フランケンシュタインのあらすじを原作から徹底解説!登場人物も!

「フランケンシュタイン」と言えば多くの映画作品で知られていますが、ここでは映画の原作小説「フランケンシュタイン」のあらすじをネタバレで紹介します。小説「フランケンシュタイン」の原作者はイギリス人のメアリー・シェリーです。小説のネタバレあらすじと、登場人物、原作者メアリー・シェリーについて紹介し、また、「フランケンシュタイン」にはモデルとなった作品があるということで、そのモデル作品についても見ていきます。

フランケンシュタインのあらすじを原作から徹底解説!登場人物も!のイメージ

目次

  1. フランケンシュタインとは?
  2. フランケンシュタインの原作あらすじネタバレ
  3. フランケンシュタインの登場人物
  4. フランケンシュタインのモデル
  5. フランケンシュタインの原作者
  6. フランケンシュタインは実際に生み出せる?
  7. フランケンシュタインの花嫁とは?
  8. フランケンシュタインに関する感想や評価
  9. フランケンシュタインの原作あらすじネタバレまとめ

フランケンシュタインとは?

フランケンシュタインの基本情報

「フランケンシュタイン」とは、人間によって創造された怪物が登場するホラー小説です。原作者はイギリス人のメアリー・シェリーです。小説「フランケンシュタイン」は、1818年に匿名で出版され、改訂版が1831年に出版されました。現在読まれているのは、この改訂版になります。この小説の原題は「フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス」で、科学者フランケンシュタインが創造した怪物が登場します。

小説のタイトル「フランケンシュタイン」とは、怪物を創り出した科学者の名前です。怪物には名前はありません。ここでは、小説「フランケンシュタイン」の内容を、ネタバレあらすじで紹介します。また、小説の登場人物についても見ていきます。小説「フランケンシュタイン」にはモデルとなる作品があるということで、そのモデル作品についても見ていきます。さらに映画「フランケンシュタインの花嫁」についても紹介します。

フランケンシュタインのイメージは映画で誕生

「フランケンシュタイン」の登場人物「怪物」の容姿と言えば、上の画像の様に、ツギハギの顔面で首にボルトが埋め込まれている姿をイメージする場合が多いと言われていますが、原作小説「フランケンシュタイン」では、怪物について「黒髪で黄色い肌、眼は怪しく光り、唇は不気味な色、身長は2メートル以上の巨人」と、表現しています。

ツギハギの顔に定着した理由は、アメリカ制作の映画「フランケンシュタイン」(1931年公開)の大ヒットにあります。映画の中で怪物を演じたボリス・カーロフのメイクが、このような顔だったからです。

フランケンシュタインという名前の意味

小説「フランケンシュタイン」の、フランケンシュタインは怪物の名前ではなく、怪物を作った科学者の名前です。小説の中で怪物には名前が無かったので、怪物のことをフランケンシュタインと呼ぶようになったということです。

日本では、フランケンシュタインと言えば怪物という意味として使われますが、海外では、怪物を創り出したフランケンシュタイン博士自身が、人生を崩壊させてしまったことから「自業自得」という様な意味として使われる国もあるということです。

フランケンシュタインが登場する原作小説

作者メアリー・シェリーによる小説「フランケンシュタイン」は、映画「フランケンシュタイン」の原作小説です。小説「フランケンシュタイン」の構造にはある特徴があります。ここでは映画の原作小説である小説「フランケンシュタイン」の構造や内容について紹介していきます。

原作小説は入れ子構造

作者メアリー・シェリーによる小説「フランケンシュタイン」の構造について紹介します。小説の冒頭に登場するロバート・ウォルトンは、北極を探検中に科学者・フランケンシュタインに出会います。フランケンシュタインから自身が創造した怪物の話を聴いたウォルトンは、その内容を姉に宛てた手紙に書き記します。その手紙を、ウォルトン自身が語るという形式となっています。

そのウォルトンの語りの中に「入れ子」という形で、科学者フランケンシュタイン自身の語りがあり、またその中に、フランケンシュタインによって創造された怪物自身が語る部分が入っているという入れ子構造になっています。

