ひよっこの宗男おじさん役・峯田和伸はどんな俳優？プロフィールや役柄まとめ

2017年４月からNHKで放送された連続テレビ小説「ひよっこ」。主人公みね子を始めとする個性あふれる登場人物や予測のつかない物語の展開に、毎日、目が離せなかった視聴者が多かったでしょう。今回は、数多くの登場人物の中から、ひよっこにて「宗男おじさん」役を演じた俳優・峯田和伸さんについて紹介します。

時は、1964年東京オリンピック開催直前。茨城県北西部久那群にある、福島にほど近い山あいの村・奥茨城村にて育った矢田部みね子が集団就職を機に東京へ上京し、様々な試練を乗り越えて成長していく姿を描いた作品です。当時、若者を中心に流行したビートルズや、ツイッギーによるミニスカートの登場、プロレス人気なども作中に描かれており、ひよっこ視聴中に懐かしさを感じることがあったでしょう。

ナレーターから、「変なおじさん」とツッコまれるなど、ひよっこ登場人物の中でもっともインパクトのある人物であり、視聴者の中には、誰が演じているのだろうと気になったこともあるでしょう。ひよっこで演じられた底抜けに明るい性格やひよっこ人気もあり、演じた峯田和伸さんも街中で声をかけらるほどの人気のある登場人物の一人でした。まずは、峯田和伸さんが演じた宗男おじさんこと「小祝宗男」について、おさらいしましょう。

宗男おじさんは、みね子から見てお父さんの弟、つまり父方の叔父にあたり、奥茨城村から離れた場所に住んでいます。小祝家の婿養子という形で結婚しており、恐妻・滋子との間に、元気・勇気・丈治の3兄弟の子供がいます。ひよっこでは、稲刈りの手伝いを始め、愛車であるバイクを飛ばして頻繁に矢田部家を訪れており、姪にあたるみね子やその弟妹からは、「宗男さん」「宗男おじさん」と呼ばれて慕われています。

ひよっこの時代では珍しいマッシュルームカットに、ビートルズの熱狂的なファン、底抜けに明るい性格からナレーターから「変なおじさん」と突っ込まれることもしばしば。周辺を山に囲まれた奥茨城村では、宗男おじさんの時代の最先端を行くような考えや趣向は、一風変わったように感じられています。ちなみに、ドラマ初登場の回にみね子から「変な髪型」と突っ込まれるシーンがあり、宗男曰く「髪型は生まれつき」だそうです。

宗男おじさんと言えば、ビートルズは外せない要素でしょう。ひよっこでも、小祝家の物置小屋をイギリス国旗を始めとするビートルズ関連グッツで埋め尽くし、仕事をサボってビートルズに浸っては、妻・滋子さんに怒られているシーンもありました。そして、ビートルズの来日公演には「彼らと同じ空気を味わいたい」と一人上京、後日駆けつけた滋子さんと共に武道館周辺でコンサートを楽しみました。

ひよっこでは、宗男おじさんの会話から「鬼嫁」を連想させるエピソードが多く語られる妻・滋子さん。南海キャンディ―ズのしずちゃんこと山崎静代さんが滋子役を務め、ひよっこでは、夫婦喧嘩のゴングが鳴ると夫の前でボクシングの構えを取り戦う姿勢を見せるなど、当初は恐妻の一面が強調されていました。

しかし、ひよっこ後半では、夫にためにビートルズをデザインしたお揃いのＴシャツを作って上京・武道館周辺で公演を楽しむ、矢田部家の新しい農業開拓に夫・宗男と共に尽力するなど、本当は頼もしくて優しい奥さんです。

ひよっこでは、周囲があきれ返るほどの明るい性格が強調されていますが、兄・実によると、幼少期は兄貴の後ろをついて歩く内気な男の子であったことが明かされています。シャイだった宗男おじさんが、今では底抜けに快活な性格に変わったきっかけは、辛く・痛く・悲しい戦争体験がありました。

