デッドマン・ウォーキングのあらすじと結末をネタバレ!映画の感想とキャストは?

映画デッドマン・ウォーキングについて、あらすじのネタバレやその結末、キャスト、そして感想まで紹介しています。極悪な犯罪を犯し死刑が確定したマシュー・ポスレットと、それを救おうとするシスター・ヘレン・プレイジェーンの物語です。デッドマン・ウォーキングは死刑廃止論に基づく映画ではありますが、そこにはただ単純に死刑を廃止するというメッセージだけではない、様々な想いが込められています。

デッドマン・ウォーキングのあらすじと結末をネタバレ!映画の感想とキャストは?のイメージ

目次

  1. デッドマン・ウォーキングとは?
  2. デッドマン・ウォーキングの映画あらすじネタバレ
  3. デッドマン・ウォーキングの映画結末ネタバレ
  4. デッドマン・ウォーキングのキャスト・登場人物
  5. デッドマン・ウォーキングに関する感想や評価は?
  6. デッドマン・ウォーキングの映画ネタバレまとめ

デッドマン・ウォーキングとは?

デッドマン・ウォーキングの映画作品情報

映画デッドマン・ウォーキングとは、1995年に制作、公開されたアメリカ映画で、死刑廃止論を唱える修道女ヘレン・プレジャンを取り上げたノン・フィクション作品です。死刑廃止論がテーマというだけあって、デッドマン・ウォーキングが公開された当時はその是非も含め非常に多くの感想が飛び交いました。

デッドマン・ウォーキングの監督・脚本を務めたのは映画ショーシャンクの空にの主演でも有名な俳優のティム・ロビンスで、主演をそのパートナーであるスーザン・サランドンが演じています。ティム・ロビンスは「死刑制度反対」や「イラク戦争反対」などの政治的発言なども活発に行っていますが、デッドマン・ウォーキングはまさにそういったティム・ロビンスの思想を反映した内容ともなっています。

デッドマン・ウォーキングの予告編動画

デッドマン・ウォーキングの予告動画において、前半厳かな声で死刑判決の言葉が告げられます。加害者であるマシュー・ポンスレットがいかに凶悪な犯罪者で、赦されざる罪を犯していることが示されています。しかし後半打って変わって、優しい音色とともに少し寂しげな歌声が流れます。今まさに死刑を目前とする死刑囚の心情に寄り添うような構成です。

そしてマシュー・ポスレットを演じるショー・ペンの最後の表情がまた非常に印象的です。最後の最後、死刑執行間際に彼が何を告げるのか。この映画デッドマン・ウォーキングの結末でもあり、一番の見せ場でもあるのです。

デッドマン・ウォーキングのタイトルの意味

デッドマン=死にゆく者、死を間近にひかえた者、すなわち死刑囚を表しており、ウォーキング=歩み、歩むと合わせ、死刑囚が死刑執行されるというまさにそのときの歩みを告げる言葉だといいます。

映画に登場する死刑囚マシュー・ポスレットなる男は、はじめ非常に傲慢で、頭も悪く、凶悪な犯罪を犯したにも関わらず自分が死刑となることについて「理不尽」とすら感じている節すらあります。そんな男が死刑を宣告され、どんなに手を尽くしてももはや生きることに対して一縷の望みも許されなくなったとき。死刑の直前、デッドマン・ウォーキングのその時、執行への歩みの中で何を思うのか、そして何を語るのでしょうか?

そして自分の罪を認めない凶悪な犯罪者に最後まで寄り添ったシスターの想いは彼に何を残すのか。まさにこのデッドマン・ウォーキングのほんの数分がその全てが詰まっているといっても過言ではないと言われています。

デッドマン・ウォーキングの映画あらすじネタバレ

ここからは映画デッドマン・ウォーキングのあらすじについて紹介します。はじまりから結末を迎える直前までのあらすじをネタバレ紹介していきます。

あらすじネタバレ:手紙

シスター・ヘレン・プレイジェーンは、ニュー・オリンズの貧困層の黒人たちのための施設にて日々働いていました。そんな彼女の元にとある死刑囚から手紙が届きます。送り主は州立刑務所に収監されているマシュー・ポスレット。彼は裁判で死刑判決を受けた死刑囚なのでした。