誰も悪くない悲劇を描く

小説「フランケンシュタイン」は人間の手で創造された怪物が、その人間に嫌われ排除されます。孤独や哀しみの中で人間に対して憎悪の念を抱いた怪物は、自分を創造したフランケンシュタインの近親者を次々殺害します。怪物は悪の様に描かれているようで、実はその原因は創造主フランケンシュタインの野心でした。生命の創造は神の領域、人間には許されていません。その野心を抱いたフランケンシュタインが悪だとも言われています。

生命を創造してみたいという欲望と、その創造物によって人類が滅ぼされるかもしれないという不安、恐れなど複雑な心境を「フランケンシュタイン症候群」と呼びます。怪物を創造してしまったヴィクター・フランケンシュタインは、純粋な好奇心・興味によって研究を始めたのでした。フランケンシュタインを悪とも言い切れず、小説「フランケンシュタイン」は、誰も悪くない悲劇だということです。

フランケンシュタインの原作あらすじネタバレ

映画「フランケンシュタイン」の原作小説「フランケンシュタイン」のあらすじを、ネタバレで紹介していきます。小説「フランケンシュタイン」は、原作者のメアリー・シェリーが18歳から20歳頃にかけて書いた物語です。それでは、ここから小説「フランケンシュタイン」のネタバレあらすじと、小説の登場人物について見ていきます。また、小説「フランケンシュタイン」のモデルかもしれないと言われている作品も紹介します。

原作あらすじネタバレ①手紙

あらすじネタバレ①北極を目指す探検隊の隊長ロバート・ウォルトンは、北極点に向かう途中、倒れている男を発見。その男はヴィクター・フランケンシュタインという名前で、なぜ倒れていたのかをウォルトンに語りました。ウォルトンはその内容を姉のマーガレットに宛てた手紙に書きました。

原作あらすじネタバレ②フランケンシュタインの供述~前編~

あらすじネタバレ②フランケンシュタインはスイスの名家の息子で、両親と弟・ウィリアムの4人でジュネーブで暮らしています。両親は、イタリアを旅行中に出会った貧しい家の娘エリザベスを養女として引き取りました。フランケンシュタインは科学者を目指し、ドイツの名門インゴルシュタット大学で自然科学を専攻。やがてフランケンシュタインは、生命を自らの手で生み出すという野望を持つようになりました。

フランケンシュタインは一心不乱に研究を重ね、ついに完璧で理想的な人間の設計図を創り上げました。フランケンシュタインは、墓場から死体を集め、それらをつなぎ合わせます。そして実験の結果、つなぎ合わせた死体に電気を流すことで命を吹き込むことができました。誕生した生命体はフランケンシュタインが望んだ理想的な姿ではなく、非常に醜いものでした。

それは人間とは程遠い怪物だったので、フランケンシュタインは実験への興味を完全に失くしてしまいます。そしてフランケンシュタインは、その場に怪物を放り出してジュネーブへと逃げました。その後2年近くが経った頃、まだ幼い弟・ウィリアムが惨殺死体となって発見されたと、父からの手紙で知らされました。急いで実家へ帰り、殺害現場へ行くとそこに自らが創り上げた怪物が現れました。

フランケンシュタインは、弟を殺害したのは怪物だと確信しました。しかし、実際に捕まったのは、フランケンシュタイン家で兄妹のようにしてきた女中のジュスティーヌで、彼女は処刑されてしまいました。弟のウィリアムとジュスティーヌ、二人の死の原因は自分にあると感じたフランケンシュタインは苦悩します。そして怪物に会うためモンブランの氷河を登ることにしました。

原作あらすじネタバレ③怪物の供述

あらすじネタバレ③フランケンシュタインと再会した怪物が語った内容とは、気が付くと実験室に一人でいた怪物は、外へ出て行きました。あてもなく歩き始め、昼と夜を何回か過ごした後、ある家の裏に小屋があるのを見つけました。そこに忍び込んだ怪物は、その小屋から人間の生活の様子を観察し、言葉も覚えることができました。人間を眺め、その姿を美しいと感じた怪物は、水面に映る自身の姿に絶望しました。

