崖っぷちホテル！のシェフ・パティシエ役はだれ？演技の評価や出演作品を紹介

ドラマ「崖っぷちホテル！」は、かつては老舗高級ホテルとしてその名を知られた「ホテル グランデ インヴルサ」が舞台。先代支配人が亡くなり、娘である「若すぎる新米女性総支配人」桜井佐那（戸田恵梨香）がやってきたものの、負債総額はなんと3億円！スタッフたちのやる気のなさは相変わらずで破産寸前の状況に陥っています。

そんな中、謎の客として宇海直哉（岩田剛典）が来館します。彼の滞在中の態度や言葉に影響を受ける支配人の佐那ですが、実は宇海は超高級人気ホテル「バリストンホテル」の副支配人であることが発覚。佐那は宇海に、ともにこのホテルを再建してくれるよう協力を依頼します。バリストンを辞め、二つ返事で「ホテル　グランデ　インヴルサ」の副支配人となった宇海は、様々なアイデアで従業員に初心を思い出させ、やる気を引き出していくのでした。

さあ、「ホテル　グランデ　インヴルサ」は崖っぷちの状態から立ち直り、昔のような華やかさを取り戻せるのでしょうか？佐那や宇海たちによる逆転劇が始まります…というあらすじの、笑いあり涙ありの人間ドラマです。

あまりにやる気のないスタッフたちの中、一人やる気満々で明るく、ある意味異彩を放っていたのが「空気の読めない新人パティシエ」鳳来ハル（浜辺美波）でした。ハルの直属の上司である料理長・江口竜二（中村倫也）も競艇に明け暮れる、ダメダメシェフ。やる気満々で明るい新入社員のハルとは、どうもそりが合わず、居心地悪そうにしています。

ホテルのスタッフたちはそれぞれ個性的なキャラクターばかりですが、最初のころはみな一様にやる気がなく暗い雰囲気でした。そのため、いつも一人明るく楽しそうで正直浮いていたハルは、視聴者も真っ先に覚えたキャラクターなのではないでしょうか。

まるでハルがボケ担当、江口がツッコミ担当の漫才のような会話。立ち行かなくなりそうなダメホテルとスタッフたち…ということで重くなりがちだった物語序盤の物語の空気を明るくしてくれていた二人の登場シーン。次第に視聴者も二人の登場を心待ちにするようになり、人気に火がついていったのでした。

そして、そのハルと一番絡みが多い役どころなのが同じ厨房仲間のシェフの江口なのですが、天然キャラのハルと現実的でどこか達観した感じの江口、この二人の掛け合いが面白い！しかもものすごいイケメンと美少女だけど誰が演じているの？気になる！ということであっという間に話題になったのです。

まずは「崖っぷちホテル！」シェフの江口竜二（中村倫也）についてご説明しましょう。江口は、暇さえあればペン片手にいつでも競艇新聞を読んでいる、「ホテル　グランデ　インヴルサ」の料理長（と言っても調理部は江口とハルの二人のみ）。

フランスで料理修行をしてきた本格派で、料理に関する知識も豊富、食材の目利きも一流です。一見スマートなイケメンシェフですが、口が悪いのが玉にキズ。前任の料理長が辞職して自動的に料理長に昇格したこともあり、料理長という役職にプライドを持ちつつも、経験不足であることは自覚しています。とある事情で、2話からは副料理長に降格します。

続いて、「崖っぷちホテル！」パティシエの鳳来ハル（浜辺美波）についてご説明しましょう。ハルは、「ホテル　グランデ　インヴルサ」の新人パティシエ（とある事情で、2話からは料理長になります）。とにかく明るくて物怖じしない、ポジティブな性格の女性です。

しかし、周囲の空気が全く読めず、どこかズレている天然さんでもあります。屈託のない可愛らしい笑顔とその天真爛漫さで、KYすぎるところも許されてしまう愛すべきキャラクター。パティシエとして採用されたはずなのですが、調理場の従業員が江口とハルの二人だけということもあり、厨房の下働き仕事もほとんど彼女が担当しています。

