R100(松本人志監督映画)の評価・あらすじは?大コケで打ち切りだった?

映画『R100』は、お笑い芸人の松本人志さんが、映画監督としてメガホンを取った4つ目の作品です。独特な世界観で展開される『R100』のストーリーは、大衆向けではありません。そんな『R100』は映画館で上映打ち切りの危機に遭い、大コケという評価を下されてしまいます。松本人志さんの監督生命も脅かされたと言われる『R100』ですが、未視聴だといまいちその感覚が掴めません。ここでは、映画未視聴の方でも分かるように、『R100』のあらすじを紹介し、大コケ、打ち切りと酷評される理由を解き明かします。

R100(松本人志監督映画)の評価・あらすじは?大コケで打ち切りだった?のイメージ

目次

  1. R100(松本人志監督映画)のあらすじや評価に迫る!
  2. R100を手掛けた映画監督の松本人志について
  3. R100の作品情報
  4. R100の主な出演キャスト
  5. R100のあらすじネタバレ
  6. R100は大コケで打ち切りだった?
  7. R100を観た感想や評価は?
  8. R100(松本人志監督映画)のあらすじや評価まとめ

R100(松本人志監督映画)のあらすじや評価に迫る!

お笑い芸人や司会者として人気を博する松本人志さんが製作した映画『R100』は、物語の奇抜さや、キャストの豪華さで一度は注目を浴びたものの、映画館にはほとんど人が入らず、興行収入の面でも大コケしてしまいました。打ち切り状態に追い込まれた映画『R100』は、一体どのような内容だったのでしょうか?ここでは、『R100』のあらすじを紹介し、大コケで打ち切りになってしまった理由もまとめてお届けします。

R100を手掛けた映画監督の松本人志について

松本人志のプロフィール

松本人志さんは、「松っちゃん」とも呼ばれ、バラエティを始めとした様々なテレビ番組に登板し、その巧みなお笑いセンスから人気を得ています。1963年9月8日生まれ、兵庫県尼崎市出身。松本人志さんがボケを担当するお笑いコンビ「ダウンタウン」は、司会を務めることが多く、相方・浜田雅功さん(浜ちゃん)との掛け合いも人気の理由の一つです。

お笑い芸人以外でも能力を発揮

代表番組には、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』、『ダウンタウンのごっつええ感じ』などが挙げられ、これらの番組では企画や構成など、番組出演以外の仕事もこなしています。テレビ以外にも、インターネット配信の番組『HITOSHI MATSUMOTO presents ドキュメンタル』などにも出演し、番組企画の発案を担いました。

松本人志さんは、お笑い芸人、司会者、作家、映画監督など、様々な顔を持っており、エンターテイメントを創生することに力を注いでいます。所属する大手芸能プロダクション「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」を引っ張る存在でもあり、大きな人望を持っている人物でもあります。

芸人としては素晴らしいが監督としては低評価

テレビのニュース番組内にて、「松本人志さんは映画監督としてはどうなのか」という話題が出た時があります。その話題が出るきっかけとなった人物は、映画監督としても成功しているお笑い芸人のビートたけしさんでした。

ビートたけしさんは、松本人志さんの芸人としての素質は評価しているものの、「彼の作る映画は、自分を含めて一般人はついていけない。興行収入が低いから、映画作りは下手なのかも」と冗談交じりに、松本人志さんについて語っています。松本人志さんは、多才な人物ではありますが、映画監督としての評価は低いとされています。

R100の作品情報

映画のテーマは「SM」

映画『R100』は2013年10月5日に日本で公開されました。映画で取り扱われる題材は「SM」で、映画内では多数のSMプレイが披露されています。マゾヒストの主人公・片山貴文は、SMクラブ「club BONDAGE」に入会したことで日常を壊され、クラブとの対立を余儀なくされます。M男VS女王様軍団の戦いを描いた本作は、その独創的過ぎる世界観から、賛否両論の声が上がり、物議を醸しました。

