グッド・ドクターの原作あらすじは実話？結末や韓国版と日本版の違いは？

グッド・ドクターは韓国ドラマが原作で、最近2018年夏には山崎賢人主演で日本でもドラマが放送されました。この記事では、そんなグッド・ドクターの原作について、ドラマのあらすじ、また、日本のドラマと韓国のドラマの主要キャストやそれぞれの内容の違い、また、原作は実話を基にしたものなのか？等グッド・ドクターの全てについて詳しく紹介していきます。

グッド・ドクターは、2013年に韓国の放送局であるKBSで放送された韓国ドラマです。その人気ぶりから日本でも放送され、さらに2018年には韓国版を原作としてリメイクもされました。また、2017年にはアメリカでもリメイクされています。グッド・ドクターは日本だけでなくアメリカでもリメイクされ放送されていることから、それほど世界中で人気のある韓国ドラマだと言えそうです。

グッド・ドクターは、日本では0.3％しかいないと言われている小児外科の医師についてや、コミューニケーション能力に障害があり人と関わることが難しいと言われている自閉症やサヴァン症候群などの病気、また病気と闘う子どもたちについてを題材としています。毎回主人公が周りに助けられながら成長していく姿は涙なしでは見られない、という声が多くあり、それが人気の秘訣だと言われています。

日本版グッド・ドクターは、自閉症、そしてサヴァン症候群を持っている主人公・新堂湊が、自分自身の持つ障害や小児外科の問題に立ち向かい、東郷記念病院の正式な医師として認められるべく奮闘する半年間を描いた作品となっています。

ここでは、グッド・ドクターのあらすじや原作についてだけでなく、日本版のドラマと韓国版のドラマどちらともの登場人物と、演じたキャストの紹介をしています。

原作である韓国版グッド・ドクターの主人公はパク・シオンと言います。ソンウォン大学病院で働く1年目の研修医です。自閉症とサヴァン症候群を持ち合わせています。小さい頃に坑道の滑落事故が起こった際に最愛の兄を失ってしまい、その経験から医者になって人々の命を救うことを決意します。原作の韓国版グッド・ドクターの主人公を務めたキャストはチュウォンで、韓国で有名な俳優です。

2006年にアイドルグループ「プリーズ」の一人として歌手デビューを果たしますが、その後脱退しミュージカルの舞台で俳優として再デビューします。2010年にテレビドラマで初の主演を果たし、そのドラマが視聴率58.1％という大ヒットとなり一気に有名となります。その後も出演するドラマが次々と高視聴率を獲得するので、「視聴率王子」という名でも知られているようです。

ソンウォン大学病院の小児外科の副教授であるキム・ドハンは、主人公・シオンを厳しく指導しつつも温かい眼差しで見守る心強いキャラクターです。過去に精神障害を患った弟を交通事故により亡くしてしまった過去を持っていて、主人公のシオンと弟をよく重ねてしまいます。そんなキム・ドハン役を演じたのは、韓国の俳優であるチュ・サンウクです。主にテレビドラマを中心に活動している俳優として知られているそうです。

グッド・ドクターの主人公・シオンと同じソンウォン大学病院で働くチャ・ユンソは、密かにドハンに恋をしていましたが、ドハンが他の登場人物・チェギョンと付き合い始めてその恋は儚く終わってしまいます。しかし、シオンの純粋でひたむきに頑張る姿に感動し少しずつシオンとの距離を縮めていきます。

原作・韓国版グッド・ドクターの主人公に徐々に惹かれていく重要な役柄を演じたのは、ムン・チェウォンです。2007年から女優として活動していて、ドラマだけでなく映画にも多数出演しています。また、沢山の韓国のテレビドラマや映画賞を受賞していることでも知られている女優です。

韓国版グッド・ドクターを原作として日本でリメイクされた日本版グッド・ドクターの主人公・新堂湊は、東都大学の医学部を主席で卒業し、東郷記念病院の院長による計らいがあって本病院の小児外科に配属されることになります。原作の韓国版と同じく自閉症とサヴァン症候群を抱えていて、純粋な子供のような性格の持ち主で医師としての任務を全うしようと努力する姿が今作品では描かれています。

