SPECを観る順番のおすすめは？起翔天結どれから？ドラマや映画の時系列まとめ

まず最初に結論から言っておきます。「今からSPEC観るつもりならまずケイゾクから観ろ!」。失礼しました。もともと「SPEC」シリーズは「ケイゾク」の正統続編なのです。つまり順番としてはまずは「ケイゾク」があって、その後、「SPEC」に繋がり、SPECサーガ完結編「SICK'S」に繋がるのです。シリーズとしての時系列順番としてもそれが正しいものです。ただ、視聴する順番を考えるのは「SPEC」だけです。

動画配信サイトParaviでは「ケイゾク」から「翔」を含むドラマ「SPEC」全話を含む視聴が可能で、映画版である「天」「結」（前後編）も含め「SPECサーガ黎明篇サトリの恋」「SICK'S 恕乃抄 〜内閣情報調査室特務事項専従係事件簿〜」も視聴可能ですので検討してみる余地はあるのではないでしょうか？

上の動画は「SPEC」シリーズのテーマソング「NAMI no YUKUSAKI」日本語バージョン（英語バージョンもあります）で「THE RICECOOKERS」のものです。折角ですから記事を読みながら聴いてください。最新作の「サトリの恋」でも主題歌です。

「ケイゾク」（1999年放映）は演出・堤幸彦、脚本・西荻弓枝による一風変わった刑事ドラマ。常識知らずで小汚いキャリア（国家公務員Ⅰ種資格者）の女刑事・柴田純（中谷美紀）と短気で粗暴で始末書の鬼、定時帰宅の男・真山徹（渡部篤郎）が迷宮入りした未解決事件を次々と解決するという内容です。未解決事件自体は膨大なため依頼に応じて事件解決するという手法。

時系列としては、柴田は幼少期に実父を亡くし、養父母に育てられますが参事官の養父・純一郎が持ち帰った捜査資料で次々と難事件を解決した真の天才少女。（全部養父の手柄に）真山は若い頃、女子高校生の妹を輪姦殺人され社会制裁されない主犯格・朝倉裕人を執拗に監視します。元々の動機も目的も異なる二人で真山は精神破綻直前。柴田を「臭い」など容赦無く罵倒しますが、デカ魂に惚れ込む柴田は真山を慕います。

真山徹の宿敵・朝倉裕人は「人に寄生する悪意」として次々に容れ物を変えるという科学だけでは説明のつかない存在で、「映画版ケイゾク」でも決着が付きません。朝倉のように「法で裁けない人智を超えた存在」がSPECに繋がります。上の画像に注目。野々村光太郎係長（竜雷太）と近藤昭男（徳井優）はこの当時、上司と部下の関係です。そして、SPEC劇中で野々村に重要機密を受け渡す近藤。

実は「映画版ケイゾク」の後に作られる予定だった「ケイゾク２」はお蔵入りしました。映画版で続編告知が行われたのに作らせて貰えませんでした。当時はまだ堤幸彦プロデューサー自身の立場がそれほど強くはなかったことが影響します。脚本の西荻弓枝もシナリオを用意していたのですが、「ケイゾク」での人気により中谷美紀、渡部篤郎は「永遠の仔」など他のドラマに揃ってキャスティングされることになります。

そこで堤幸彦の逆転の一手が「ならば別の人気シリーズを立ち上げてやれ」。テレビ朝日準深夜枠に舞台を移した堤幸彦が手がけたのが「トリック」（2000年）。新人女優の仲間由紀恵をヒロインに大抜擢し、その大根役者ぶりも持ち味として生かし、阿部寛との絶妙のコンビで人気を博しました。TBSが悔しがったかどうかは不明ですが、「トリック」はテレビ朝日の看板シリーズとして、遂にはゴールデンタイムや特別枠に進出します。

長期作品化した「トリック」はドラマ3シーズン、スペシャル3作品、映画版4作品+生瀬勝久演じる矢部刑事のスピンオフ作品まで作られる大人気シリーズに。なんと2000年から2014年まで続きます。仲間由紀恵は押しも押されぬ人気女優に成長。脇役ばかりだった阿部寛も日本映画に欠かせない大人気俳優に、生瀬勝久も脇役に欠かせぬ人気俳優になります。こうなるとシリーズ演出を手がけた堤幸彦の名も名プロデューサーに。