宗男おじさんは、戦時中に背中へ深いやけどを負っており、ひよっこ後半では、宗男おじさんが戦時中に加わったインパール作戦での体験をみね子達に語りかけます。そして、その夜、眠りにつく宗男おじさんの身に、戦時中に体験した恐怖が夢として襲いかかり「死にたくねえ！」と寝言を発するシーンが映し出されます。表では明るく振舞う宗男おじさんですが、戦時中に受けた癒えない心の傷に苦しむ１人でした。

ビルマに出征中、敵国イギリス兵と出くわすもお互いを笑顔で見逃し命拾いしたことをきっかけに宗男おじさんは、イギリスに特別な思いを寄せています。

お互い命拾いしたイギリス兵のその後の消息は分かりませんでしたが、イギリスに対する思いは、モッズ風の様相やバイクに掲げている小さなイギリス国旗、ビートルズに現れています。底抜けに明るい性格の裏には、戦争での経験を元に笑顔で生きることをモットーに掲げる前向きな姿勢が伺えます。

明るく快活なキャラクターで人気を博した宗男おじさんですが、宗男おじさん役を務めた俳優の演技と茨城弁まじりのセリフ回しが上手いと話題にもなりました。宗男おじさんを演じた俳優は、茨城県出身ではありませんが、まるでネイティブが話しているかのように感じさせる違和感のない茨城弁に、誰が演じているのだろうと舌を巻いたことでしょう。

朝ドラでは、主人公を始めとする俳優たちのセリフには、必ずドラマの舞台となった都道府県の方言が用いられています。出演者は、方言指導を受けてから撮影に臨みますが、エセ関西弁と言われるように、アクセントが違うなどネイティブの視聴者が聞くと違和感を感じることが多いそうです。

NHKドラマひよっこのアクの強いキャラクターで、お茶の間の人気者になったひよっこ宗男おじさんですが、そんな小祝宗男を演じた俳優の名前や活動、過去の出演作など気になる視聴者が多かったでしょう。そこで、「宗男おじさんを演じた俳優は誰？」という疑問を、以下で解決しましょう。

宗男おじさんこと小祝宗男を演じた俳優は、シンガーソングライターとしても活動する峯田和伸さんです。峯田さんは、山形県出身で、1999年にCDデビューを果たし、グループ・ソロとして音楽活動をしています。近年では、2017年4月から放送されたNHK連続テレビ小説「ひよっこ」を始め、俳優としても活動しています。

峯田さんは、大学在学中の1999年に青春パンクバンドGOING STEADYのボーカル・ギター担当で「ミネタカズノブ」の名義でCDデビューを果たします。そして、1stシングル「YOU&I」は、発売からたった1ヶ月で10,000枚を越すヒットとなり、大きな話題になりました。その後、2003年1月にグループ解散するまで勢力的に活動し続け、2000年初頭のパンクブームの火付け役となったグループの一つになりました。

1999年のデビュー以来、渋谷GIG-ANTICにて行なわれたテラダメグミ主催のイベント「D.H.B(星Vol.01」を始め、同年８月、奈良県生駒山にて行われたFM802主催のフリーイベントSNAILRAMPなどのイベントやグループの全国ツアーにて勢力的に活動するも、2003年1月から始まる全国ツアー開催直前に、解散を発表しました。

人気絶頂の中、2003年1月にGOING STEADYは解散し、峯田さんは「銀杏BOYZ」の名義で、ソロ活動を始めます。銀杏BOYZは後にバンド体制となり、峯田さんはボーカル・ギター担当として活動しています。銀杏BOYSZは、メンバーの相次ぐ脱退に伴い、2015年8月に行われた大阪・泉大津フェニックス開催のRUSH BALL 2015以降は、サポートメンバーを迎えてライブ活動を行なっています。

2005年から開始された「銀杏BOYZ 世界ツアー 2005」を始め、国内・海外問わずライブ活動を行なっています。また、2011年３月に発生した東日本大震災にて被災した地域を中心にライブツアー「銀杏BOYZ 2011 スメルズ・ライク・ア・ヴァージン・ツアー」を6~7月にかけて水戸・いわき・仙台・盛岡の４公演を行いました。

