キングダムの蒙恬の最後が悲しい？男前のイケメンキャラとして人気

キングダムとは中国の春秋戦国時代を舞台に描かれた原泰久さん原作の人気漫画です。「秦国」の少年・信(しん)と漂(ひょう)が、のちの始皇帝である秦国の政(せい)と出会うところから物語が始まります。週刊ヤングジャンプにて2006年9号から連載中。2018年2月現在でコミックス＜キングダム＞は既巻49巻、累計2200万部を突破。2012,2013年にはアニメ＜キングダム＞も放送されており、躍動感あるかっこいいシーンを見れます。

今回特集するのはキングダムの中でも男前でイケメンであることから人気の「蒙恬(もうてん)」です。蒙恬が登場するのは原作漫画＜キングダム＞17巻です。始皇4年、李牧(りぼく)と呂不韋(りょふい)が秦趙同盟結び、秦は魏への侵攻を開始しました。飛信隊は突撃するも、本陣を先に攻略したのは「玉鳳隊(ぎょくほうたい）」。飛信隊はその後、玉鳳隊と武功を競います。その頃、戦を求め南下してきた隊がいました。

その隊の名前は「楽華隊(がくかたい)」。この楽華隊を率いてきたのが、蒙武(もうぶ)将軍の長男である蒙恬です。画像を見たらわかる通り、イケメンでかっこいいです。蒙恬は先の戦で千人将になっていましたが、祖父である蒙驁(もうごう)の言いつけにより、三百人隊で経験を積んでいました。この時、蒙恬はまだ18歳ですが、18歳には見えないくらい男前です。このような流れでキングダムで初めて蒙恬が登場しました。

ここまでキングダムという漫画・アニメの説明から、蒙恬の登場までを見てきました。それでは、いよいよ蒙恬という人物に触れていきます。女性からだけではなく、男性からも「かっこいい」と称されるイケメンな蒙恬。漫画＜キングダム＞・アニメ＜キングダム＞内、そして史実ではどのような人物なのでしょうか。

2018年1月19日に発売された漫画キングダム49巻は蒙恬が表紙を飾ったようです。すごく男前でかっこいいですね。漫画キングダムの中の蒙恬は親しみやすい印象を受けます。チャラチャラしている部分もあり、女の子を誘うシーンもあります。そのことからもわかりますが、蒙恬に妻はいません。その反面、武にも知にも秀でているため、現代でいえば、コミュニケーション能力の高い文武両道のイケメンということになるでしょうか。

アニメキングダムの蒙恬のCVは野島裕史さんが担当されています。キングダム以外には「とらドラ！」の北村祐作や「弱虫ペダル」の石垣光太郎を担当されています。渋くてかっこいい声です。アニメ版キングダムの蒙恬は原作の漫画キングダムよりも可愛く描かれている印象です。画像は女の子と間違えてもおかしくないような可愛さです！性格がよく、かっこいいと可愛いの両方を持ち合わせる点が蒙恬の人気の1つなのかもしれません。

今度は史実の蒙恬を見ていきましょう。蒙恬の蒙氏は祖父の代に斉から秦に移り住んでいます。そこで蒙恬は最初、文官として活躍していました。紀元前224年に李信(りしん)の副将として楚を攻撃して大勝しました。しかし、李信と合流を果たしたのち、楚の将軍である項燕(こうえん)に大敗しています。その後、紀元前221年に家柄によって再度将軍となり、見事に斉を討ち滅ぼしています。その功績により、蒙恬は内史となりました。

その後、紀元前215年には30万の大軍引き連れて匈奴(きょうど)の討伐に向かいました。見事、匈奴を追い払いオルドス地方を奪うと長城(万里の長城)の築造にも加わります。このように大活躍した蒙恬は始皇帝に気に入られ、弟の蒙毅(もうき)も召し抱えられることになりました。蒙恬が外政、蒙毅が内政に携わったとされ、2人ともその活躍を認められています。そしてその頃、左遷された太子・扶蘇(ふそ)と蒙恬は出会いました。