ドラマ「崖っぷちホテル！」では、江口とハルの会話が漫才のようで面白い、可愛くて癒されると毎回話題になりました。どこかズレているハルのおかげで噛み合わない二人の会話は初回から笑いを誘うものではありましたが、ドラマが進むごとに徐々に二人の間に信頼関係が培われていき、天然なハルに対する江口のツッコミには妹を見守るお兄さんのような優しさが生まれてきます。

ホテルの改革を進める副支配人の宇海の人事異動によって、2話早々でハルが料理長、江口が副料理長になる事態が起こります。上下関係の逆転により、江口も最初のうちは反発してますますやる気をなくしてしまいました。しかし、3話で宇海の企画対決の提案により「一流シェフ体験」を企画、開催したことで「作った料理を美味しいと言ってもらうのが夢」であった初心を思い出すのです。

空気の読めないハルを面倒がっていた節もあった江口ですが、3話の企画対決の際に宿泊部主任の時貞（渡辺いっけい）がハルのことを信用せずに他からシェフを呼ぼうとした際には、「あいつがそんなことするはずがない」と激怒して乱闘になるシーンもありました。企画対決に勝利して料理長復帰となるはずでしたが、料理長はハルのままが良いと考え、断ります。顔には出しませんが、ハルの才能のことも内心では元から認めていたのでした。

そんな信頼関係もドラマ序盤から徐々に生まれており、二人の登場シーンは毎回仲睦まじくほのぼのするものでした。シェフ・江口＆パティシエ・ハルの二人は「厨房組」、もしくは8話でハルが命名した「えぐハルコンビ」などと呼ばれ、ドラマ放送中はツイッターでそのやり取りに盛り上がり、放送後のネット感想などでも「可愛い」「癒される」と大好評を博しています。恋人同士というよりも、仲の良い兄妹のような？コンビです。

それでは、ここで「崖っぷちホテル！」シェフ・江口竜二役を演じる中村倫也さんについて調べていきましょう。

中村　倫也（なかむら　ともや）
（旧芸名：中村友也（読み同じ）
生年月日：1986年１2月24日(31歳）
出身地：東京都
身長：170cm
血液型：A型
所属：トップコート

トップコートは、旬の俳優も多く所属する大手事務所。菅田将暉さん、松坂桃李さん、新田真剣佑さんなども所属していて、プライベートでも親交があるようです。話題のイケメンぞろいです。

高校1年生の時、たまたまプリクラの中村倫也さんを見た友人の知り合い（芸能事務所関係者）が「紹介して」と声をかけたことでスカウトされたことを先日バラエティー番組で明かしていました。その頃から光るものがあったのでしょう。

中村倫也さんと言えば、演じている役によってガラリと印象の変わる「カメレオン俳優」としても注目されており、言われなければ分からないほどの変貌っぷりを見せます。高く評価されている演技力だけでなく、身にまとう雰囲気も変えてしまうのでそう呼ばれるのでしょう。いつも視聴者を驚かせて、ウワサになっています。

芸歴の長い俳優さんですので、出演作は数え切れないほどであります。ゲスト出演や脇役が多かったようですが、十数年の長い下積み時代を経て、ここ数年でメインキャラクターに起用されることが急激に増えてきました。中でも、直近の作品で印象の強いものをご紹介します。

CM「大和ハウス」
上野樹里さん演じる奥様と一緒に暮らす、頼りないけれど優しい旦那様役です。メガネで野暮ったい印象のせいか、中村倫也さんだといまだに気づいていない方も数多いようです。さすが、カメレオン俳優と言われるだけのことはあります。

ドラマ「ホリデイラブ」（2018年冬クール・テレビ朝日系列の連続ドラマ）
主人公の夫の不倫相手の女性の夫・井筒渡役を演じました。妻への束縛欲が強く、サディスティックなDV夫の役柄だったため、視聴者にはかなり強烈な印象が残っているようです。