松本人志作品の中で最も興行収入が低い

興行収入の話を挙げると、松本人志さんの映画デビュー作である『大日本人』の興行収入は11億6000万円、2作目の『しんぼる』は4億7000万円、3作目の『さや侍』は6億3100万円となっています。それに比べて、『R100』は2億3100万円と、興行収入が最も低く、打ち切り危機の大コケ状態であったと言われています。

ファンからも低評価を受ける

1作目の『大日本人』は10億円越えの大ヒット映画となり、良い評価を得ていますが、4作目の『R100』は評価がとても低く、今まで松本人志監督作品を楽しんできたファンでさえ、「R100はつまらなかった」と述べ、低評価を下しています。興行収入の面だけではなく、観客の心を掴めなかった面でも、『R100』は大コケしてしまった作品だと言えるでしょう。

観客が埋まらず上映は打ち切り危機に

映画が公開されると、SNS上では否定的な感想が流れ、『R100』が上映されている劇場の席は埋まらず、その結果、2週間で打ち切りとなる映画館が現れたりと、悪い意味でとんとん拍子に大コケへの道を歩んで行きました。

大コケ打ち切り危機で赤字に追い込まれた吉本興業

少ない小銭

1作目の成功とは打って変わり、大コケ打ち切りという評価で惨敗を喫した『R100』ですが、一番ダメージを受けたのは松本人志さんではなく、彼と共に映画を製作し続けてきた吉本興業でした。『R100』は大物俳優・女優を起用し、宣伝にもお金をかけたため、赤字額は10億円にも上るとされています。吉本興業内では、『R100』のことはなるべく話題にはせず、タブーのように扱う空気が作り上げられています。

R100の主な出演キャスト

低評価、打ち切り危機、大コケなど、嫌なワードがついて回る『R100』ですが、出演キャストには恵まれ、キャストへの評価は良いものとなっています。ここでは、『R100』に出演した豪華なキャスト陣を紹介します。

大森南朋

大森南朋(なお)さんは、 『R100』で主人公の片山貴文を演じ、 SM倶楽部に入会するものの、非常識な接待をうけ、困惑するマゾヒストの男性という役柄を演じました。1972年2月19日生まれ、東京都出身。父親は俳優・舞踏家・演出家として活躍する麿赤兒(まろあかじ)さんで、兄には映画監督・俳優を務める大森立嗣(たつし)さんがいます。

大森南朋さんの代表作は、『ハゲタカ』シリーズの主演・鷲津政彦役、映画『犬とあなたの物語 いぬのえいが』の主演・多田一郎役などがあり、ドラマ『居酒屋ふじ』では、主演兼本人役を務めています。
 

大地真央

大地真央さんは『R100』内で、他人の声を100%真似することが出来る「声の女王様」役を演じました。1956年2月5日生まれ、兵庫県洲本市出身。大地真央さんは、宝塚の男役トップスターという経歴があり、退団後も女優として、舞台とドラマを中心に活躍の場を広げていきました。

華々しい女優人生を送っている大地真央さんの代表作としては、舞台『風と共に去りぬ』のスカーレット役、『マイ・フェア・レディ』のイライザ役、ドラマ『越路吹雪物語』の主演・越路吹雪役などがあります。

寺島しのぶ

寺島しのぶさんは、男子トイレ内で片山を襲撃し、鞭で何度も彼を叩く気の強い女王様を演じました。1972年12月28日生まれ、出生は京都府京都市、出身は東京都。寺島しのぶさんの代表作としては、映画『キャタピラー』の主演・黒川シゲ子役、『やわらかい生活』の主演・橘優子役などがあります。

冨永愛

冨永愛さんは、『R100』の序盤で、片山を理不尽に蹴り続ける高圧的な態度の女王様を演じました。1982年8月1日生まれ、神奈川県相模原市出身。冨永愛さんの本業はファッションモデルで、身長は179cmと高く、日本に限らず世界でも活躍をしています。冨永愛さんが出演した映像作品には、映画『デビルマン』のシレーヌ役などがあり、テレビやCMにも出演しています。

