。見限ることもできず、かといって許しきることもできない葛藤が映画の随所から見受けられます。後程ネタバレ記事で詳しく触れますが、父の勘違いでマシューが振り回されるシーンなどはクスっと笑えたと評価する視聴者が多く、ユーモアのあるやり取りがこの映画の魅力となっているようです。

ここからは「マイヤーウィッツ家の人々（改訂版）」の記事をお届けします。父ハロルドと息子たちのやりとりを中心に順を追ってまとめております。ネタバレ記事には結末のネタバレまでも含まれていますので閲覧時はご注意ください。

「マイヤーウィッツ家の人々（改訂版）」は長男のダニーが車を停める場所を探し、苛立っているシーンから始まります。なかなか車を停められないダニーは娘のイライザと会話をしながら苛立ちを露わにし、車の中からクラクションを鳴らす後方の車に怒鳴ったりしています。

彼がこの街を訪れたのは父・ハロルドと義母のモリーンが住む家に向かうためでした。稼ぎ頭だった妻と離婚することになりハロルドを頼ろうと父の元へとやってきたのです。ハロルドの家には白い大きな犬、ブルーノがいました。禁酒を誓う代わりにモリーンに飼うことを許可してもらったようですが、散歩中に頭を打ってしまったようです。

家には長女のジーンもおり次男のマシューを除き久々に家族が顔を合わせました。ハロルドは彫刻家として活躍した人物で、今もその過去の栄光が忘れられず子供っぽく我儘で家族を振り回す父親です。夕飯でハロルドの作品を展示する話が出たのですが、自分の個展ではなくグループ展だと聞いて不満そうな様子を見せました。

ある時２人の青年が家を見にきたのですがハロルドは家を売ることよりも２人が彫刻に興味を持つことだけを喜んでおり家を売ることにはまるで無頓着の様子です。家を売るのはマシューの進めなのですが、ダニーは猛反対していました。

ある時、ハロルドの友人のLJが個展を開くと連絡をしてきました。ハロルドはLJの成功を喜んではいない様子でしたが、正装に身を包みダニーと共に個展へと訪れます。しかし、いざ行ってみれば招待もされておらず周囲はみな私服の人ばかりで、ハロルドが見栄を張るために嘘をついたことが発覚します。

LJのはからいで展示会場へ入ることはできましたが、目の前でLJの成功ぶりを見せつけられ面白くないハロルドは「帰る」と言い出し、さっさと外へ向かってしまいます。友人との再会を楽しんでいたダニーは仕方なく父を追いかけるのですが、ダニーが会場を出るとハロルドは逃げるように走り出していました。

ダニーが大きな声で呼びかけながら追いかけるのも無視、ダニーが漸く追いつくと今度はLJへの愚痴をこぼし始める始末です。この子供っぽいダニエルのシーンは「マイヤーウィッツ家の人々（改訂版）」を視聴したユーザーから好評でクスっと笑えるシーンとして印象に残ったようです。

場面は変わり仕事をしている次男マシューの元へ父・ハロルドから電話が入ります。その一言目は「店に入れない」でした。マシューとハロルドは家を売る件で話し合うため待ち合わせをしていたのですが、ハロルドは自分の都合で45分も早く待ち合わせのレストランに来たのです。

諦めた様子のマシューが会いに行くと、ハロルドはこの店は嫌だと店は変えるわ、専門家を招いたのに「信用できない」と聞く耳すら持たない始末で話し合いすらできません。そして過去のことを持ち出しては愚痴をこぼし、最後に入った店では隣の客に「俺の上着をあいつが持って出て行った」と言い出します。

隣の客が店を出てしまったのでマシューが慌てて相手を追いかけるのですが、実はハロルドのただの勘違いで結果的にマシューは散々振り回されるだけで終わってしまったのでした。このシーンも視聴者から笑えるシーンという感想が多く、好きなシーンと評価する声も。食事を終え、２人でマシューの実家に寄った後、マシューはハロルドを見送ろうと車まで送り届けます。

その間、ハロルドはマシューの母への不満、自分への称賛を述べ、最後には自分はお前のために尽くした、と自分がいかに良い父であったかを語ります。しかしマシューは父に振り回されてばかりで愛情を注いでもらった覚えなどないのです。過去のことを持ち出されて腹を立てたマシューは「父親気取りか」と告げ、車で去るハロルドに怒りの言葉を投げつけるのでした。

ハロルドのグループ展への参加が決まり、これからだという或る日。犬の散歩の時に頭を打ったのが原因でハロルドが倒れ、病院へと担ぎ込まれます。危篤状態が危惧されたハロルドでしたが、マシューが見舞うとその日はしっかり意識があり「お前が気てくれて嬉しい、幸せだ」と告げ、マシューにグループ展の初日に「代わりに挨拶をしてくれ」と頼むのでした。