怪物は誰かが置き忘れた鞄の中に入っていた本を見つけ、持ち帰りました。「若きウェルテルの悩み」を読んだ怪物は、ウェルテルという人物に感動し涙します。ある日、森で幼い女の子が川に落ちるのを見た怪物は女の子を救い、介抱していると男が現れました。男は女の子を引き離し、怪物に発砲しました。怪物は人間を憎悪し、復讐することを誓いました。

ジュネーブに到着した怪物は、目の前の美しい少年を自分の仲間にしたいと思い、接触を図りますが、少年は抵抗します。少年は「怪物め、パパはフランケンシュタイン判事だ」と言いました。自分を置き去りにしたフランケンシュタインの一族だと知った怪物は、少年の首を絞めて殺害しました。

人間たちから嫌われ、孤独を感じた怪物は、自分と同じ様に醜い容姿なら、自分を嫌わないだろうと言い、フランケンシュタインに花嫁を作って欲しいと訴えます。怪物は、この願いを叶えてくれれば、二度と人間たちの前に姿を現さないと約束しました。

原作あらすじネタバレ④フランケンシュタインの供述~後編~

あらすじネタバレ④フランケンシュタインは父からエリザベスとの結婚を勧められていますが、怪物との約束を果たすためイギリスに渡りました。フランケンシュタインは北部の田舎にある小屋にこもり、生命創造のための機械を揃えます。作業を始めたフランケンシュタインですが、怪物同士の相性を考えました。お互い嫌悪感を持つようになったらどうするのか?また、愛しあえば怪物が増えることになり、人間にとって脅威となります。

悩みを抱えたフランケンシュタインが外を見ると、怪物がこちらを見ていることに気づきました。自分の仕事をじっと見つめる怪物に、フランケンシュタインは製造途中の「花嫁」をわざと壊し、怪物に「もう二度と作らない」と宣言しました。怪物は嘆き、「復讐は残る、お前の婚礼の夜、会いに行く」と言い残し、去っていきました。フランケンシュタインは、創りかけだった花嫁を海に沈めようと舟でこぎ出しました。

舟の上で眠ってしまったフランケンシュタインが漂着した先はアイルランドで、そこでフランケンシュタインは殺人の容疑者になってしまいます。被害者はフランケンシュタインの友人・クラ―ヴァル。フランケンシュタインは落ち込み、熱病になりました。2か月間苦しんだフランケンシュタインですが、やがて健康を取り戻し、殺害容疑も晴れました。故郷に帰ったフランケンシュタインはエリザベスと結婚しました。

怪物が最期に言った「お前の婚礼の夜に」という言葉が忘れられないフランケンシュタイン。ハネムーンのホテルでも怪物がいるかもしれないと恐れます。廊下を見回っているすきにエリザベスが殺されてしまいました。ジュネーブに一人で帰ったフランケンシュタイン。しかし、父親も心労で亡くなり、フランケンシュタインは正気を失くしたと見られ、牢獄に入れられました。

数か月後、正気を取り戻したフランケンシュタインは釈放されました。怪物への復讐を誓ったフランケンシュタインは、怪物の姿を追っているうちに北極点の近くまで来てしまったのでした。そして行き倒れてしまったところを、ロバート・ウォルトンに救われたのでした。フランケンシュタインはロバート・ウォルトンに「もし自分が死んだら、代わりにあいつを殺して欲しい」と訴えます。

原作あらすじネタバレ⑤ウォルトンの供述

あらすじネタバレ⑤フランケンシュタインが語った物語に涙したロバート・ウォルトン。ウォルトンが、怪物の詳しい構造を聴こうとするとフランケンシュタインは、「極悪の敵を創りたいのですか」と激しい口調で拒みました。ウォルトンたちの船は氷山に遮られ、停滞しています。ウォルトンは航海は諦めて帰ろうと言いました。フランケンシュタインは復讐を果たして欲しいと改めて依頼します。