片桐はいり

片桐はいりさんが『R100』内で演じた丸呑みの女王様は、インパクトのある容姿をしており、女王様の中でもトップクラスの危なさを醸し出しています。片桐はいりさんは、1963年1月18日生まれ、東京都大田区出身の女優で、代表作としては、映画『カモメ食堂』のミドリ役、『僕らのごはんは明日で待ってる』の山崎真喜子役などがあります。

佐藤江梨子

佐藤江梨子さんは、元グラビアアイドルのタレント・女優で、「サトエリ」の愛称で親しまれています。1981年12月19日生まれ、東京都出身。佐藤江梨子さんが演じた女王様のSMプレイはとても個性的で、映画内のSMプレイの中でもかなり特殊なものとなっています。佐藤江梨子さんの代表作には、映画『キューティーハニー』の主演・主演・如月ハニー役、『口裂け女』の主演・山下京子役などがあります。

渡辺直美

唾液の女王様役として、コミカルな演技とダンスを披露した渡辺直美さんは、本業はお笑い芸人ですが、女優としても活躍の場を広げています。ドラマ『カンナさーん!』では、主演・鈴木カンナ役を務めました。あまり知られていませんが、渡辺直美さんは台湾人の母親を持ち、1987年10月23日に台湾の新北市で生まれました。所属事務所はよしもとクリエイティブ・エージェンシーで、松本人志さんと同じ事務所になります。

渡部篤郎

渡部篤郎(わたべ あつろう)さんは、1968年5月5日生まれ、東京都新宿区出身の俳優です。『R100』内では、主人公・片山が入会したSMクラブ「club BONDAGE」を敵視し、片山を助ける謎の男・岸谷を演じました。渡部篤郎さんの代表作としては、映画『狗神』の奴田原晃役、ドラマ『警視庁いきもの係』の主演・須藤友三役などが挙げられます。

R100のあらすじネタバレ

あらすじ①女王様との逢瀬

タバコを咥えた気だるい雰囲気の女性が、トイレの個室から出て来ました。女性は洗面台の鏡の前に立つと、口紅を塗り、マスカラで睫毛を念入りに整え、煙草を吹かしました。化粧室のドアを蹴り開けた女性は、廊下を歩き、カフェの店内へ入っていきました。

彼女が席に座ると、テーブルを挟んだ向かい側の男性が話し始めました。男性の名は片山貴文と言いました。控えめな笑みを浮かべて話を続ける片山を、女性はじっと見つめます。片山の話が終わり、女性は微笑したかと思うと、突然長い脚で彼の頭を蹴り上げました。片山の持っていたティーカップは、その衝撃で傾き、窓に大量の液体が飛び散りました。片山はトイレの洗面台で鼻血を拭くと、店内から出て行った女性を追いかけます。

あらすじ②マゾヒストの片山

片山が女性に追いつくと、彼女は笑みを浮かべて、彼に強い蹴りを食らわせます。女性は、片山が階段から落ちたことを確認すると、羽織っていたコートを勢いよく脱ぎ、SMの女王様を象徴するボンテージ姿を披露しました。片山は、階段から転げ落ちたせいで、息も絶え絶えという状態でしたが、女王様の姿を見ると悦びの表情を浮かべました。片山はマゾヒストだったのです。

あらすじ③怪しいSMクラブ「ボンテージ」

片山がこのような扱いを受けているのには理由がありました。マゾヒストの片山は、「club BONDAGE」(以下ボンテージ)というSMクラブに入会し、多種多様な女王様から責められるプレイを満喫していたのです。ボンテージに一度入ると、1年間の契約が切れるまで、途中退会は認められません。何時・何処で女王様に襲われるのか分からない刺激的なプレイ内容は、片山の心を愉悦で満たしました。

