ひよっこの豊子役の藤野涼子がかわいい！演技の評価や役どころを紹介

朝の連続テレビ小説のひよっこのトランジスタラジオ工場で働く仲間である兼平豊子役の女優さんをご存知でしょうか。藤野涼子さんという女優さんですが、大人っぽさと演技力の高さの反面、年相応のかわいい一面に夢中になるファンも多いのです。今回は豊子という役柄と、藤野涼子さん自身についてご紹介いたします。ぜひ、出演作品も合わせてご覧ください。

「ひよっこ」は2017年4月3日から9月30日まで放送されたNHK連続テレビ小説の第96代のシリーズです。ここ数年の朝ドラは実在の人物をモチーフにして作られた作品でしたが、こちらは久しぶりのオリジナル作品をして制作されました。「ちゅらさん」や「おひさま」を手がけた岡田恵和さんの脚本、主演は同じく朝ドラの「あまちゃん」に出演し人気となった有村架純さんを据えています。

ひよっこは1964年の東京オリンピック前後の高度経済成長期を舞台にした作品です。ヒロインの谷田部みね子は出稼ぎに行った後に失踪した父に代わり、家計を支えるために働きつつ父親を捜します。工場、レストランのホールなどの仕事をし、試練を乗り越えながら成長していく姿を描く作品です。困難がありながらも前に進むことを諦めないみね子の姿に胸を打ち、勇気をもらう視聴者も多くいました。

中学生時代は優等生で体育以外オール5という優秀な成績でした。高校進学を望む豊子ですが、実家の金銭的な事情で働くことを余儀なくされ、青森から集団就職のために上京することとなります。そしてトランジスタラジオ工場向島電機への就職を果たし、みね子や青天目澄子、助川時子と同期入社となります。

学ぶことを諦めない豊子は働きながら通信制高校に通います。その一方で苦労せずに高校に進学したみね子に劣等感を抱くようになります。そんなみね子が不器用なあまり慣れない工場での仕事で失敗をする姿を見てきつい態度を取り始めます。生真面目で優秀な豊子には失敗を繰り返すみね子が許せないのでした。

ある日、またも失敗をしたみね子に対して豊子は冷静に分析を始めます。今までのこともありその態度に怒った時子は豊子のコンプレックスを言い当てます。豊子はそれに反撃し、大喧嘩へと発展してしまいます、しかし仲間に優しく、もっと素直になるようにと諭された豊子は泣きながら本音を語り始めます。その後みね子も仕事に慣れたことで失敗もなくなり、徐々に打ち解けていくのでした。

本音を語ったことで吹っ切れた豊子は、好成績を出した際には年相応に喜ぶなどかわいい一面も出てきます。そんな中、向島電機は業績不良の煽りを受けて倒産することとなってしまいます。ようやくできた居場所を守りたい豊子は、なんと人生初の反抗期を迎え工場に篭城するのでした。篭城は数分でしたが大事な仲間と工場を守りたい豊子の思いは視聴者の胸を打つものでした。

向島電機電気の倒産後、豊子は無事に食品工場へ再就職をします。高校も通信制から定時制へと変わり、自分の夢を追い続けることとなります。乙女寮同窓会の際には、経営者になる夢を仲間に語り、翌年にはクイズ番組に出て史上最年少での勝ち抜きをします。賞金の30万で実家の借金を返済し、さらに副賞のハワイ旅行は親友となった澄子と行くことを報告します。その翌年には、みね子の住むあかね荘へと澄子とともに引っ越します。

ひよっこで兼平豊子を演じたのは藤野涼子さんという若手女優です。2000年生まれの彼女はオーディションでひよっこの豊子役を勝ち取りました。彼女はひよっこ時で17歳、豊子とほぼ同じ年齢となります。趣味は読書や編み物といったインドア派ですが、ダンスやお寺巡りも好きだという一面もあります。

小学校5年生の時に芸能事務所に入った彼女ですが、理由はテレビに出たかったというなんともかわいい子供らしい理由でした。所属した事務所が子役事務所であったため女優デビューまで期間がありますが、後述の作品で大デビューを果たします。なりたい女優像は吉永小百合さんで、ジョニー・デップ、西島秀俊さん、香川照之さんといった演技派俳優が好きだと語っています。