そんな日本版グッド・ドクターの主人公を務めたのは、若者にとても人気の俳優・山崎賢人です。中学3年生の時にスカウトされてモデルデビュー、2010年にテレビドラマで俳優デビューを果たしてから、そのルックスを武器にして「ヒロイン失格」「orange」「4月は君の嘘」など、数々の話題作に少女漫画の王子様のような爽やかな青年役を演じることが多い、今をときめく大人気の俳優です。

高山誠司は東郷記念病院小児外科の主任で、経験も数多く積んでおり腕は確かで、プライドも高い医師です。湊が来た当初は、湊に怒鳴りつけたり手術に一切関与させないなど障害を持っている湊に冷たい態度をとっていましたが、実は高山の弟も自閉症で、湊のことを一番に考えていたという温かい一面も持っています。

そんな高山役を務めたのは、俳優、歌手、ミュージシャンとしても知られている藤木直人です。大学生時代に雑誌「メンズノンノ」のモデルに応募して落選するものの芸能事務所に声をかけられて映画「花より男子」で俳優デビューを果たします。その後NHK大河ドラマやNHK連続テレビ小説など有名作品に次々と出演し、テレビドラマや舞台、映画だけでなく音楽活動もするなど幅広い活躍をしています。

グッド・ドクターのヒロインである瀬戸夏美は、東郷記念病院小児外科に務める医師で、湊の指導医でもあります。とても優しい性格の持ち主で、医師だけでなく病院の子どもたちからも慕われて信頼されています。最初は湊の予想できない言動に困ることの多いものの、次第に湊の真意を知り、東郷記念病院での湊の最初の理解者となります。

日本版グッド・ドクターで主人公を支える重要なヒロイン役を務めたのは、女優の上野樹里です。共演した俳優や監督から天才、と称されるほどの実力を持っている女優で、芝居を追究する姿に感銘を受ける俳優も多いそうです。「スウィングガールズ」や「のだめカンタービレ」などの人気作品の主演を演じたことでよく知られています。

これまでグッド・ドクターのキャストやキャラクターの紹介をしてきましたが、ここでは韓国版グッド・ドクターのあらすじ、また、グッド・ドクターのお話は実話なのか等を紹介していきます。

物語のあらすじは主人公の少年時代から始まります。主人公であるシオンは、先天性である自閉症スペクトラム障害を抱えていたが故に、辛い少年時代を過ごしていました。障害を持っているシオンを人前に出したくないと露骨な父親、そしてシオンを施設に入れて勉強させようとしていた母親を持っていたシオンですが、家族の中でただ一人、兄だけはシオンのことを普通に扱ってくれました。

シオンの兄はシオンの驚異的な記憶力にいち早く気づき、「お前は医者になるべきだ」とすすめます。グッド・ドクターのあらすじは、そんなたった一人のシオンの理解者である兄は、子供の頃に不慮の事故で亡くなってしまう展開になります。それはシオンも関わっていて、シオンは兄の死を自分のせいだとずっと責め続けてしまうことになります。

シオンがずっと肌身離さず持っている木製のおもちゃのメスは、シオンの兄がシオンの誕生日にプレゼントしてくれたものでした。お医者さんごっこが好きなシオンのために買ってくれたものでした。兄が亡くなった後も、シオンはこれをずっと持ち歩いています。それは、「医者になる」という兄との約束を決して忘れないためでした。

医師になることを目指すシオンは無事に医師国家試験も合格しますが、病気を理由に資格を剥奪されてしまいます。自分を責めて落ち込むシオンですが、ある病院の院長がシオンを研修医として病院に招くことを決意します。彼は過去兄を失った事故でシオンを救った医師で、「もし彼が何か問題を起こしたら、自分が責任をとる」と大きなかけをして物語のあらすじは進みます。