更に堤幸彦は映画監督としても名を上げ「最初から3部作前提製作は無謀過ぎる」と言われていた浦沢直樹の人気コミック「20世紀少年」の映画化を成功（シリーズすべてを興収30億円超え）させます。浦沢作品の評価が高いフランスでも大絶賛。こうなると誰も堤幸彦を止められません。こうして順番として遠回りしましたが、満を辞して2010年より「ケイゾク」の続編製作に取り掛かります。それが正に「SPEC」でした。

完結後も人気の衰えない「SPECのスピンオフ作品をインターネット配信で作らないか？」という話に堤幸彦は二つ返事でOKし、製作公開となりました。そして出来上がったのが「SPECサーガ黎明篇サトリの恋」です。サトリの恋は餃子（SPECシリーズのシンボルアイテム）の聖地宇都宮出身の地味で冴えない女子高校生だった星慧が初恋を切っ掛けにしてSPECホルダーとして目覚め、短いが濃密な流転の人生を辿る作品です。

サトリの恋では「ケイゾク」「SICK'S」の登場人物たちも登場します。「真山徹は朝倉との戦いで死亡し、遺体は山中に埋められて発見される」のが電子ニュースとなります。「SICK'S」 に登場する一一十（にのまえいと）がサトリに目をつけていたことや、東アジアの超大国（バレバレですが発言するとピー音が流れます）がサトリの「購入」を企て、「SPECホルダー」の人身売買オークションが行われていた事など盛り沢山。

「サトリの恋」の劇中でSPECではお馴染みの「サトリポーズとダンス」（ダンスは「さとりん、さとさと、ついついつい」）が作られる試行錯誤も描かれ、各話冒頭の堤幸彦のインタヴューの内容で「ケイゾク」の製作段階で既に三部作構想が練られていたことなど、嘘か本当か分からない四方山話が展開されるのでファンなら一見の価値ありです。

「SPEC」は製作発表の段階で「ケイゾク」の続編だと銘打たれていました。（ファンは期待）当然、ヒロインと主役だった中谷美紀、渡部篤郎の出演も期待されましたがそれはならず、戸田恵梨香と加瀬亮のコンビ。加瀬亮は役作りのために坊主頭にします。二つの作品を繋ぐ存在として竜雷太演じる野々村光太郎が引き続き登場。年齢的に定年退職している筈ですが、「再雇用制度での閑職復帰」というあり得ない設定となっています。

ドラマ「SPEC」は説明らしい説明がないままスタートします。優秀なSIT指揮官だった瀬文焚流（せぶみたける）が任務中の不可解な誤射事件で可愛がっていた部下の志村優作を重体に追い込み左遷させられ、公安部公安第五課未詳事件特別対策係（通称、未詳）に着任。先任していた気が強くドジでズレた当麻紗綾（とうまさや）とコンビを組むことになり、IT会社社長の死を予言した冷泉俊明が瀬文に拘留されるも殺人事件は起きます。

その当麻紗綾も左手を三角巾で吊している状態。当麻紗綾には地居聖（ちいさとし）が元カレの如く纏わり付き、一十一（にのまえじゅういち）とは因縁の宿敵。第1話から観たのに先行作品があった錯覚に陥りますが、超能力者「SPECホルダー」との戦いが「SPEC」の概要と理解は出来る筈です。野々村が老骨に鞭打って守る物。時折、遊びに来るフリをしては野々村に何か手渡す近藤。コメディも含みつつ物語は進行します。

当麻たちが確保した「SPECホルダー」たちは公安部「アグレッサー」の津田助広によって連れ去られ監禁。「ケイゾク」からの視聴者は表で起きている出来事（SPECホルダーによる事件と解決）と裏に隠された事情とがバラバラに進行し、柴田純（Ｓ）と近藤昭男、野々村光太郎が情報共有していること。瀬文が陥れられて未詳に配属されたのも偶然や事故ではなく、当麻のボディガードとして敢えて招かれたと物語の中で察します。

ドラマシリーズは一十一の正体が当麻陽太であり、当麻紗綾とは実の姉弟だということ。当麻兄弟の両親はSPECホルダーに殺されていたこと。地居聖の正体が警察組織を裏切った津田助広の一人だということ。地居聖（津田助広）のSPECが「記憶の改竄」だということそして一十一と津田の死でドラマシリーズは終わります。ラストは当麻の「映画化とかぜってーしないから」の嘘告知。（ネタとして続きます）
 

