2018年09月29日公開
2018年09月29日更新
ドラマ精霊の守り人のあらすじ・見どころを解説!全シーズンをネタバレ紹介
上橋菜穂子さん原作の異世界ファンタジー小説シリーズ「守り人シリーズ」を原作とするドラマが精霊の守り人です。「世界に届けられるソフト」として製作された本作は3シーズンに渡って放送され、高い技術と原作のあらすじを踏襲した物語で好評を集める事になります。今回はまだ精霊の守り人を見た事がない人向けに、精霊の守り人のあらすじや登場人物、見どころをネタバレありで紹介していきます。
目次
ドラマ版精霊の守り人のあらすじや見どころを徹底解説!全シーズンをネタバレ紹介!
NHKにて2016年から3シーズンに渡って放送されたドラマが大河ファンタジー精霊の守り人です。日本のドラマでは珍しい異世界を舞台としたあらすじは注目を集め、原作の人気も受けて高い評価を受けた作品です。しっかりと構成された世界観はかなり入り込みやすく、アクションシーンも迫力のある物として話題になっていました。特にアクションシーンの評価は高く、いくつかの賞を受賞するに至っています。
VFX技術を駆使し、4Kで撮影された広大な世界は、「世界に届けられるソフト」という製作テーマを存分に現すに十分な力を発揮しています。今回はドラマ版の精霊の守り人を中心に、そのあらすじや登場人物、各シーズンの見どころなどをネタバレありで紹介していきます。
精霊の守り人とは?
精霊の守り人は元々、上橋菜穂子さんが1996年から2007年にかけて発行した人気児童書「守り人シリーズ」を原作としています。児童書でありながらその広大な世界観で大人にもファンが多く非常に幅広い作品です。原作小説は、女傭兵バルサを主人公とする「~の守り人」シリーズと皇子チャグムを主人公とする「~の旅人」シリーズとタイトルを分けながらも本編10作、短編2作と発行されています。
守り人シリーズは同年代の子供が主人公になる事が多い児童書としては珍しい30代の女性を主人公としながらも、児童書として確かな評価を受け、発行する度に児童書関連の賞を受賞するなど高い評価を集めていました。目に見える人間の世界である「サグ」と目に見えない精霊の世界「ナユグ」という重なり合った2つの世界を舞台にしたファンタジー世界を物語の舞台としています。
メディアミックス展開が行われたのは、2006年、原作の1巻「精霊の守り人」と2巻「闇の守り人」がNHKFM放送にてラジオドラマとして放送される事になりました。そのラジオドラマをきっかけにして、2007年には全26話でアニメ化、アニメ化に伴った漫画化を経て2014年ドラマ版の製作が発表、2016年より3シーズンに渡って放送される事となりました。
3つに分けられたシーズンでは、タイトルを「精霊の守り人」に統一しサブタイトルにて差別化を図り、1シーズン目は原作1巻に当たる「精霊の守り人」を原作に忠実に再現、シーズン2からは原作のいくつかの話を組み合わせてドラマ向けに再構成する形で展開されました。再構成するに当たり、原作者である上橋菜穂子さんも製作に加わり、長い年月をかけて発行された「守り人」シリーズ故の設定の矛盾などが解消されました。
ドラマ版精霊の守り人の登場人物・キャストを紹介
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ここからはドラマ版精霊の守り人の主要な登場人物をネタバレありで、その登場人物を演じたキャスト共に紹介していきます。もちろんここで紹介する登場人物は本の一部で、精霊の守り人は複数の国々の執政者やその周辺の人物から民の立場の物まで多く登場し、最終章に当たるシーズン3においても新しい登場人物が登場する程に登場人物が多いドラマでもあります。
バルサ役:綾瀬はるか
原作では守り人シリーズの中でも「~の守り人」というシリーズを通して主人公務めるのがバルサです。ドラマ版ではストーリーの再構築に当たり、全編で主人公を務めています。児童書がスタートにも関わらず、精霊の守り人の物語開始時点で30歳を迎える女性で、用心棒稼業をして生計を立てています。女性でありながら「短槍使いのバルサ」の通り名で知られ、登場人物の中でも単騎なら最強の強さを誇ります。
