下町ロケットの正月スペシャル特別編のあらすじ結末ネタバレ！感想や視聴率まとめ

下町ロケットの正月スペシャル特別編について紹介する前にまずは下町ロケットという作品についても簡単に紹介しておきます。

下町ロケットは2015年、2018年にドラマ化された作品です。放送されたのはTBS系のドラマ枠「日曜劇場」で、2015年に第1作と第2作を2018年に第3作と第4作をドラマ化しました。

下町ロケットシリーズは「半沢直樹シリーズ」や「空飛ぶタイヤ」「陸王」など数々のドラマが成功している小説家、池井戸潤さんの小説を原作としています。2015年放送の第1作「下町ロケット」と第2作「下町ロケットガウディ計画」は元々あった物ですが、2018年の第3作「下町ロケットゴースト」と第4作「下町ロケットヤタガラス」はドラマ化される前提でドラマの前に前後編に近い形で刊行されました。

ここからは下町ロケットのあらすじの中でも特に正月スペシャル特別編に繋がるゴースト編とヤタガラス編のあらすじを簡単に紹介していきます。

ロケット、心臓人工弁のパーツを開発し軌道に乗ったはずだった佃製作所でしたが、大口の契約先から発注を削られ、さらには肝心の帝国重工のロケット計画も撤退するかもしれないという話が持ち上がります。さらには社員の一人殿村の父親が心筋梗塞で倒れてしまい休職。佃製作所は内外にピンチを迎える事になります。そんなピンチを打開するべく航平が思いついたのが農業分野への進出でした。

佃製作所の高い技術力を活かしたトランスミッション開発に取り組む事になる航平達でしたが、持ちうる知識だけは不足している事が分かります。そこで出会ったのがトランスミッションメーカーギアゴーストでした。両社は協力関係を築きますがギアゴーストが特許侵害を訴えられてしまい再び危機に直面、航平達はギアゴーストを救うために奔走する事になります。

航平達の協力もあってギアゴーストの倒産の危機は免れる事に成功しますが、なんとギアゴーストの社長伊丹が航平達とライバル関係にある会社ダイダロスと契約、航平達を裏切ってしまうのでした。この裏切りまでが下町ロケットゴーストのあらすじとなっています。

下町ロケットゴーストにて伊丹のギアゴーストに裏切られた航平達、佃製作所。傷心の航平の所に財前が無人農業ロボット制作の話を持ってきます。航平の大学の同級生でもあり無人農業ロボットを研究する野木を説得してほしいと依頼されるのです。航平はこれを成功させるのですが、財前の上司にあたる的場の指示でパーツはすべて帝国重工製にするようにと指示が出され航平達はこの無人農業ロボット制作から閉め出されてしまいます。

航平達は独自に農業ロボットを開発する道を取る事になります。一方で帝国重工はアルファを作り、またギアゴーストら中小企業が合同で作るダーウィンプロジェクトが発表されます。ダーウィンプロジェクトの中心メンバーは帝国重工に恨みがあるメンバーで構成されており伊丹もその1人だったのです。一方でデモンストレーションで失態をさらした帝国重工はその内製化にこだわっていた方針を取り下げ航平達にパーツ製造を依頼します。

ギアゴーストから追い出されていた島津も佃製作所に合流し、この依頼を受ける事にした航平達、帝国重工との内製パーツの性能テストでも圧倒的な差を見せつけその高い技術力を見せつける事になるのでした。そうして帝国重工のアルファ改めランドクロウに航平達のパーツが使われる事になり、その試作機が田んぼの提供を受け入れてくれた殿村家に運び込まれます。

上記のあらすじを受けて2019年1月2日に放送されたのが今回紹介する下町ロケット正月スペシャル特別編です。上記のあらすじを読むと分かるようにヤタガラスの最終回はまだ決着がついていない中途半端な状態だったのでこのヤタガラスのエピソードが完結するまでの物語を描く事になります。