そもそも知り合いでもなんでもない死刑囚から手紙が来て、ヘレン・プレイジェーンは戸惑います。しかし会いたい、力を貸して欲しいと嘆願する手紙から何かを感じたのか、はたまたシスターとしての使命なのか、自分でもなぜだかわからないながらも、その男に会いにいくことを決意します。

あらすじネタバレ:凶悪犯罪

彼の犯した犯罪はとても許されるものではありませんでした。相棒と2人でカップルを襲い、男性は後頭部に2発の銃弾を受け即死。女性は強姦されたうえ17ヶ所も刺されたのち、最後には男性と同様後頭部を撃ち死なせたという、極悪非道な犯罪者です。

実際にヘレン・プレイジェーンはマシュー・ポスレットと面会します。印象としては、傲慢で頭が悪く、また冷酷で、悪印象ばかりが目に付く男でした。ただそんな彼でも、やはり処刑の日が近付いてきたことで意気消沈している様子も見られたのです。

あらすじネタバレ:証言

そんなマシュー・ポスレットの主張は、自分ばかりが死刑判決を受けるのはおかしい、というものでした。なぜなら、自分は強姦はともかく殺してはいない、というのです。にも関わらず相棒は無期懲役を言い渡され自分だけが死刑になる、と。

ヘレン・プレイジェーンは、マシュー・ポスレットにばかり不利な証拠が揃い死刑の判決が確定したことについて疑問を感じます。そしてマシュー・ポスレットの訴えに共感し、協力することを決意するのです。

あらすじネタバレ:特赦審問会

ヘレン・プレイジェーンは弁護士のヒルトン・バーバーに協力を依頼し、特赦審問会を開こうとします。そこでマシュー・ポスレットの母親に証言させ、万座から同情を得ようとしたのです。しかしながら、その努力もむなしく、嘆願は却下されてしまいます。

そこでヘレン・プレイジェーンはマシュー・ポスレットの精神アドバイザーとなることを承諾し、最後の一手、知事への直談判に向けて動こうとします。しかしそこでヘレン・プレイジェーンは被害者の家族と出会うこととなります。

あらすじネタバレ:被害者の家族

マシュー・ポスレットの側についたということで、ヘレン・プレイジェーンは被害者の遺族から激しい憎悪を向けられます。遺族からすれば当然でしょう。殺された息子や娘の前に広がっていた明るい未来が、凶悪な犯罪者の手によって強制的に終わらされてしまったのです。

また遺族の憔悴っぷりもひどいものでした。子どもを殺された家族は離婚する確率が高いというデータもあるようですが、まさしくこの事件によって、家族は崩壊していたのです。ヘレン・プレイジェーンはそんな現実をまざまざと見せつけられ、大いに苦悩するのでした。

デッドマン・ウォーキングの映画結末ネタバレ

映画デッドマン・ウォーキングの結末のあらすじについてネタバレ紹介しています。死刑執行を迎え次第に人間としての矜持を見せ始めるマシュー・ポスレットと、それを支えるヘレン・プレイジェーンが描かれています。

結末ネタバレ:死刑当日

死刑が執行されるその時まで、マシュー・ポスレットを、ヘレン・プレイジェーンは専属のカウンセラーとして支える日々を過ごします。マシュー・ポスレットはヘレン・プレイジェーンに付き添われるうちに、残忍な極悪犯罪者とは別な顔をのぞかせるようになっていきます。娘や弟たちのことを気遣う様子も、ぽつりぽつりと見えてきます。

また色々なものに敵意を向けていた牙が抜け落ちて、泣きながらヘレン・プレイジェーンに心情を述べるシーンも見られます。「初めて愛を知った」「俺に、愛をありがとう」と。どんな凶悪犯罪者も人間であることに変わりはない。人間として死を迎えるマシュー・ポスレットの姿が非常に印象的なシーンです。

