コード・ブルーの意味や由来は?他の色はある?病院で使われる専門用語を調査

実際の病院でも使われるコード・ブルーの意味や由来を調べてまとめました。2008年にシーズン1が放送された人気ドラマ『コード・ブルー』によって、多くの人にコード・ブルーという言葉が知られるようになりました。しかし、ドラマで描かれた内容と本来のコード・ブルーが使われる現場は違うことはあまり知られていません。そこでこの記事ではコード・ブルーの本来の意味と由来、病院で使われる専門用語の意味についてもまとめました。

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目次

  1. コード・ブルーの意味や由来を考察!病院で使われる専門用語についても紹介!
  2. コード・ブルーはどんな作品?
  3. コード・ブルーの意味・由来とは?
  4. ドラマでのコード・ブルーと現実での違いはある?
  5. コード・ブルー以外の色とその意味を紹介!
  6. コード・ブルーに登場するその他の専門用語の意味を紹介!
  7. コード・ブルーに登場する専門用語の意味を知るとドラマをもっと楽しめる!

コード・ブルーの意味や由来を考察!病院で使われる専門用語についても紹介!

現実の病院でも使われる隠語、「コード・ブルー」の意味や由来を調べてまとめました。フジテレビ系の大人気ドラマ『コード・ブルー』のヒットによって、コード・ブルーという言葉が広く知られるようになりました。しかし、ドラマと実際の病院では、コード・ブルーの意味が違っています。そこでこの記事では、コード・ブルーの意味や由来を調べると共に、病院で使われる専門用語の意味も解説しました。

コード・ブルー - フジテレビ

コード・ブルーはどんな作品?

ドラマ『コード・ブルー』は、救急医療を題材とした医療ドラマです。これまでに3度のテレビシリーズと、2度のスペシャルドラマが放送されました。2018年には劇場版が公開されています。テレビドラマのシーズン1が放送されたのは2008年ですが、約10年経って作られた劇場版も高い注目を集める人気ドラマです。

主役のジャニーズの山下智久を始め、新垣結衣、戸田恵梨香、浅利陽介、比嘉愛未と主要キャストが豪華だと話題になりました。ドラマのシーズン1ではフェロー(後期研修医)の藍沢耕作(山下智久)たち若手医師らの葛藤や、ドクターヘリを使用した救急医療が描かれました。翔陽大学付属北部病院救命救急センターに配属された藍沢たちはそれぞれが壁にぶつかりながらも医師として成長していきます。

シーズン1は木曜劇場で放送されていたドラマ『コード・ブルー』ですが、その内容とスペシャルドラマの人気の高さから続編が作られます。シーズン2からは月9枠で放送されることとなりました。シーズン1からの直接の続編となり、藍沢たちのフェローシップが終了するところまでがドラマ化されました。シーズン1に引き続いて、平均視聴率が15%を超えています。高い人気を維持したままドラマが終了したことがわかります。

シーズン2から7年の時を経て、シーズン3が月9で放送されました。現実の時間が流れたことに合わせて藍沢たちも10年近い経験を積んだ優秀な医師として描かれます。後輩のフェローも重要な人物として登場しました。また、シーズン1やシーズン2に比べると恋愛要素が強くなったとの声も挙げられています。そして、シーズン3は劇場版へと直接繋がる物語です。

このように大変な人気を博すことになったドラマ『コード・ブルー』。現実でも使われるコード・ブルーといいう言葉はドラマの放送前までは一般に知られていませんでした。しかし、ドラマの人気でコード・ブルーという言葉は広く知れ渡ります。反面、実際の病院で使われるコード・ブルーの意味と、ドラマ『コード・ブルー』のイメージが違うため、多くの人に言葉の意味が誤解されたまま伝わりました。

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コード・ブルーの意味・由来とは?

ここからはコード・ブルーの意味や由来について紹介していきます。コード・ブルーは現実の病院でも使用される隠語です。そのため、病院に勤める人であれば当然知っている言葉です。しかし、実際の病院の現場では隠語として使われているため、一般に広く知らされている言葉ではありません。そんなコード・ブルーの本来の意味と由来を解説していきます。

コード・ブルーはスタットコールの一種

コード・ブルーは病院で使われれるスタットコールの一種です。スタットコールとは緊急事態を知らせるために病院内に流される館内アナウンスのことを指します。ドクターコールとも言われます。スタットコールは緊急招集の意味があるため、アナウンスが流れた時は、すべての医師や看護師が集まります。科を超えて集められるので、非常に緊急度の高い重篤な患者や、不測の事態が起こった時に使用されます。