ついに発売に漕ぎ着けた帝国製無人農業ロボットのランドクロウでしたが、その売り上げは振るいません。ダーウィンに圧倒的な差を付けられていたのです。そこで帝国重工の的場はダーウィンチームに協力し、帝国重工の下請けも行っている企業に圧力をかけます。これによりダーウィンは新規の製造ができなくなり窮地に追い込まれる事になるのです。

しかしそこは的場のやり方を把握していた伊丹ら、顧問弁護士中川の口添えも受けて下請法違反で帝国重工を訴えます。社会的制裁を受ける事になった帝国重工は発端となった的場を解任します。新体制となった帝国重工は財前をプロジェクトリーダーに据え、巻き返しを図る為、ランドクロウのシステムを応用したコンバインの開発を行う事になります。

さらに事態は航平達に追い風を産みます。ダーウィンに使われている通信システムは野木の技術から盗用されたものですが盗まれてから時間が経過していた事もあって通信システムに大きな性能差があったのです。加えてダーウィンはトランスミッションの謎の不具合で苦情が殺到、伊丹は販売元であるヤマタニからリコールも検討するように言われます。そこで伊丹は初めて不具合報告が握りつぶされていた事も知ります。

ランドクロウのリバースエンジニアリングを行う事にした伊丹、トランスミッションの設計はどちらも島津が行っている為基本的な構造は一緒ながらシャフト部分に違いがある事を突き止めます。このシャフト部分は島津の過去の経験から佃製作所名義で特許が取得されており、ダーウィンを直す為には佃製作所にライセンス契約してもらうしかないという状況に追い込まれるのでした。

結局ライセンス契約を結ぶ事はないまま、時間が過ぎ、帝国重工製の農業コンバイン、ランドクロウが殿村家に納品されます。しばらくして日本列島を台風が襲い、その進路から直撃するとふんで早めの稲刈りを行う事になります。コンバインの活躍に加えて航平達も手伝いに駆けつけた事で殿村家では無事に稲刈りを終える事が出来るのでした。そこに稲本がコンバインを借りたいとお願いに訪れます。

稲本はダーウィンを購入する為、コンバインをすべて下取りに出してしまっていたのです。過去には邪険に扱われた事もある殿村でしたが稲本のこの申し出を受け入れます。しかしそれだけではとても間に合いません。そこで航平がダーウィンにランドクロウの地図を載せ替える事を提案します。地図の載せ替えには野木と帝国重工からの許可が必要でしたがなんとかそれらも取り付ける事に成功しました。

殿村家の経験で航平は本当にやりたかった事は農業を救う事だと思い出します。それは帝国重工の財前も同様でダーウィンへのライセンス契約を取り付ける事に成功。航平はダーウィンプロジェクトの関係者が集まる会議の場に殴り込みをかけて、ダーウィンに必要な特許を所持している事、一度はライセンス契約を結ばなかった事を説明します。

その上で農業を発展させる為にダーウィンとライセンス契約を結ぶ事を伝えます。最初は罵声を浴びせていた関係者達も航平の言葉に最後は拍手喝采で受け入れる事になります。航平の言葉に伊丹は涙し、伊丹を焚き付けた重田も佃製作所に負けないようにと宣言する事になるのでした。

上記でネタバレしたように下町ロケット正月スペシャル特別編はそれまでの下町ロケットの連続ドラマの内容がそのまま物語に繋がる形であり、後日談というよりも本当に最終回という構成になっています。その為視聴率が心配されましたが正月スペシャル特別編の視聴率は14.0％となりました。余談ですが連続ドラマの全11話の平均は13.9％になっています。

下町ロケットは前作も合わせて高い人気を誇り正月スペシャル特別編にて1つの区切りはついて大団円を迎えた終わり方になっています。ロケット、人工弁、農業と舞台を移してきた作品だけに次の舞台や物語の切り口が気になるという人も多いです。2019年7月現在、ドラマも原作も含めて次の展開は未だに発表されていないので期待しているファンが多いです。