しかし、マシューが病院を離れた僅かの間に容体が急変。ハロルドの意識はぼんやりとしており、問いかけに答えることもできません。病室にはダニーとジーンがおり、マシューも駆けつけたため兄弟３人は久々に顔を合わせたのですが、病院の杜撰な管理体制への不満も相まって口喧嘩になってしまいました。

家族は病院は信用ならないと判断し、自分たちで父の面倒を見ようと決意します。話し合い、協力し合い、病院に泊まり込んで父の看病をする３人ですが症状は悪化するばかりで終末期の介護の覚悟まで言い渡されてしまいました。マシューは今後のことを話し合うためモリーンの元を訪ね、家を売る話を進めます。

後日改めて３人が病院を訪れるとハロルドの友人ポールの姿がありました。しかし、何故かポールを見て逃げるように走り出すジーン。ダニーとマシューが聞いてみると、幼少期にハロルドの別荘に行った際に性的な嫌がらせを受けたというのです。ダニーとマシューはポールの車をボコボコにするという子供じみた復讐をしますがジーンはドライな様子で喜びはしませんでした。

いよいよグループ展が開催されると、そこにはハロルドの作品のファンや友人たちがいました。ダニーとマシューは互いのこと、今まで気まずかった過去などについて話し合い絆を深め合います。しかし、家を売ることが話題に出たことで、家を売りたいマシューと反対するダニーはその場で大げんかをしてしまいます。

鼻血を垂らしたまま開催の挨拶をするマシューは、幼い頃は父を慕っていたこと、大人になってからは怒ってばかりだと語り始めます。マシューが家や作品を売ろうとしていたのは、自分の仕事を認めようとしない父を超え見返したかったからであって、今更ながらその事実に罪悪感を覚え後悔したのでしょう。泣きながら自分の行動を懺悔します。

一方でダニーも父には愛して貰えなかったこと、ハロルドは天才だが父親としてはダメな人間であることなどを会場で話します。けなしているような、それでいてどこか愛がありような、マシューとダニーは家族との再会や父が倒れたことを通じて２人なりに父との関係を見詰め直したようでした。

後日、病院は自分の足を手術したダニーの姿と売ってしまった彫刻を買い戻そうとするマシューの姿がありました。病院にはダニーの娘・イライザとジーンもおり、ジーンはイライザの作る映像作品に出演したことを嬉しそうに語ります。3人はそれぞれ父と自分に折り合いをつけ、自分のために動き出したようです。

ハロルドは無事に病院を退院、再びモリーンと暮らす生活に戻っていました。しかし、やはりハロルドはハロルドで息子たちを振り回すのは相変わらずです。ダニーが家を訪れた時も相変わらずの傍若無人ぶりで、ダニーは思わず床に皿を叩きつけます。そして、諦めたような様子で「愛してる、許すよ、許して、ありがとう、さようなら」と呟いたのでした。

「マイヤーウィッツ家の人々（改訂版）」の最後はイライザが美術館を訪れるシーンで終わります。かつてハロルドは美術館に作品が売れたことを自慢しているのですが、その真偽は怪しいものでした。しかし、イライザが訪れると本当に彼の名が刻まれた箱が置いてあり、イライザが「あった」と零したところで「マイヤーウィッツ家の人々（改訂版）」の物語は幕を閉じます。

長男ダニーのキャストはアダム・サンドラーです。アダム・サンドラーは1966年9月9日生まれ、アメリカ合衆国ニューヨーク州出身でコメディ映画の俳優として有名です。10代の頃はコメディアンとしても活躍していました。1980年代からアメリカのシチュエーションコメディ番組「コスビー・ショー」に出演し、その後バラエティ番組での活躍を経て徐々に知名度を高めていきました。

1人2役を演じた「ジャックとジル」やゲームのキャラクターと人々が戦う「ピクセル」などの出演で知られています。シリアスな役を演じた「パンチドランク・ラブ」での演技への評価が高く「マイヤーウィッツ家の人々」でも演技力が認められています。

次男のマシューのキャストはベン・スティラーです。ベン・スティラーは1965年11月30日ニューヨーク市出身で俳優として活躍しています。アダム・サンドラーと同じくコメディ映画への出演で知られており、日本では博物館の警備員となった男の活躍を描くファンタジーコメディ「ナイトミュージアム」で広く知られています。

「メリーに首ったけ」や「ミート・ザ・ペアレンツ」でのヒットも日本でも広く知られています。ノア・ノア・バームバック作品への出演も多く「マイヤーウィッツ家の人々」以外にも「人生は最悪だ」や「ヤング・アダルト・ニューヨーク」にも出演しています。

長女ジーンを演じたのはエリザベス・マーヴェルです。エリザベス・マーヴェルは1969年11月27日生まれ、カリフォルニア州出身で女優として活躍しています。舞台での活躍が多い女優ですが映画にも出演しており「ボーン・レガシー」や「私が愛した大統領などに出演しています。

