2019年07月26日公開
2019年07月26日更新
不能犯の原作漫画と映画の違いを比較!あらすじや結末・疑問点を徹底解説!
映画『不能犯』をご存知でしょうか?漫画が原作のこの映画は大人気俳優の松坂桃李(まつざか・とうり)さんが主人公・宇相吹(うそぶき)を演じ話題となりました。映画『不能犯』は「宇相吹」というダークヒーローが主人公のホラータッチのサスペンス映画になっています。今回はそんな映画『不能犯』の原作漫画との違いと、原作漫画のあらすじや結末をネタバレ紹介していきます。また『不能犯』に寄せられたファンからの感想や、疑問点の抽出なども合わせてご紹介します。
不能犯とは?
映画『不能犯』とは「電話ボックスの男」と呼ばれている主人公・宇相吹正(うそぶき・ただし)が依頼者から殺して欲しい人の連絡先と理由を書いた手紙を受け取り、完璧なまでに始末していくというホラーサスペンスです。宇相吹の手口は、マインドコントロールにより被害者を自殺に追い込むという証拠の残らない完全犯罪で、それ故に宇相吹は「不能犯」と呼ばれていました。
不能犯の作品情報
映画『不能犯』は2018年2月1日に公開されました。主演に松坂桃李(まつざか・とうり)さんを迎え、共演には沢尻エリカ(さわじり・えりか)さん、新田真剣佑(あらた・まっけんゆう)さん、間宮祥太朗(まみや・しょうたろう)さんと若手の人気俳優が名を連ねています。漫画が原作という事もあり注目度が高く、累計動員数15万人、累計興行収入7億3000万とヒット映画となりました。
不能犯の予告編動画
こちらは映画『不能犯』の予告動画になります。映画『不能犯』のシリアスでダークな雰囲気の伝わっていくる予告動画となっており、狂気じみた松坂桃李さんの演技に釘付けになってしまうという感想も多く寄せられました。「怖いけれど見たい」というファンの心を鷲掴みにする予告動画となっています。
不能犯の制作・スタッフ
映画『不能犯』は監督に『ほんとにあった!呪いのビデオ THE MOVIE』や『貞子VS伽倻子』を手がけた白石晃士さんが担当しました。また、脚本には『家政夫のミタゾノ』や『遺留捜査』を手がけた山岡潤平さんが担当されています。ホラー作品に定評のある白石晃士監督と、数々のヒットドラマを手がけた山岡潤平さんがタッグを組んだ事で、映画『不能犯』には多くの期待の声が寄せられていました。
不能犯のあらすじ
映画『不能犯』のあらすじをご紹介します。主人公・宇相吹正(松坂桃李)は依頼人から殺して欲しい人の連絡先と理由を書いた手紙を「電話ボックス」で受け取る事から「電話ボックスの男」と呼ばれていました。宇相吹はマインドコントロールを利用して被害者の心を操り、自殺に誘うという手法を使うため証拠が残らず、警察では実証できず”不能犯”と呼ばれていました。
次々と不能犯による殺人事件が起きる中、必ず目撃される”黒いスーツの男”に目をつけた刑事・多田友子(沢尻エリカ)は部下の百々瀬麻雄(新田真剣佑)とともに”不能犯”を追い始めました。それでも被害者は増える一方で焦る多田はある日自分が更生させた川端タケル(間宮祥太朗)の店で飲み食いをした帰りに宇相吹と出会います。宇相吹は多田にマインドコントロールを仕掛けますが多田には通用しませんでした。
その後、宇相吹は自分の能力が通用しない多田を度々犯行現場に巻き込むようになります。多田は同僚や、部下を傷つけられ疲弊していきますが、徐々に宇相吹の犯行を裏付ける証拠を掴み始めました。完璧な殺人犯・宇相吹と刑事・多田の対決はすぐそこまで迫っていました。
不能犯の原作漫画と映画を比較
では次に松坂桃李さんが主演しヒット作品となった映画『不能犯』と宮月新(みやつき・あらた)先生原作、神崎裕也(かんざき・ゆうや)先生作画の原作である漫画『不能犯』を比較しましたのでご紹介していきます。
原作漫画と映画を比較
