オリエント急行殺人事件のネタバレあらすじ!ラストの結末・感想を解説

「オリエント急行殺人事件」は世界中に多くのファンを持つミステリーの女王、アガサ・クリスティの小説が原作です。2017年公開の「オリエント急行殺人事件」は監督と主演を英国の俳優ケネス・ブラナーが務める他にミシェル・ファイファーら豪華な俳優陣と共に話題になり、世界中で大成功を収めました。オリエント急行殺人事件のあらすじや結末のネタバレ、キャストや感想などをたっぷりご紹介します。あらすじにはポアロの推理に関するネタバレも含みますのでご注意ください。

オリエント急行殺人事件のネタバレあらすじ!ラストの結末・感想を解説のイメージ

目次

  1. 全世界大ヒット映画!オリエント急行殺人事件をネタバレ解説
  2. オリエント急行殺人事件の作品情報
  3. オリエント急行殺人事件のキャスト紹介
  4. オリエント急行殺人事件のあらすじをネタバレ
  5. オリエント急行殺人事件の犯人と結末をネタバレ
  6. オリエント急行殺人事件の感想は?
  7. オリエント急行殺人事件のあらすじや結末ネタバレまとめ

全世界大ヒット映画!オリエント急行殺人事件をネタバレ解説

「オリエント急行殺人事件」というタイトルは聞いたことがあるという方も多いでしょう。「オリエント急行殺人事件」はアガサ・クリスティの作品の中でも多くのファンを持つ名作であり、クリスティの代表作の一つに挙げられる作品です。映画「オリエント急行殺人事件」は原作を読んだことがある方もない方も楽しめる作品になっています。作品のネタバレを含むあらすじや結末、感想をご紹介します。

映画『オリエント急行殺人事件』オフィシャルサイト| 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント

オリエント急行殺人事件の作品情報

映画「オリエント急行殺人事件」(Murder on the Orient Express)の基本情報について、監督や原作者であるアガサ・クリスティ、またもう一つの映画「オリエント急行殺人事件」などを見ていきます。

監督はケネス・ブラナー

映画「オリエント急行殺人事件」は2017年公開のハリウッド映画です。監督のケネス・ブラナーは英国を代表するシェイクスピア俳優であると共に、数々の映画を撮ってきた監督でもあります。映画「から騒ぎ」(1993年)や映画「ハムレット」(1996年)のように監督と主演を兼ねることも多く、「オリエント急行殺人事件」でも監督と主演を務めています。

脚本はマイケル・グリーン

映画「オリエント急行殺人事件」の脚本を書いたのは、脚本家・プロデューサでユダヤ系アメリカ人のマイケル・グリーンです。マイケル・グリーンは代表作にドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」(1998年)やドラマ「HEROES」(2006-2007)などがあります。

原作者はアガサ・クリスティ

映画「オリエント急行殺人事件」の原作者は「ミステリーの女王」と呼ばれる英国人作家、アガサ・クリスティです。小説「オリエント急行殺人事件」は1934年に刊行されており、1932年にアメリカで起きた飛行家リンドバーグの愛児誘拐殺人事件に着想を得たと言われています。小説「オリエント急行殺人事件」は主人公エルキュール・ポアロのシリーズとしては8作目にあたります。

オリエント急行殺人事件の映画化は二度目

オリエント急行殺人事件が映画化されるのは二度目になります。一度目は1974年にアルバート・フィニーがポアロを演じたもので、ショーン・コネリーやイングリッド・バーグマン、ローレン・バコールといった豪華キャストが出演しました。1974年公開の映画「オリエント急行殺人事件」はアカデミー賞や英国アカデミー賞で助演女優賞(イングリッド・バーグマン)など多くの賞を受賞しています。

原作との違いのネタバレを紹介

映画「オリエント急行殺人事件」のあらすじや結末は大筋として原作と同じですが、人物設定など違っている部分もあります。ジョニー・デップ演じたラチェットは原作では「60歳代の柔和そうな老人」ですし、映画での医師アーバスノットは原作では「大佐」となっています。またペネロペ・クルスが演じたエストラバドスは原作には登場しないキャラクターで、ポアロシリーズの他の作品の登場人物を借りてきたものになります。

