世にも奇妙な物語の少年をネタバレ解説！キャストや感動の結末とは？【倉科カナ】

毎年春と秋のちょうど番組の改変期には、もはやその時期の代名詞ともいえるフジテレビの長寿番組、世にも奇妙な物語が放送されます。これまでも様々なキャストが出演し、ホラーな内容から心温まる内容まで、結末を見るまで分からない奇妙なエピソードが数多く披露されてきました。ここでは2018年春に放送された世にも奇妙な物語2018春の特別編で披露されたエピソードの1つ、「少年」について紹介します。

2018年5月12日に放送された世にも奇妙な物語の中で、特に少年のエピソードは倉科カナさんはじめ各キャストの演技もとてもよく、評価の高い作品でした。はじめは少年の不気味さに背筋がヒヤッとするのですが、結末に向かうにつれてとても暖かい話へと変わっていきます。今回はそんな世にも奇妙な物語の少年の内容について、キャストやあらすじのネタバレ、どんな結末を迎えたのかまで詳しくネタバレ紹介していきます。

世にも奇妙な物語とは、フジテレビ系列で1990年4月から放送されているオムニバステレビドラマで、タモリがストーリーテラーを務めていることでも有名です。1989年10月より深夜ドラマとして「日常に潜む恐怖」をテーマに制作された『世にも奇妙な出来事』が前身となっていて、当時は斉木しげるがストーリーテラーを務めていました。

当時は深夜番組ということで予算も少なく、ドラマを撮ったこともない若手スタッフが中心となって制作されました。また脚本に関しても若手脚本家だけではなく、大学のミステリー研究会を起用したり、まったくの素人のアイディアを元に脚本を起こすなど、前衛的な取り組みがなされていました。

その後すぐに若者の間で人気となり、ちょうど木曜8時の枠が開いてしまったことを受けて「世にも奇妙な物語」とタイトルを改め、ゴールデンに進出したという経緯があります。世にも奇妙な物語第1シリーズとして1990年4～9月には全39話、世にも奇妙な物語第2シリーズとして1991年1～12月に全117話、そして世にも奇妙な物語第3シリーズとして1992年4～9月に全51話が放送されてました。

その後も「世にも奇妙な物語春の特別編」「世にも奇妙な物語秋の特別編」と、改変期に特別番組として放送され現在もまだ続いています。世にも奇妙な物語では常にその時代の背景にあったエピソードが制作されていて、例えば世にも奇妙な物語2018春の特別編ではこの少年のほかに、最近世間を騒がせている不倫にまつわるエピソードがあったり、フォロワーではTwitterが主題として取り上げられていました。

過去には「世にも奇妙な物語冬の特別編」「世にも奇妙な物語真夏の特別編」「世にも奇妙な物語七夕の特別編」「世にも奇妙な物語聖夜の特別編」など時期に合わせて様々な世にも奇妙な物語の特別編が組まれたり、15周年である2006年、20周年である2010年、そして25周年である2015年に、それぞれの記念周年を冠した世にも奇妙な物語が放送されました。

初期の連続ドラマ時代の歴代作品はたびたび各地のフジネットワーク系列で『世にも奇妙な物語傑作選』として再放送されていますし、まれに他系列（主にTBS系列）で再放送されたこともあります。いずれにしても、あの独特の音楽をバックに暗闇からタモリが不思議な雰囲気を醸し出して現れる導入シーンは誰もがピンとくるほどに、フジテレビを代表する番組の一つと言っても過言ではないでしょう。

世にも奇妙な物語の「少年」では主に2人の登場人物を軸に話が進みます。主人公である岡林遥と少年上杉亮太です。ここではそんな2人を含め、世にも奇妙な物語の「少年」のキャストを紹介します。

主人公の岡林遥のキャストは花のズボラ飯や3月のライオンなど、数多くのドラマや映画に出演し人気の高い倉科カナさんです。1987年生まれなので現在は30歳です。2006年ミスマガジン2006でグランプリに選ばれ、以後講談社系列の雑誌を中心にグラビア活動を展開していました。

また同時に女優業も開始し、2006年8月にTBSにて放送された約2分弱の深夜ミニドラマ「根津サンセットカフェ」で主演のカナ役を務めたことを皮切りに、日本テレビの「地獄少女」（2007年1月）、テレビ東京の「エリートヤンキー三郎」（2007年4月）のほか様々なドラマに出演しはじめ、2009年9月より放送開始された連続テレビ小説「ウェルかめ」にて一躍時の人となりました。