下記で紹介するチャグムの護衛も最初は拒否しようとしますが、チャグムの生い立ちに自らの境遇を重ねた事で引き受ける事になります。バルサは父が政権争いに巻き込まれた事から、父の友人だったジグロに助けられて国外逃亡、放浪の旅をしながらジグロに武術の才能を見いだされて短槍術を習った過去を持っています。その放浪の旅の最中に出来た友人らの助けをかりながらチャグムを助ける事になります。
そんなバルサをドラマ版精霊の守り人で全編を通して演じるのが女優の綾瀬はるかさんです。ドラマや映画で数々の主演を演じてきた綾瀬はるかさんですが、「海街diary」「ホタルノヒカリ」などどちらかといえば女性的な役柄が多かったのに対し、大河ドラマ「八重の桜」で演じたアクションシーンを期に、アクションシーンも注目されるようになり精霊の守り人でも登場人物中最もアクションシーンが多いバルサを演じる事になります。
チャグム役:(シーズン1)小林颯(シーズン2以降):板垣瑞生
守り人シリーズのもう1人の主人公と言えるのがチャグムです。原作では「~の旅人」という表題の作品において主人公を務めています。チャグムは精霊の守り人シリーズの中で登場する国家の1つ、新ヨゴ皇国の第2皇子で、物語開始当時は11歳でした。身体に精霊の卵を宿した事で1度は暗殺されそうになりますが、バルサによって守られて脱出、その後、兄である第1皇子が亡くなった事で皇太子となりました。
元々気骨ある賢い少年だったチャグムですが、バルサとの逃亡生活の中で、王宮にいる間は知る事が出来なかった、庶民の暮らしに触れた影響で民を思う気持ちが強く、また数奇な経験を経た事で精神的に大きく成長する事になります。その事が父である帝とのわだかまりにもなっていますが、若くして名君の器であると言われるまでに成長する事になります。登場人物の中でも特に成長する姿が描かれる登場人物でもあります。
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ドラマ版精霊の守り人はシーズン1終了時からシーズン2までの間に物語の世界の中で4年の歳月が流れるのでまだ子供であるチャグム役はシーズン1とシーズン2で別のキャストが立てられています。シーズン1でチャグム役を演じたのが子役の小林颯くんです。2011年に活動を開始すると映画やドラマで多くの登場人物の幼少期を演じるなど活躍しています。映画「呪怨シリーズ」や大河ドラマ「おんな城主直虎」などにも出演しています。
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シーズン2以降チャグム役を演じるのが板垣瑞生さんです。2014年に映画「闇金ウシジマくんPart2」で映画デビューを果たすと、2015年公開の映画「ソロモンの偽証」で1年にも及ぶ大規模オーディションを経て準主役級の神原和彦役に選ばれて注目を集めました。その後も映画、ドラマと活躍を続け、2018年の映画「響HIBIKI」などにも出演しています。
ジクロ役:吉川晃司
精霊の守り人では要所要所でバルサの過去が語られますが、その中でも頻繁に登場するのが、育ての親で師匠でもあるジクロです。原作第1巻「精霊の守り人」の時点で既に病死して亡くなっているので、本編には登場しないながらも重要な登場人物として度々回想で姿を見せます。ジクロ自身も100年に1人の天才と言われる程の短槍使いで最年少でバルサの故郷でもあるカンバル王国最高の武人位「王の槍」の中の最高位に付いていました。
そんなジクロですが、友人であったバルサの父、カルナの頼みを受けてそれらの地位や名誉を全て捨ててバルサを連れて国外逃亡。以降放浪の旅をしながら刺客として放たれるかつての友「王の槍」のメンバーと戦う事になってしまいます。バルサの現在の交友関係を築いた人物ともいえ、バルサが凄腕と言われる程の用心棒になれたのもジクロによる所が大きいです。既に故人でありながら多くの登場人物に影響を与えています。
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そんなジクロ役をドラマ版精霊の守り人で演じたのが吉川晃司さんです。登場人物中でも守り人シリーズの作者の上橋菜穂子さんを持って一番のハマり役と言われる程、熱演をしています。歌手としても活躍する吉川晃司さんのマルチな活動故に出演作は多く、同じく綾瀬はるかさんが主演を務めた大河ドラマ「八重の桜」にも重要な登場人物である西郷隆盛役で出演しています。
ドラマ版精霊の守り人のあらすじをネタバレ紹介!