フランケンシュタインは、ついに意識を失い、そのまま息を引き取りました。深夜の船、フランケンシュタインの遺体が置かれている船室に怪物が現れ、自身が殺害した人間たちについて語り、ここですべてを終わりにすると言いました。自らの体を焼いて死ぬことにしたと言い、怪物は窓から氷の上に飛び降りました。そのまま氷の塊は波に間に消えていきました。それから怪物の姿を見た者はいません。

フランケンシュタインの登場人物

ここまで、作者メアリー・シェリーによる小説「フランケンシュタイン」のあらすじを、ネタバレで紹介してきました。ここでは、小説「フランケンシュタイン」の登場人物を紹介していきます。

登場人物①怪物

作者メアリー・シェリーによる小説「フランケンシュタイン」の登場人物「怪物」は、作者のメアリー・シェリーによると、次のような容姿です。

身長8フィート、薄く光る眼、黒っぽい髪と唇、目立つ白い歯、醜い外見で半透明の黄色い肌をしており、動脈と筋肉の動きはほとんど見えない

怪物の容姿は、1831年の改訂版の挿絵で描かれていますが、肌は青い色で描かれているということです。「フランケンシュタイン」に登場する怪物の容姿は「四角い頭、ツギハギの顔面、首にボルトが刺さっている」などが特徴ですが、この容姿は1931年にアメリカで制作された映画「フランケンシュタイン」で、怪物役を演じたボリス・カーロフのメイクが広まったものです。

また、小説に登場する怪物には名前がありません。小説の中で、自分を生み出したフランケンシュタイン博士に、怪物は「あなたの労働者アダム」と名乗っています。対してフランケンシュタイン博士は、「クリーチャー」、「惨めな者」、「悪魔」などと呼んでいて、「怪物」という呼び方は小説には登場しません。

登場人物②ヴィクター・フランケンシュタイン

作者メアリー・シェリーによる小説「フランケンシュタイン」の登場人物、ヴィクター・フランケンシュタインは、この作品の主人公です。怪物を創り出した科学者です。自身が創造した怪物を見て、恐怖を感じ逃げ出すという人物です。以来、怪物に追われ、近親者を殺されるなど悲劇に見舞われます。

登場人物③ロバート・ウォルトン

作者メアリー・シェリーによる小説「フランケンシュタイン」の登場人物、ロバート・ウォルトンは、北極海を探検している時にフランケンシュタインを救出します。フランケンシュタインの身に起きた悲劇を聴いたウォルトンは、その内容を手紙に書きました。フランケンシュタインの死亡を見届け、怪物にも遭遇するという体験をします。

登場人物④エリザベス・ラヴェンツァ

作者メアリー・シェリーによる小説「フランケンシュタイン」の登場人物、エリザベス・ラヴェンツァは、貧しい家で生まれましたが、フランケンシュタインの父親によってフランケンシュタイン家の養女になります。ヴィクターと結婚しますが、ハネムーンの夜、怪物に殺害されます。

登場人物にギャップあり?

ここまで、作者メアリー・シェリーによる小説「フランケンシュタイン」の登場人物を紹介してきました。ここからは、原作小説「フランケンシュタイン」の登場人物である怪物とフランケンシュタインの、原作小説と映画のギャップについて見ていきます。

怪物の容姿のギャップ

「フランケンシュタイン」に登場する怪物の容姿は、原作小説では、先にも紹介したように「黒髪で黄色い肌、眼は怪しく光り、唇は不気味な色、身長は2メートル以上の巨人」となっています。映画で登場する怪物は、ツギハギの顔面に四角い頭、首にボルト、という姿です。

怪物の性格が違う

怪物の性格について、原作小説では悲しみ、怒り、傷つくなどの感情があり、人間たちと積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿も見せます。また、原作小説では恋人を望むなど、人間と同じ心情を見せます。映画での怪物はほとんど話すことはなく、人間のような感情を見せることはありません。

実は能力が高い怪物

怪物の能力について原作小説では、フランケンシュタイン博士が怪物を作る際、完全な人間を目指した結果、英語やドイツ語、フランス語などの言語をマスターするなど、高い言語能力を持つ知的な怪物として描かれています。しかし、映画ではうまく話すこともできず、動作も緩慢で知的な要素のない怪物として描かれています。