『不能犯』は1話完結で物語が進み、それぞれに被害者と依頼主がいます。ここではケースごとに分けて、映画『不能犯』と原作漫画『不能犯』ではどのように描かれていたのかを解説していきます。
ケース1金融会社社長木島
真昼間の喫茶店で携帯電話を片手に相手を怒鳴りつけているのは金融会社社長・木島(水上剣星)でした。電話が終わった木島の前に黒いスーツの男・宇相吹正(松坂桃李)が立ちます。唐突に宇相吹は木島に「スズメバチの毒」について話をします。怪訝な顔をした木島は宇相吹に食ってかかりました。そんな木島に宇相吹は冷静に木島の飲んでいた水にガムシロップを入れます。そして木島の顔にその水をかけました。
怒り狂う木島に宇相吹は「知ってますか?その匂いスズメバチが好むんですよ」と話しかけます。そして怯える木島を尻目に宇相吹はスズメバチの入った瓶を取り出し蓋を開けました。スズメバチは木島に目掛けて飛び立ち瞬く間に木島は悶え苦しみ生き絶えます。映画では数分のシーンですが、原作漫画でも数ページのシーンです。
映画版ではスズメバチの毒という洗脳でしたが、原作漫画では木島の飲むアイスティーから出てきた蟻が死亡する様子を見せ、毒物が入っていたと洗脳し木島を殺すという手口でした。”毒物”というキーワードは同じですが、映画版と原作漫画には少し違いがありました。
ケース2鳥森広志
幸せに暮らしている夫婦の羽根田健(忍成修吾)と桃香(水上京香)はある日の夜、塀の外から自宅を覗き込む町内会長・鳥森(小林稔侍)の姿を見つけました。怯える妻に健は対策を練ります。次の日ゴミを漁っている鳥森の姿を見つけ、健は詰め寄ります。しかし鳥森はゴミの分別について反論し、聞く耳を持ちません。煮え切らないまま仕事に向かった健が帰宅すると、泣きじゃくる桃香の姿がありました。
「鳥森に乱暴された」と話す桃香に健は激怒し、鳥森の家へ乗り込みます。しかしそこで、「警察に行ったら妻も全て話さなければならない」と逆に脅されてしまいます。そこで健は「電話ボックスの男」宇相吹に殺しを依頼する事にしました。依頼を受けた宇相吹は公園のベンチに座る鳥森の元へ向かいます。そして鳥森の吸っていたタバコや水が”黒く変色”し”汚水”に変わるように洗脳します。こうして鳥森は苦しみながら息絶えました。
鳥森を始末した宇相吹は、羽根田の元へ向かい依頼の達成を報告します。そして、宇相吹はある封筒を手渡しました。そこには鳥森がゴミを漁って盗んだものが入っていました。その中身を見た羽根田は顔色を変え、出張の予定をキャンセルし、自宅へ向かいました。自宅へ戻るとそこには薬漬けの男女と桃香の姿がありました。健に驚いた桃香は「薬物を使用しているところを鳥森に見つかって、乱暴されたと嘘をついた」と告白します。
そして健を誘いました。思わず健は桃香を突き飛ばします。そんな健を止めに入った男を健は花瓶で殴り殺してしまいました。その場にいた女も殺害した健を、桃香は包丁で刺します。健は手に持った花瓶で桃香を殺害し、健自身も生き絶えてしまいました。ストーカーだと思っていた鳥森は桃香の薬物使用を見つけ止めようとしていた善人でした。こちらは映画では薬物使用でしたが原作漫画では複数の男と関係を持つというものでした。
ケース3夜目刑事
宇相吹を任意同行し取り調べを行なっているのは女刑事・夜目(矢田亜希子)です。取り調べをしていくうちに宇相吹がかつて夜目が冤罪で検挙した後に自殺に追い込んだ男子高校生に見え始めました。そんな夜目に「虫がいる」と宇相吹は言います。虫に噛まれたと感じた夜目に宇相吹は「消毒しないと」と言いながら傷口を舐めました。跳ね除ける夜目でしたが、動揺して事情聴取を中止しました。
みるみる内に腫れ上がる傷跡でしたが、毒物は検出されませんでした。憔悴し帰宅する夜目に宇相吹から、「今夜死ぬ」と電話で言われます。死ぬ訳がないと思う夜目でしたが、バスタブに浸かっている時に傷口にかつての男子高校生の幻影が見えます。思わず夜目はその傷口をカミソリで傷つけました。傷口から瞬く間に出血し、夜目は生き絶えてしまいました。
