人間の証明は松田優作の代表作!映画のあらすじ・感想をネタバレ紹介

1977年公開の映画「人間の証明」は松田優作28歳の時の作品です。「太陽にほえろ」で衝撃的なラストを演じたジーパン刑事役で人気が出て3年後の作品です。若い世代には俳優として活躍している龍平、翔太、歌手のyukiの父として名前は知られています。「人間の証明」は主人公棟居刑事として、若干28歳で骨太な演技をしています。ベテラン勢の中でも負けてない貫禄があります。松田優作の代表作で渋い演技が光る映画「人間の証明」のあらすじ、感想、ネタバレをご紹介します。

人間の証明は松田優作の代表作!映画のあらすじ・感想をネタバレ紹介のイメージ

目次

  1. 人間の証明の映画あらすじや感想が気になる!
  2. 人間の証明の映画あらすじをネタバレ!
  3. 人間の証明の映画キャストを紹介!
  4. 人間の証明のテーマ曲を紹介!
  5. 人間の証明の映画を観た感想とは?
  6. 人間の証明の映画あらすじや感想まとめ!

人間の証明の映画あらすじや感想が気になる!

「人間の証明」の原作は森村誠一で、発行は1976年、770万部以上のベストセラー小説です。人気シリーズになった棟居刑事シリーズ初登場の映画化です。当時の日本映画では珍しく、ニューヨークロケが行われました。松田優作の流暢な英語が聞けます。原作者である森村誠一もホテルマンだった経験を生かして、ホテルのフロント役でセリフ付きで出演しています。「読んでから見るか、見てから読むか」という宣伝文句が話題になりました。

製作は角川春樹事務所です。当時の映画会社はTVCM料が高いためあまりやりませんでしたが、角川事務所は広告費にお金をかけ、TVCMなど大々的にやり「人間の証明」は書籍と映画の相乗効果で大成功を収めました。監督は佐藤純彌、脚本は松山善三、出演は松田優作、岡田茉莉子、ジョージ・ケネディ、ジョー山中ほか昭和のスターが大勢出ています。配給収入は22億5000万円、1977年の日本映画興行ベストテン第2位を記録しました。

「母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?ええ、夏、碓氷から霧積へゆくみちで、谷底へ落としたあの麦わら帽子ですよ。」人間の証明で使われた西条八十の「ぼくの帽子」の冒頭部分です。「人間の証明」といえば、西条八十の詩と麦わら帽子とキスミーがキーワードです。

黒人青年の刺殺事件と同日に起きた女性失踪事件が絡み、この2つの事件解明と松田優作演じる棟居刑事の活躍が映画「人間の証明」の見どころです。松田優作をリアルタイムに知る世代も松田龍平、翔太兄弟の父として知る世代も、映画「人間の証明」にどんな感想を持つのか気になります。

人間の証明の映画あらすじをネタバレ!

ジョニー・ヘイワード殺害事件のあらすじネタバレ

NYのある一室でドル札を前に契約を交わす二人の男。契約書にはジョニーヘイワードのサインが書かれます。ジョニーはアパートの管理人に「キスミー、ママ、ハレルヤ」と笑顔で言い残し日本へ旅立ちます。東京のロイヤルホテルでは「八杉恭子」のファッションショーが行われ、最上階のエレベーター内に残る男がいました。エレベーターガールが声をかけると西条八十の詩集を落とし「ストゥハ」と言って倒れ死亡しました。

棟居刑事(松田優作)、横渡刑事(ハナ肇)たちがホテルに到着し「ストゥハ」の言葉と西条八十の詩集を手掛かりに捜査を始めます。刺殺された被害者はジョニーヘイワードでした。刑事たちは公園内を捜索し殺害現場を見つけます。麦わら帽子を見つけ、棟居刑事は「ストゥハ=ストローハット」に気付きます。殺害現場からホテルを見上げるとイルミネーションがストローハットに見えました。

女性失踪事件 あらすじネタバレ

豪雨の中、タクシーにはホテルで聴取を受けていた新見隆(夏八木勲)となおみ(范文雀)が乗っています。なおみを降ろしたタクシーは猛スピードの車とすれ違います。猛スピードの車は公衆電話から出てきたなおみを轢き、車の中からは八杉恭子の息子、恭平(岩城滉一)と彼女が出てきて、轢いたなおみを車に乗せます。