次回作のネタバレ

映画「オリエント急行殺人事件」の次回作についてのネタバレをご紹介します。「オリエント急行殺人事件」のラストシーンのネタバレになりますのでご注意ください。事件を解決し、列車を降りたポアロの元に次の依頼人が待ち構えています。依頼人による「エジプトのナイル川で事件が起きた」という話が続編を匂わせていました。ケネス・ブラナーによるとクリスティの「ナイルに死す」を制作する予定だということです。

オリエント急行殺人事件のキャスト紹介

オリエント急行殺人は錚々(そうそう)たる実力派俳優が一堂に会したことで話題になりましたが、その豪華キャストについてご紹介します。

エルキュール・ポアロ/ケネス・ブラナー

監督と同時に主人公エルキュール・ポアロを演じたケネス・ブラナーはCBE(大英帝国三等勲爵士)を受章している英国人俳優であり、監督・脚本家・プロデューサーです。ケネス・ブラナーはチャールズ皇太子がパトロンであるルネサンス・シアター・カンパニーという劇団の創立者の一人で、現代のシェイクスピア俳優の代表的な存在です。

「ヘンリー五世」(1989年)ではアカデミー賞の監督賞と主演男優賞にノミネートされたこともあり、監督としての代表作は「マイティ・ソー」(2011年)「シンデレラ」(2015年)などがあり、監督と主演を兼任することも多いです。20世紀初頭の名優であり希代のシェイクスピア俳優だったローレンス・オリビエの再来とも呼ばれ、映画「マリリン7日間の恋」ではローレンス・オリビエ役を演じました。

エドワード・ラチェット/ジョニー・デップ

富豪エドワード・ラチェットを演じたのは、アメリカ人俳優でありミュージシャンのジョニー・デップです。ジョニー・デップはニコラス・ケイジの勧めで俳優の道に目覚め、1990年公開の映画「シザーハンズ」で一躍有名になりました。その後「ギルバート・グレイプ」(1995年)や「ショコラ」(2000年)「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズや「ネバーランド」(2004年)など多くの映画に出演しています。

ジョニー・デップは映画監督ティム・バートンとタッグを組むことが多く、出世作「シザーハンズ」の他にも「エド・ウッド」「スリーピー・ホロウ」「チャーリーとチョコレート工場」「スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師」「アリス・イン・ワンダーランド」などで主演を務めています。モデルで女優のリリー=ローズ・メロディ・デップはヴァネッサ・パラディとジョニー・デップの長女です。

ドラゴミロフ公爵夫人/ジュディ・デンチ

存在感あるドラゴミロフ公爵夫人を演じたのは「デイム」(男性のSirにあたる敬称)ジュディス・オリビア・デンチ、英国の大女優ジュディ・デンチです。1934年生まれのジュディ・デンチはロイヤル・シェイクスピア・カンパニーのメンバーであり、数多くの賞を受賞しています。イギリスのスパイ映画「007」シリーズではMI6の局長「M」として12年間出演し世界的に有名になりました。

ジュディ・デンチは「恋に落ちたシェイクスピア」でアカデミー助演女優賞、「Queen Victroa 至上の恋」でゴールデングローブ主演女優賞、英国アカデミー賞を7回受賞の他ノミネートされた映画も数多く、人気・実力共に押しも押されぬ名女優なのです。

エドワード・ヘンリー・マスターマン/デレク・ジャコビ

ラチェットの有能な執事マスターマンを演じたデレク・ジャコビは1938年生まれの英国人俳優です。デレク・ジャコビもケネス・ブラナーと同じく、俳優としての偉業が認められてCBE(大英帝国三等勲爵士)を受章しています。ケネス・ブラナーはデレク・ジャコビのシェイクスピア劇に憧れて俳優を目指したと言われています。