実は夜目の上司である河津村(安田顕)は自殺した男子高校生の父親で、夜目を恨んで宇相吹に依頼をしていました。宇相吹の元へ現れた河津村は「お見事でした」と宇相吹を賞賛します。そして「自分は夜目の殺害を依頼しただけだ」と口にした瞬間突然風景が変わり、同僚の前で夜目の殺しを告白してしまいます。こちらは映画版では夜目は虫に噛まれますが、原作漫画では猫に噛まれるという違いがありました。
ケース4夢原理沙
風俗で働く夢原優(真野恵里菜)は両親の離婚が原因で父親に引き取られ父親の借金が原因で苦しい生活を送っていました。一方で母親に引き取られ、幸せな生活を送り、ジュエリーデザイナーとして成功しながら医師との結婚を控えている姉の理沙(芦名星)を恨んでいました。優は宇相吹に理沙を殺して欲しいと依頼します。優は理沙に自分の心情を綴った手紙を送るものの、理沙は無視し、優を避けます。
依頼を受けた宇相吹が理沙の前に現れますが、理沙は車の事故に遭っただけで死ぬ事はありませんでした。数日間入院する事になった理沙の元に医師である婚約者と、看護師が昼食を運んできました。その看護師はかつて婚約者が褒めていた看護師でした。その事を看護師に伝えると、照れ臭そうに2人は退出します。1人になった理沙は昼食に手をつけますが、宇相吹に言われた「身近な人間が死を望んでいる」という言葉を思い出します。
出典: https://ciatr.jp
その瞬間その昼食が毒物に見え思わず理沙は嘔吐します。ナースコールで呼ばれた婚約者と看護師を見て、「毒物が入っていた」と叫び、2人に出ていくよう怒鳴り散らします。退出する2人の姿が、婚約者が看護師の腰に手を回しているように見えた理沙は2人が付き合っていて自分を毒殺しようとしていると思い込みます。そして理沙は婚約者を刺し殺してしまいました。事の顛末を報告しにきた宇相吹は優にあるものを送ったと話します。
それは理沙の車のダッシュボードにあったもので、理沙が優に当てた手紙でした。そこには結婚式の招待状と優を避けてしまった事への謝罪、共に働かないかという提案が書かれていました。後悔に苛まれた優は首を吊って命を絶ってしまいました。そしてその事を聞かされた理沙は精神が崩壊していきます。刑事から宇相吹の犯行である事を聞き、復讐する為宇相吹の犯行に見せかけて自らの命を絶ってしまいました。
こちらは映画版では姉の名前は「理沙」でしたが、原作漫画では「唯」という名前です。事の顛末はほとんど忠実に映像化されていますが、原作漫画では脅迫状のような手紙を送ってきていた妹の優を殺すように、理沙の婚約者が宇相吹に依頼をしていたという結末でした。
原作漫画の改良ポイント
映画『不能犯』の中で、多田の同僚の刑事が人質に取られ、夢原理沙の要求で多田と宇相吹が対峙するシーンがあります。原作漫画では多田の後輩刑事の百々瀬が人質に取られて、なんとか命は助かるというシーンになっています。映画では多田の同僚・若松が人質となり、多田が宇相吹を殺す事を躊躇した事で若松は命を落としてしまいます。
この改良によって「多田が自らの正義を全うする事によって大きな犠牲を伴ってしまう」という緊迫感を生んでいます。若松は死の間際に多田に「殺してはいけない」と言い残し、これは多田の大きな信念でした。また、大きな改良点として、原作漫画での宇相吹の「猫好き」「お笑い好き」などの人間味の現れている描写は映画では一切描かれていません。これによって映画『不能犯』のダークでミステリアスな雰囲気を演出しています。
映画の不満ポイント
映画『不能犯』では大きく分けて3つのエピソードがありました。羽根田夫婦のエピソード、夢原姉妹のエピソード、映画オリジナルの爆弾犯のエピソードです。この3つのエピソードは独立したエピソードで、物語に繋がりを感じにくいシナリオ構成となっていました。宇相吹が依頼され、関わっているという事以外に繋がりがなければ不自然な構成となってしまいました。