フランケンシュタインは学生

怪物を創り出したフランケンシュタイン博士は、原作小説では若い学生、ヴィクター・フランケンシュタインという科学の天才です。映画で登場するフランケンシュタイン博士は高齢の男性で、このイメージが定着したと言われています。

フランケンシュタインのモデル

ここまで、作者メアリー・シェリーによる小説「フランケンシュタイン」の登場人物について見てきました。小説「フランケンシュタイン」にはモデルとなった作品があると言われています。ここからは、そのモデルについて見ていきます。メアリー・シェリーがモデルにしたと言われている作品とは、どのような作品なのでしょうか?それでは、作者メアリー・シェリーがモデルにしたと言われている作品について見ていきます。

モデル作品はフランケンシュタインの日記

作者メアリー・シェリーの小説「フランケンシュタイン」にはモデルとなる作品があると言われています。それは「フランケンシュタインの日記」というタイトルで、18世紀に書かれました。舞台は18世紀のドイツで、大学で解剖学を専攻するヴィクター・フランケンシュタインは、研究のため墓場から死体を持ち出して様々な実験をしています。ある日胎児を見つけたフランケンシュタインは、この胎児を蘇らせてみようと考えました。

胎児の血管に輸血をすると、膨れ上がった血管が動き、まるで生きているようだと書かれています。また、墓場から持ち出した死体から手足、目や鼻を切り取り、それらをつなぎ合わせて新たに蘇らせようと考えます。生命を与えるためには生きている脳が必要だということで、フランケンシュタインは子どもを誘拐し殺害、その子どもの新鮮な脳を、死体を集めて作ったツギハギの体に埋め込みました。

死体から作ったツギハギの体に、生きた脳が埋め込まれました。出来上がった人造人間の最後の仕上げは、新たな生命として目覚めさせることです。そのためには強力な電気を流すことだと日記には書いてありました。しかし、ここでフランケンシュタインは、もうすぐ死者を蘇らせることができ、科学者として喜びを感じるはずが、子どもを殺してしまったことに対する罪の意識に苛まれます。

ここで、作者メアリー・シェリーによる小説「フランケンシュタイン」のモデルと言われている「フランケンシュタイン日記」は終わっています。実際に人造人間を創り出すことができたのかについては謎のままだということです。

モデル作品はフィクション

ここで紹介した「フランケンシュタインの日記」は、フィクション作品だと言われています。作者メアリー・シェリーが、この日記をモデルにして小説「フランケンシュタイン」を書いたのか?ということについては分かっていません。しかし、モデルと言われる理由は、フランケンシュタインという科学者が生命を創造しようとする様が書かれているからでした。

フランケンシュタインの原作者

原作者は女流作家のメアリー・シェリー

ここまで、小説「フランケンシュタイン」のモデルと言われていた作品「フランケンシュタインの日記」について紹介しました。「フランケンシュタインの日記」は、実際に作者のメアリー・シェリーがモデルにして「フランケンシュタイン」を執筆したのかは、分かっていないということでした。ここからは、小説「フランケンシュタイン」の作者、メアリー・シェリーについて紹介します。

「フランケンシュタイン」の原作者は、イギリス人の小説家メアリー・シェリー(1797年誕生、1851年死去)です。原作者メアリー・シェリーは小説「フランケンシュタイン」を、18歳から20歳頃にかけて書き上げたと言われています。単なるホラー小説ではなく、人間に排除され、深い孤独と哀しみを抱える怪物を描いたメアリー・シェリーは、彼女自身も哀しい人生を送ったと言われています。

メアリーは、無政府主義者の父と思想家の母の間に生まれました。産後すぐに母は亡くなり、父は再婚。しかし継母はメアリーとは相性が合わず、温かい家庭ではありませんでした。そんな中で父はメアリーを愛し、友人たちとの議論の場でも常にメアリーを側に置きました。そのおかげで非常に聡明で自立心旺盛な少女になったメアリーは、詩人のパーシー・ビッシュ・シェリーと出会います。