死刑執行の午前0時まで、2人は知事への嘆願の返事を待ち続けるのですが、結局返事は来ず、死刑は執行されることとなります。死にゆく勇気を持てるよう、ヘレン・プレイジェーンはひたすら神に祈ります。

結末ネタバレ:遺族への謝罪

最後の面会の時、マシュー・ポスレットは聖書に自分の名前と日付を入れ、それをヘレン・プレイジェーンに手渡します。そして初めて自身の犯行について真実を述べるのでした。男の被害者を撃って殺したのは、やはりマシューでした。ただし、女の被害者については、刺したのは相棒だったのです。強姦はマシューもしたとのこと。自身の犯行を認め、罪を悔いたのです。

執行の時間となり、デッドマン・ウォーキングの声が鳴り響きます。マシュー・ポスレットはその間ずっとすすり泣いていましたが、最後に口にしたのは、遺族への謝罪の言葉でした。全ての前で真実を認め、その上で罰を受けることを受け入れたのです。

デッドマン・ウォーキングのキャスト・登場人物

映画デッドマン・ウォーキングの登場人物とキャストについて紹介しています。デッドマン・ウォーキングはそのキャストの評価も非常に高く、数々の賞を受賞しています。

シスター・ヘレン・プレイジェーン/スーザン・サランドン

映画デッドマン・ウォーキングの主人公です。貧困街の施設にてシスターとして働く女性で、死刑廃止論者でもあります。シスターにありがちな説教臭さもなく、修道服ではなく私服で刑務所に通い、ちょっと品のないジョークも言い合えるような、そんな人格者として描かれています。

凶悪犯罪に手を染めた男を擁護し助ける立場になったことで周囲から非難と軽蔑の眼差しを送られることとなり、その最中非常に苦悩しますが、それでも自身の信念を貫く様子が見られます。

そんなヘレン・プレイジェーンのキャストは、自身もローマ・カトリック教徒であり、信者でもあるスーザン・サランドンさんです。カルト映画の傑作として知られる1975年公開のロッキー・ホラー・ショーに主演女優として出演して以来高い評価を得るようになり、1980年には映画アトランティック・シティではアカデミー主演女優賞にもノミネートされています。

政治的にリベラルな立場を保ち、反戦運動や人権問題にも積極的に関わっていることでも有名です。また同様の立場で知られるデッドマン・ウォーキングの監督ティム・ロビンスとは2009年までパートナー関係にあり、2人の男の子も儲けています。

マシュー・ポンスレット/ショーン・ペン

相棒とともにカップルを襲い、男性を射殺、女性を強姦し17ヶ所も刺したのち最終的には射殺するという非道の限りを尽くした極悪犯罪者です。ヘレン・プレイジェーンに手紙を送ったのも、自分が殺人を犯したにも関わらず相棒が殺人を犯したのだと言い張り、そのため相棒が無期懲役で自分が死刑を言い渡されたことに対して不服があり、助けてほしいという理由からでした。

ヘレン・プレイジェーンと面談し始めた頃は傲慢で人を見下す態度ばかり取り、人の皮を被った魔物とすら言われていました。しかしながらヘレン・プレイジェーンと交流していく中で少しずつ人間としての自分を取り戻し、最後には自分の罪を認め、死を受け入れるようになります。

マシュー・ポスレットのキャストは映画監督としても知られるショーン・ペンさんです。キャスティング・ディレクター、ミスティック・リバー、ミルクなどの映画に出演し、世界三大映画祭であるヴェネチア、カンヌ、ベルリンの全てにおいて主演男優賞を受賞した経験もある、国際的にも非常に評価が高い名優です。

ヒルトン・バーバー/ロバート・プロスキー

ヘレン・プレイジェーンの依頼を受けてマシュー・ポスレットの特赦審問会のため奔走する弁護士です。彼自身も死刑廃止論者であり、マシュー・ポスレットの母親を説得し審問会で証言させるなど尽力するも、努力むなしく嘆願は却下されることとなってしまいます。

そんなヒルトン・バーバーのキャストはポーランド系アメリカ人の俳優、ロバート・プロスキーさんです。大学卒業後役者としてテレビドラマや映画などコンスタントに出演するようになり、また舞台などでも活躍していました。ロビン・ウィリアムズ主演のコメディ映画ミセス・ダウトや、アーノルド・シュワルツェネッガー主演のラスト・アクション・ヒーローなどでも知られています。