また、羽根田夫婦のエピソードと夢原姉妹のエピソードは同じ「夫婦間のトラブル」を描いたものでした。男女の痴情の縺れなどの合致点から似たような物語構成になっています。この2つは原作漫画から抜粋されたエピソードでしたが、もう少し違いの分かれるエピソードだとよりメリハリがあり良かったのではないかと感想が寄せられていました。
宇相吹という人物
宇相吹は映画『不能犯』では超能力的な描かれ方をされていました。しかし原作漫画では認知バイアスや不信の中断などのマインドコントロールにより相手の精神部分で弱い所を突いて自分の術をかけています。何か後ろめたい事や暗い事を考えている人は特に術にかかりやすくなっています。まるで宇相吹は人間の闇を映す鏡のような存在と言われています。
そして、宇相吹が多田に自分を殺すように言うのには、人間の性悪性を証明したいからだと言われています。容赦無く人を殺している宇相吹を多田が殺めてしまうような事があれば、それは宇相吹が求めている人間の脆さや愚かさを証明してしまう事になります。しかし、多田が宇相吹を殺める事がなければそれは人間の性善性の証明となり、宇相吹の計画は崩れる事になると言われています。
『不能犯』の作中では常に宇相吹に警察は出し抜かれやられてばかりになっています。しかし、一方で多田が宇相吹を殺めない限りは、多田の正義は宇相吹に負けていない事になると言われています。
「希望であなたを殺す」
『不能犯』では絶望の象徴である宇相吹と、希望の象徴である多田の対立が描かれています。そして映画では特にこの対立が明確に描かれています。しかし、宇相吹と多田は根本的な部分で似ている所があり、後輩の百々瀬は2人を「似ている」と表現しています。これは気のせいではなく、原作では宇相吹と多田は生体リズムが一致している事が宇相吹の能力が多田に通用しない理由として描かれています。
これは映画では精神的に通じるものがあると言う表現に変わっています。人間の性悪性を証明したい宇相吹と、人間の性善性を証明したい多田は考え方は両極端ですが、自分の信条を証明したがっていると言う部分では同じであると言われています。映画のラストで多田は宇相吹に「希望であなたを殺す」と言います。これは映画のオリジナルの台詞ですが、この事から2人が両極端な信念で対立している事が明確に表現されました。
不能犯のあらすじ・結末ネタバレ
次は原作漫画『不能犯』のあらすじをネタバレ紹介していきます。映画版とは違い、原作漫画では多田刑事は男性で百々瀬は女性となっています。2人の性格もやや相違点があり、その辺りの違いも見どころの一つとなっています。
不能犯1巻あらすじネタバレ
『不能犯』1巻収録の「家族を愛しすぎた男」のあらすじです。門倉は娘をひったくり犯に襲われ、不幸にも娘は頭の打ち所が悪く植物状態となっていました。門倉は娘をそんな目に合わせた少年3人組を探し出し、復讐を宇相吹に依頼します。宇相吹はおもちゃのナイフを使って見事に少年達を始末する事に成功しました。ネタバレです。宇相吹は門倉に「そろそろ現実を見たほうがいい」と言います。
すると、すでに生き絶えた娘と妻の姿がそこにはありました。実は娘はすでに生き絶えていて、現実から目を逸らしていた門倉を止めようとした妻を突き飛ばした拍子に、妻も生き絶えていたのでした。目を覚ましたかのように見えた門倉でしたが、最後に妻と娘、ひったくり犯の少年らの遺体とともに食卓囲むシーンが描かれていました。読者からは救いのない展開に切ないと言う感想が多く寄せられました。
不能犯2巻あらすじネタバレ