あらすじが進むにつれて、病院内でシオンは実力を発揮します。オペ室の外で手術を頭の中でイメージし執刀医と変わらぬ手の動きで周りの医師たちを驚かせます。しかし、病院内で院長の椅子を狙う人物や、コミュニケーションの苦手なシオンは医師だけでなく患者との間でも問題が発生します。しかし、シオンはひたむきに医者になって命を救うべく奮闘する、というのが原作版グッド・ドクターの大まかなあらすじとなっています。

医者をテーマにしたドラマなどはよく実話を基にしたものが多くあるので、グッド・ドクターも同様実話を基にしたお話ではないのか？と言われていますが、このお話は全くのフィクションで実話ではないそうです。グッド・ドクターの主人公はサヴァン症候群ですが、同じくサヴァン症候群をテーマとしたお話は中居正広主演「ATARU」など個性的で突出した能力をもつキャラクターとして描かれることが多いようです。

なぜグッド・ドクターが実話を基にしたお話だとよく勘違いされているかというと、高視聴率のドラマは実話を基にしたものが多いのと、医療ものの中にはよく実話を基にしたものがあるからだと言われています。

グッド・ドクターは実話を基にしたお話ではないですが、天才と呼ばれる人の中にサヴァン症候群の人はまれにいるようです。サヴァン症候群の突出した能力というのは、ランダムな年月日の曜日を言えたり、写真を少し見ただけでそっくりに描き写すことができたり、円周率や書籍等を暗証できたりするなどがあります。なので、実話でなくてもグッド・ドクターはこの特徴をよく表したお話だと言えそうです。

グッド・ドクターのあらすじや原作は実話なのか等の謎について紹介してきましたが、ここでは原作である韓国版グッド・ドクターの最終回であるエピソードと結末について紹介します。日本版と違うところも多くあります。

困難を乗り越え、患者や医師と絆を築き始めたシオンは、小児外科にとってなくてはならない存在となっていました。するとある日突然、シオンの前に父親が現れます。父親はシオンのことを人前に出したくないと言っていて、シオンが8歳のときに家から出ていく冷酷な人でした。シオンに会った父親は会うなり暴言を吐きます。シオンは心の奥底に封じ込めていた過去の辛い思い出を思い出してしまい、パニックに陥ってしまいます。

さらに、病院の食堂で働いていたシオンの母親も現れ、父親と母親は激しい口論を繰り広げます。父親が現れた理由は金銭目的で、どれだけ時間が経っても自己中心的な父親でしたが、そんな父親が突然倒れてしまい、重度の癌を患っており、長くは生きられないということが判明します。病院の院長はシオンに「父親としてではなく、一人の患者として向き合いなさい」とアドバイスをします。

父親の登場に動揺している前にさらに母親が現れます。彼女はシオンに自分が母親だという事実を隠していたのです。この時、シオンは過去自分を捨てた母親のことを拒絶してしまいます。後日、暴れる父が母親に暴力をふるっているところを目撃し、とっさに母親のことをかばいます。その時母親は、シオンが初めて「お母さん」と呼んでくれたことに感動して涙を流します。

シオンのことを弟のようにしか見れない、と言っていたヒロインは、ひたむきなシオンの姿に心を打たれて次第に惹かれ異性として意識するようになります。そして、ようやくシオンとヒロインは交際することとなりました。二人は飲み会の席で初めてキスをします。

癌の症状が悪化し、起き上がることもできなくなってしまった父親。シオンは、父親にこう言います。「僕はお父さんが嫌いです。でも、死んだらもっと悲しいです。僕がお父さんを好きになるようにしてください。」いくらひどいことをされてもひたむきな姿のシオンを見て父親は涙を流します。そして父親は、母親と共に田舎に帰る決意をします。もう母親に暴力を振るわないということをシオンと約束し、父は去っていきました。

兄からもらったおもちゃのメスを見つめているシオンのもとに一本の電話が入ります。それは、父親が亡くなったことを知らせる電話でした。実家にかけつけたシオンは、母親とともに父親の遺影を見つめます。