アール・デラクロア/レイモンド・J・バリー

殺害された男性の父親で、事件後妻とは離婚、笑いの絶えなかった家庭を崩壊させたマシュー・ポスレットを心の底から憎んでいます。またその憎しみはマシュー・ポスレットに救いの手を差しのべようとするヘレン・プレイジェーンにも向けられ、直接会った際にも強い憎しみを隠そうともしませんでした。

映画の最後、マシュー・ポスレットの刑が執行されその葬儀を遠くから見ているシーンでは、近寄ってきたヘレン・プレイジェーンを一瞥し、何も言わずその場を去っていきます。被害者の遺族としてマシュー・ポスレットを許すことはできないが、その結末に果たしてどんな想いを抱いていたのか、何も語らず去っていくその姿は非常に印象的と言われています。

アール・デラクロアのキャストは、10年以上舞台俳優を経験したのち映画界に転身した、アメリカの俳優レイモンド・J・バリーさんです。母親のバーバラも女優であり、その影響の強かったのではと言われています。非常に多くの映画、テレビドラマに出演した経験を持っています。

デッドマン・ウォーキングに関する感想や評価は?

ここからはデッドマン・ウォーキングについて、実際に視聴された方の感想を紹介していきます。テーマがテーマなだけに、単純に「面白かった」と感想を言えないところにこの映画の良さがあると言えるでしょう。

やはりこういった「複雑だ」とする感想は多かったようです。心情的に、この極悪犯罪者であるマシュー・ポスレットという登場人物を許すことはできない。ただし、その犯罪者の側に立って物事の経過を結末まで見届けると、それだけでは済まない気にさせられるのが、このデッドマン・ウォーキングです。

この感想に見られる「殺して終わりというのはなんか違う」というのが、死刑廃止論側の1つの意見の意見であることに間違いはありません。実際にこの映画の結末では、犯罪者であったマシュー・ポスレットの懺悔の言葉が深く視聴者の胸を打つからです。けれども同時にこの感想の後半にあるような「自分が被害者だったり、被害者家族だったり」というところ立つと、正しいこととは果たしてなんなのか、考えさせられてしまうのです。

これもまた1つの感想でしょう。最後に悔い改めるとは言え、彼は自身の結末を迎えるその直前まで自分の罪を認めませんでした。罪を認めることもせず、人を馬鹿にし、遺族を見下し、そのような男がたとえ最後に悔い改めたとしても、感動する要素などまったくないという感想があってもおかしくはありません。そもそも強姦はしたけれど殺してはいないから自分は無実だと主張すること自体、すでに論点が間違っているとも言えます。

実はこのキャストについての感想も多く見られます。ヘレン・プレイジェーンのキャストであるスーザン・サランドンさんはこのデッドマン・ウォーキングでアカデミー主演女優賞を受賞していますし、極悪犯罪者ながらも映画の結末において改心するマシュー・ポスレットのキャストのショーン・ペンさんは、ベルリン国際映画祭にて男優賞を受賞しています。

静かに進行していき、特にその登場人物の心情の揺れ動きや微細な変化、結末に見せる切迫した表情など、まさに迫真の演技と呼ぶにふさわしいという感想も聞かれました。

デッドマン・ウォーキングの映画ネタバレまとめ

デッドマン・ウォーキングのタイトルの意味やあらすじ、登場人物やキャストなどについて紹介しました。あらすじだけ見れば単なる死刑制度に反対を掲げる映画のようにも思われがちですが、ただ死刑制度の是非を問うだけではなく、極悪な犯罪者であっても1人の人間であることや、果ては人間を救う愛とは何か、救われることにどんな意味があるのかなど、深いテーマがそこに示されています。

今世界的に死刑の制度に対して疑問の声が上がっています。そのような中改めてこの映画デッドマン・ウォーキングを見ると、ただ是非を問うだけの簡単な問題ではないことをまざまざと思い知らされると言われています。

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