NHKドラマ・遥かなる山の呼び声の感想ネタバレ！キャストやあらすじ・再放送は？

NHKドラマ遥かなる山の呼び声は、NHK BSプレミアムで2018年11月24日に放送されたスペシャルドラマです。北海道東部の酪農の町、中標津の牧場に暮らす母子と警察に追われてやって来た男との出会いと別れを描きます。1980年に公開された名作映画「遙かなる山の呼び声」を原作として、映画で監督・脚本を担当した山田洋次監督が脚本を手掛けました（坂口理子との共同脚本）。

ドラマ遥かなる山の呼び声で脚本を担当した山田洋次は、1931年9月13日生まれの映画監督で脚本家、演出家です。1961年「二階の他人」で監督デビューすると、その後は「馬鹿まるだし」などの人情喜劇を次々に発表。なかでも「男はつらいよ」シリーズは1969年の開始から27年間に48作が制作される大人気シリーズとなりました。盆と暮れに公開される同作は、日本人の風物詩と言われるまでになりました。

他方、山田監督はキネマ旬報ベストテン入賞や日本アカデミー賞受賞の常連であり、多年の功績に対し1996年紫綬褒章、2002年勲四等旭日小綬章、2012年文化勲章が授与されました。

ここからは、NHKドラマ遥かなる山の呼び声の登場人物とキャストを紹介していきます。まず、バイクで北海道をツーリングする孤独を愛する大柄の男、主人公の田島耕作。途中嵐に遭うものの風見吉雄に助けられ命を救われます。

そんな寡黙な男、田島耕作役のキャストは、1964年6月22日生まれの俳優・阿部寛です。身長は189cm。1987年映画「はいからさんが通る」で俳優デビューを飾ります。その後低迷期を経て、1995年NHK大河ドラマ「八代将軍吉宗」に出演。以後は時代劇にも活躍の場を広げます。さらに2000年のドラマ「TRICK」や2006年ドラマ「結婚出来ない男」で主演を務めます。

2012年には映画「テルマエ・ロマエ」で古代ローマの浴場設計技師を演じてヨコハマ映画祭主演男優賞、ブルーリボン賞主演男優賞、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞します。その後もTBSドラマ「下町ロケット」で主演を務めるなど数々の話題作に出演しています。

北海道で義父と共に牧場経営をする傍ら、グラスフェッドミルクで新商品の開発に携わる遥かなる山の呼び声のヒロイン・風見民子。

ヒロイン・民子役のキャストは、1972年4月30日生まれの女優・常盤貴子です。 1993年ドラマ「悪魔のKISS」でサラ金返済のため風俗嬢に転落する女子大生役を演じ注目されます。その後、2000年ドラマ「ビューティフルライフ」で主演、ドラマは平均視聴率30%を超える大ヒットを記録します。映画でも2004年「赤い月」に主演、日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞しました。

北海道・道東に不動産から新規事業まで幅広く展開する実業家の虻田太郎。未亡人の民子と親しくなりプロポーズします。そんな虻田太郎役のキャストは、1962年8月10日生まれの俳優・筧利夫です。

1992年TBSドラマ「ホームワーク」への出演を機に注目を浴びます。そして映画「寝盗られ宗介」で高崎映画祭最優秀新人賞を受賞。その後は、ドラマ「踊る大捜査線」の管理官役が当たり役となり、メジャー入りを果します。その他、NHKのドキュメンタリー番組でナレーターを務めたり、出身母体である「劇団☆新感線」やつかこうへい演出の舞台にも出演するなど幅広く活躍しています。

「遥かなる山の呼び声」ヒロイン・民子の一人息子・武志。内向的な性格でしたが、耕作との出会いを通じて少しづつ自分の殻を破り始めます。そんな風見武志役のキャストは、2009年4月14日生まれの子役俳優・佐藤優太郎です。

2014年BS日テレの「それいけ！アンパンマンくらぶ」でレギュラーを務め芸能界デビューします。2016年映画「星ガ丘ワンダーランド」や2018年BSジャパンのドラマ「極道めし」では主人公の幼少役を演じたり、2018年「友罪」では少年役として出演しています。

風見吉雄の妹・大沢鈴江は、民子が困ったとき親身になってくれる叔母さんでもあります。この鈴江を演じるキャストは、1954年10月11日生まれの女優で声優、タレントの高畑淳子です。