父親が亡くなって一年後、医師として立派に成長したシオンは、母親と暮らすようになり、また後輩の指導もすることとなります。そんな毎日の中、シオンはふいに良い医者とは何か？と考えいます。そして、良い医者とは良い人、傷ついた人ほど他人のことを考えられる良い人になれるかもしれないと考えます。人の痛みを分かるために、毎日痛みを感じていたい、とひたむきに考えます。

原作である韓国版のグッド・ドクターと、リメイクである日本版のグッド・ドクターの物語には意外と多くの違いがあります。それは、それぞれの脚本やドラマで伝えたいことが少しずつ違っているからですが、ここではそれぞれの違いをいくつか紹介していきます。

まず、主人公のシオンと湊の能力の描き方に少し違いが見られます。原作版はシオンの特別な才能をあらわすエピソードが多々ありますが、日本版では主人公がこれまでどのような人生を歩んできたかをなかなか描きません。シオンは湊と同じく自閉症とサヴァン症候群の青年ですが、シオンは湊の持つ天才的な記憶力だけではなく、空間認識能力が高いことも描かれているようです。

日本版グッド・ドクターでは、主人公である湊は大学の医学部を主席で卒業し、医師国家試験にも難なく合格します。そして、過去に出会ったことのある医師であり大学病院の院長となっていた人物から声をかけられ、自分の病院の小児外科で研修医として働かないか、と声をかけられ研修医となります。

しかし、原作では、主人公・シオンの自閉症とサヴァン症候群が問題視され医師国家試験で成績は良いにも関わらず不合格処分となってしまいます。シオンは医師国家試験の合格を認めてもらうために大学病院で研修医として働き、その能力が試されることとなります。異例の事態に病院の医師たちは不安になりますが、シオンの応急処置の動画がインターネット上で話題になったことによってシオンの特別採用を認めます。

原作では病歴が問題視されて医師国家試験が不合格処分となったり、シオンの能力が試されるなど、初回から厳しい世界と現実を突きつけられる展開となっています。最初から山あり谷ありの展開なので、主人公に感情移入してしまうという声が沢山あるようです。

また、大体のキャラクター設定や物語の軌道は原作と似ていますが、各話のエピソードの中には日本版オリジナルのものも多々あります。特に、日本版では小児医療とそれに関わる問題にスポットライトを当てていて、小児外科医たちの奮闘も描いたものとなっています。

また、幼い頃に出会った医師が大学病院の院長となって、医師としての能力を試されることとなるシオンですが、偶然事故現場に遭遇したシオンは、事故にあった人に応急処置を施します。その様子を撮った動画がネット上で拡散され話題となり、小児外科の目にとまって研修医として働くこととなります。

日本版では、湊を研修医として採用するかしないかの会議に湊が現れず、採用しない方向で解散しようとしたときに湊があらわれますが、バッグを忘れてきたと言いまたその場を去ってしまいます。動揺する医師たちでしたが、そこに湊が事故現場に遭遇して応急処置を行なっている動画が会議室で流され、その場で湊の採用が決定します。このように日本版グッド・ドクターでは比較的短時間で湊の研修医としての採用が決まりました。

原作ではもっと複雑な経緯で主人公の研修医としての採用が決まります。シオンが会議に現れないので、なんとその会議でシオンは不採用ということが一度決定してしまうのです。しかし、会議が終わってしばらくすると事故の応急処置を行なっているシオンの動画が話題になっていることが判明し、その動画のおかげで、シオンのために再度会議が行われることとなります。

再び行われた会議では、大学病院の院長が自分の進退をかけてシオンを研修医として迎え入れたいと言い、また、シオンも会議で小児外科医としての抱負を述べることによって臨時採用が決定します。このシーンは日本版では割とサクッと描かれているのですが、原作ではとても感動的なシーンとして描かれていたそうです。

この記事では、グッド・ドクターのあらすじや、実話なのかという謎、またドラマの結末などグッド・ドクターの全てを紹介しました。日本版も韓国版も、主人公が小児外科の医師として子どもたちの命を守るために精一杯ひたむきに頑張る姿を描いた泣ける感動ドラマとなっています。まだ見たことがない方は一度見てみてはいかがでしょうか。