こうして物語は時系列に従い2年の充電期間の後にSPドラマ「SPEC・翔」に進みます。出オチなのか映画版「SPEC・結」への伏線なのか意味不明のまま、「未詳」に加わった北村一輝演じる吉川州は「翔」の最後でいきなりリタイア。遂に明らかになる当麻紗綾のSPEC。先の見通しが全く不明のまま、期待と緊張感を持って映画版シリーズに突入するという順番です。敢えて最強のSPECより絆を優先する当麻紗綾。

「ケイゾク」の真山徹は朝倉に消されたこと。朝倉は「SPEC」シリーズでも存在が明らかにされ黒幕の一人であること。柴田純はキャリア警察官僚として順当に出世しており、近藤や野々村兄弟と繋がる「全ての事象の観察者」であり、SPECたちの戦いの観察者であることが「SPEC」サーガ内で示唆されています。

それでは「ケイゾク」と「SPEC」を時系列順で並べ直します。連続ドラマ「ケイゾク」（99年1月8日）「ケイゾク/特別篇 PHANTOM〜死を契約する呪いの樹」（99年12月24日）「映画版ケイゾク　ビューティフルドリーマー」（00年3月4日）「SPEC・零」（13年10月23日）連続ドラマ「SPEC」（起、10年10月8日）「サトリの恋」（18年9月28日）「SPEC～翔～」（12年4月1日）「映画版 SPEC〜天〜」（12年4月12日）

「映画版 SPEC〜結クローズ〜 漸ノ篇」（13年11月1日）「映画版 SPEC〜結クローズ〜 爻ノ篇」（13年11月23日）の時系列順番です。放送順は各エピソード末に記載。そして、「ケイゾク」「SPEC」に続く、完結シリーズ「SICK'S 恕乃抄 〜内閣情報調査室特務事項専従係事件簿〜」（18年４月１日より）となります。ネット配信の「SICK'S」も今後はシリーズ化の予定。

要するに時系列的に早い「SPEC・零」をどの順番で観るのが適切なのかという話。当麻紗綾の学生時代に遡り、その当時起きた当麻夫妻の飛行機事故と一十一、地居聖（津田助広）との関係性や左手を喪失した事情を先に知っておくべきか後から知るべきかということです。ただし、時系列的に早い零の段階で当麻紗綾自身も「SPECホルダー」だと知ってしまう方がネタバラシになってしまい、ドラマ版の緊迫感が薄れてしまいます。

また時系列順番的にはドラマシリーズと「翔」の中間に位置する「サトリの恋」をどの順番に組み込むか、本編自体は星慧がSPECホルダー「サトリ」となり命を狙われるまでの話ですので、ロリータ処女ビッチという彼女のファンならドラマの後に組み入れて「翔」の前に見るのが適切な時系列順番。しかし、完結シリーズである「SICK'S」（18年1月）の内容も含まれて混乱しやすく、製作時期が遅いのが悩み所では？

オススメの順番は前項で指摘した通り「零」と「サトリの恋」をいつ観るかです。時系列順に見れば後発の「零」と「サトリの恋」がドラマの前後になる。何の予備知識もなくドラマ「SPEC」を観れば戸惑ますが、後で「零」を観た際に納得する部分や、当麻紗綾と一十一の哀しい戦いを堪能出来ます。「紗綾が何故SPECを忌み嫌うか？」「瀬文が当麻にSPECを使わせたがらないか？」。単なる濃い脇役だったサトリも奥行きが増します。

出だしで躓くのもなんですから「零」から観るのも良いです。それ以上に「ケイゾク」を観ていないと野々村光太郎の「雅ちゃんネタ」や小道具の「柿ピー」、雅ちゃんによる「依頼人紹介」など「どういうこと？」となりますので、先に観ておいた方が間違いなく楽しめます。「サトリの恋」もシリーズ全部に付き合うなら「SPECホルダー」達は必ずしも幸福で恵まれた存在でない意味で知っておくべき重要情報となっています。

零と前・後編に分かれた結以外はそのまま4字熟語の「起承転結」を意味し、ドラマ「SPEC」の各回は甲乙丙丁の「十干」を現し、最終話（10話）の癸の回がまたの名を「起」。全ては始まりに過ぎないという意味。承を「翔」と変え、転を「天」に、「結」は「クローズ」を足して「漸（ぜん）ノ篇」と「爻（こう）ノ篇」の二部構成。「漸」はゆっくりと進行するという意。「爻」は易学からの引用。要は前後編という意味。