ドラマ「半分、青い。」（2018年上半期NHK朝ドラ）
東京・胸騒ぎ編（全26週中、6-14週）において主人公が恋する王子様・朝井正人役を演じました。誰にでも優しく甘いのですが誠実さに欠けるところがあり、絶えず複数の女性からモテているというような役柄です。その優しさと、何を考えているのか分からない不思議な存在感から「ゆるふわイケメン」と称されるようになり、役名にちなんだ「まあくん」フィーバーを巻き起こしました。

「崖っぷちホテル！」とは放送時期がかぶっており、タイトな朝ドラのスケジュールと両立するのは大変だったでしょうが、朝ドラに出演したことで一気に知名度が全国区、老若男女問わずになったと思われます。
 

ドラマ「ドロ刑-警視庁捜査3課‐」（2018年秋クール・日テレ系で現在放送中）
元捜査1課のエリート・皇子山隆俊役を演じています。エリートが急に3課に左遷されてきたという謎めいた存在ですが、優秀な刑事ですので随所に「デキる男」感のあるカッコいい役どころです。

それでは、ここで「崖っぷちホテル！」パティシエ・鳳来ハル役を演じる浜辺美波さんの芸歴について調べていきましょう。

浜辺美波（はまべ　みなみ）
生年月日：2000年8月29日（18歳）
出生地：石川県
身長：155 cm
血液型：B型
所属：東宝芸能

浜辺美波さんは2011年、第7回『東宝シンデレラオーディション』に応募され、ニュージェネレーション賞を受賞して芸能界入りを果たされました。東宝創立50周年を機に不定期に開催されている『東宝シンデレラオーディション』ですが、歴代のグランプリ受賞者には沢口靖子さん、野波麻帆さん、長澤まさみさん、水野真紀さんなど、そうそうたる方々がいらっしゃいます。
 

他の出場者が特技のダンスなどで注目を集める中、浜辺さんはこれといった特技を披露することもなく、落選したとばかり思っていたとインタビューで語っていましたが、浜辺さんがダイヤの原石であることを審査員の方々は見抜いていたのだと思われます。

浜辺美波さんの出世作をはじめ、近年の主な他の出演作品を振り返ります。純粋で可憐な少女の役から、ギャンブル狂、常にハイテンションの女子高生など、作品により役の振り幅が大きいため、同一人物と気づいていなかった作品もあるのではないでしょうか？

ドラマ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」
（2015年9月のフジテレビ系スペシャルドラマ）
浜辺美波の名を一躍有名にしたのが人気アニメを実写化したこの作品で、天真爛漫で元気な本間芽衣子（めんま）役を好演しました。原作ありの漫画やアニメの実写となると、キャスティング次第でファンは不満を抱くこともあるものですが、アニメのイメージを一切損なうことのない透明感と可愛らしさで、あの女優は誰だ？と、話題に上ったのです。

映画「君の膵臓をたべたい」（2017年7月28日公開、東宝）
山内桜良役で、DISHの北村匠海さんとW主演を務めました。膵臓の病に侵された余命1年の少女という難しい役どころを演じきり、2017年は日本アカデミー賞をはじめとした数々の新人賞を総なめにするなど、高い評価を受けました。この頃から、現在に至る映画の主演ラッシュが続いていきます。

映画「センセイ君主」（2018年8月1日公開、東宝）
告白7連敗中のモテない女子高生・佐丸あゆは役で竹内涼真さんとダブル主演を務めました。素直で一途ですがちょっとおバカな役どころで、常にハイテンション。変顔も惜しみなく披露しつつ、コメディーもできる女優として評価を上げた作品です。

ドラマ「賭ケグルイ」（2018年1月15日 - 3月19日、MBS系連続ドラマ）
生粋のギャンブル狂「賭けグルイ」である天才ギャンブラーの女子高生・蛇喰夢子（じゃばみゆめこ）役で主演。可憐な見た目とは裏腹に、ギャンブル狂の役だけあって常軌を逸した表情や冷徹な一面などを見せていました。来年には映画、ドラマの続編が決定していることからも評価の高さがうかがえます。

