2018年12月24日公開
2018年12月24日更新
陸王の茂木裕人のモデルは瀬古利彦?履くランニングシューズは?【竹内涼真】
池井戸潤の新作ドラマ「陸王」は若手からベテランまで素晴らしい俳優をそろえ、大変話題になりました。また、池井戸潤の前作ドラマ「下町ロケット」や「半沢直樹」などすごく反響があり、期待値もとても上がりました。今回は陸王での主要人物でもある竹内涼真演じる茂木は誰がモデルになっているのかなど注目していきます。また、この物語の主軸でもある茂木が履く、シューズについて調べました。
目次
陸王の茂木祐人のモデルやランニングシューズを徹底調査!
ドラマ「陸王」は主演が役所広司とあってとても注目を浴びたドラマになりました。そして山崎賢人や竹内涼真も出演するとなり、若者も見やすいドラマとなりました。このドラマは老舗足袋屋がランニングシューズを作るというお話です。そこで、竹内涼真演じる茂木に履いてもらおうと奮闘するお話でした。
しかし、多くの人の中には、茂木のモデルになった人は誰なのか。あのランニングシューズは一体何がすごいのかよくわからない人が多いのではないでしょうか。今回はそんな疑問を徹底調査していきます。
陸王とは?
陸王とは、池井戸潤による小説です。「小説すばる」に2013年7月号から連載が始まりました。2016年7月10日には単行本が発売されました。そして、2017年10月にドラマ「陸王」が放送されました。
埼玉県行田市にある足袋会社「こはぜ屋」は100年の歴史を持つ老舗店でした。しかし、近年では業績が降下し資金ぶりに悩んでいました。そんなある日社長の宮沢は足袋製造の技術を生かし、足袋感覚で履けるランニングシューズの開発を発案し、社内にプロジェクトチームを立ち上げました。
しかし、現実は甘くなく、お金、人手不足など多くの問題にぶつかりました。しかし、宮沢はあきらめることなくたくさんの人に助けられ、試行錯誤を重ねながらランニングシューズづくりを決してあきらめませんでした。
陸王の茂木裕人とはどんな人なのか
茂木裕人とは、ダイワ食品の陸上部の選手です。大学時代には箱根駅伝で走った期待の新人でした。元々は、野球をしていましたが、肘を壊してしまい、陸上選手に転向しました。しかし、豊橋市で行われたマラソン大会で半腱様筋を痛めてしまい、ミッドフット走法に直しています。
そんな中、こはぜ屋で作っている足袋のランニングシューズは自分にすごくあっていることを知りますが、今契約している会社との間でとても悩みます。そして、物語は茂木がどちらの会社のシューズを選ぶのか重要なキーマンになっています。
陸王の茂木裕人のモデルはいる?
陸王の茂木裕人のモデルは「瀬古利彦」だとされています。瀬古は三重県桑名市の出身で、陸王の茂木と同様最初はプロ野球選手を目指していましたが、肩を壊してしまい、中学生の頃、陸上に転向しました。瀬古は、中学高校と陸上選手として活躍しました。
そのおかげでいろんな大学から推薦の話がありましたが、すべて断り、一浪して早稲田大学へ入学しました。そして、早稲田大学の中村清監督からマラソンをやるようにと勧められ、もう一度マラソンの世界へと足を踏み入れました。
そして、瀬古選手は箱根駅伝やマラソン大会で活躍をしていき、ライバルの宗兄弟と激闘をたくさん繰り広げ、早稲田大学を卒業後、エスピー食品に入社しました。ここまでは、本当に陸王の茂木と似ている点が多く、やはり瀬古が陸王の茂木のモデルといってもいいかもしれません。
野球も相当うまかったそうです。しかし故障という挫折を乗り越え、陸上選手として、しかも上位の選手として活躍するのはどれだけの努力をしたのか図りしれません。
そして、瀬古選手は1980年のモスクワオリンピックでメダル確実と言われていました。しかし、ソ連がアフガニスタンに侵攻したことから、日本はモスクワオリンピックをボイコットしてしましました。そのため、瀬古選手はメダル確実と言われたにも関わらず、大会にすら出れずとても悔しい思いをしまいた。
オリンピックは4年に1度という貴重な大会です。スポーツ選手の誰もが目指す大会で、出れないとなったとき、出場が決まっていた選手は、言葉にならない悔しさがあったことでしょう。