銀杏BOYZでは、CDで発売されることが多い中で、アナログレコードやカセットテープにて販売している曲もあります。

シングル曲：あいどんわなだい（2008年7月15日発表・オリコン最高6位・登場回数10回・CDとアナログレコードにて発売されました。）、光のなかに立っていてね（2014年7月15日発表・オリコン最高2位・登場回数8回・アルバム版CDとカセットテープ・アナログレコードにて発売されました）

俳優としての活動は、2015年・NHKBSプレミアムにて放送された「植物男子ラベンダーSEASON2」の桐島役で、テレビ出演を果たします。これまでは、ライブ活動が中心のため、名前を聞いても「誰？」と思いになった方も多いでしょう。

その後、NHKの連続テレビ小説「ひよっこ」をはじめ、2018年7月から放送が開始された日本テレビ系列の水曜ドラマ「高嶺の花」にてレギュラー出演するなど、俳優としての活動にも、ますます目が離せないことでしょう。

過去のテレビドラマ出演作には、上記にも記載した「植物男子ラベンダー」の特別篇を始め、2016年にNHKBSにて放送された「奇跡の人」では、亀持一択役として、ドラマ初主演を果たします。また、フジテレビ系列の「恋仲」、「世にも奇妙な物語（2017年秋）」、テレビ東京の「宮本から君へ」にて出演していました。

石原さとみさん主演のドラマ「高嶺の花」にて、レギュラー出演しています。商店街にて自転車店を営む「ぷーさん」こと風間直人を演じており、石原さん演じる主人公・ももに思いと寄せつつ、自分の境遇との大きな差に愕然とし、彼女のことは「高嶺の花」のように思います。

そんな「高嶺の花」も、いよいよ波乱の幕が開かれ、主人公ももと直人に降りかかる試練と予測のつかない物語の展開に目が離せないことでしょう。

峯田さんは、2019年のNHK大河ドラマ「いだてん～東京オリムピック噺～」にて、浅草の人力車夫・清さん役で出演することが決まりました。

「いだてん～」は、日本が初めてオリンピックに参加した1912年のストックホルム大会から、1964年の東京オリンピック開催までの52年間を明治・大正・昭和の変遷と共に物語が展開されます。また、落語家古今亭志ん生が語る架空の落語「オリムピック噺」というこれまでにないドラマ形式で物語は進められます。

峯田さん本人が、自身のブログにて足に「小児麻痺」があったことを語っています。小児麻痺は、子どもを中心に生涯にわたって麻痺を引き起こす病気ですが、現在は日本を含めた各国にて予防接種が義務付けられているため、発症率は大幅に抑えられています。峯田さんの症状は、小学校3年生の頃には、人並みに走れるほど回復することができ、その時の感動もブログに書き綴っています。

ひよっこでの独特の髪型をご覧になった方で、もしかして、峯田さんの髪型はカツラではないかと疑いそうになったことありませんでしたか。峯田さんといえば、現在放送中のドラマ「高嶺の花」にてロングヘア―のパーマが印象的ですが、2018年3月に「素敵なダイナマイトスキャンダル」の舞台挨拶では、役作りのため坊主頭にカットされていました。

それから、4ヶ月後に放送された「高嶺の花」では肩までかかるロングヘアで登場していることから、短期間で肩まで髪が伸びるわけないという考えからカツラ疑惑が浮上しました。峯田さんが本当にカツラを使用しているのか、真相はいまだ解明されていません。

峯田和伸さんは宗男の役作りに、自身の祖父をモデルに演じました。峯田さんの祖父は、配役・小祝宗男の2歳年下であり、若かりし頃はバイクを乗り回し、エレキギターを弾きこなすなど、まさに宗男おじさんそっくりだったそうです。また、峯田さんも物心ついた時から、ビートルズに親しんでいたこともあり、自身と宗男おじさんが重なることが多かったでしょう。

現在放送中の「高嶺の花」をはじめ、2019年1月から放送が開始される「いだてん～東京オリムピック噺～」まで、歌手だけでなく俳優としても活躍が期待される峯田和伸さん。今後、出演されるドラマやライブツアーに多方面での活躍に目が離せません。