デレク・ジャコビはテレビ映画「シラノ・ド・ベルジュラック」やテレビドラマシリーズ「修道士カドフェル」、BBCのドラマ「この私、クラウディウス」などが代表作です。また映画「英国王のスピーチ」「グラディエーター」などにも出演しています。

キャロライン・ハバード/ミシェル・ファイファー

ハバード夫人を演じたミシェル・ファイファーは1958年生まれで、ピープル誌の「世界で最も美しい人物」に2度選ばれたこともある美人女優です。「危険な関係」(1988年)「恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」(1989年)「ラブ・フィールド」(1992年)などの代表作があります。ゴールデングローブ賞やベルリン国際映画祭女優賞ほか、多くの賞を獲得している演技派女優でもあります。

ピラール・エストラバドス/ペネロペ・クルス

原作ではスウェーデン人女性グレタ・オルソンにあたるピラール・エストラバドスを演じたのはスペイン人女優ペネロペ・クルスです。ペネロペ・クルスはラテン系女優として成功した人物で、ウディ・アレン監督の映画「それでも恋するバルセロナ」でアカデミー助演女優賞をスペイン人女優としては初めて受賞しました。スペイン語の他に英語、イタリア語、フランス語にも堪能で、語学力を生かし国際的に活躍しています。

また2006年の映画「ボルベール<帰郷>」も高い評価を受けており、カンヌ国際映画祭女優賞、ヨーロッパ映画賞女優賞、英国エンパイア映画賞女優賞などを受賞しています。

ゲアハルト・ハードマン/ウィレム・デフォー

人種的偏見に満ちたゲアハルト・ハードマン教授を演じたのは、アメリカの俳優ウィレム・デフォーです。ウィレム・デフォーは映画「プラトーン」が出世作であり、「最後の誘惑」「イングリッシュ・ペイシェント」「スパイダーマン」など多くの映画に出演しています。

ウィレム・デフォーは主役はもちろんのこと、印象的な端役もこなす幅広い演技が認められています。ジョニー・デップとは映画「クライ・ベイビー」や「レジェンド・オブ・メキシコ」で共演しています。

メアリ・デブナム/デイジー・リドリー

聡明な家庭教師メアリ・デブナムを演じたのは英国の女優デイジー・リドリーです。デイジー・リドリーは1992年生まれ、2015年公開の映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」で主人公のレイを演じて世界的に有名になりました。アニメ映画「おもひでぽろぽろ」の声優を務めるなど、日本との関わりもある女優です。2017年の映画「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」にも出演しています。

ブーク/トム・ベイトマン

国際寝台車会社の重役でありポアロの友人であるブークを演じたのはトム・ベイトマンです。トム・ベイトマンは1989年生まれのイギリス人俳優で、イギリスのドラマ「ジキルとハイド」「ダヴィンチと禁断の謎」などに出演しています。ケネス・ブラナーの劇団に所属し舞台に立っている他、2017年の映画「クレイジー・バカンスついてない女たちの南国旅行」にも出演しています。

エレナ・アンドレニ伯爵夫人/ルーシー・ボイントン

エレナ・アンドレニ伯爵夫人を演じたのはアメリカ生まれ、英国籍の女優ルーシー・ボイントンです。ルーシー・ボイントンは2006年公開の映画「ミス・ポター」でレネー・ゼルウィガーの少女時代を演じたのがデビュー作です。映画「ライ麦畑の反逆児ひとりぼっちのサリンジャー」やイギリスのロックバンドクィーンの伝記的映画「ボヘミアン・ラプソディ」などに出演しています。

ルドルフ・アンドレニ伯爵/セルゲイ・ポルーニン

激高しやすい愛妻家ルドルフ・アンドレニ伯爵を演じたのは、1989年生まれでウクライナのバレーダンサーであり俳優・モデルのセルゲイ・ポルーニンです。セルゲイ・ポルーニンはフランシス・ローレンス監督の2018年の映画「レッド・スパロー」にも出演しています。映画「オリエント急行殺人事件」でもダンサーという設定でしたが、「レッド・スパロー」もバレエダンサーにまつわるストーリーになっています。