『不能犯』2巻収録の「隠したい過去」のあらすじです。加島夏美はお見合いパーティーで風間雅之に出会い、結婚しました。しかし夏美には誰にも言えない秘密がありました。それはかつて夜の仕事で体を売っていたという過去でした。絶対に雅之には秘密にしたいと思っていた夏美に、夏美の過去を知る男が現れました。雅之の後輩で板前をしている矢崎です。矢崎は夏美の過去を餌に夏美を脅し始めました。夏美は宇相吹に依頼をします。
ネタバレです。夏美の依頼は「自分を脅している」矢崎を始末して欲しいというものでした。そして矢崎の前に宇相吹が現れます。矢崎は宇相吹に冗談で「寿司屋で働いているから人が魚に見えてくる」と言います。宇相吹は「どうですかね?」と返します。そして本当に矢崎には人間が魚に見え始めます。そして職場の寿司屋で魚を捌いている時に窓の外に宇相吹を見つけます。すると矢崎が捌いていた魚が雅之に変わりました。
夏美は宇相吹になぜ雅之を殺したのかと詰め寄ります。すると宇相吹は依頼は「夏美を脅している人物」を始末するものだったと言います。そして雅之の机には夜の仕事をしていた夏美の写真がありました。雅之は全てを知っていて夏美を憎み、矢崎に借金を返す代わりに夏美と関係を持つように依頼していました。夏美への憎しみが雅之の歪んだ欲望へと変えてしまう悲しい物語で、まさかの展開に読者からは驚きの感想が寄せられました。
不能犯3巻あらすじネタバレ
『不能犯』3巻収録の「正義の味方」のあらすじです。2年前に多田刑事は商店街を悩ましていた万引き集団を1人で10時間かけて全員を検挙しました。夜目の墓参りをする多田の元へ宇相吹が現れ「多田の信じている正義が多田の身を滅ぼそうとしている」と警告します。翌日、多田の元へ2年前の万引き集団の関係者であった牧原こずえが現れます。牧原は多田のおかげで万引き犯と縁が切れ、人生が変わったと感謝しました。
ネタバレです。実は牧原は多田の検挙によって人生を捻じ曲げられ、多田を恨んでいました。多田への復讐のため、自分から服を脱ぎ多田に乱暴されたように見せ、多田を陥れようとしますが宇相吹にそれを阻止されます。そして宇相吹がかけた水を灯油と思い込み、牧原は生き絶えてしまいました。宇相吹は多田に「感謝して欲しいくらいだ」と言いました。多田と宇相吹に注目された話となり、読者からは多くの感想が寄せられました。
不能犯4巻あらすじネタバレ
『不能犯』4巻収録の「親の愛」のあらすじです。ある生徒がいじめられていました。その様子を見ていた母親・江口は息子の学を守る為決意します。江口はパート先でミスをしてしまいます。そんな江口の様子を心配した店長・萩原が声をかけます。「大丈夫」と言ってその場を去る江口は息子のいじめられている現場の写真を落としてしまいました。それを見て萩原は江口の息子を不憫に思いいじめっ子を始末するよう宇相吹に依頼します。
ネタバレです。宇相吹はいじめっ子に接触し、挑発します。そんな宇相吹をいじめっ子達は殴り始めました。一方で江口は学の元へ向かいます。「無事で良かった」という江口に学は「おばさん誰?」と言います。実はその少年は学ではなく「修平」という名前で学はいじめっ子の1人でした。そして修平は萩原の息子で、萩原は江口の息子・学を始末するように依頼していました。
宇相吹の術により学達は揮発性の有機溶剤を宇相吹だと思って殴り続けていました。中毒でじわじわと死に向かう彼らの元へ江口は駆けつけます。その瞬間有機溶剤は爆発し、いじめっ子もろとも亡くなってしまいました。いじめられている子が江口の息子だと思い込んでいた読者はまさかのどんでん返しに驚きの感想を寄せました。
不能犯5巻あらすじネタバレ
『不能犯』5巻収録の「浮気心」のあらすじです。加納拓生は妻・由紀乃と3年前に合コンで出会い結婚しました。そんな拓生の不動産会社の職場に美人な小早川加菜が入社します。草食系という理由で拓生が加菜の教育係に任命されました。そして妻・由紀乃が傘を届けに拓生を迎えに来ました。拓生は加菜に妻を紹介しました。2人で仲良く帰宅する姿に、加菜は「いいなぁ」と羨望の眼差しを向けます。