あらすじ④家族に内緒で行われるプレイ

片山には息子がおり、仕事で帰りが遅くなる片山に代わって、優しい義父が息子の世話をする日もありました。大手の家具販売店で働く片山は、多忙な毎日を送りつつ、女王様とのプレイを楽しんでいました。女王様は、片山に油断する隙を与えません。彼女達は、寿司屋、公園、車内など、ありとあらゆる場所に出現し、彼を徹底的に責め続け、悦ばせるのでした。

あらすじ⑤重篤の妻を抱えつつもプレイに明け暮れる

片山の妻・節子は、遷延(せんえい)性意識障害という病気に陥り、病院で3年間昏睡状態で過ごしていました。医師からも治療の良いアドバイスは得られず、義父の喜一郎は、娘である節子の治療にあきらめを感じ、「延命治療を中止しよう」と、眠る娘を見て涙ながらに語りました。そんな中でも、SMプレイを続け、性欲を満たしている自分に嫌悪感を抱いた片山は、何とかクラブ・ボンテージから脱退せねばと考えます。

あらすじ⑥罪悪感からクラブの脱退を決意

重篤の妻を見て悲しむ義父の姿を目に焼き付けた片山は、帰宅後も鬱々とした顔をしていました。息子・嵐は、そんな父を見て、「何かあったの?」と優しい言葉をかけます。罪悪感は頂点に達し、片山は息子を抱きしめながら、ボンテージを脱退することを強く決意します。

あらすじ⑦非常識になっていくプレイ

その後、会社のトイレで用を足していた片山の元に一人の女王様が現れます。まさか職場に女王様が来るとは思っていなかったため、片山は動揺し、女王様に「会社にまで来るなんて!」と抗議します。しかし、女王様は「ドキドキしたいんだろう?」と言うと、何も気にしていない素振りで片山を鞭で叩き、その現場を片山の上司に見せつけます。片山の表情は困惑しつつも、悦びで満ちていました。

あらすじ⑧謎多き男との接触

片山が働く家具販売店の寝具コーナーに、一人の男性客が現れました。ベッドの寝心地を試したいと言う男性客は、売り物のベッドの上で大胆に寝転がり、さらに「二人で寝た時の状態も試したい」と、片山に要求をしました。片山が彼の隣に寝転がると、男性客は自らベッドの上から落下し、ベッドとベッドの隙間に体を入れました。片山は男性客を助けようと、姿勢を低くしますが、その瞬間、男性客から強く襟を掴まれてしまいます。

片山を捕らえた男性客は、突然ボンテージの危険性について語り始めました。彼は真剣な声で、「ボンテージは恐ろしい組織で、このままではアンタの家族が危ない」と片山に忠告しました。片山が一瞬目を離すと、男性客は消えていました。片山が帰宅すると、息子の嵐とボンテージの女王様が接触したことを知ります。家族の安否を危惧した片山は、ボンテージに電話し、「家族には近づくな」と抗議しました。

あらすじ⑨家族の前に現れる女王様

片山は妻・節子のお見舞いで病室を訪れます。しかし、片山が節子に話しかけている時、背後から女王様の声が聞こえました。女王様は片山の股間を蹴ると、彼の手首を背後で縛り、アイマスクを被せ、シャツのボタンを開きました。

赤い蝋燭で責めてくる女王様に抵抗しようとする片山でしたが、その瞬間、昏睡状態のはずである節子の声が聞こえ、ハッとなります。実は、その声の主は女王様で、彼女は他人の声を100%コピー出来る能力を持っていたのです。妻に見られているという疑似体験をした片山は、不覚にも快感を覚えてしまい、表情に悦びが現れてしまいます。

帰宅した後も女王様との戦いは待っていました。片山は突如現れた女王様の一人に縄で縛られ、息子・嵐にその姿を見られてしまいます。プレイを見てしまった嵐も縄で縛られ、天井に吊るされてしまいました。その後、もう一人の女王様が家に訪れ、過激な唾液プレイが施されました。しかし、その女王様が階段から転落死したことで、事態は大きく変わっていきます。