ちなみに「サトリの恋」各話は時系列進行で「さ、と、り、の、こ、い」の順番にならべられたタイトル（つまり第一話が「～さ～の回」）となっています。時系列や順番を全く示唆しないのが皮肉にもナンバリングで示された「零」のみというオチとなっています。

それではここからはSPECの登場人物たちを「未詳」サイドとSPECホルダーを中心にご紹介させて頂きます。時系列としてはドラマ版終了時で「翔」終了までの設定でのご紹介とさせて頂くことにします。

そうすると上の人物登場図の一番右の人物だけ謎になってしまうので、敢えてルール適用外でご紹介します。

地上最強のSPECホルダーにしてIQ201の天才的頭脳を持つ刑事。24歳。本作のヒロイン。ドラマ版では常に左腕を三角巾で釣っていますがその左手にこそ秘密が隠されており、「命を落としたSPECホルダーを冥界から召還して協力させられる」。つまり当麻の能力はネクロマンス。（死者召還術）「SPECホルダーが死ぬ」という前提で発揮される能力であるため能力自体を忌み嫌っています。発動条件を真似る必要もあります。

最強の敵にして最愛の弟陽太こと一十一を召還することで陽太が既に故人だと証明します。地居を倒したのも陽太のSPEC。天才的な頭脳のために常人よりも多くのカロリーを消費せざるを得ず、大食いで悪食（舌馬鹿）。しかもドジで抜けている人物として描かれていました。普段は人を人とも思わない傍若無人な態度ですが、瀬文と野々村には絶対的な信頼を置きます。絆のため敢えて最強のSPECを手放して、映画版に臨みます。

階級は警部補。36歳。特殊部隊SITの指揮官というエリートだったが作戦中に隊員の志村優作を誤射したという容疑で一切弁明をせずに未詳に左遷させられました。徹底的なリアリストで正義感が異常に強く、また頑丈なのが取り柄という軍人気質の男。全シリーズを通じ、あるゆるSPECホルダーたちと対峙しても自らの肉体の頑強さと痩せ我慢だけで乗り切ります。非SPECホルダー最強の人物。亡父も警察官という生粋の警察官。

「未詳」に左遷された当時は冷静に自分の置かれた「冷や飯食らい」の立場を理解するなど、その頭脳を「常識の理解」にしか使いませんが、未詳配属後に様々なSPECホルダーと接触、対峙するうちに「非常識とも思えても理解し備えねばならない」という事実に気づき、自分の不可解な左遷は全て当麻紗綾を守るために仕組まれていたのだと理解し、重傷完治後は当麻を訝るも、全力で守るために行動します。

かつては「捜査一課弐係（通称：ケイゾク）係長」でSPECでは「未詳の係長」。（「翔」で待遇に降格）普段は小心者の昼行灯。糖尿病持ち。婦警の雅とは不倫交際中。その実、伝説の警察官たち（「太陽にほえろ」のメンバー）の最後の生き残り。署長に昇進して現場を離れているかつての部下（柴田純）からの情報をもとに警察内部の極秘組織や、公安として闇組織の情報にも通じています。口の堅さと意志の強さは本物。

「未詳」の精神的支柱であり、部下思いという意味では彼以上に部下思いの刑事はいません。宗家・津田助広も敬意を抱く人物。SPECホルダー殲滅計画（通称シンプルプラン）と「ファティマ第3の予言阻止」のため、警察官として妨害と行動します。シリーズを通じて何度も死の危機を乗り越えることになりますが、物語の佳境で殉職します。

野々村光太郎の現在の愛人で婦警。野々村は現在の妻（泉ピン子）を含めてすべて雅（みやび）という女性に対して愛情を注いできて現在の最愛の人。彼女の特異性は一連の出来事の顛末として自身の死を覚悟した野々村から遺書を託されました。小悪魔的な言動で野々村を振り回しますが、野々村の真意を知る立場となります。言うならば陰のヒロイン。

「翔」では警視庁を辞めて司法修士生になっていますが、相変わらず糖尿持ちの野々村に脂っこい物を食べさせようとする小悪魔。

前作「ケイゾク」からの登場。出世を重ねる柴田純と野々村を取り持つ連絡役。「ケイゾク」の頃から飄々としてダンスや大正琴など趣味に熱心な人物で仕事熱心には見えませんが、意外と出来る男。野々村たち「未詳」の暗闘を支える人物です。