既婚者であるパーシーとメアリーは愛し合うようになり、二人は駆け落ちします。この時メアリーは16歳でした。パーシーと暮らすことになったメアリーは、様々な人物と出会い、詩人のバイロンら友人と共に「ディオダディ荘」に滞在中、小説「フランケンシュタイン」のアイデアを考案したとされます。

やがて「ディオダディ荘」からイギリスに戻ると、メアリーの異父姉・ファニーの自殺、パーシーの妻の自殺などが相次ぎます。特にパーシーの妻の自殺によってメアリーとパーシーは世間から激しく非難されます。

その後、父親の許しを得て、パーシーと正式に結婚したメアリーですが、子どもを次々に亡くすなど不幸が続きます。そして最愛の夫パーシーの乗った船が転覆、遺体となって発見されました。メアリーは激しく取り乱し、錯乱状態になったということです。このように波乱の人生を歩んだメアリーですが、小説「フランケンシュタイン」はメアリーが20歳頃、1818年に発行されました。

フランケンシュタインの執筆経緯

原作者のメアリー・シェリーがフランケンシュタインを執筆した経緯を紹介します。1816年、詩人のパーシー・シェリーと駆け落ちしたメアリーは、バイロン、ジョン・ポリドリなどの友人たちと、スイスのレマン湖のほとりにある別荘「ディオダディ荘」で過ごしていました。雨ばかりで別荘に閉じこもっていたある日、バイロンが、一人一つずつ怪奇な物語を書こうと言いました。

この時考案した物語を膨らませたメアリーは、本格的に執筆を始めました。やがて完成した物語をメアリーは匿名で、1818年の3月11日に出版しました。物語を執筆していた当時、メアリー・シェリーは18歳から20歳という若さでした。

フランケンシュタインは実際に生み出せる?

ここまで、小説「フランケンシュタイン」の作者メアリー・シェリーの、波乱な生涯を紹介をしました。ここでは、怪物を創造したという伝説を持つ人物について見ていきます。

生命創造者①アンドリュー・クロス

生命創造者と言われる一人目は、イギリス人のアンドリュー・クロスです。幼い頃から電気が好きなアンドリューは、常日頃から独創的で奇想天外な実験を繰り返していました。昼夜関係なく実験に没頭するアンドリューのことを人々は「稲妻と閃光の男」と呼んでいました。しかしアンドリューは、正規の科学教育を受けていません。そのため科学者たちはアンドリューの実験について相手にしていませんでした。

1837年、アンドリューが天然ガラスの結晶を生成するために行った実験に失敗しますが、その際、不思議な物体を発見します。その物体は小さな白い物体で、実験で使った電気を帯びた多孔性石の上に付着していました。数週間後、その物体はダニの様な形態の生物になりました。しかしアンドリューは、実験中に汚染されてしまったのだろうと考え、無菌状態の元で再びやり直しますが、やはりダニのような生物が現れます。

この結果を「ロンドン電気協会」に報告すると、アンドリューの名はたちまちロンドン中に知れ渡りました。しかし、このようなアンドリューの行為を人々は「神への冒涜」と言い、アンドリューは世間から憎悪されることになってしまいました。「悪魔の科学者」とも呼ばれたアンドリューは、社会から姿を消し、失意のうちに亡くなりました。現在アンドリューの実験結果は消去され、真実を検証することはできません。

生命創造者②パラケルスス

生命創造者と言われるもう一人の人物は、16世紀後半の錬金術師で、スイス人の本名テオフラストゥス・ホーエンハイムという人物です。パラケルススは彼の愛称です。パラケルススは錬金術だけでなく医学や科学にも造詣が深かったと言われています。そんなパラケルススは、生命を生み出す実験を始めました。パラケルススは人工生物「ホムンクルス」を生み出すことに成功しました。

それは、人の精液と大便にハーブを混ぜて40日の間寝かします。そして発酵したものが「ホムンクルス」で、その生物に人間の血液を与え、40週間温めると人間の子どもになったそうです。しかしその子どもは非常に小さく、フラスコから取り出すと死んだということです。

フランケンシュタインの花嫁とは?