アーバスノット医師/レスリー・オドム・jr

医師アーバスノットを演じたのはニューヨーク生まれのシンガー・俳優であるレスリー・オドム・ジュニアです。レスリー・オドム・ジュニアは2016年舞台「ハミルトン」でトニー賞のミュージカル主演男優賞を獲得しています。ドラマシリーズ「パーソン・オブ・インタレスト」や「CSI」などにゲスト出演をしていますが、映画デビュー作品は「オリエント急行殺人事件」です。

ヘクター・マックイーン/ジョシュ・ギャッド

ラチェットの部下ヘクター・マックィーンを演じたのはアメリカ人俳優・コメディアンのジョシュ・ギャッドです。「ER緊急救命室」や「NUMBERS天才数学者の事件ファイル」などのテレビドラマや映画「僕のワンダフルライフ」「美女と野獣」他映画にも出演しています。2013年のディズニー映画「アナと雪の女王」ではオラフ役の声優を務めアニー賞の声優部門で受賞しています。

ヒルデガルデ・シュミット/オリヴィア・コールマン

ドラゴミロフ公爵夫人のメイド、ヒルデガルデ・シュミットを演じたのはオリヴィア・コールマンです。オリヴィア・コールマンは1974年生まれのイギリスの女優で、テレビドラマシリーズ「ナイト・マネジャー」でエミー賞の助演女優賞を獲得しています。また2018年の映画「女王陛下のお気に入り」でヴェネツィア国際映画祭女優賞を受賞しました。

ビニアミノ・マルケス/マヌエル・ガルシア=ルルフォ

自動車のセールスマンであるビニアミノ・マルケスを演じたのは、メキシコ生まれの俳優マヌエル・ガルシア=ルルフォです。映画「Bless Me,Ultima」やテレビドラマシリーズ「フロム・ダスク・ティル・ドーン」への出演で知られています。またマヌエル・ガルシア=ルルフォは「荒野の七人」のリメイクである2016年の映画「マグニフィセント・セブン」に出演しています。

オリエント急行殺人事件のあらすじをネタバレ

オリエント急行殺人事件の基本情報やキャストについて見てきましたが、次に映画のあらすじをネタバレしていきます。あらすじには映画の結末に関するネタバレもありますので未見の方はご注意ください。

エルサレムにある「嘆きの壁」シーンのあらすじ

時は1934年、エルサレムにある「嘆きの壁」を舞台に映画は始まります。「嘆きの壁」はB.C.20年に作られたエルサレム神殿の一部で、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の聖地であり、礼拝・祈りの場所として知られています。嘆きの壁にはラビ(ユダヤ教の指導者)と神父、イマーム(イスラム教の指導者)が貴重な遺物を盗んだ容疑者として立たされ、英国警察から依頼された探偵エルキュール・ポアロが真犯人を突き止めます。

ポアロの謎解きのネタバレ

冒頭部分でポアロが二つの卵が同じ大きさでないと食べないと言って少年を何度か往復させるシーンがあります。「物事があるべき姿であること」にこだわるポアロらしいエピソードですが、実はこの待っている間に真犯人であり依頼人である英国警察の男の部屋で盗品を探させていたのです。「この世には善と悪しかない」とするポアロの持論が展開され、ポアロは休暇の旅に出ます。

家庭教師メアリ・デブナム

船着き場でポアロは美しい家庭教師メアリ・デブナムと出会います。英語でポアロのファーストネームは「ヘラクレス」と読みますが、「ヘラクレスではなくエルキュール」と訂正する一連のお約束的なやりとりが交わされます。メアリと黒人医師が船上で訳ありげな会話を交わしていたのをポアロは耳にします。

国際寝台車会社の重役ブーク

イスタンブールで休暇を楽しんでいたポアロは、友人であり国際寝台車会社の重役ブークと再会します。英国領事館から事件解決の依頼を受けたポアロは、オリエント急行に責任者として乗るというブークと共に旅することになります。慌ただしい構内の人ごみの中でオリエント急行に乗る乗客たちの姿が映し出され、ポアロも列車に乗り込みます。