実は「ケイゾク」「SPEC」「SICK'S」の全シリーズに関与する人物。柴田純と野々村光太郎、光次郎（光太郎の実弟でSICK'Sの指揮官）との繋ぎ役でもあります。柴田純を除けばケイゾク係最後の一人です。

「翔」から「未詳」に新しく配属された刑事。40代。元組織犯罪対策部（マル暴）で見た目もチンピラのようですが、情に厚く涙もろい善良な性格。柄の悪い関西弁で話し、彼を慕う舎弟のパンチパーマの刑事たち（通称パンチーズ）が捜査に同行しました。SPECの存在には懐疑的で、当麻や瀬文とは反りが合いませんが、目の前で黒男を見た後は進んで協力します。殺害された志村優作とは高校のワンゲル部で先輩後輩の関係でした。

「翔」の事件解決後、マダム陽&陰によりミイラ化され、「天」では殉職扱いでしたが、その後野々村やパンチーズらによってお湯をかけ続けられ揉んでもらい蘇生。ただ、動く度にシャリシャリと音がしたり、時間が経つと再び凍ってしまう（お湯をかければ元に戻る）など難儀な人になります。

警視庁公安部の闇の中の闇。「津田助広」はコードネームのようなものであり、同じ姿をした「津田助広」が何人も存在します。このため「未詳」サイドにとって敵となる津田も、味方となる津田もいます。組織を裏切りアグレッサーとして行動した津田助広（地居聖として行動する）によってドラマ版での事件（連続SPECホルダー誘拐殺人事件）が起きましたが当麻のSPECで倒されますが生存。しかし、「翔」で宗家に粛正されます。

また、宗家・津田助広はクローン一十一との戦いで死亡します。SPECホルダーらしいですが能力は不明。影武者達は個体毎に異なるSPECを保有すると考えられます。

唯一、「天」から登場。内閣情報調査室（CIRO/サイロ）特務班所属。二丁拳銃を使いこなす銃の名手。アメリカ海軍シールズ出身で、元は瀬文のいたSITの訓練教官であり恋人同士。数年前にCIROに抜擢され任務のために姿を消して瀬文とは音信不通となります。瀬文はその後彼女は「死んだもの」と思いましたが、実は生きており一人娘の潤と暮らすシングルマザーです。（DNAが青池とも瀬文とも一致せず子供が何者かは不明）

帰国子女のためか日本語の発音や使い方の間違いが多く、「結」では間違いがさらに酷くなります。瀬文とはお互いファーストネームで呼び合い、当麻から嫉妬交じりに「キル・ビル」（栗山が出演）と呼ばれ嫌われますが「天」で当麻を庇って負傷し仲間と認められます。ちなみに青池たちの所属チーム「CIRO」が「SICK'S」の主要登場人物たちの所属部隊。

ドラマ版と「零」では当麻紗綾と対決した強力なSPECホルダー。「時間停止」という極めて凶悪なSPECを持つため組織の頂点の座を得ようと策謀。ドラマ版で当麻、瀬文との対決に敗れ死亡。以降のシリーズでは姉をサポートします。当麻の召還術でも最強クラスの強力なSPECホルダー。地居聖（津田助広）による記憶操作が解除されてからは、人を見下す態度は姉弟揃って同様ですが姉の側に立ちます。

SPECは「時間停止」ではなく「超加速」。ブブゼラリーマンズに奪われた遺体からクローンが作成された後、17歳の肉体を得るまで「超加速」しSPECホルダーを組織化し、権力側に戦いを挑みますが当麻に正体を暴かれ倒されます。同時製作された他の4人のクローンは黒幕の一人に消されます。クローンの技術確立については「東アジアの某大国」で先行研究が進んでいた事が時系列で先の「サトリの恋」で判明します。

ドラマ版第1話から登場する絶対に当たる予言者。SPECホルダーであり、柑橘類（レモンなど）を口にした上で「らみぱすらみぱす、るるるるる」（アニメ「ひみつのアッコちゃん」の呪文）を唱えることで未来を完全予知します。ドラマ終盤まで津田助広に監禁され、一時的に当麻たちに保護された後は重要情報となる予言を当麻と瀬文に託した後、津田助広に粛正されました。以後の登場は当麻の召還術によるものとなっています。