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ここからはドラマ版精霊の守り人の中でもシーズン1に絞り、そのあらすじをネタバレありで細かく紹介していきます。少しネタバレしておくとシーズン1の精霊の守り人は概ね原作通りに物語が展開しますが、要所には以降の展開に合わせた改変も行われています。
バルサはチャグム王子を救出する
ドラマ版精霊の守り人は断崖の山道を進む行列とその行列を遠巻きに見守るバルサという構図から物語がスタートします。行列が細い橋に差し掛かった時、牛車を弾く牛に吹き矢が放たれ牛車に乗っていた新ヨゴ国の第2皇子チャグムが川に落ちてしまいます。バルサは川に落ちたチャグムを助け、兵士にチャグムを渡そうとしますが、そもそも牛を暴れさせたのがバルサではないのかと疑われなんとそのまま捕えられてしまいます。
一連の事件が新ヨゴ国の帝に聖導師によって伝えられます。そしてこの事件は、なんとチャグムの父である帝による、皇子の暗殺計画だったのです。いっそバルサごとその場で殺せばよかったのに何故殺さなかったのかと問う帝に対し、聖導師は仮にも皇子の命の恩人をその場で殺す事は出来なかったと答えました。
バルサは皇子であるチャグムの命を狙った者として処刑される事に決まりますが、新ヨゴ国の重要な役職である星読シュガ、さらにチャグムの母であるニノ妃は聖導師にバルサの処刑に疑問をぶつけます。そしてニノ妃はせめてお礼を言わせてほしいと聖導師に懇願するのです。
バルサの過去
牢に捉われたバルサは自らの過去を振り返っていました。そこで上記でもネタバレした育ての親で短槍術の師匠ジグロの事、そしてジグロから聞いた自らが幼い頃に起こった政争争いに巻き込まれた父と、その思いなどを振り返ります。脅されてやった事とはいえ、父の助けで王位についたカンバル王が秘密を知る父、そしてまだ当時幼かったバルサの命を狙ったのでした。
そんな過去を振り返っているとバルサは牢から出される事になります。案内された場所にはごちそうや酒が用意してあり好きなように食べていいと言われてしっかりと食事を取ります。程なくして湯に入り着替えるように命じられたバルサ。浴場に1人になるとバルサの元に現れたのがニノ妃でした。ニノ妃がバルサと2人になれる場所はここしかなかったのです。ニノ妃の懇願が実現した形となります。
バルサとチャグムの逃亡へ
ニノ妃はバルサに自らがチャグムの母である事を名乗りお礼を言いたいと伝えた上で、事の顛末をバルサに話します。そもそも帝がチャグムを殺そうとした理由はチャグムに魔物が取り憑いたからだというのです。その上でニノ妃はバルサにチャグムを連れて逃げてほしいとお願いします。しかし最初バルサはその申し出を引き受けるとは言いませんでした。
しかしニノ妃はバルサが用心棒稼業で生計を立てている事を知ると、バルサをチャグムの用心棒として雇いたいといって手に余るほどの宝石を渡します。チャグムの境遇と今自らが置かれている立場にそのまま幼い自分とジグロを重ねたチャグムはその用心棒としての依頼を引き受ける事になります。ニノ妃の策略で宮殿に火を放ちバルサは逃げチャグムは焼け死んだ事にするというのです。
チャグム、庶民の暮らしを知る
このニノ妃の宮殿に火を放つ策略は聖導師、そして帝にもバレていましたが、一応はバルサとチャグムは王宮から逃げ出す事に成功します。バルサは長い旅になる事を予見し、過去に助けた事のあったトーヤの家に一時的に身を寄せて旅の支度を整えます。夜になると闇夜に紛れてバルサとチャグムはトーヤの住処を出て森に向います。そこで帝の放った複数の刺客に襲われる事になるのです。
バルサは多くの刺客を倒しますが、そこは多勢に無勢、最後には倒されてしまいます。なんとか一命を取り留めますが僅かの間気を失うように眠ってしまいます。すぐに目を覚ましたバルサは先に逃がしていたチャグムを追い掛け、川の浅瀬で襲われている所を発見、間一髪のところでバルサが助けるに入ります。しかしその戦いは負傷しているバルサが不利に追い込まれていきます。
しかしその時、チャグムの胸が青く光り出します。その青い光は刺客を包み込むと川の水に飲み込まれて流されていきました。九死に一生を得たバルサでしたが既に身体はボロボロでした。チャグムに幼馴染のタンダの居場所を教え連れてくるようにお願いします。チャグムはその願いをかなえ、タンダによってチャグムは助けられる事になります。
ドラマ版精霊の守り人の全シーズンの内容を紹介!見どころも解説!