殺人事件が起きるまでのあらすじ

殺人事件が起きるまでは、乗客たちの性格や立場がどのようなものであるかの描写が続きます。オリエント急行に乗っている乗客はポアロを入れると15人、そして車掌のミシェルで16人になります。

富豪だが品がなくいかにも悪徳商人風のラチェット、ラチェットの部下で酒好きのマックィーン、ラチェットの執事マスターマン。奔放そうなブロンド未亡人ハバード夫人、宣教師で酒を飲まないエストラバドス、威厳ある公爵夫人ドラゴミロフ公爵夫人とそのメイド、シュミット。人種差別を公言するハードマン教授に家庭教師メアリと医師アーバスノット、愛想のいいラテン系男性マルケスとアンドレニ伯爵夫妻。

ラチェットはポアロに近づき、商売上の理由で脅迫されているので護衛をしてほしいと頼みますがポアロは断ります。ラチェットが脅迫されているのは顧客に偽物を売りつけたためだと見抜いていたのです。ポアロは客室で想い人カトリーヌの写真を眺め、愛読書であるディケンズの小説を読んでいた夜に事件は起こりました。

ラチェット殺人事件のあらすじ

ラチェットの部屋でガラスが割れる音が聞こえ、車掌のミシェルが声をかけますが「なんでもない」と返事があります。その後ハバード夫人の呼び鈴が鳴り、赤い着物をガウンのように羽織った人物が走り去ります。雪崩により列車は脱線し停車しますが、ポアロたちはラチェットが刺殺されているのを発見します。ラチェットはナイフで12か所も刺され死亡していたのです。

マックィーンのアリバイ

ポアロは列車の脱線が復旧し、警察がやってくる前に事件を解決してほしいとブークに頼まれます。ポアロはマックィーンのアリバイを訪ね、マックィーンはアーバスノット医師と一緒にいたと話します。マックィーンのはマルケスが怪しいと疑っていました。ポアロはマックィーンが12か所も刺すような人物には見えないと感想を漏らします。

犯行現場の遺留品ネタバレ

ラチェット殺害の犯行現場には多数の証拠品と思われる物があり、ポアロは「多すぎる」と感想を述べます。1時15分で止まった時計、睡眠薬バルビタールが入ったコーヒー、Hの文字が刺しゅうされた婦人用の高級ハンカチ、パイプクリーナー。そして灰皿に残された焼かれた紙切れには「強い地で血を染めたお前は死ぬ」という謎の言葉が書かれていました。

ラチェットの正体と過去の事件のあらすじ

ポアロは紙切れをヒントに、ラチェットの本名がカセッティであることに気が付きます。2年前高名なパイロットであるアームストロング大佐と妻ソニアの一人娘であるデイジーが誘拐され殺された事件の犯人がラチェットだったのです。身代金を支払ったにも関わらずデイジーは殺され、妊娠中だったソニアは悲嘆のあまり亡くなります。そして妻子に先立たれたアームストロング大佐は拳銃自殺をするという悲惨な結末でした。

マスターマンとエストラバドスのアリバイ

ポアロはマスターマンが米国へ行ったことがないと言った言葉が嘘だと見抜きます。9時ごろラチェットにコーヒーを持って行ったマスターマンは、コーヒーに睡眠薬を入れるのは自分でなくても可能であると潔白を主張します。エストラバドスはアスピリンをもらいに行ったとき間違えてラチェットの部屋を開けたと証言し、メアリ・デブナムは部屋から出ていないと断言します。

ハードマン教授とマルケスのアリバイ

ハードマン教授はトゥーリングで会議があることと、イタリア人やスペイン人たちを差別する言葉を吐きます。マルケスはキューバで脱獄した後米国に移住したことと、同室のマスターマンが朝まで寝ていたと証言します。コーヒーに睡眠薬を入れ殺害したのがマスターマンではないかという疑惑はマルケスの証言で打ち消されます。