ネタバレです。拓生と加菜の会社に宇相吹が物件を探しに現れます。そして内見に出かけ、加菜が席を外した隙に拓生に術をかけます。術をかけられた拓生は加菜を見ると欲情してしまいました。これは妻・由紀乃が宇相吹に依頼して行なっていた「テスト」でした。過去に女遊びの激しかった拓生を由紀乃は束縛し、女遊びを封じました。その反動で拓生は草食系になっていました。
しかし、宇相吹の術により制御が外れ加菜に襲い掛かります。そして勢い余って殺してしまいました。由紀乃は「これで良かった」と言います。「社会にいると泥棒猫から守れないから刑務所にいて欲しい」というのが由紀乃の願いでした。そんな由紀乃に宇相吹は「女の刑事が逮捕してくれる」と言います。女と聞いた由紀乃の顔はみるみる崩れ息絶えてしまいました。恐ろしい女の嫉妬の物語に多くの感想が寄せられました。
不能犯6巻あらすじネタバレ
『不能犯』6巻収録の「過ちの代償」のあらすじです。相澤涼子は20歳の若さで15歳年上の光明と結婚しました。若かった涼子は遊びたい欲求を抑えられず、光明に内緒でSNSで知り合った男性と何度か関係を持ってしまいました。若さゆえの過ちと後悔している涼子でしたが、娘が大きくなるにつれて父親に似ていない事に気付き始めました。時期からして、浮気相手の子供である可能性が浮上してきました。
ネタバレです。落ち込む涼子の様子を心配して担任の田沼が声をかけます。そんな中娘が帰ってこない為、GPSで探したところ公園で見つけます。その娘の背後に宇相吹の姿がありました。涼子は誰かが宇相吹に依頼し、娘を狙っていると確信し、夫の光明を疑います。そんなある日、夜道で背後に気配を感じ振り返るとそこには田沼がいました。田沼には特徴的なアザがあり、田沼がかつて関係を持った浮気相手だと気付きます。
田沼は涼子に早々に気付き、また、娘が自分に似ている事にも気付きました。そしてDNA鑑定の結果実の娘である事が分かっていました。田沼は涼子に結婚してくれと迫り、感情を抑えきれず涼子に襲い掛かります。しかし、それは銅像で銅像の腕が腹に刺さり田沼は絶命しました。
そこに現れた宇相吹に誰の依頼かと尋ねると、「私だよ」と娘が姿を現しました。娘は田沼が絶命する様を涼子に見て欲しかったと言います。母の過ちのせいで娘がした恐ろしい依頼に読者からは驚きの感想が多く寄せられていました。
不能犯7巻あらすじネタバレ
『不能犯』7巻収録の「少女の夢」のあらすじです。プロを目指し仲間達と頑張ってきたマドカはある日レコード会社の周防にソロデビューの話を持ちかけられました。マドカは4人でのデビューを望んでいました。そんな時バンドメンバーのハルコに新曲ができたと呼び出され、公園に集まります。そこでジュースを口にしますが、突然現れた宇相吹に「吐き気がしませんか?」と言われ、思わずマドカ以外の3人は吐き出してしまいます。
ジュースに毒が盛られたと伝えても信じてはもらえず、マドカは気のせいではと言います。そんなマドカに3人は不信感を募らせました。マドカは自分以外の3人を狙ったことから周防犯行ではと推察していました。数日後、公園で練習をする4人の前に宇相吹が現れ、3人に向かって襲い掛かります。思わず止めに入るマドカに、宇相吹はテープレコーダーを聞かせました。そこには3人のマドカへの誹謗中傷が録音されていました。
ネタバレです。それを聞いたマドカは傷つき、3人を見捨てて帰ってしまいました。マドカに見捨てられたと感じたハルコ以外の2人はマドカをリンチし、殺害してしまいました。そこへハルコの読んだパトカーがきて、2人は逮捕されます。実はハルコは宇相吹に依頼をしていて、2人の手を使ってマドカを始末するように頼んでいたのでした。見事にハルコはマドカのポジションを受け継ぎ、チャンスを得ました。