なお、連続テレビ小説のヒロインは「どんど晴れ」から受け続けて、「ウェルかめ」で5回目の挑戦だったそうで、何度失敗してもあきらめない努力家な性格が知られています。ほかにも、事務所に応募した履歴書はフリーペーパーから引きちぎったボロボロのものを送っていたとか、マンガ好きでONEPIECEは全巻読んでいるとか、色々なエピソードがあるようです。

また倉科カナさんと言えばプライベートでもモテ女として有名で、真偽のほどはさておき、デビューより常に周囲に男性のうわさがささやかれていました。濱田岳さんや中野裕太さん、錦戸亮さんなどドラマや映画で共演した俳優や、ゼクシィ用に作ったCM曲のPVに出演したことで急接近したとされるシンガーソングライターの斉藤和義さんなど、奥の男性の名前を挙げることができます。

今ではモテ男として評判の大物俳優、2012年に「もう一度君に、プロポーズ」で共演した竹野内豊との交際が知られています。もともとドラマや映画で共演した俳優とのうわさが絶えなかったことから、2014年にフライデーで報道された時も「またか・・・」と感じられた方も多かったかもしれません。

けれども今では「そろそろ結婚も秒読みか？」「実は既に同棲しているのではないか」など言われるくらいに世間では認識されているようです。17歳差ではありますが、確かに倉科カナさんも結婚を意識される年齢になっていますし、交際が報道されてから4年近く経っていることも、その説を支持する根拠となっているのでしょう。2人の今後にも、まだまだ目が離せないようです。

倉科カナさんの演じる主人公岡林遥の家に突然訪問してくる謎の少年のキャストは、ベテラン子役の高村佳偉人くんです。2007年生まれの11歳で、テレビには2011年の4歳の頃から出演しています。今年に入ってからは連続テレビ小説「半分、青い」にて、永野芽郁の演じる楡野鈴愛（にれのすずめ）の幼馴染である萩尾律の幼少期のキャストとして脚光を浴びました。

ほかにも2015年放送の「コウノドリ」では綾野剛さんの演じる鴻鳥先生の幼少期を演じていますし、同じく2015年の「ナポレオンの村」や2016年大河ドラマ「真田丸」、2016年には「ドクターX 外科医・大門未知子」、2017年の「母になる」など、数多くの人気ドラマにもキャストとして出演しています。

またテレビCMでは、グリコ乳業やKUMON、三菱電機、コカ・コーラ（Qoo）そしてミツカンなど、ナショナルクライアントと言われるような有名大企業のCMにも数多く出演していて、テレビを見る人ならどこかしらで目にしている可能性は非常に高いでしょう。

主人公岡林遥の10年前の恋人のキャストは伊藤健太郎さんです。もともとは「健太郎」名義で仕事をされていましたが、2018年6月の誕生日を機に芸名を本名の「伊藤健太郎」と変更しています。1997年生まれの21歳で、芸能界に入ったのは2011年頃、雑誌、広告を中心にモデルとして活躍していました。

その後2014年のドラマ「昼顔～平日午後3時の恋人たち～」で役者デビューし、母親の不倫が原因で非行に走る少年を繊細に演じ、主に年上の女性から大きな支持を得ます。当時「昼顔」のキャストを決めるオーディションは選考が8回もあったそうですが、それを潜り抜けていく中で同世代の人たちの情熱に感化され、本気で俳優を目指そうと心に決めたと、後に本人が語っていました。

また2015年に「学校のカイダン」「トランジットガールズ」、2016年には「私結婚できないんじゃなくて、しないんです」「仰げば尊し」、2017年は「レンタルの恋」「パパ活」「アシガール」など活躍の幅をどんどん広げていき、2017年の映画「デメキン」では初主演を務めました。

ここまで、世にも奇妙な物語の少年のメインのキャストについて紹介してきましたが、ここからはそのあらすじについてネタバレ紹介していきます。2018年春の特別編として放送されたエピソードの1つがこの「少年」ですが、ほかのエピソードと比べても評価が高く、同時にこのエピソードで倉科カナさんの評価もまた上がったのではないかと言われています。

事前情報が出回った際には多くの人がその異様さに首をかしげたことでしょう。キャストの欄に、登場人物の名前が小林遥（倉科カナ）しか記載されておらず、あとは青年（健太郎）と少年（高村佳偉人）だけなのです。このキャスト欄の「青年」「少年」という表記で既に、ネタバレせずとも「何かあるな」と感じた方も多いかもしれません。