コード・ブルーとは緊急患者という意味

スタットコールにはいくつか種類があり、緊急の患者を知らせる「99番」や「コード・ブルー」はその一例です。コード・ブルーは「院内の患者の容態の急変」が発生した時に限定して使用されます。他のスタットコールに比べて使用される頻度が高いとされます。月に何度か使われる病院もあるそうです。ただし、病院によって呼称が違うため、どの病院でも「コード・ブルー」と呼ぶわけではありません。

基本的にはスタットコールのアナウンスが医療事務のスタッフが行います。院内の患者やその家族を不安をさせないために、落ち着いた声で放送します。しかし、医療スタッフはアナウンスを聞いた途端に走って病室に向かわないといけないほどの緊急事態です。医師や看護師は1秒でも早く処置を施さなければいけません。そのため、何度聞いても慣れることはないと医療に携わる人からは言われます。

ドラマ『コウノドリ』でも使われたコード・ブルー

ドラマ『コウノドリ』は産婦人科を舞台とした医療ドラマですが、コード・ブルーが使用されました。人手不足の産婦人科で妊婦の容態が急変したことからコード・ブルーで、他のスタッフの助けを求めたのです。本来は専門の産婦人科医が対応するのですが、専門スタッフ不在でコード・ブルーがかかることは実際の医療現場でもあるようです。

コード・ブルーはなぜ全員招集となるのか?

コード・ブルーは特定の科の専門医を呼ぶためには使われません。科を超えて医療スタッフを集めます。患者が急を要する状態であるため、症状の原因の特定を急ぐ必要があるからです。仮にひとりの医師が対応しても、専門外であれば患者に適切な処置が施されるまでに余分な時間が掛かってしまいます。それは命に係わる危険なシチュエーションです。

コード・ブルーを使えば、そこに集まる医師の誰かは最適な処置を施せる可能性が高まります。平常時の身体の不調であれば、主治医や担当医がじっくりと診察すれば良いですが、緊急時にはそのような悠長なことを言っていられません。救急搬送されてきた患者の容体の急変時や、お見舞いに来た患者の家族の急変といった状況で使われることもあるようです。

コード・ブルーではあらゆる医療スタッフが集められます。その中にはまだ経験の浅いスタッフもいます。コード・ブルーでは新人もベテランも集められるのは、新人の教育にも役立つからだとも言われます。また、実際に緊急の患者の対応をするときには、助手の手が少しでも多くあったほうが良いのです。機材を運んだり、オペの準備をするといった手伝いは研修医でも出来るからです。

なぜブルーなのか?

ドラマ『コード・ブルー』が放送されてから、コード・ブルーの意味はネットでも注目を集めました。そして、「なぜブルーなのか?」という色の由来に関する疑問も寄せられます。調べてみると、由来には諸説あり、明確な由来は判然としませんでした。以下、ブルーの由来と言われる4つの説をご紹介します。

1つ目のコード・ブルーの由来

コード・ブルーの由来は「ブルーには<最優先事項>という意味があるから」という説があります。しかし、辞書をあたっても「ブルー」の意味に最優先事項という説明はありません。いくつかのウェブサイトで紹介されていますが、明確な出典の情報はないです。

2つ目のコード・ブルーの由来

コード・ブルーの由来は「医師たちが青い服を着ているから」という説があります。通常の診察を行う医師や看護師は白衣を着ていますが、緊急度の高い場面で着ることになる手術着は青です。また、救急センターなどは一般の病院と違って青い制服のところが多いです。ドラマ『コード・ブルー』の登場人物も青い制服を着ています。このように服装の色が由来とされる説もあります。

3つ目のコード・ブルーの由来

コード・ブルーの由来は「青が気持ちを落ち着けて集中力を高める色だから」という説があります。コード・ブルーがアナウンスされる場面は緊迫した状況となります。そのため、医師たちにはより一層の冷静さが求められる状況です。そんな非常事態に落ち着いて対処するような意味が込められていると言われます。

4つ目のコード・ブルーの由来

コード・ブルーの由来は「患者の顔色が青いから」という説があります。コード・ブルーは院内の患者の容体が悪化した時に使われるスタットコールです。患者は命の危機に瀕しているため顔色がよくありません。そうした患者がいることを知らせるアナウンスであることから、ブルーと言われています。

ドラマでのコード・ブルーと現実での違いはある?