新見は猛スピードの車が気になり、なおみと別れた場所へ引き返すと、そこにはなおみの名刺と懐中時計が落ちていました。翌日恭平の彼女は懐中時計を事故現場に落としたことを彼に告げます。なおみの夫、小山田(長門裕之)は妻の職場のクラブへ行き、妻が帰って来ないと相談します。

棟居刑事とニューヨーク警察の捜査状況のあらすじネタバレ

捜査本部では被害者の所持品、麦わら帽子や西条八十の詩集と身元についての発表をしています。棟居は子どもの頃、父親が手の甲に入れ墨(タツノオトシゴ)をした米兵たちに目の前で暴行され、それが元で亡くなったという体験をしていて、被害者が米人だったことから、暴行場面を思い出します。

NYの小さな店で強盗事件が起き、現場にいたケン・シュフタン刑事(ジョージ・ケネディ)が犯人を撃ち警察署に戻ります。NY在住だったジョニーが殺された捜査を頼まれ、ケンは渋々承諾します。ジョニーのアパートへ行き、管理人のマリオに「ジョニーは日本で殺された」と言います。ジョニーは「キスミー」と言って出て行ったことがわかり、日本の捜査本部では「キスミー」の言葉を巡って人名か、地名か捜査します。

女性失踪事件 夫と妻の愛人 あらすじネタバレ

八杉恭子がファッションショーの準備をしていると恭平がやってきて、50万円くれ、と懇願し、母は小切手を切って息子に渡します。恭平はそのお金で失くした時計と同じものを買おうとしましたが、同じ時計は買えませんでした。その頃、小山田(なおみの夫)は新見の所へ行き、妻を返せと迫りますが、新見も半月以上連絡がないと言って、懐中時計を小山田に見せて、二人で犯人を捜そうと言います。

棟居刑事とニューヨーク警察の捜査状況、進展のあらすじネタバレ

ケンが再びジョニーの部屋を訪れ契約相手を見つけました。契約相手は老人(ジョニーの父、ウィルシャー・ヘイワード)を轢き、慰謝料として息子にお金を渡したと言います。日本の捜査会議ではジョニーの父が進駐軍として日本にいたことがわかり、ジョニーは父の知り合いを訪ねて日本に来たのではないかと推測します。棟居はジョニーの父は息子を日本に行かせるために自らを犠牲にして、車に轢かれたことに父の思い出を重ねます。

女性失踪事件 デザイナー宅 あらすじネタバレ

八杉恭子は苦悩する恭平を問いただし、恭平は女性を轢き殺し海に捨てた、自首すると告白します。母は「警察に行けば死んだ人は生き返るの?悪人なら悪人らしく最後まで苦しみ続けなさい。あなたの為に今まで生きてきた。NYへ行って新しい人生を送るのよ」と言ってNYへ送り出します。

新見が警察を訪れ横渡になおみの失踪と、懐中時計は八杉恭子と政治家の息子、恭平のものだと話します。横渡は相手が政治家だと首が飛ぶと渋りますが、棟居が俺がやる、と言って八杉恭子宅へ行きます。八杉恭子に時計を見せると息子はいつも身に付けていて、今NYにいるといいます。棟居は昭和24年新橋の闇市で八杉恭子に会ったことがあり、父は彼女を助けるために暴行されて亡くなったことを回想します。

ジョニー殺害事件 霧積温泉 あらすじネタバレ

棟居と横渡は、おでん屋(女将・坂口良子)で客(大滝秀治)が西条八十の詩を口ずさむのを聞いて、キスミーは霧積だったことがわかりました。二人は群馬県の霧積温泉へ行きます。霧積では黒人兵士(ジョニーの父)のことを知っているという老婆おたねさんに会いに行こうとしますが、何者かに殺害されていました。

殺害されたおたねさんのいとこから過去の話を聞き、八杉恭子が戦後おたねさんが経営していた進駐軍相手のバーで働いていたことがわかりました。棟居と横渡は黒人兵士と八杉恭子との子がジョニーではないかと推測し、容疑者として八杉恭子を問い詰めますが確証はつかめませんでした。棟居はジョニーの本当の母親を知りたい、NYへ行かせてくれと頼みます。

ニューヨークで合同捜査 あらすじネタバレ

NYで棟居とケンは一緒に捜査します。車を運転するケンの手の甲にタツノオトシゴの入れ墨を見つけ、ケンが父を暴行した米兵だと気付きます。ケンは家に泊まるよう誘いますが、米兵姿で日本女性といる写真を見て不快感を示しホテルに泊まります。その頃、NYのクラブでは恭平が拳銃を買います。