ネタバレになりますが、物語開始当初この少年はどこか不気味で、自分の名前を名乗る場面も何か違和感を感じます。けれども物語が進み結末に向かうにつれて、この少年が何者なのか。うっすらと見ている側にも分かってきます。世にも奇妙な物語の中には奇妙さや不思議さを追求するあまり視聴者を置き去りにしたまま結末まで突き進むような、ネタバレしても意味が分からないといったエピソードも決して少なくありません。

けれどもこの世にも奇妙な物語の少年は、結末を見て「あっ」と驚くようなエピソードではありませんが、はじめ感じていた不気味さが、結末に向かうにつれて不思議な納得感を感じ、安心して結末まで見ることができたと評価されています。

世にも奇妙な物語の少年のエピソードの前半、主人公の岡林遥と不思議な少年の出会いをネタバレ紹介します。

主人公の岡林遥は普通のOLで、年齢を考えればそろそろ結婚していてもおかしくない世代です。けれども上司に見合いを持ちかけられるも「恋人がいるから」と断っていました。そんなある日、遥は近所で、少年の運転する自転車がバイクと衝突する交通事故を目撃します。

場面は変わり、自転車の少年は意識が戻らないまま病院へ運ばれますが、病院で奇跡的に意識を取り戻します。看護師から名前や連絡先を聞かれ少年は「田山啓輔」と答え、家の電話番号を伝えます。けれども、看護師がその連絡先に電話をすると、「なんの冗談ですか？息子は…啓輔は死にました」と告げられてしまいます。そこで少年は改めて「間違えました。上杉亮太です」と答えるのです。

その後、遥の前にたびたび少年が姿を現すようになります。会社の上司から見合い話を持ち掛けられて断ったその日の帰り道に偶然目が合ったり、休みの日に家で洗濯物を干していると自分を見上げている少年がいたりなど、間違いなく少年は遥を見ています。さらには遥がスーパーで買い物をしていると、明らかに少年が遥を尾行しているのです。

その日は雨の日でした。遥が買い物を終えて家に帰ると、少年が雨に濡れてびしょびしょになりながら、遥が店に忘れてしまったトイレットペーパーを届けに来てくれました。さすがに自分の忘れ物を届けてくれた少年を濡れたままにしておけず、遥は少年を家に上げます。「本当なら知らない人の家に上がってはいけない」と話す遥に「知らない人の家ならそうですね」と少年は答えます。

少年は遥が男性と一緒に映っている写真を見つけます。その様子から、遥の彼氏であるようです。また遥が服を乾かしに奥へ入っていくのですが、その間少年は部屋やバッグの中身を物色し始めます。また遥のスマホを手に取り、いくつかのパスコートを試し、そのロックを解除してしまうのです。中を見ると、そこには彼氏の写真がいくつも保存されていました。

世にも奇妙な物語の少年のエピソードの後半、今まで不気味なだけだった物語が転調していく様をネタバレ紹介していきます。

遥の傘を借りて家に帰った少年ですが、その傘を返しに少年は再度遥の家を訪ねます。そこで、おなかをすかせた少年に遥は食事を作ってご馳走するのですが、「遥さんが作ってくれたからおいしいんだよ」の言葉に遥は驚きます。遥は少年い名乗った覚えがないのですから。今更ながら遥が少年の名前を尋ねると、少年は「上杉亮太」と名乗るのでした。

食事を終えて遥が食器を洗っていると、少年が食器棚からマグカップを取り出しました。それは遥の彼氏のものです。遥が叱ると、少年はマグカップを地面に投げつけて割ってしまい、こう言います。「彼氏なんていないんじゃないの。あいつはもう戻ってこないのに、マグカップとかパジャマとか、携帯のパスコードがあいつの誕生日とか」

遥の彼氏は確かに過去に亡くなっていましたが、少年がなぜかそのことを知っていたのです。「何で知っているの？」という遥の問いにも答えず、少年は遥を呼び捨てで呼びます。遥は怖くなり、少年を家から追い出してしまいます。

少年が言うように、遥の彼氏はもう11年も前に亡くなっていました。ちょうど就職の時期、電話で遥に内定が決まったことを告げた彼氏ですが、その勤務地が遠くだと分かった遥は「そんなの聞いてない」とケンカになってしまいます。そしてその誤解を解こうと自転車に乗って遥の家に向かった彼氏は、バイクとの衝突事故に遭い死亡してしまったのです。彼氏の名前は田山啓輔、病院で目を覚ました少年が名乗った名前です。