あらすじ⑩ボンテージとの対峙を決意

唾液の女王様が亡くなった後、片山はボンテージからの電話を受け取り、殺害の罪を着せられます。「家族に危害を加える」と言われた片山は、息子を車に乗せて家から逃げ出しますが、途中でボンテージの車と接触します。何とかカーレースに打ち勝った片山の元に、寝具コーナーで出会った謎の男が駆け付けました。

男性はボンテージのような反社会派勢力を滅するために、国から雇われた人物で、名を岸谷と言いました。岸谷は、ボンテージから襲撃を受ける片山を助けるために、彼の前に現れたのです。片山は岸谷のバイクを借り、山梨に住む義父・喜一郎を助けにバイクを走らせました。その場に残された岸谷は、片山の息子・嵐の拘束を解き、彼の妻・節子のいる病院へ彼女を助けに向かいました。

一方、ボンテージ側は怒りを露わにし、片山へ直接制裁を下すことを決定していました。ボンテージの中で一番憤怒していたのは、CEOのガタイの良い外国人女性で、片山潰しを本格的に行うために、シンガポールから日本へ自家用ジェットでやって来ました。

あらすじ⑪犠牲になっていく家族

片山の息子・嵐は、拘束を解かれ、岸谷と共に行動するはずが、ソワソワした様子でどこかへ消えてしまいます。嵐が山道をさまよっていると、一台の車が彼に接触しそうになり、彼は乗車していた男女から厳しく注意を受けます。嵐の顔には、父親とよく似た快楽の笑みが浮かんでいました。嵐も父と同じく、マゾヒストに目覚めてしまったのです。

片山の妻・節子の病室に駆け付けた岸谷でしたが、節子が肥大化した女王様の口に呑み込まれるという、この世のものとは思えない異常な光景を目にします。岸谷は女王に丸呑みされた節子を見て、驚愕と絶望のあまり絶叫しました。

あらすじ⑫CEOとの直接対決

片山が駆け付ける前に、義父・喜一郎も丸呑みの女王の餌食となっていました。義父を救えなかった片山は、義父の家にて、ボンテージのCEOと電話越しで話をしますが、論争になり、最終決戦「上級ボンデージコース」で決着をつけることが決まりました。

義父の家の前には、ボンテージの女性達が集まり、CEOも駆け付けていました。片山はそれらの軍勢を手榴弾で追い払い、CEOとの直接対決に持ち込みます。その光景はまさに戦争でした。

あらすじラスト:Sを身籠る片山

その後、CEOと1対1でプレイをした片山は、これまでに感じたことのない程の愉悦を感じました。片山は、マゾヒズムを追求するあまり、サディストに目覚めそうになっていましたが、対決したCEOは上級のサディストであったため、片山はひれ伏し、「S」つまりサディズムを胎内に身籠るのでした。

あらすじネタバレ:この映画は劇中劇だった

映画内では、数回に渡って映画関係者が登場します。終盤では「はい、もうダメ!」と言って、映画にツッコミを入れていきます。彼らは、「丸呑みはSMプレイではない」、「ボンテージって組織の目的が分からない」、「SMクラブにCEOがいるのは何故?」など、苦言を漏らします。

監督が描く世界に納得出来ない映画関係者達ですが、監督に逆らうことも出来ず、やむを得ず映画の視聴を続けます。そして、映画のラストシーンでは100歳の監督が、この作品を見て、片山の様な愉悦の笑みを浮かべるのでした。

R100は大コケで打ち切りだった?