メアリ・デブナムと公爵夫人

メアリ・デブナムはアーバスノット医師との関係をポアロに問われますが秘密を話しません。公爵夫人は0:45にメイドのシュミットに腰のマッサージを頼んだと言い、公爵夫人とシュミットのアリバイがあることになります。公爵夫人は殺されたデイジーの名付け親だということ、ソニアの母リンダ・アーデンが引きこもっていることがわかります。

マックィーンへの疑惑と潔白へのあらすじ

マックィーンが列車から逃走し帳簿を燃やしたことで、ラチェット殺害の犯人ではないかと疑われます。横領はしたが殺していないと主張するマックィーンに、アーバスノット医師が確かに2時まで自分と飲んでいたとアリバイを証言します。ラチェットの部屋に落ちていたパイプクリーナーと同じものを持っているアーバスノット医師ですが、決定的な証拠とはなりません。

マックィーンの父はアームストロング事件を担当した検察側の責任者であり、無実のメイドスザンヌを自殺に追い込んでしまった過去があったのです。メイドの自殺の後にカセッティが犯人として浮かび上がり、マックィーンの父は批判されて失脚してました。マックィーンがラチェット=カセッティ殺しの犯人かと思われた矢先、ハバード夫人が刺される事件が起きます。

アンドレニ伯爵夫妻とハードマンの正体

アンドレニ伯爵夫人はアームストロング大佐の妻ソニアの妹でした。女優リンダ・アーデンがソニアの母だと推理したポアロは、ハードマン教授が正体を偽っていることを暴きます。ハードマンはピンカートン探偵者に30年務めている探偵だと言いますがポアロは元警官だと見抜き、一晩中ラチェットの部屋の前を誰も通らなかったと言うハードマンの証言の真偽を考察します。

メアリ・デブナムとアーバスノットの正体

メアリはかつてアンドレニ伯爵夫人の家庭教師でした。ポアロはメアリがアンドレニ伯爵夫人の為にラチェットを殺したのではないかと問い詰めますが、アーバスノット医師が現れてポアロの右腕を撃ちます。アーバスノット医師はアームストロング大佐の親友であり部下だった上、医学部に通わせてくれた恩義があったのです。アーバスノットはポアロを殺し自分が全ての罪を背負うと言いますが、駆けつけたブークに取り押さえられます。

ポアロの推理のあらすじ

ポアロは真相を突き止めます。ポアロは鉄道員たちを遠ざけると列車を降り、殺されたラチェットとアリバイが確かなブーク以外の乗客と車掌合わせて12人たちの前に姿を見せます。ポアロはこの事件の推理が二つあると言い、一つ目の推理は事実に反する部分があるが二つ目の推理はあまりに複雑であると前置きするのです。

第一の推理は、マックィーンたちが散歩をしている隙にマフィアが忍び込み制服姿でラチェットを刺したというものでした。ラチェット殺害後合鍵でハバード夫人の部屋を通り逃げ出したという結末です。しかしこの推理は穴だらけであり、矛盾に満ちたものでした。第二の推理は12人の中に犯人がいるという推理です。12人は全員アームストロング事件の関係者であり誰が犯人でもおかしくないのです。

オリエント急行殺人事件の犯人と結末をネタバレ

オリエント急行殺人事件のあらすじをご紹介してきましたが、ではラチェットを殺害した犯人は誰なのか、映画の結末はどうなるのか?という物語の核心部分について見ていきます。

犯人と犯行の手順

ラチェットを殺害したのは12人全員だったのです。12か所の傷に一貫性がなかったのは刺したのが全て違う人間だったからでした。12人でラチェットを刺殺した後ハバード夫人が窓を開け脅迫状を燃やし、車掌ミシェルのドア越しの問いかけに「何でもない」と答えます。赤い着物を着たのはメアリであり、車掌の制服を隠したりしたのはポアロの目をごまかすための即興でした。