フランケンシュタインの花嫁の概要

映画「フランケンシュタインの花嫁」はアメリカ制作で、1935年に公開されました。物語の冒頭、バイロン卿が小説「フランケンシュタイン」を執筆したシェリー夫人を称えます。結末が不満だというシェリーの夫に、シェリー夫人は「物語には続きがある」と言って、語り始めます。このような会話から始まる映画「フランケンシュタインの花嫁」は、1931年に制作された映画「フランケンシュタイン」のラストから始まります。

前作の映画「フランケンシュタイン」のラストで怪物は、風車小屋で焼死したと思われました。しかし、映画「フランケンシュタインの花嫁」では、怪物は生きていて、フランケンシュタイン博士とプレトリアス博士が人造人間の花嫁を創り出します。怪物は自分と同じ仲間を得て喜びますが、花嫁は悲鳴をあげて逃げ出してしまいます。

ユニバーサル映画の制作作品

映画「フランケンシュタインの花嫁」は、アメリカ・ユニバーサル映画で制作されました。主役の怪物を演じたのはボリス・カーロフです。この時のボリス・カーロフのメイクが、その後の怪物のイメージがとなりました。監督はジェイムズ・ホエール、脚本はジョン・ボルダーストン、ウィリアム・ハールバットです。

花嫁役のエルザ・ランチェスター

映画「フランケンシュタインの花嫁」で、花嫁役を演じたのは、エルザ・ランチェスターです。1902年に生まれ、1986年に亡くなりました。出身はロンドンで、小さい頃から踊りを学び、ダンサーとして活動していました。1922年に女優として舞台出演を果たし、1927年には映画に出演しました。そして1935年の「フランケンシュタインの花嫁」で一躍有名になったということです。

1957年の映画「情婦」の演技によってゴールデングローブ賞を受賞、他の主な出演作は、1964年の映画「メリー・ポピンズ」、1965年の映画「シャム猫FBI/ニャンタッチャブル」、1971年の映画「ウイラード」などに出演しました。

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フランケンシュタインに関する感想や評価

映画「フランケンシュタイン」を鑑賞後、原作小説「フランケンシュタイン」を読み、この作品は単純なゴシックホラーではないことが分かったという感想です。人間によって創造され、支配される人造人間(レプリカント)たちが人間たちに逆襲する映画「ブレードランナー」を思い出し、どちらの作品も人造人間の悲哀が描かれ、深く考えさせられる内容だという感想です。

小説「フランケンシュタイン」は、登場人物たちそれぞれの絶望表現が多彩で、感動したという感想です。小説は、言葉やセリフだけで表現されるので、翻訳者がもっと注目されて欲しいということです。

小説「フランケンシュタイン」は、人間の勝手な欲望で創造された怪物が、人間たちに忌み嫌われるという孤独、哀しみが描かれ、非常に感銘を受けたという感想です。

フランケンシュタインの原作あらすじネタバレまとめ

いかがでしたが?小説「フランケンシュタイン」について、ネタバレあらすじや登場人物について紹介しました。小説「フランケンシュタイン」は、原作者のメアリー・シェリーが18歳から20歳頃にかけて執筆された作品でした。フランケンシュタインは、怪物の名前ではなく、怪物を創造した科学者の名前で、怪物の容姿は、1931年の映画「フランケンシュタイン」で怪物役を演じた俳優のメイクが広まったものでした。

原作小説の中での怪物の容姿は、映画とは違うものでした。さらに、小説「フランケンシュタイン」にはモデルとなった作品があると言われていました。その作品は「フランケンシュタインの日記」というタイトルで、科学者フランケンシュタインが生命を創造する研究をするという内容でした。しかし、実際に小説「フランケンシュタイン」の原作者メアリー・シェリーが、この作品をモデルにしたのかは分かっていません。

これまで数多くの映画化作品が生まれた小説「フランケンシュタイン」は、人間の欲望によって創造された怪物の孤独、哀しみを描き、人間の身勝手な姿から悲劇が起きるという作品でした。小説の繊細な感情表現に泣けると言われるメアリー・シェリー原作の小説「フランケンシュタイン」を、どうぞお楽しみください。

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