そして、紀元前210年に始皇帝が亡くなります。すると、この死をいいことに胡亥(こがい)・趙高(ちょうこう)・李斯(りし)の3人は裏で手を組み始めます。胡亥を皇帝に擁立することで、権力を保全しようと考えたのです。3人は、扶蘇と蒙恬に自殺を命じる始皇帝の詔書を偽造しました。この偽の詔書を受け取った蒙恬は怪しみ、本物かどうか分かるまで自殺をしないと主張しました。しかし、扶蘇は詔書を信じて自害してしまったのです。

扶蘇が自害した後も蒙恬は最後まで反抗を続けました。そのため、胡亥ら3人は蒙恬を牢屋に入れます。そして、この牢屋に入れられている間に胡亥が即位してしまいます。見事3人の作戦が成功してしまいます。蒙恬のもとにその胡亥から自害の命令が届きました。皇帝となった胡亥の命令は勅命のようなものです。蒙恬はこの命令を受け入れ、自害して果てました。男前で人気の武将・蒙恬、史実ではここで人生に幕を下ろしました。

蒙恬の死後、残っていたのは蒙恬の活躍により始皇帝に召し抱えられていた蒙毅です。その蒙毅も残念なことに、胡亥らの陰謀により殺されてしまいます。その後も蒙氏一族は徹底的に殺され、滅んでしまうという、非常に残酷な最後を迎えています。

キングダムでは男前で人気の蒙恬は、史実では悲劇の最後を迎えていることがわかりました。この最後の自害の際、蒙恬は「罪も犯していない私がなぜ、自害させられるのだ」と言い、それに続いて「自分の罪は長城(万里の長城)を築くときに地脈(水脈)を絶ったことだ、それなら自害になってしまっても仕方がない」と嘆いて毒を飲んで自害したようです。あまりにも理不尽な最後にこのような言葉を残すしかありませんでした。

蒙恬はキングダムですでに強くてかっこいいと人気があるキャラクターですが、史実の最後を知るとさらに人気のでそうな人物です。しかし、その蒙恬を批判している人物がいます。それが司馬遷(しばせん)です。司馬遷は中国前漢時代の歴史家で『史記』の著者として知られています。

司馬遷は「蒙恬は長城を造設するなど秦のために尽くしたが、その造設の際に山や谷を開拓したのは国民であり、その労力は計り知れないものだ。国が治まったばかりであったため、蒙恬はまず傷ついた国民に手を差し伸べるべきだった。それなのに、自分の功績のために、始皇帝に応えようと国民を酷使した。これは一族が滅亡させられるのも当たり前である。地脈など関係ない」と述べています。

蒙恬と言えば、筆の逸話があります。筆は蒙恬が動物の毛などを集め、整えて始皇帝に献上したことが始まりと言われてきました。しかし、この説は間違っているとされています。なんと1928年に戦国時代の遺跡から筆が見つかったからです。このことから筆は「殷(いん)」時代にできたものではないかと考えられています。そして、蒙恬は筆の改良者ではないかと言われています。

史実はいかがでしたか？壮絶な最後に驚いた方や落胆した方もいるかと思います。それでも、キングダムの中の蒙恬はかっこいいですよね！ここでは漫画＜キングダム＞、アニメ＜キングダム＞での蒙恬の魅力を紹介していきたいと思います。

これだけ見た目がかっこよければ人気になりますよね。アニメ＜キングダム＞では可愛い一面も持ち合わせていますし。基本的にチャラいキャラにも関わらず、芯はしっかりしていて頼りになる、やるときはやるというギャップに惹かれる方も多いのではないでしょうか。女性は理想の相手として、男性は憧れの対象として見ているのかもしれません。

キングダムの蒙恬はかっこいいだけではありません。戦になると頭が回るだけではなく、本人もとにかく強いです。視野が広く、戦場がしっかりと見えています。そして楽華隊の隊長を務めるほどの強さですから蒙恬について行く家来も安心できます。

キングダムの蒙恬はとても明るく、コミュニケーション能力が高いです。誰とでもすぐに仲良くなれるようで、現代でいうと人見知りがまったくありません。そして、家来からも慕われています。その慕われ方は、楽華隊を見ればわかります。

キングダムで大人気の蒙恬について考察していきましたがいかがでしたか？たくさんの魅力、そして衝撃の史実を知ることができました。史実を知ると一層面白さがましてきますし、キングダムでもまた違った見方ができるようにもなります。キングダムの蒙恬はこれからどのようになっていくのでしょうか？今後の展開に注目しましょう！