しかし、瀬古は気持ちを切り替え、さらに4年後のオリンピックを目指して大会に出場して実績を上げていきました。調整のために行っていたヨーロッパの遠征で、ノルウェーの公園で日光浴をしていた全裸の女性に気を取られ、足を捻挫してしまいました。
少し恥ずかしい理由でのけがでしたが、このケガが発端となり、足の故障やひざの故障などケガが連鎖してしまいました。そのせいで、1年10か月という長期離脱を余儀なくされました。我々が思う、ちょっとしたケガは選手にとっては命取りになってしまうのが現実です。
しかし、さすがプロでした。瀬古は長期離脱中も練習を続けていました。そして、故障から1年10か月後の1983年2月の東京国際マラソンに出場しました。そこで、日本最高記録の2時間8分36秒というタイムで優勝し、見事に復活を遂げました。
選手活動を再開して、一番最初の大会で優勝、さらには日本最高記録をたたき出す瀬古はとても多くの人間を驚かせました。そして瀬古は順当に成績を残していき、ロサンゼルスオリンピックへの出場を決めていました。そこでも、金メダルは間違いないと言われていました。
しかし、絶好調の瀬古でしたが、練習のし過ぎで反対に絶不調になってしまいました。血尿を出し、体の状態は最悪でしたがロサンゼルスオリンピックを迎えました。陸王での茂木もケガのせいで遅れをとって焦っており、無理して練習しているシーンが多々ありました。
瀬古選手のシューズをサポートしていたアシックスの三村仁司(陸王にも登場する村野のモデルとなった人物)は、シューズの甲の部分をポリエステルに変更したランニングシューズを開発しており、瀬古選手の特注シューズも用意していました。
しかし、絶不調に陥った瀬古選手は「綿のシューズを履いて負けた事がない」と縁起を担ぎ、アシックスの三村仁司が開発したランニングシューズを履くことを断りました。そしていつものランニングシューズを履いてロサンゼルスオリンピックに臨みました。
そして、瀬古選手は絶不調のまま大会を迎え、ロサンゼルスオリンピックは14位に終わってしまいました。陸王にも、こはぜ屋か大手会社のシューズか迷うシーンがあり、そのシーンの茂木と、ロサンゼルスオリンピックでの瀬古選手が重なります。
そして、瀬古選手はロサンゼルスオリンピックのあと、マラソンからの引退を考えていました。しかしライバルの中山竹通に過激な挑発をうけ、マラソンに復帰しました。そして、たくさんの大会で優勝を果たして、輝かしい成績をのこし、世界一のマラソン選手として、世界に認められました。
しかし、瀬古選手は1988年のソウルオリンピックでは9位に終わってしまいました。2度のオリンピックで成績を残せなかった瀬古選手はソウルオリンピックを後にマラソン選手を引退しました。
陸王の茂木裕人がはくランニングシューズとは?
ドラマ「陸王」で、ひときわ画面上で目立ったのは、茂木を演じる竹内涼真がはいていたピンクのランニングシューズです。あのピンクのランニングシューズは、ドラマではアトランティス社の「RⅡ」という商品です。しかも、なぜだかわからないですが、ピンクのランニングシューズが気になってしまう方がSNSに多くいました。
そのSNSにはあの「RⅡ」はミズノの製品?あのランニングシューズは購入できるのかとたくさんの疑問がありましたので、調べてみました。
ドラマ「陸王」で竹内涼真が履いていた、あのピンクのランニングシューズはドラマ用に作られており販売はされていません。しかし、ピンクのランニングシューズのモデルはどうやら、ミズノのシューズだそうです。
ミズノ商品のウエーブクルーズJAPNというシューズで、男女共用のモデルだそうです。また、TOP選手が認めているというコメントも見られました。昨今のランニングブームの影響で、このドラマ「陸王」を見た人や、竹内涼真のファンの影響で売り切れが注意です。
出典: https://mdpr.jp
そして、ドラマ「陸王」で一番重要なアイテム「マラソン足袋」は多くの疑問が寄せられていました。マラソン足袋はそもそも靴なのか?足袋なのか?本当に走れるのか?など本当に多くの人が疑問を抱きました。しかし、そのなぞはすべて「陸王」で解決されていきます。
「陸王」ではその疑問を解決していく苦悩が描かれています。また、マラソン足袋を使ってくれる選手(竹内涼真)の葛藤も描かれています。しかし、あくまでそれは劇中であり、今回は実際はどうだったのか調べてみました。