『R100』のストーリーは、あらすじを見て分かるように、大衆向けの分かりすい内容ではなく、観る人を選ぶ非常にマニアックな物語となっています。シュールな作風を見て面白いと感じた人もいますが、面白くないと感じた人はその倍以上で、観客の半分以上は作品に魅力を感じませんでした。しかし、映画の内容だけが悪いわけではありません。ここでは、『R100』が大コケ、打ち切りと言われた理由を解説します。

大コケ打ち切りの理由①映画館がガラガラ状態だった

映画『R100』は、223箇所の映画館で上映されましたが、人を選ぶ内容である『R100』は、本来ならミニシアターなど、小規模でマニアックな映画を上映する施設で展開されるべきであったと言われています。しかし、『R100』が上映された映画館のほとんどは、大きくて広い一般的な映画館でした。

大きなシアター内はガラガラ状態に追い込まれ、収入的に見ても好ましくない状況へと陥ってしまいました。公開規模の大きさは、観客に映画を視聴するチャンスを与えましたが、一般向けではないその内容が邪魔をし、大きなシアターに少数の客という危機的状況を作り出してしまったのです。映画の上映は打ち切りとなり、興行収入も赤字の大コケとなってしまいました。

大コケ打ち切りの理由②言い訳がましいメタ表現

『R100』が劇中劇であることは、あらすじで触れましたね。思わずツッコまずにはいられないユニークな世界観が続く中、突然登場する映画関係者達。『R100』の試写会に訪れた彼らは、「この映画は何?」と苦言を漏らしています。松本人志さんは、何故このような「メタ表現」を映画に盛り込んだのでしょうか?

松本人志さんは、自身の映画の難解さをよく理解していると言われています。今までの映画も「何をしたいのかよく分からない」と観客に言われてきました。4作目となる『R100』の難解さはトップクラスとなり、他の作品よりも批難を浴びることは、松本人志監督にとっては想定内だったとされています。しかし、ここまで大コケするとは誰も考えていなかったでしょう。

ツッコミたい観客の不満を無くすために取られた策があります。それは、映画内で自虐を行うことでした。映画を劇中劇として描き、映画関係者に「この映画は理解しがたいものである」と言わせておけば、観客のツッコミや不満も少しは無くなるだろうという算段です。しかし、この方法は却って視聴者の怒りを買い、映画を打ち切りに追い込み、『R100』の劇中劇は、単なる「逃げ」であると言われてしまう結果となりました。

「難解である」という観客が抱く不満を想定出来たのであれば、それを無くす努力をすれば良かったのでは?と、不満を漏らす声も上げられています。むしろ劇中劇を全て無くすべきだったという意見も出ており、いずれにしろ、劇中劇という設定に関しては、厳しい見解が向けられています。

大コケ打ち切りの理由③豪華女優陣の無駄遣い?

『R100』には、バラエティ豊かで個性的な女優陣が出演していますが、この映画では、キャストの扱いについても論争がなされています。冨永愛さんは序盤のみに登場、片桐はいりさんはインパクトのある姿で後半に登場するもすぐに退場、渡辺直美さんは得意のダンスで魅せますが、登場後すぐに退場しました。

寺島しのぶさんも中盤に登場するも、その後は現れず。中盤の寿司屋のシーンで存在感を放つ佐藤江梨子さんも、後半には出て来ません。大地真央さんは登場回数こそ多いですが、後半になるとあっさり退場してしまいます。豪華女優陣の出演が大きく謳われていたこともあり、それを楽しみに観賞していた視聴者は、女優それぞれのオチや扱いを見て、落胆させられたことでしょう。

R100を観た感想や評価は?

映画館で打ち切り危機に瀕し、興行収入の面でも大コケした『R100』ですが、そんな中でも映画館へ観に行った観客、またはDVDなどを借りて観た人達はどのような評価を下したのでしょうか?ここでは、賛否両論を巻き起こした『R100』の感想と評価を紹介します。

感想・評価①コントの延長戦でしかない映画

『R100』はエンターテイメント作品であることは間違いないのですが、「映画というよりは、コントの延長線上の何かである」と、視聴者の感想で述べられています。「シュールな劇ならコントでも良いのでは?」、「狂気を描いているはずなのにコントに見えてくる」など、コントと絡ませた感想が目立ち、映画扱いをされていない印象を受けるといった感想が多く見受けられます。
 