下町ロケットシリーズを通しての主人公が佃航平です。佃製作所の二代目社長で、元々は宇宙科学開発機構の研究員でしたがロケット打ち上げ失敗の責任を取って辞職し、父の跡を継いで社長になりました。社長ではありますが技術者としての顔が強いのが特徴的です。一方で夢の為なら周囲を顧みない性格が災いしてしまう事もあります。演じているキャストは阿部寛さんです。

航平の娘で下町ロケット初期は高校生、そこから慶應義塾大学理工学部に進学卒業して航平の情熱の影響を受けて帝国重工に就職したのが佃利菜です。佃製作所の作るバルブシステムに負けない新しいシステムを作り上げる事を目標にしています。下町ロケットシリーズ通して土屋太鳳さんが演じています。

航平の元妻として登場するのが和泉沙耶です。航平と同じ大学で航平が院生をしている頃に学生結婚しましたが現在は離婚。離婚後もある程度の繋がりは持っており航平に弁護士を紹介したりと時に協力してくれます。下町ロケットシリーズを通して真矢ミキさんが演じています。

佃製作所の技術開発部の若手技術者として登場するのが立花洋介です。本作では島津と協力してトランスミッション作りに挑んでいます。アルファ1の欠陥の原因に気づく発言をするなど作中でも活躍が目立ちます。同じ池井戸潤さん原作のドラマでも活躍した竹内涼真さんが演じています。

航平の右腕的存在として航平と行動を共にする事も多いのが山崎光彦です。航平の大学時代の後輩でもあり現在は技術開発部の部長でもあります。下町ロケットシリーズ通して安田顕さんが演じています。

佃製作所のエンジニアで立花洋介と共に開発に当たるのが軽部真樹男です。当初はトランスミッション開発のリーダーを務めていた程に高い実力を持っています。下町ロケットシリーズ通して徳重聡さんが演じています。

佃製作所営業第二部係長という立場にあるのが江原春樹です。若手社員のリーダー的存在で「下町ロケットガウディ計画」では大きく活躍しました。「下町ロケットゴースト」以降目立った活躍はしていませんがしっかり登場しています。演じたのは和田聰宏さんです。

佃製作所の経理部係長で江原と同じく若手社員を引っ張る立場にあるのが迫田滋です。堅実な仕事ぶりと的確な意見が言える事から信頼を集めている社員で「下町ロケットガウディ計画」で大きく活躍。下町ロケットゴースト以降も引き続き登場しています。下町ロケットシリーズで一貫して今野浩喜さんが演じています。

下町ロケットゴースト以降のあらすじで鍵の一人となるのが殿村直弘です。元々は佃製作所がメインバンクとしている白水銀行からの出向で、不器用で無口な性格から信用されていませんでしたが銀行を退職して佃製作所に正式に社員として入社、以降は経理部長として佃製作所を支える事になります。

元々実家は300年続く農家で一人息子ですが農家を継がずサラリーマンをしていましたが父、正弘が倒れたのをきっかけに休日は農業の手伝いに戻るようになり最終的に農家を継ぐべく佃製作所を退社する決断をします。その過程で航平が様子を見に行った事が農家に向かうきっかけとなり、その後のランドクロウの開発の為に土地を貸し出し、ランドクロウの顧客第一号となります。演じたのは立川談春さんです。

帝国重工の宇宙航空部本部長の地位にあるのが水原重治です。元々冷徹な性格の持ち主でしたが佃製作所の技術力は認めており裏で根回しするなど活躍、また的場が失脚した後にはその後を継いで財前をプロジェクトリーダーに任命するなど帝国重工側でもかなり佃製作所側に立ってくれる人です。下町ロケットシリーズを通して木下ほうかさんが演じています。

帝国重工の中でも佃製作所と特に関わりが深いのが財前道生です。元々は宇宙工学部部長で内製化を目指す藤間社長の元、ロケット開発を進めていましたが、佃製作所の持つ高い技術力に感銘を受け、以来なにかと佃製作所に頼るようになります。下町ロケットゴーストではプロジェクトとして無人農業用ロボット開発を佃製作所に持ってくるなど重要な立ち位置を務めています。