ここからはドラマ版精霊の守り人をシーズン毎に内容にネタバレありで触れながら見どころを解説していきます。
シーズン1のあらすじ・見どころをネタバレ紹介!
上記でネタバレしたあらすじをだけを見ると、あまり精霊を代表とする異世界な要素は少なく、精々、チャグムに宿る水の精霊が襲ってきた武人を倒した程度ですが、以降シーズン1では、その水の精霊の卵を狙う、土の精霊ラルンガにも命を狙われる事になります。精霊の守り人最初の見どころと言えるのがこのラルンガ、そして王宮からの刺客との戦いを経て垣間見る事ができるチャグムの成長です。
チャグムは皇子という立場もあって、最初はどちらかといえばわがままで上から目線、子供っぽい一面が目立ちます。しかしバルサとの旅を経て、自らでも戦えるようになりたいとバルサに短槍術を習うを自ら望み、バルサに頭を下げるのです。そしてバルサに師事したチャグムは身も心も大きく成長し、その間、ラルンガの事を調べる為に別行動していたタンダに再会時に驚かれる事になります。
一方でチャグムの故郷である新ヨゴ国のを中心にした政争の様子も描かれています。干ばつに喘いでいた新ヨゴ国では父である帝は「チャグムに水の精霊が宿ったから」と考えて、刺客を放ち続け、最初は帝側に見えた聖導師は「チャグムを守り、新たな王として迎える」為に刺客を放つ事になります。2つの刺客に追われながらもバルサとチャグムはタンダやその師匠トロガイの協力を得てラルンガを倒す事になるのです。
精霊の守り人シーズン1は新ヨゴ国の行く末とチャグムの成長、そしてそれを見守るバルサという形で物語が展開します。チャグムはバルサを敬愛し一時は皇子としての立場を捨ててバルサの弟子として生きていく事を望んでさえいました。王宮から正式に皇太子として迎えると迎えが来ても戻りたくないと泣いたりします。そこでのバルサの「それならここで私が一暴れしてやろうか」というセリフも印象的で見どころの1つとされています。
チャグムはそんなバルサの思いを受けて王宮に帰る事を決意します。しかしそれはバルサの為でもありました。未だカンバル王に追われる身であるバルサの為、いつかカンバル王を倒してバルサがカンバル国に戻れるようにするというのです。
しかしバルサはそれを望みませんでした。「誰かの為に生きるのはやめろ」「誰かの為に生きるなら顔も知らない人達のために生きろ」「お前にはいつかそう言う帝になって欲しい」という思いをチャグムに伝えます。この言葉を受けたチャグムはシーズン2以降にて大きく成長した姿を見せてくれる事になります。精霊の守り人シーズン1の一番のみどころと言えるのがこのシーンの綾瀬はるかさんの力強いセリフです。
シーズン2のあらすじ・見どころをネタバレ紹介!