そんなハルコに周防が「マドカがやっていたようにお前もやれ」とハルコに体を求めてきました。マドカは体を張ってバンドメンバーの3人を守ってくれていたのでした。ただマドカが不憫で可哀想だと感想が多く寄せられたエピソードとなりました。
不能犯8巻あらすじネタバレ
『不能犯』8巻収録の「絆の在り方」のあらすじです。貴樹は1歳半で養護施設に置き去りにされ、養子に迎えられました。そんなある日、生みの親から貴樹へ手紙が届きます。手紙を見た養父は怒り、手紙を破いてしまいます。そして宇相吹に生みの親を殺すように依頼します。貴樹はそんな養父の依頼を聞いており、宇相吹に追加の依頼をします。それは生みの親を殺す前に1発殴ってやりたいというものでした。
ネタバレです。宇相吹と共に生みの親の元を尋ねるとそこにはチューブに繋がれた痛々しい姿がありました。思わず殴る気も失せ、貴樹はいつの間にか生みの親の側で眠ってしまいました。目が覚めると生みの親が貴樹を思う独り言を言っていました。そして目の前の貴樹に気付き、抱きしめようと手を伸ばします。しかしチューブが外れてしまい、生みの親は絶命してしまいました。
そんな貴樹が帰宅すると、父親から飲まされたコーヒーには毒が入っていると宇相吹に言われます。貴樹はその場でもがき苦しみます。実は貴樹が寝ている間に追加の依頼が入って、貴樹を殺すように養父から頼まれたことが明かされました。養母は妊娠しており、実子の後継ができたことで貴樹が不要になったとの事でした。
それを聞き、貴樹は養父を金属バッドで殴り殺します。そして貴樹もまた絶命してしまいました。結局養母だけが生き残るという誰も救われず報われない展開に悲しみの感想が多く寄せられました。
映画不能犯の疑問点
不能犯の意味
次に映画『不能犯』の疑問点をいくつかご紹介していきます。原作漫画から抜粋したエピソードで構成されている映画版ではオリジナルの要素も散りばめられており、原作ファンも楽しめるものとなっています。
『不能犯』とは明確に殺人を意図した行為であったとしても、実際に実証し証明できなければ罪に問われる事がなく、そのような犯罪者のことを『不能犯』と表します。宇相吹はマインドコントロールによって殺人を行う為、実証が難しいという設定です。
多田に宇相吹の力が効かない理由
多田に宇相吹の能力が聞かない理由は「生体リズム」が似ているからだと宇相吹は語っています。原作ではそのような表現がされており、実際に過去にもそのような人物がいたそうです。しかし、その人は緊張状態からリズムが崩れ、結果的に宇相吹のマインドコントロールにはかかってしまったようです。
宇相吹が人殺しを続ける理由
宇相吹は数々の依頼人から依頼され、殺人を犯しています。その理由は「人は脆い生き物なのか、強い生き物なのか、その本性が知りたい」というものでした。性悪説を信じている宇相吹は依頼主の愚かな過ちから人間の愚かさを感じ取っているそうです。
宇相吹の正体
原作でも映画でも「宇相吹正」という人物が何者で、なぜ殺人を犯しているのかを明かしていません。しかし、原作者の宮月新先生が「宇相吹は人間ではない」と発言されたそうで、ますます宇相吹の正体についての謎は深まっています。
不能犯のキャストと登場人物
次に映画『不能犯』のキャストをご紹介していきます。若手の実力派俳優を起用し、その演技力の高さから作品自体の緊張感や不気味さ、妖艶さを演出しています。そんなキャストに翔さんの声が多く寄せられていました。
松坂桃李/宇相吹正
主人公・宇相吹正を演じるのは松坂桃李さんです。原作では猫が好きだったり、お笑い番組を見ていたりと人間味のあるシーンも描かれていますが、映画版では一切そのような描写はなく、妖艶でダークな「宇相吹正」をミステリアスに演じられています。
沢尻エリカ/多田友子(多田友樹)