ランドクロウ完成後、的場の失態で水原が後任につくとプロジェクトリーダーを任され最前線に立ってランドクロウの売り上げに貢献した一方でキャラバン隊を独断で動かしたりした事もあって会社から懲罰会議にかけられてしまいますがこれまで培ってきた理念を説き、その行動が結果としてランドクロウの評価向上にもつながったとして不問とされました。下町ロケットシリーズを通して吉川晃司さんが演じています。

ギアゴーストの社長として登場し、下町ロケットゴースト、ヤタガラス通しての重要人物となるのが伊丹大です。元々帝国重工の社員でしたが的場のやり方についていけずに島津と共に退社しギアゴーストを立ち上げました。当初は航平達とも友好的な関係を築いていましたが重田との邂逅と的場への恨みを煽られた事で的場への復讐を第一に考えるようになってしまいます。

結果として的場を追いやる事には成功しますが、ダーウィンプロジェクトは航平達とライセンス契約出来なければ開発中止、先頭に立った責任を取らなければいけない状態へと追い込まれてしまいます。航平達の優しさと尽力もあって今後、再起を計る事を誓う事所で下町ロケット正月スペシャル特別編が終わっています。演じたのは歌舞伎役者でもある俳優の5代目尾上菊之助さんです。

ギアゴーストの副社長にして技術者として下町ロケット2より登場したのが島津裕です。連続ドラマ終盤にてギアゴーストを半ば追い出される形で退社し、下町ロケット正月スペシャル特別編にて佃製作所に就職、トランスミッション開発チームのリーダーに就任しています。下町ロケット正月スペシャル特別編を含む本作の重要な役回りの人物で、お笑い芸人のイモトアヤコさんが演じています。

ここからは既に下町ロケット正月スペシャル特別編を視聴した人の感想を紹介していきます。高い人気を誇り、昨今のドラマでは珍しく正月スペシャル特別編も視聴率を獲得している下町ロケットなので感想の数も非常に多くなっています。

下町ロケットは原作の終わり方に対して、連続ドラマの最終回の時点で正月スペシャル特別編がある前提の終わり方になっており「最終回詐欺」とまで言われる状態だっただけに正月スペシャルに期待する感想と共に疑心する感想も多かったのは事実です。しかし実際に下町ロケット正月スペシャル特別編を視聴した感想としては消化不良が解消されて良かったとする感想が多く集まっています。

特に正月スペシャル特別編の中でも伊丹について触れる感想は多くなっています。まさに闇落ちとも言える展開で航平達を裏切った伊丹がそれが悪い事だったと悔い改める流れは、ある種の主人公だったのではないかと言われる程になっています。それだけスカっとする終わり方だったとする感想が多いです。その他にも登場人物が良かったとする感想は多数に及びます。

ストーリーに関わる部分で伊丹がピックアップされる事が多いですがその登場で驚かれたのは島津役を演じたイモトアヤコさんです。芸人であるイモトさんが他の俳優、女優陣に埋もれないしっかりとした演技に驚いたとする感想も多くなっています。

一方でこれまでの下町ロケットシリーズでもあった声ですが、ご都合主義的な流れを作り出す事、そしてそれぞれ扱う業界の事を理解せずドラマ的に仕上げている事に対しての批判的な感想も多いです。裏を返せばドラマチックな展開をしっかりと作り出せているという事でもあるのですが、特に扱う業界の関係者からは疑問を訴える感想が多くなっています。

下町ロケット正月スペシャル特別編は、連続ドラマとして全11話だった下町ロケットヤタガラスを締めくくるに相応しい下町ロケットらしい終わり方をしたドラマです。実質最終回という声も多く単独で楽しめる後日談的な形式ではなくあくまでも連続ドラマから続く物語として完結している構成になっています。

確かにその手法等に批判的な感想も目立つ下町ロケットシリーズですが1つのドラマとしての完成度は高く、次のシリーズを望む声も多いドラマシリーズでもあります。2019年7月現在続編等の発表はありませんが、原作者の池井戸潤さんの作品は多くがヒットドラマになっているのでそれらも視聴しつつ下町ロケットの新作を楽しみにしてみてはいかがでしょうか？