精霊の守り人シーズン1は概ね原作小説の第1巻精霊の守り人をほぼ忠実に再現していますが、シーズン2からはいくつかのシナリオを含めて再構成されました。これは原作小説が場面の転換を少なくし、それぞれバルサが主人公の物語とチャグムが主人公の物語に分けて展開した後に、シリーズ後半にて2つの物語が合流する形式を取っていた為です。
なのでシーズン2では原作の物語のうち、「神の守り人(バルサ主人公)」「蒼路の旅人(チャグム主人公)」「天と地の守り人(合流後)第1部」を抜粋してシナリオが再構築されています。加えて忘れてはならないのが上記登場人物紹介でもネタバレしているようにシーズン1とシーズン2の間には4年の時が流れているという事です。
シーズン2は原作の話を織り交ぜる形で「バルサがアスラを守る旅」と「チャムグが1人の兵士としてタルシュ帝国との戦いに赴く物語」の2つが交互に展開されます。その2つの物語の共通点となるのが、チャムグが皇太子である新ヨゴ国の隣国であるロタ王国です。ここではバルサとチャムグの物語をそれぞれに分割して紹介していきます。
バルサは商人達の護衛という用心棒家業でロタ王国を訪れます。そこで4年ぶりにタンダに再会、さらにタンダの知人でもあるロタ王国の呪術師スファルと出会います。その3人を尻目にすぐそばで幼い子供が人身売買されている事に気付いたバルサ、スファルの制止も聞かずに人身売買の後をつけます。売り手と買い手が揉め出したのを見た子供の1人アスラが叫び声を上げると恐ろしき神が召喚されて皆殺しになってしまいます。
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子供に何かが宿る姿に過去のチャグムを重ねたバルサはアスラを助けようとします。しかしタンダはアスラ感じる死の臭いにそれを制止、さらにはスファルにも止められてしまいます。しかしアスラが襲われてしまい助け出すバルサ。以後もバルサはアスラに宿るアスラ自身が悪い人をやっつける神と呼ぶ者、他の者が「破壊神」と呼ぶそれを守るべく行動していきます。
シーズン2でのバルサの物語はシーズン1と同じく精霊などの存在が強く関わり物語が展開されていきます。アスラの力を利用してロキ王国を建て直そうとする勢力との戦いが描かれる事になるのです。一方でチャグム視点の物語は全く違う所からスタートします。チャグムは4年の間に民衆からも高い人気を集め、帝よりも高い人気を集める程になっていました。
そんな新ヨゴ国は、隣国であるサンガル王国から援軍を求められていました。チャグムは援軍を送るように進言しますが、帝は乗り気ではありませんでした。最終的に船1隻だけを援軍に出す事に決まるのです。そんな形だけの援軍にチャグムが異を唱えると、チャグムも同乗して守護を与えるようにと言われてしまいます。しかしチャグムは王宮に軟禁される現状を考えればとそれを受け入れます。
チャグムは帝国と徹底抗戦するのであれば隣国ロタ王国と同盟をするべきと考え、サンガル王国に出向く前絵に危険を顧みず自らロタ王国に出向き、ロタ国王と面会します。帝国歓迎の意志もあるロタの民の手前すぐには約束できないとされながらも前向きに検討する旨を貰い、チャグムは一路サンガル王国に向かう事になります。
このようにチャグムの物語は精霊云々が強いバルサとは違い、国同士の立ち振る舞いや各種の陰謀がまみれる形で情勢が描かれる形になっています。一見繋がらないように見えるバルサとチャグムの物語、しかしチャグムの物語が不穏な動きを見せます。チャグムは既に帝国に落とされていたサンガル王国の、そして帝国の捕虜になってしまうのです。
帝都でチャグムは、国に戻って帝を殺し、王位について従属する事を強要されます。拒否権のないチャグムは一旦はそれを了承しますが、国に戻る船の中で、帝国に反する為に自らを「死んだ」事にして行動する事を決意、船から海に飛び込んで逃げ出します。その意図を伝えられたチャグムの母、ニノ妃の依頼で、バルサは再びチャグムの用心棒として雇われる事になるのです。
しかしシーズン1の時とは違い、今度はチャグムと合流する所からが任務です。各国の情報筋と接触しながら、バルサはついにチャグムと合流する事になります。実に4年ぶりの再会となるバルサとチャグム、ネタバレすると再会の際のバルサの「大きくなったね、チャグム」というセリフはシーズン2が大きく隔たれた物語だった事を象徴するシーンとなっています。
シーズン2の見どころはバルサの物語とチャグムの物語それぞれに観られます。バルサの物語ではやはり、アスラを中心とした周囲の入り乱れる形が見どころです。味方だと思った人が裏切るような形や、アスラが周囲に翻弄される姿などが随所に描かれており、それをなんとか守ろうとするバルサも非常に特徴的です。
チャグムの物語の見どころはやはり、帝都でのラウルとの対面シーンです。それぞれが後継者という立場だからこそのやりとり、政争、戦略は非常に考えさせられる物があります。シーズン1を通して大きく成長したチャグムが荒波にのまれて四苦八苦する姿もやはり印象的です。そして何よりも最終話、バルサとチャグムが合流する所はシーズン2最大の見どころと言えるでしょう。
シーズン3のあらすじ・見どころをネタバレ紹介!