浜辺さんは特にアニメや漫画が原作の作品に出演されていることが多い印象です。整った可愛らしい顔立ちではあるのですが、ご本人いわく「個性のない顔」であることと、独特な透明感と演技力で、視聴者の期待したイメージ通りにいろいろなキャラクターに染まることができる稀有なタイプの女優さんだと言えます。

では、ここで「崖っぷちホテル！」シェフの江口竜二役の中村倫也さんの演技とその評価に移りましょう。江口は一見するとクールなイケメンシェフですが、2枚目的な部分も3枚目的な部分もある、引き出しの多いキャラクターです。

競艇狂いの不真面目なシェフという登場で、改革を進めようとする副支配人の宇海に対しても最初は嫌悪感をあらわにしていました。こんなにやる気のない従業員ならクビになって当然、と思わせるふてぶてしいキャラクターでしたが、3話という早い段階で打ち解け、その後は宇海や総支配人・佐那の強力な味方になっていきます。

普段は真面目というよりチャラそうな雰囲気の江口ですが、調理に関する際に時折見せる真剣な表情（食材の目利きをハルにダメ出しするところなど）、3話ラストで宇海と飲んでいた時の様子などから、実は内面に熱いものを持っている男性なのだということがよく分かりました。

また、ハルに突っ込む時の表情も様々でした。面白おかしくコメディータッチの時もありますが、得に、愛あるダメ出しツッコミの時に見せる優しい表情にキュンと来た女性は多かったようです。中村倫也さんの演技力だからこそ、このようにいろいろな江口の一面を演じ分けて見せてくれたと言えるでしょう。カメレオン俳優と言われる演技評価を持つ俳優さんですから、これくらいは当然と言えるのでしょうか？

次は「崖っぷちホテル！」パティシエの鳳来ハル役の浜辺美波さんの演技とその評価についてです。ハルは基本、常に明るくて前向き・マイペースでKYだけど憎めない、天然キャラクターです。ドラマ内では、浜辺さんも元々天然なのか？と思わせるほど、空気の読めないハルを自然に演じてらっしゃいました。

江口に嫌味を言われても、なんでも「ありがとうございます！」で返してしまう、絶妙な空気の読めない感。自分の才能には自信があり、「私、天才ですから～」としょっちゅう言っているポジティブさ。主役のガンちゃん演じる宇海に負けない、天真爛漫な満面の笑顔。どんな事にも一生懸命で純真。

そんなハルは、視聴者を癒し、元気にしてくれるキャラクターでした。ハルというキャラクターが視聴者に愛され、ドラマ「崖っぷちホテル！」が元気の出る癒し系ドラマとして高評価を得たのは、浜辺さんの演技力あってこそだったと思われます。

「崖っぷちホテル！」のシェフ江口とパティシエ・ハルの登場シーンが、仲良し兄妹の漫才のようで可愛くて癒されると話題になりました。シェフ役の中村倫也さん、パティシエ役の浜辺美波さんの演技力の高さでそれぞれが生き生きとした魅力的なキャラクターとなり、「えぐハル」コンビ人気につながっていったのだと思われます。

日曜夜と言えば、翌日からの仕事や学校に対して不安やストレスを感じる人が多い時間帯でもあります。「崖っぷちホテル！」は日曜夜22時30分からの放送枠だったため、ほのぼのと癒してくれる「えぐハル」コンビの会話や、ポジティブなハルの天真爛漫な笑顔を見て、元気をもらっていた視聴者も多数いたことでしょう。この二人の存在がドラマ人気を牽引していたと言っても過言ではありません。

今後、このコンビに会えることはあるのでしょうか？大活躍中の中村倫也さん、浜辺美波さんに注目しながら、再び「えぐハル」コンビを見ることができる日が来るのを待ちましょう。