犯人たちの動機

ハバード夫人が計画を立て、12人で協力してアームストロング一家の仇を討ったのです。ハバード夫人がソニアの母、アンドレイニ伯爵夫人がソニアの妹、アンドレイニ伯爵夫人の家庭教師がメアリで誘拐されたデイジーの乳母がエストラバドスでした。アーバスノットは大佐に恩義があり、マルケスはアームストロング家の運転手かつ事業を後押ししてもらった恩義があります。

マックィーンはアームストロング事件の検察官を父に持ち、自殺したメイドは車掌ミシェルの妹です。ミシェルの恋人がハードマンで公爵夫人はデイジーの名付け親、そしてシュミットはアームストロング家の元料理人だったのです。マスターマンは大佐の従者でした。全員がラチェット殺害のために列車に乗り込んだのですが、雪崩が起きたこととポアロが乗車していたことが予想外の出来事でした。

推理の結末

真犯人を突き止めたポアロは、真実を明かされたくなければ自分を殺せと申し出ます。しかしハバード夫人は自分が全ての罪を追うと言って自殺しようとし、ポアロの銃に弾が入っていないことに気づきます。世の中には悪と善しかないという善悪二元論者だったポアロは「正義」とは何か悩みます。そして警察には「第一の推理」を告げ、12人の罪を弾劾しないと決めるのです。

オリエント急行殺人事件の感想は?

意外な人物が犯人だという結末を迎えた「オリエント急行殺人事件」でしたが、映画を観た方たちの感想はどういうものでしょうか。様々な感想があるようですが、ご覧になった方たちの感想の一部分をご紹介します。

色あせない原作と豪華キャストが魅力

名作は時代を超えると言いますが、数十年も前の原作であることに驚いたという感想も多いようです。実力派俳優たちが揃い踏みした映画ということで評価されています。

結末が衝撃的!

原作が公開された当時も「全員が犯人」という斬新な結末が衝撃的だったようですが、やはり映画をご覧になった方も結末部分に驚いたという感想があります。誰が犯人なのか推理しながら鑑賞するのはミステリ映画の醍醐味ですが、「オリエント急行殺人事件」の結末は意外な結末として有名です。

結末は知っているけれど面白い

有名なストーリーですので、既に結末を知っていてご覧になった方もいらっしゃいます。結末を知っていてもなお面白いという感想が出てくるのは原作と映画化スタッフ・キャストたちの素晴らしさを物語っています。

前作との違い

オリエント急行殺人事件の前作をご覧になっている方は、映画の作りの違いを楽しんだという感想も見られます。特に主人公ポアロの見た目やアクションシーンが違いますし、テレビドラマシリーズでポアロを演じたデビッド・スーシェとの違いを感想に書かれる方も多いです。

鉄道ファンも満足する映画

オリエント急行殺人事件は蒸気機関車が映画の舞台ということで、鉄道ファンの方は列車の外観の美しさや内装、また外の景色が素晴らしいという感想を書かれています。映画「オリエント急行殺人事件」はいろんな視点での感想を持たれる映画です。

現代との違い

原作が出版されたのが1934年ということで、映画の中に出てくるトリックが現代では使えないという感想もありました。当時の状況であれば、ポアロがいなければ完全犯罪が成り立つということに興味を覚えるという感想もあります。

クローズド・サークルの設定が面白い

オリエント急行殺人は、推理小説の中で「クローズド・サークル」という「外界と隔離された状況で起きる犯罪」にあたります。ミステリ愛好家には「クローズド・サークル」の設定を好む方も多いので、その部分に惹かれるという感想もあります。

オリエント急行殺人事件のあらすじや結末ネタバレまとめ

映画「オリエント急行殺人」のネタバレやあらすじ、結末についてや映画を観ての感想についてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。犯人や結末が意外だということで有名な作品ですが、犯人を知らずに見れば「誰が犯人なのか?」と推理しながら楽しめますし、既に結末を知っている方はトリックの破綻に気づきながら観ることができます。前作や原作を未見の方は、是非併せてご覧になってはいかがでしょうか。

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