短大卒業後「青年座」に入団し舞台デビューします。その後、撮映画作品を中心に活躍、1989年「仮面ライダーBLACK RX」の悪役・マリバロンで人気者になります。1995年「3年B組金八先生」シリーズに養護教員役でレギュラー出演。2003年ドラマ「白い巨塔」が評価され以降バラエティでも引っ張りだことなります。

また、声優としても活躍、とりわけ「刑事コロンボ」のフェイ・ダナウェイや映画「エリザベス」でのケイト・ブランシェットら大物女優の吹替えが有名です。2014年には長年の女優として功績が認められ紫綬褒章を受章しています。

完全放牧を標榜し北海道・中標津で酪農を営む風見吉雄。そんなヒロイン・民子の叔父、風見吉雄を演じるキャストは、1951年10月19日生まれの俳優・中原丈雄です。

大学卒業後劇団未来劇場に所属し、演劇俳優としてデビューします。その後、テレビや映画界にも進出。テレビドラマでは、2003年の「白い巨塔」や2014年NHK連続テレビ小説「花子とアン」、映画では1992年「おこげ」や2003年の「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」などに出演しています。

ここからは遥かなる山の呼び声のあらすじをネタバレ有りでお届けします。ドラマの舞台は、北海道の東部に位置する根釧原野にある中標津です。主人公の一人、風見民子は一人息子の武志を女手一つで育てながら、亡夫の残した土地で酪農を営んでいます。

嵐の夜、泊まるところを一人の大男が訪ねてきます。不憫に思った民子は、その見知らぬ男を納屋に泊めてあげることにします。丁度その時、牛が産気づき、男は民子の手伝いを買って出ます。そして夜が明けると、男は去っていきました。

酪農の仕事に家事と一人できりきり舞の民子のもとに、再びあの男が訪ねてきます。そして、民子に働かせて欲しいと頼みます。突然の訪問と申し出に戸に惑う民子でしたが、猫の手も借りたいことから雇うことにします。その男は名前を田島耕作と言い、嵐の晩と同じ納屋で寝起きし働き始めます。寡黙で打ち解けようとしない耕作に、民子はよそよそしく対応しますが、息子の武志は懐いていきました。

あらすじ解説を続けます。気丈に牛飼いの仕事を続ける民子でしたが、そんな彼女に北海料理店を営む虻田という男が言い寄ってきます。虻田の強引なアプローチを嫌がる民子を救ったのが田島耕作でした。耕作は虻田兄弟と力で対決します。結果は耕作の圧勝。虻田は一転、耕作を兄貴と呼び慕うようになります。

年に一度行われるイベント、草競馬がやって来ました。耕作は民子のユカという馬に乗って出場します。ところが、観衆の中に耕作を見つめる一人の男がいました。眼光の鋭さが際立つその男は、耕作を追ってきた刑事でした。

刑事の追及に意を決した耕作は、その夜民子に全てを話します。2年前、耕作の妻が借金を苦に自殺しました。耕作は金を貸した高利貸を殺してしまったのです。耕作は民子に家を出ていく旨を伝えます。その日の夜中、寝ていた民子は家の戸を叩く音で目を覚まします。外には牛の具合いが悪いことを伝えに来た耕作がいました。2人は夜通し牛を看病します。翌朝明るくなったとき、耕作は家の前に着けたパトカーに向かいました。

裁判所の法廷には、判決を待つ耕作と彼を見守る民子や虻田の姿がありました。下された判決は懲役5年。神妙な顔つきで判決理由を聞く耕作と傍聴席の2人。裁判長の説諭が終わり被告席を立とうとする耕作に向かって、虻田が大声で伝えます。「親父さんが死んで大変だけど、牧場経営は絶好調だ。ずっとあの牧場であんたを待っている」…。以上、遥かなる山の呼び声のネタバレ有りのあらすじでした。

「遥かなる山の呼び声」ネタバレあらすじ紹介の次は、ドラマと原作映画との違いを解説します。原作から38年という時間の経過は、社会情勢の変化と共に監督の映画観や人生観にも変化をもたらしていたのでしょう。少なからず変更点がありました。

原作映画「遥かなる山の呼び声」の根底に流れているのは、貧しさと淋しさでした。原作映画での民子は、ひとりで息子を育て牧場での過酷な労働をこなしていました。虻田でなくても援助したくなるような健気な女性として描かれています。息子と暮らす家にしても、豪雪はおろか雨風さえ防げないようなボロ家です。