棟居とケンはジョニー親子のことを知っているという日本女性(ジャネット八田)に会い、梅酒を手掛かりにジョニーの父を見つけます。ボロいアパートの1室でジョニーの父に息子が殺されたことを告げ、日本へ行かせた経緯とジョニー母が八杉恭子であることを問い質しますが何も言いません。棟居は西条八十の詩集を見せ、詩の朗読をするとジョニーの父は涙しました。

女性失踪事件 解決 あらすじネタバレ

NYのホテルのフロントで棟居と鉢合わせた恭平は逃げます。追い詰められた恭平は拳銃を取り出そうとしたところでケンに打たれ死亡しました。日本の海岸ではなおみの死体があがり、小山田が遺骨を抱えて警察署から出てきます。NYでは恭平の事件解決後の乾杯をしますが、棟居はケンへの嫌悪感を残したまま帰国します。

日本デザイン大賞発表会の席で棟居は八杉恭子に恭平の死を伝えます。恭子は大賞を受賞するも、スピーチで恭平の死を悼むと共に、西条八十の詩を朗読しながらもう一人の息子ジョニーを殺害した時のことを回想します。恭子は賞を辞退し、泣きながら会場を後にします。

ジョニー殺害事件 解決 あらすじネタバレ

車で霧積温泉に向かう八杉恭子を棟居と横渡は追います。デザイナーとして名声を得た八杉恭子は、過去に黒人兵士との間に生まれたジョニーの存在が世間に知れ渡ることを恐れました。恭子はジョニーヘイワードと中山たねを殺しましたね、の問いにうなづき、手にした麦わら帽子を飛ばします。帽子はゆっくりと谷底に落ちていきます。

ケン・シュフタン刑事の最後 あらすじネタバレ

NY警察ではケンが署長からジョニー殺しの犯人は母親で、自殺したことを知らされます。ジョニーの遺品を父親に届けるように頼まれ、アパートへ行くとジョニーの父は死んでいました。ケンはアパートを出たところで何者かに「日本びいきめ」の言葉とともに刺され、ゴミが舞い散る中、息絶えます。

人間の証明の映画キャストを紹介!

松田優作/棟居(むねすえ)刑事

1977年、昭和52年の「人間の証明」は文字通り、昭和の大スターたちが出演しています。八杉恭子の夫役の三船敏郎、警視庁捜査一課警部の鶴田浩二、霧積温泉旅館主人の伴淳三郎、おたねのいとこの北林谷栄、おでん屋客の大滝秀治などの名優のほか若い俳優たちにも注目して下さい。昭和映画ファンからは歓声があがりそうな名俳優ばかりです。ここでは「人間の証明」の主要人物をご紹介します。

麹町署の刑事。子どもの頃、目の前で父を米兵たちに暴行され殺された体験をしています。その米兵の中にケン・シュフタン刑事がいて、一緒に捜査するも嫌悪感を抱き、打ち解けることなく帰国しました。松田優作は低音の声が心に響いて「ニヒル」な役です。英会話あり、アクションあり、詩の朗読ありで「人間の証明」の魅力的な棟居刑事を演じています。

1949年(昭和24年)9月21日 ー1989年(平成元年)11月6日。膀胱がんで40歳没。TVドラマ「太陽にほえろ」「探偵物語」映画「蘇える金狼」「野獣死すべし」「家族ゲーム」「ブラックレイン」など。昭和を代表する伝説的な俳優です。

岡田茉莉子/八杉恭子 デザイナー

名声のために息子を殺し、もう一人の息子も自首させることなく自滅の道へ追い詰めます。岡田茉利子は棟居刑事の厳しい尋問にも負けることなく、淡々と答えていて強い女を演じています。1933年1月11日生まれ。

ジョー山中/ジョニー・ヘイワース

幼い頃の記憶にある大好きなママに会いたくて日本にやってきたのに、かわいそうな青年でした。ナイフで刺されたのに、ママをかばおうとする優しい青年です。「ママはボクがそんなに憎いの?」泣けるセリフです。ジョー山中はジョニーと同じで父は黒人兵でした。ケンカが強く17歳でプロボクサーデビューしています。ミュージシャンでもあり、「人間の証明」の主題歌を歌っています。1946年9月2日 ー 2011年8月7日64歳没。