アメリカドラマでの活躍でも知られており「ハウス・オブ・カード 野望の階段」のヘザー・ダンバー役が有名です。2016年には「HOMELAND」のシーズ6で次期大統領を演じることが話題となりました。

偏屈な父ハロルドのキャストはダスティン・ホフマンです。ダスティン・ホフマンは1937年8月8日生まれ、アメリカ合衆国カリフォルニア州出身で俳優として活躍しています。1979年の映画「クレイマー、クレイマー」と1988年の映画「レインマン」でアカデミー賞の主演男優賞を受賞したことで知られています。

数多くの代表作があり、彼の名が広く知られることとなった映画「卒業」や、晩年になってからの作品では中年男女の恋を描く「新しい人生のはじめかた」などが有名です。来日した際に「笑っていいとも！」や「徹子の部屋」に出演したこともあります。

ハロルドの再婚相手、モリーンを演じたのはエマ・トンプソンです。エマ・トンプソンは1959年4月15日生まれ、イギリス出身で女優として活躍しています。過去に５回アカデミー賞にノミネートされたことがあり、「ハワーズ・エンド」という映画ではアカデミー主演女優賞を受賞しています。

家族にも監督や俳優の多い芸能一家の一員で、日本ではハリー・ポッターシリーズのシビル・トレローニー役でも広く知られています。映画「日の名残りを」で主演女優賞「父の祈りを」で助演女優賞にノミネートされるなど、演技力を高く評価されています。

芸術家肌でプライドが高く、子供じみた行動を取っては子供たちを振り回すのが父ハロルドです。子供たちが真面目な会話を試みても聞く耳持たず、周りを苛立たせていまいます。しかも本人に悪意がないのが厄介でそれ故に子供たちは彼を憎みきることが出来ずにいます。

また父ハロルドは子供に対しては愛情を注いだと信じており、自分では自分のことを良き父と思っているようです。それがまた子供たちの顰蹙を買ってしまっているのですが、そんなことは我関せずといった風で老人になっても相変わらずなのが父ハロルドのキャラクターです。

父に振り回されるも、父には強く意見をすることのできないのが長男のダニーです。「マイヤーウィッツ家の人々」の冒頭で車を駐車できず「クソッ」と苛立ってクラクションをバンバン鳴らすシーンは非常に印象的で、気の短い男のように見えるのですが父や家族に対してはあまり強く出ることができません。

癇癪持ちな一面と優しい一面があり、父のことに対しては自分を見てくれなかったことに対して強く我慢してきたようです。娘のことを溺愛しており、その才能を強く信じる良き父でもあります。

家族の中でビジネスで一番成功しているのがマシューです。また、兄弟の中で一番年下だったからなのかハロルドにもとても可愛がられていたようで、そのことが特にダニーにとっては強いコンプレックスだったようです。しかし、マシューはマシューで成功していることをやっかむようなことを言う父や兄に対して苛立ちを覚えています。

また、マシューとしてはダニーやジーンのことも自分と同じように可愛がらなかったことに対して思うところある様子。父を超えたくて家と彫刻の売却を決意したのに、結果的には罪悪感に苛まれ涙を流すなど父への想いは彼が思うよりも深いのかもしれません。

全体的に存在の影が薄く幼少の頃から父に相手にしてもらえなかったことを心に抱える長女です。しかし、そんな父を恨んでもいいはずなのに生真面目な性格故に父を見捨てることができない不器用な性格の持ち主です。幼少の思い出からは寂しさも伺えますが、諦めた様子も垣間見えます。弟のハグをかわす仕草など、ジーンは家族に対してどこかドライな人物という感想を持つ視聴者も多いようです。

ここからはあらすじネタバレから、実際に「マイヤーウィッツ家の人々（改訂版）」を見た視聴者の映画に対する評価、感想などをご紹介していきます。

「マイヤーウィッツ家の人々」は人生のままならなさ、を上手く描いた映画であるという感想や評価も見られました。この映画でのサンドラーとスティラーへの評価も高く、こちらの感想でも２人の演技を高く評価しているようです。

こちらの感想では傑作と評価されています。家族の中にあるわだかまりや確執が実感できたのでしょうか。そういったどこにでもありそうな家族の姿が上手く描かれているという評価や感想はほかの視聴者からも見られました。

こちらはベン・スティラーと共に映画を高く評価している感想です。誰もが通る道、といったところでしょうか。大人が見て思わず身に染みる作品なのかもしれません。

「マイヤーウィッツ家の人々（改訂版）」の、あらすじネタバレ、感想、キャスト情報のまとめ記事をお届けしました。Netflixには「マイヤーウィッツ家の人々（改訂版）」以外にもノア・バームバックの作品や、マシューを演じたベン・スティラーが登場する映画もあります。

Netflixを既に契約の方もNetflix未契約の方も、ノア・バームバック作品がお好きな方や今回の映画で興味を持った方は合わせてNetflixをチェックしてみはいかがでしょうか。