ドラマ「陸王」竹内涼真演じる茂木が、最後に選んだマラソン足袋は実際は、兵庫県にあるミズノテクニクス株式会社のクラフトマン兼シューフィッターの亀井晶という職人が手作りでマラソン足袋を作っています。彼は箱根駅伝のランナーなどたくさんの有名選手など、ミズノの契約選手の中でもトップアスリートのシューズを実際に作っている職人です。
マラソン足袋の制作過程は、既存の陸上シューズをベースにします。演者の足を計測したデータに基づいて、指のまたが分かれている足袋の形状に足形を削っていきます。表現上のイメージに合うように制作していきます。
アッパーに使用されているものは、実際にトップアスリートが使っているものと同様の物です。メッシュやダイニーマという軽量かつ強度の強い素材を使っています、内側の足の指の割れ目の部分には、肌あたりがいい柔らかい素材を使っています。
ソールの部分は、ドラマ「陸王」でも登場し開発のカギとなった新素材「シルクレイ」をイメージして作っています。通常のラインナップでも展開しているタイプで、とてもクッション性があり、雨の時でもグリップが強いものとなっています。通常のランニングシューズよりも軽量で、一足ずつ職人によって手作りされています。撮影でも使われた未完成のタイプも含めて、6~7足を収めたそうです。
一番難しかったのは通常のシューズと異なり、足袋型の形状ということで、ラスト=足型の制作だったそうです。
また、多くの疑問の中には、マラソン足袋の利点はどこにあるのか?やドラマ「陸王」で竹内涼真もやっていた足に負担がかかりにくい足の裏全体を使って着地する「ミッドフット走法」のにいいのは本当なのか?というものがありました。マラソン足袋は指が動かせることで、足指でつかむ感覚や力を鍛えられるというメリットがあります。
また、ミッドフット走法に関しては基本的には薄型でフラットなソール(裸足に近い)が合っていると言われています。なので、マラソン足袋でも可能な走り方です。しかしミッドフット走法はあくまでも走法なので、マラソン足袋でしか取得できないということはありません。
ドラマ「陸王」はフィクションのドラマでしたが、とても完成度の高いシューズでした。しかし、表現上の関係でソールを薄くしなけれがいけなかったのでミッドソールの部分を取り払っての制作になりました。正直、トップレベルになると改良の必要があります。しかし、その中でもリアルを追及して、原作モデルや、監督のイメージに合ったシューズを収めていました。本当にプロの職人技です。
陸王の茂木のモデルは公式上いないとされていた!
ドラマ「陸王」は、主演の役所広司をはじめ、話題の若手実力派俳優の竹内涼真や山崎賢人の演技力もあり実際に存在する人々を落とし込んたようなリアルな世界観で一気に視聴者を陸王の世界へ引き込みました。ドラマ「陸王」に登場する「こはぜ屋」にモデルとなった会社があるのではないかと思わせましたが「陸王」は完全オリジナルストーリーとされており、モデルとなる会社や企業は存在しないとのことです。
ネット上では埼玉県行田市にある足袋メーカー「きねや足袋」がモデルという噂も流れています。これは小説「陸王」の執筆の時に池井戸潤が取材に訪れたことがあるとの噂です。しかし、池井戸潤本人が言っていることはなく、「きねや足袋」がモデルになっている証拠はどこにもありませんがきねや足袋では実際にランニング足袋「無敵」という商品を販売しているため噂が一気に広がったのではないかと考えられています。
陸王まとめ
ドラマ「陸王」について調べてきました。やはり、陸上の話なのでシューズにも強いこだわりがありました。また茂木を演じた竹内涼真も役作りに励み、長年やってきたサッカーで分厚くなった胸板を落とすなど陸上選手に近い体づくりをしたそうです。そのおかげで作中では素晴らしい足の筋肉をみせてくれました。また、フレッシュな役が多かったイメージですが、陸王を通して役の幅が広がりさらに今後の活躍が注目されています。
また、陸王は俳優陣や制作スタッフだけではなく、多くの技術者によって作られていった作品です。ドラマ自体もとても感動し涙を流す場面がいくつもありました。ドラマもそのドラマの裏側も感動する作品はなかなかありません。今後、ミズノのランニングシューズやランニング足袋にご注目ください。