ハナ肇/横渡刑事

棟居刑事と行動をともにしていた刑事。女性失踪事件では政治家の息子なら捜査したくないと言っていましたが、棟居刑事と一緒に犯人を挙げました。ハナ肇はクレージーキャッツのリーダーで、かくし芸大会では銅像役で有名でした。コメディアンですが、シリアスな演技も人間味があって松田優作といいコンビでした。1930年2月9日 ー1993年9月10日63歳没。

ジョージ・ケネディ/ケン・シュフタン刑事

NY27分署の刑事。過去に日本に駐留していて、新橋の闇市で八杉恭子を助けた棟居の父を暴行した米兵の1人でした。戦時の報いなのか、棟居の憎しみなのか、悲惨な最期を遂げました。ジョージ・ケネディ米NY出身で「シャレード」「暴力脱獄」「エアポート」シリーズなどに出演。1925年2月18日ー2016年2月28日91歳没

岩城滉一/郡恭平 八杉恭子の息子

八杉恭子と政治家・郡陽平の息子・恭平は、女性を轢き逃げし海に捨てNYで射殺されます。一度は自首を決心し母に打ち明けるも、母は自分の保身からNYへの逃亡を進めます。典型的な金持ちダメ息子で哀れでした。岩城滉一は1977年覚醒剤と銃刀法違反で捕まり、松田優作らの支援で厚生しました。「北の国から」「抱きしめたい」などに出演。1951年3月21日生まれ。

その他の出演者たち

鶴田浩二/那須警部、三船敏郎/郡陽平、長門裕之/小山田武夫、夏八木勲/新見隆、范文雀/なおみ、和田浩二、峰岸徹、地井武男、鈴木瑞穂/警視庁捜査一課の刑事たち。小川宏、露木茂、鈴木ヒロミツ、シェリー、坂口良子、大滝秀治、佐藤蛾次郎、伴淳三郎、竹下景子、北林谷栄、西川峰子、ジャネット八田、フロデリック・クロフォード他。

人間の証明のテーマ曲を紹介!

Mama,Do you remember? で始まる歌の作詞は西条八十、作曲は大野雄二です。「人間の証明」で何度も読まれる西条八十の「ぼくの帽子」をジョー山中が英訳しました。西条八十は1892(明治25)年東京生まれの詩人、作詞家、仏文学者です。大野雄二は1941年生まれの作曲家、編曲家、ジャズピアニストです。ルパン三世のテーマ、映画「犬神家の一族」など多数のテーマ音楽を手掛けています。

ジョー山中の歌うしっとりとしたピアノバラードが、母を慕う青年と自分の栄光のために息子を犠牲にする母の姿が重なって、悲しく胸に迫ります。「人間の証明」の主題歌に感動するという感想が多いです。オリコン2位、売上枚数約51.7万枚のヒット曲でした。

人間の証明の映画を観た感想とは?

「人間の証明」を観た方の感想をいくつかご紹介します。進駐軍、闇市、GIベイビーなど戦後の影響が色濃く残る時代の話ですが、母と子の愛情は普遍的なものです。松田優作の存在感の大きさとジョニー青年の母への想いに感動し切ないという感想が多いです。

人間の証明 感想1

「人間の証明」は戦後すぐの闇市で棟居の父の暴行事件に関係した三人(子ども時代の棟居、八杉恭子、ケン・シュフタン)が30年後の事件で再会する偶然性に無理があるという感想もありますが、星5つ中、星3つが多いので平均点以上の映画です。

人間の証明 感想2

「人間の証明」の脚本は賞金500万円でプロアマ問わず公募して、結果プロの脚本家・松山善三が選ばれました。NYロケを多用した脚本が、勢いのあった角川映画に合っていました。西条八十の詩を多用し、麦わら帽子を大事にしていたジョニー青年の心情が哀れでした。

人間の証明 感想3

「人間の証明」の松田優作は28歳で貫禄があります。低音の魅力と鋭い眼光で心に突き刺さる印象を残します。没後なお熱烈なファンがいるのは、ルックスはもちろん演技力あってこその魅力があるからです。

人間の証明の映画あらすじや感想まとめ!

「人間の証明」は映画化以降、何度かドラマ化されていますが、リバイバル上映してほしい映画です。昭和を代表する俳優たちが数多く出演しています。今は亡き伝説の俳優、松田優作の魅力満載の映画「人間の証明」のあらすじ、キャスト、感想をご紹介しました。

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