感想の中には、「ダウンタウンの漫才みたい」というものもあり、松本人志さんがお笑い芸人であることも関係し、映画が漫才やコントと混ぜられる現象が起こっています。映画もコントも、ラストにはしっかりとオチがあるものですが、『R100』のオチはコント寄りと言っても過言ではないとされています。

感想・評価②観客の批判を受け付けない姿勢

『R100』の感想では、観客の批判を受けつけない姿勢への不満が多く寄せられました。映画が上映されると、評論家・観客から様々な批評を受けます。評価してもらえることもあれば、非難されることもあります。賛否両論、それが映画界では一般的だとされています。

しかし、『R100』は批判されることにとても敏感でした。今までの松本人志監督作品は、非難などはあまり気にしないスタンスを取っていましたが、『R100』に至っては、批判に対する「逃げの姿勢」が顕著に見られます。劇中劇でツッコミを入れたことによって、もう誰にも非難はさせないという監督の意志が、視聴者にも伝わって来ます。しかし、それが観客を怒らせる理由になったのは明らかだと言われています。

観客に喧嘩を売っている訳ではありませんが、自虐系の劇中劇、そして、「100歳を越えないと、この映画は理解出来ない(この映画内の100歳とは、映画を見る目がある人のこと)」という設定を盛り込んだことによって、「この映画を見て笑うことが出来ない人達はセンスがない、だから批判される覚えはない」と言っているように思われてしまったのです。

理解しがたい映画はどこでも存在しますが、ここまで否定的に見られてしまった映画は、珍しいかもしれません。視聴者に解釈を委ねる映画は他にも存在しますが、この高等な技術を披露するには、監督の技量がなければ無理だと言われています。

感想・評価③結局SMについて何が言いたかったのか

『R100』のテーマは「SM」となっています。確かに、映画内では、鞭などを用いたSMプレイが描かれています。しかし、ラストのSを身籠もった片山のお腹を見た視聴者は、「何だこれは」と思わずにいられなかったでしょう。メインの題材こそ「SM」ですが、それに特化した展開でもなければ、ラストに何かが分かるという訳でもありませんでした。

一応、SMを追求した結果が「Sを妊娠すること」だった訳ですが、これを本当の意味で理解した人は、松本人志監督以外にはいないでしょう。説明不足が災いし、「結局SMの何を描きたかったの?」という感想が生じる結果となりました。

感想・評価④松本人志の世界観がよく出ている

松本人志さんのファンであれば、映画の内容も分かるのでは?と思われた方もいるかもしれません。しかし、『R100』の解釈のしづらさは、『大日本人』など、他の松本作品よりもずば抜けて高く、ファンですら匙を投げる結果となっています。監督以外の誰にとっても難解な作品ではあるものの、松本人志さんが好きな人は、その個性的な世界観を楽しみ、「解釈しようと努めた」とコメントしています。

楽しめなかったファンもいた中、必死に理解しようとしたファンがいたことは、監督にとって喜ぶべきことだったと言えるでしょう。「理解は出来なくても、映画を観てるだけでも楽しめた」と述べる人もおり、全てが否定的な意見ではないようです。

感想・評価⑤打ち切り&大コケにめげずに頑張ってほしい

松本人志さんが、『R100』で味わった屈辱を晴らす時を、楽しみにしているファンも存在しています。何度大コケしようとも松本人志さんは、めげてはいないと言われています。赤字で苦しんでいるのは、スポンサーの吉本興業というのが真実ですが、松本人志監督の続編を待ち望んでいるファンもいます。今後、映画制作があるかないかは、まだ明らかになっていません。

R100(松本人志監督映画)のあらすじや評価まとめ

今回は、松本人志監督の映画『R100』のあらすじと評価を中心に紹介しました。映画館での上映打ち切り危機、興行収入の赤字大コケ騒動など、映画『R100』を巡った話題は刺激的なものばかりです。「非常に難解な内容の映画である」と評価される『R100』ですが、もし気になったのであれば実際に観賞し、その独創的過ぎる世界観を自分ならどう評価するか、是非お試しください!

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