そんな彼女の代表作は、宮部みゆきさんのミステリー超大作である「ソロモンの偽証」の映画でした。半年に及ぶ日本映画史上最大規模と言われたオーディションで約1万人の参加者の中から主役に選ばれました。この時点で演技の経験はなく、監督からも演技自体はうまくないと言われながらも「目がいい。これで映画が成立しなければ諦める」と言われる目力を持っていました。

そんな監督の見立て通り、「ソロモンの偽証」は大好評となり、彼女は第39回アカデミー賞新人賞をはじめとする、報知映画賞新人賞・ヨコハマ映画祭最優秀新人賞・毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞・おおさかシネマフェスティバル新人女優賞・日本映画批評家大賞実写部門 新人女優賞といったその年の新人賞を総なめする結果となりました。女優として初の作品が映画で主役、さらに賞総なめとは素晴らしい実力の持ち主です。

そんな藤野涼子さんですが、実はこの名前は本名ではありません。それまで出演作のなかった彼女は「ソロモンの偽証」の出演者発表時に監督やプロデューサーから役名である藤野涼子という名前をそのまま芸名として使うことを提案されました。作者である宮部みゆきの了承もあり、本人も初心を忘れないように、ということでこの名前を使うこととなったのです。本名は現在も非公開となっています。

「ソロモンの偽証」後、学業に専念するために女優業を休業していた彼女ですが、「クリーピー　偽りの隣人」で再度映画出演を果たします。ミステリー小説を原作としたこの作品で、主人公の隣に住む家族の長女の西野澪を演じます。澪は自分の家庭が正しい状態ではないことを主人公家族に伝え助けを求めるという、物語の転換をする役割となります。こちらの作品で藤野涼子さんは憧れの西島秀俊さん、香川照之さんと共演を果たします。

有村架純さんももちろん素晴らしい女優さんですが、それ以上に藤野涼子さんの演技力に注目する視聴者も多くいます。ひよっこ序盤の棘のある豊子には賛否両論の声がありましたが、それも彼女の演技力の高さからくるものです。

また、工場最終日の篭城時の彼女の演技には多くの人が引き込まれました。打ち解けて居場所を見つけた彼女の思いがじかに伝わるものでした。ひよっこのシーンの中で、ジーンとしていまうシーンの一つです。

ネイティブかのような津軽弁を操る彼女の出身地を調べてしまう視聴者も多くいました。今でこそ標準語を話す人が多いですが、この時代は若い人も方言を多く使っていました。青森出身でもここまでの津軽弁を操れないと話題になるほどうまく、また新鮮でとてもかわいいものでした。

神奈川県出身の彼女があそこまで流ちょうな津軽弁を操るには相当の努力が必要です。その努力家で勤勉な部分が役柄の豊子像とリンクしてより豊子の存在感を大きくしています。

藤野涼子さんはポスト蒼井優さんと言われるほどの演技力と透明感を持っています。芯のある凛とした佇まいに美しく素朴な透明感は相反する要素を併せ持つ彼女は視聴者の心をつかむものがあります。この透明感はなかなか出せるものではありません。

藤野涼子さんの吸い込まれそうな瞳と綺麗な涙は視聴者の心を打つものでした。演技でここまで純粋な涙を流すことができることに驚きですね。

圧倒的な演技力の反面、素顔はひよっこ時点でまだ17歳の女の子です。工場の仲間と打ち解けてからは年相応の一面も見せ、嫌な感じという印象から一気にかわいいと話題になりました。

やはり女優さんは子供のことからとてもかわいいですね。現在と変わらない黒髪ロングが美少女さを際立たせています。この頃から吸い込まれてしまいそうな瞳は健在です。また、趣味のダンスも小さいころから続けていて根気強い一面も伺えます。

ひよっこの豊子、そして演じる藤野涼子さんについてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。まだ出演本数は少ないながらも圧倒的な演技力には目を見張るものがあります。その実力は視聴者だけでなく映画監督やプロデューサー、原作者からもお墨付きとなります。大女優への階段を上っている藤野涼子さんの活躍に今後も期待です。