シーズン3はシーズン1からシーズン2の時とは違い、シーズン2の直近から物語がスタートします。バルサとチャグムが、チャグムの願いで残された隣国で因縁深い、カンバル王国に向かう事になるのです。カンバル王国では、自らの父を殺した王であるカンバル王、そしてバルサ育ての親であるジグロの兄ガグロなどとバルサは槍を交える事になります。
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そもそもバルサとチャグムがカンバル王国を訪れたのは、迫りくる帝国からの進軍を防ぐ為、ロタ王国と同盟した上で新ヨゴ国を救ってほしいという提案を伝える為でした。しかし因縁深いバルサが先にカンバル王に会う事になります。代弁する形でチャグムの願いを伝えますが、カンバル王はすぐには聞き遂げませんでした。
シーズン3の前半は、上記のようにカンバル国を舞台に、バルサがジグロの想いと向き合い、またジグロを裏切り者とするカンバル国での意識を変えていく事になります。最後にはバルサが直前に控えていたカンバル国と山の王との決戦に介入し、私欲を欠いたカンバル国王が死去して息子のラダールが王位に即位した事でチャグムの思いは聞き遂げられる事になります。
ラダールから援軍となる軍を預けられ率いる事になったチャグム、そしてカンバル国で過去の因縁と向き合い立ち切ったバルサはここで分かれる事になります。その時には既に新ヨゴ国に帝国が上陸し、戦争が始まってしまっていました。チャグムはロタ王国を経由して、新ヨゴ国を助けるべく、援軍に向かい、バルサは自らを支え続けてくれたタンダの元に向かう事になります。
後半は率いる立場としてのチャグムと、あくまでも市民の1人でしかないバルサの立場それぞれで戦争に関わる姿が描かれます。チャグムは援軍を率いて陥落寸前だった最後の砦となるヤズノ砦を救援します。最後までチャグムの事を認めない帝でしたが、「今さら神の子に戻る気はない」とチャグムは帝と決別する事になります。登場人物の中でも特に成長が描かれるチャグムの成長を特に感じ取る事が出来るシーンです。
シーズン3は前半はバルサ、後半はチャグムが活躍する様がしっかりと描かれています。前半の見どころはバルサが、亡霊となったジグロと戦う場面でしょう。あらすじではネタバレしていませんが、カンバル国と山の王の戦いの最中、バルサはジグロと戦う事になります。アクションシーンの多い精霊の守り人ですが、槍捌きという意味においてはこのシーンが一番目を引くシーンだと言えます。
後半の見どころと言えるのはやはりチャグムがヤズノ砦を救援するシーンです。チャグムは援軍の大将として後ろに控えるように言われますが、他国の人に命を投げ出せと言っているのに戦わないわけにはいかないと自ら最前線に立って戦います。肩に槍を受けても立ち上がるその姿はまさに必見です。
さらにネタバレするとシーズン3、特に後半はあまり精霊を代表するファンタジー要素が減っていく精霊の守り人ですが、最後に大きな要素が待っています。後半から断片的に描かれる事になるのですが精霊の世界から大洪水が訪れるというのです。このシーンはネタバレあらすじを読むだけでは感じ取れない程の素晴らしい技術を持って作られているので、ファンからは見どころとしてよく上げられる場面です。
ドラマ版精霊の守り人のあらすじと見どころを紹介まとめ!
ドラマ版精霊の守り人は「世界に届けられるソフト」という製作意図によって作られた3シーズンにも及ぶ異世界ファンタジードラマです。原作からは作者の同意の元にあらすじが再構築され、守り人シリーズのイメージを崩さない程度にしっかりとしたドラマにまとめられています。登場人物も非常に魅力的なキャラクターが多く、ネタバレを読むだけでは足りない程に迫力のある映像を楽しむ事ができます。
製作元であるNHKも相当力を入れた作品で、1シーズンが放送される前から3シーズンに渡って製作する事を発表、予算をふんだんにつぎ込んで撮影が行われています。それだけにしっかりした映像はそれだけで見どころ満点の作品に仕上がっているとも言えます。特に要所で登場する精霊などの表現は非常に幻想的で、アニメとはまた違った世界を演出してくれます。
またNHKではドラマの再放送やソフトオンデマンドはどちらかと言えば消極的ですが、このドラマ版精霊の守り人に関しては再放送もソフトオンデマンドでの放送も対応し、全面に押し出しています。原作の良さをそのままに1つのドラマとして見どころの多い作品に仕上がっているので、まだ視聴していない人は1度視聴してみてはいかがでしょうか。