ちなみにこの田中哲司さんが「トリック」のヒロインで女優・仲間由紀恵さんの旦那様です。密かに結婚していたのが後にバレたというオチとなっています。

女性占い師。19歳。本名は星慧（ほし さとり）。人の心を読む能力を持つSPECホルダー。同時に複数の人物の読心も可能。属する組織のボスの命令で冷泉奪取を企て「未詳」と対決します。ロリータ・ファッションに身を包み新宿で街頭占いをする売れっ子占い師で、的中率の高さでテレビやインターネットでも話題の人物。夜12時には必ず閉店して姿を消すことに由来して「新宿のシンデレラ」と呼ばれます。

「翔」で粛正された後、冷泉と同様に当麻の召還術で登場。「悟りまーす」の掛け声で指でワインダーを作り読心する。シリーズ人気キャラの一人で「サトリの恋」というスピンオフ作品も製作されました。この中で栃木県宇都宮市（SPECを象徴する餃子の聖地）の産まれで、居ながら誰にも相手にされない「透明人間」だった過去とSPECの暴走による自殺未遂。それを救った医師への純粋な恋が描かれました。

東京中央警察病院の医師で志村優作の主治医。40代。心臓外科医（特に小児科）の世界では世界的にも有名であり、難病をいくつも自分の手で治したことがあります。物腰は穏やかで、美鈴のことを気に掛け、彼女に発現した能力に興味を持つようになりました。中学生の頃に手に大ケガをしたが、細胞を再生させる能力を持つ「神の手を持つ男」にそのケガを治してもらった経験があり、その男の情報を瀬文に伝えます。

考え事をする時は爪を噛む癖があり、嫌いなものを先んじて食べる嗜好の持ち主。医者という職業に誇りを抱いており、患者や同僚たちからの信頼も厚いがその正体は「病を処方する」SPECホルダー。身体の部分的に使用不能にする事も可能。（SPECホルダーの覚醒能力だけ消せる）やはり粛正されたため、以降は当麻の召還術による登場となります。

家族同然に付き合ってきた瀬文に兄の優作を重体にされた妹。ドラマ版では芸大志望の予備校生で地居聖の塾でアルバイトしていた。サイコメトリー能力を持つSPECホルダー。兄の死（ブブゼラリーマンズにより殺害）が瀬文に無関係であったことや、自らもSPECホルダーだと知った上で芸大に進学するがその能力に振り回されて人間不信に陥り、退学します。

「翔」では未詳サイドにつきますが、「天」でコピー一十一に籠絡され敵に回りますが、サイトメトリー能力で真相を知って当麻、瀬文を庇った後にコピー一十一に粛正されます。酒癖が異常に悪いのが珠に傷。

「SPEC」シリーズだけでも壮大な物語です。また随所に小ネタが仕込まれていて他局の「トリック」なども度々ネタにされています。つまり、最初は気づかなかったことに後から気づいたりすることもあるわけで、張り紙やポスターなどにも注目。それ以前に堤幸彦の作り手としてのこだわりが随所に描かれています。そうした意味でも順番として「ケイゾク」から観ることをオススメしたいです。

堤幸彦ワールドはシリアスとコメディの絶妙なマッチングと役者の個性を極限まで引き出す演出術。時系列的には「ケイゾク」よりも以前に手がけた作品（堂本剛主演の「金田一少年の事件簿」）もありますが、やはり独特の世界観を持ちます。「トリック」シリーズの視聴者ならばわりと素直に入っていけますが、独特の癖があるので嫌悪もはっきり分かれます。その意味で堤幸彦演出作品の順番を考慮して視聴するというのも一つの手です。

「SPEC」は大風呂敷を広げ、映画版では人類vsSPECホルダーという地上の盟主の座をかけた戦いになります。歴史の改変などSF的な展開にもなります。時系列順であれ、製作順番であれ、楽しんだ者勝ちです。また、新シリーズ「SICK'S」も始まったばかりですから、「ケイゾク」「SPEC」を徹底的に楽しむというのも娯楽の一つではないでしょうか？

最終章のキーワード「ホリック」の秘密に辿り着くため、SPECサーガをどの順番でもいいのでまずはご覧ください。「SPEC」サーガとは無関係ですが、大島優子主演の「ヤメゴク」（15年4月26日）でも世界観は似ていて随所に小ネタ（SPECネタも）が仕込まれているので是非そちらもご視聴してみては？