後日、遥は彼氏であった田山啓輔の実家を訪れますが、その時に啓輔の母親は数日前にかかってきた電話のことを話します。ちょうど少年が看護師に田山啓輔と名乗り、その連絡先をもとに看護師が電話を掛けたことです。遥はそこでふと気づきます。少年の言葉遣いや行動は亡くなった啓輔と重なる部分が多々あるのです。

思えば少年の行動は不思議なことばかりでした。遥の会社や家の場所をなぜか知っていて、遥のスマホのパスコードも当てていました。そして一番遥の印象に残っていたのは、少年が遥の家を出るときに見せた靴紐の結び方です。もちろん同じような結び方をする人が他にいてもおかしくはありません。けれども今までの少年の言動を考えると、もはやそれはもう亡くなった遥の彼氏、啓輔の靴の結び方にしか見えなくなっていました。

物語は一気に結末に向かって進みます。遥は少年を探し、見つけた時に思わず「啓輔！」と叫んでしまいました。やはり少年は啓輔の生まれ変わりだったのです。亮太少年が事故で生死をさまよった結果、前世である啓輔の記憶がよみがえってしまったのでした。疑う遥に少年は遥との出会いなどを語り始めます。2人しか知らない、2人の思い出です。

少年は遥に啓輔として想いを伝えます。遥はまた会いたいと言いますが、「今は亮太だから。もうすぐ自分（啓輔）はいなくなる」と告げます。遥は今まで自分を責め続けていました。電話で自分と言い争わなければ、啓輔は自転車で遥の家まで来ようとすることはなく、事故で亡くなることもなかったからです。

遥は最後に「会いに来てくれてありがとう。これからは自分を大切にする」と言います。少年の前世の記憶が戻ったのはまさにこのためだったのでしょう。いつまでも過去に囚われて前に進めない遥を、過去の思い出から解放させてあげること。2人の結末はまさに遥の深い後悔の念と、それを包み込む啓輔の優しさがあふれるものでした。

数日後、遥はあの少年がサッカーをしているところを見かけます。途中少年が靴紐を結ぶシーンがありますが、その結び方は啓輔の結び方とは違うものでした。遥は少年には声をかけず、前を向いて歩き始めます。大好きだった啓輔はもういない、けれども間を向いて進む、そんな彼女の決意が見えたのでした。

世にも奇妙な物語の少年の撮影はどのようなところで行われたのでしょうか。世にも奇妙な物語の少年の舞台となった町について、そう多くはありませんが紹介していきます。

主人公岡林遥の住んでいたアパートですが、横浜市青葉区千草台のアパートが濃厚なのではないかと言われています。

映像の構成上、アパートの出入り口を映したときに背景が見えるということは意外と重要だと言われています。アパートを出るシーンなどを撮った時に、背景がごちゃごちゃしていると見栄えが悪いですし、視聴者もどこに目線を合わせたらいいのか一瞬では分からなくなってしまいます。ですからこういった、画面の半分が背景になるという構成は重要なのです。

尚、このアパートは他のドラマなどでもたびたび使用される物件だそうで、倉科カナさん以外にも今まで何人かの俳優さんが撮影に訪れていたとの目撃情報があります。

エピソード中に出てくる坂道のシーンもやはりそのアパート近くの場所に似ているということで、おそらくこの周辺で撮影が行われたというのは間違ってはいないのでしょう。静かな郊外といった雰囲気をうまく醸し出している場所です。

短時間ではありますが、背景に大きな書店が映る場面があります。それがこの三洋堂書店市原牛久店です。小湊鉄道上総牛久駅から徒歩10分程度の場所だそうで、実はここでは4月末に倉科カナさんが撮影をしていたという目撃情報がありました。この2018年春の世にも奇妙な物語の撮影が2018年4月後半に行われたと言われていますので、時期的にも恐らく間違いないでしょう。

世にも奇妙な物語の少年について、キャストやあらすじ、そして結末のネタバレまで紹介してきました。はじめは主人公の岡林遥にとってもただただ不気味だっただけの少年が、結末に向かっていくにつれてどこか意味深な言動をするようになり、終盤にはなぜ少年がそんな言動をするのかが分かってきます。そして最後は悲しくも温かい形で結末を迎えたエピソードでした。ぜひ皆さまも機会があれば一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。