ところが38年を経て創られたドラマには、そんな貧しさ見られません。酪農を手助けする義父がいて、近所には相談に乗ってくれる叔母もいます。親の反対を押し切って九州から北海道にやって来た民子の姿は、ドラマにはありませんでした。駆け落ちというシチュエーションが現代のドラマとしては違和感があったのでしょう。耕作にしても、殺人を犯して警察の手から逃げてきた男の悲壮感は希薄になっていました。

次に原作との相違点は民子のキャラにもありました。原作映画「遥かなる山の呼び声」の民子は古き時代の日本女性で、駆け落ちまでした夫が残した牧場を必死で守る健気な女性として描かれています。女がひとりで男に頼らず生きていく苦難を表わしています。

それに対してドラマ「遥かなる山の呼び声」での民子は、まさに現代の女性です。ドラマの民子には自立した現代女性の逞しさが感じられます。置かれた境遇は同じなのに、受ける印象は随分異なります。

さらに大きな変更はラストシーンにありました。原作映画では、網走に護送される耕作が乗った列車に民子と虻田が途中の駅で乗り込んできます。そこで耕作に自らの想いを伝える感動の名シーンとなっていました。しかしドラマでは、列車の中ではなく法廷がその場面になっていました。原作映画では、民子の告白を聞いた耕作が思わず男泣きしてしまうのですが、ドラマの耕作は涙をこぼすことはありませんでした。

その他の「遥かなる山の呼び声」の変更点は以下の通りです。

• 耕作が草競馬で優勝するシーンと民子が腰を痛めて入院するシーンがない
• 民子の弟夫婦と耕作の兄が登場しない
• 民子の亡き夫の父が登場

NHKのBSプレミアムで2018年11月24日に放送されたドラマ遥かなる山の呼び声ですが、再放送はあるのでしょうか？NHKでは、これまで好評だったスペシャルドラマは必ずと言っていいほど再放送されています。今回のドラマについても、38年前の監督自らが脚色した鳴り物入りの作品ですから、当然再放送もあることでしょう。

ところが残念なことに、再放送もすでに終わっていました。最初の再放送は、2019年2月10日BSプレミアムで放送済です。またその後も、2019年3月6日に2回目の再放送が4K画像でなされています。さらに2019年3月21日にはNHK総合にて再編集版での再放送がありました。

今となっては（2019年7月現在）、ドラマ「遥かなる山の呼び声」を確実に見るには、2つの方法が考えられます。1つはNHKオンデマンドを利用する方法です。これは、NHKの過去の番組をインターネットで有料で配信する動画サービスです。NHKオンデマンドを利用すれば、見逃してしまったりもう一度見たいドラマやニュース番組などを好きな時に視聴することができます。

もう1つの方法は、ユーネクスト（U-NEXt）です。U-NEXtとは、NHKに限らずいろんな放送局の番組を配信する有料サービスです。加入者に毎月与えられるU-NEXtポイント（1,200円、ただし無料体験中は600円）を使ってＮＨＫオンデマンドで作品を購入することができます。

NHKドラマ・遥かなる山の呼び声のネタバレあらすじやキャストを紹介してきた本記事の最後に、ドラマを観た方の感想や評価をお届けします。

最初の方は、遥かなる山の呼び声を観て大変感動し心が洗われる思いだったという感想を寄せています。そして、自分も耕作のように心底頼りにされる男になりたいと感想を結んでいました。

遥かなる山の呼び声に関する感想や評価、続いてはかなりクラシカルな仕上がりのドラマだったけど、超面白かったという方です。昔の映画をみているようで懐かしかったとも語っています。

遥かなる山の呼び声に関する感想や評価、最後は胸が震えるほど感動を覚えたと言う方です。それには山田洋次監督の演出もさることながら、主演俳優２人の素晴らしい演技が大きかったということです。

ここまで、NHKドラマ・遥かなる山の呼び声を特集し、キャストやネタバレ有りのあらすじから再放送の予定、さらには原作映画との違いについても詳しく解説してきました。

もし原作となった名作映画「遥かなる山の呼び声」に興味を持たれた方は、Amazonなど動画配信サイトで鑑賞することが可能です。原作をご覧になることでドラマ「遥かなる山の呼び声」の理解がより深まるかも知れません。