宇相吹を追う刑事・多田友子を演じているのは演技派として有名な女優・沢尻エリカさんです。『不能犯』では宇相吹を追い詰める刑事の役を見事に演じられており、アクションシーンもこなされています。そんな沢尻エリカさんの演技にファンからは「かっこいい」と感想が寄せられていました。
新田真剣佑/百々瀬麻雄
多田の後輩刑事・百々瀬麻雄を演じているのは若手人気俳優の新田真剣佑さんです。演技派としても有名で、端正なルックスの新田真剣佑さんを賞賛する声は多く、「美しすぎる」とファンからは感想が寄せられていました。
不能犯の関連グッズ
不能犯の原作漫画
ヒット映画となった『不能犯』には数々の関連グッズが発売されています。次はそんな『不能犯』の関連グッズのオススメをご紹介していきます。映画を何倍も楽しめるグッズとなっていますので、とても人気がある品になります。
言わずと知れた『不能犯』の原作漫画になります。映画『不能犯』はコミックのほんの一部の抜粋によるものになっています。その為、原作コミックには映画よりも濃厚な『不能犯』の世界が描かれています。
不能犯の映画パンフレット
映画『不能犯』のパンフレットになります。このパンフレットは写真が多く掲載されており、それぞれの俳優さんのファンの方にも嬉しいグッズとなっています。パンフレットで予習復習をしながら映画を見るという方も多いようです。
不能犯のノベライズ小説
映画のシナリオを忠実に書き起こしたノベライズ小説になります。映画の映像だけでは分からなかった、登場人物達の心情などの描写もあり、映画をより楽しめるグッズとなっています。
不能犯のスピンオフ小説
原作や映画、ドラマとは全く異なったシナリオのスピンオフ小説になります。原作者・宮月新先生が全面的に制作に関わっている為、映画ファンだけでなく原作ファンも楽しめるグッズとなっています。
不能犯を見た人の感想や評価
不能犯。心理描写のある作品が好きなのでこの漫画も面白かった。人が死にすぎ。 pic.twitter.com/MbLzT7d5VD
— Hal (@Hal28) July 21, 2019
心理描写のある作品が好きという方の感想です。『不能犯』も好みの作品だったそうです。『不能犯』では被害者、依頼者共に心理描写が細かく描かれています。この方は『不能犯』は登場人物が亡くなり過ぎると感想を述べられています。
不能犯(漫画)面白い。真相はこうでしたっていうストーリーが好き。読破したウロボロスと同じ作者とは知っていればもう少し早くチェックしてたのに。
— ひろ (@hiro3170) July 4, 2019
こちらは原作漫画『不能犯』の真相が後に明らかになるストーリーが好きという感想です。『不能犯』では物語の最後に全ての顛末が明らかになり、予想外な展開となる事が多く読者を楽しませています。
映画「不能犯」観に行ってきました!!
— とろろん (@sk_tororo) February 12, 2018
想像してたよりもグロテスクなシーン多めでドキドキしたけどかなり楽しめました!宇相吹桃李くんセクシー!あとニーチェ先生こと間宮くんの演技がとても良かった!そして主題歌の愚か者たちホントかっこいい……!! pic.twitter.com/zx5zXdbRp0
こちらは映画『不能犯』の松坂桃李さんや間宮祥太朗さんの演技を賞賛する方の感想です。若手ながら演技派を集めた俳優陣はその圧倒的な存在感と演技力で、見事に『不能犯』の世界観を演じきっており、賞賛する感想が多く寄せられています。
不能犯の原作まとめ
『不能犯』は原作漫画のファンも多く、映像化が決定した際には歓喜の感想が多く寄せられました。その期待を裏切らず、映画版では映画ならではのアレンジも施されており、オリジナルの結末が描かれています。原作ファンも楽しめる作品となっており、松坂桃李さんの真骨頂と話題になりました。原作『不能犯』は連載が続いており、「謎」が多く残されています。『不能犯』は全ての謎が明かされるまで、目が離せない作品となっています。