ドラマ『コード・ブルー』と現実のコード・ブルーが使われる場面は大きく違っています。先述したように、コード・ブルーは「院内の患者」の緊急事態を知らせるために使われるアナウンスです。しかし、ドラマ『コード・ブルー』ではドクターヘリを利用して病院外の患者の救命を行います。本来のコード・ブルーの意味とは違います。

実際に病院で務めている人がドラマ『コード・ブルー』のタイトルを聞いた時は、「病院内の救急患者を救うあらすじ」のドラマだと勘違いしたと言われます。また、「科を超えて医師や看護師が集まる」というコード・ブルーの本来の特徴とも違った内容のドラマだと言われます。このようにドラマ『コード・ブルー』で描かれる場面と、現実のコード・ブルーの場面は大きく違うのです。

一方で、「急いで患者の元に駆け付ける」という意味では、ドラマのタイトルが実際のコード・ブルーに通じるところがある、と考える人もいます。救急医療の最前線で奮闘する藍沢たちに相応しいという感想もあります。

コード・ブルー以外の色とその意味を紹介!

スタットコールにはコード・ブルー以外にもさまざまなものがあります。病院によって呼称も違うため、すべてのスタットコールが使われるわけではないようです。以下、ブルー以外の色のスタットコールをまとめて、各色の意味を紹介します。

コード・レッド

コード・レッドは「院内火災が発生したことを知らせる」という意味があります。これは院内に火災報知器などの機材が無い時に使用されると言われます。ただし、日本の病院には火災報知器が付いているので、国内で実際に使われる機会があるのかはわかりません。レッドは火を連想するので意味がわかりやすいと言われます。

コード・ホワイト

コード・ホワイトは「病院内で暴れている人や、暴力事件が起きていることを知らせる」スタットコールです。病院内では静かにするのがマナーですが、中には大声を出して暴れる人もいます。そんな時、暴れている人に対応するために男手が集められるのがコード・ホワイトです。

柔道やラグビーといったスポーツの経験のある体格の良い男性スタッフや、警備員の人が集まる事になっているようです。コード・ブルーほどではないですが、「年に1回くらいは聞くことになる」と病院勤務の人から言われます。

コード・グリーン

コード・グリーンにはふたつの意味があります。ひとつは「重大な外傷を負った患者が搬入されたことを知らせる」という意味。もうひとつは「テロによって多くの死者が出る恐れがある状況を知らせる」という意味です。日本でのテロ事件と言えば地下鉄サリン事件がよく知られていますが、諸外国に比べるとテロという言葉に現実味を感じない日人が多いようです。病院は安全管理が重要なのでテロ対策も考えています。

コード・イエロー

コード・イエローは「モンスターペイシェント(患者)の発生を知らせる」という意味があります。他の患者に迷惑をかける患者が発生した時に使用されると言われますが、病院によって意味が違うため、コード・ホワイトとの線引きが曖昧になっています。また、全く別の使われ方に「救急搬送されてきた患者を知らせる」という意味もあるようです。病院によって意味が大きく変わる隠語です。

コード・ゴールド

コード・ゴールドは「院内で脳死ドナーとなった人が発生したことを知らせる」という意味があります。つまり脳死判定がされた時にアナウンスされます。移植コーディネーターなどを呼ぶために使われるようです。

コード・ブルーに登場するその他の専門用語の意味を紹介!

ドラマ『コード・ブルー』は医療ドラマであるため、コード・ブルー以外にも多くの専門用語が出てきます。専門用語の意味を理解しておくとドラマが一層深く理解できます。ここではドラマ『コード・ブルー』で使われる重要な専門用語を簡単にまとめてあります。

バイタルとは?

バイタルとはバイタルサインを略した表現です。「バイタルサインのチェック」と言った場合、通常は4つの項目(血圧・脈拍数・呼吸速度・体温)をチェックします。加えて、緊急医療の場合は意識レベルや、動脈血酸素飽和度もチェックします。バイタルサインの悪化は患者の死に繋がるため、ドラマ『コード・ブルー』でも頻繁に「バイタル」という言葉が出てきます。

意識レベルとは?

意識レベルはバイタルチェックの時にも重視される患者の意識の状態を示す言葉です。意識スケールとも言われれます。意識レベルにはJCS(Japan Coma Scale)とGCS(Glasgow Coma Scale)という基準に沿って判定されます。

ドラマ『コード・ブルー』の中でも「意識レベル3ケタ」や「意識レベル300」というセリフが出てきます。これは患者の意識の状態を報告するセリフですが、意識レベルの数値は特別なルールに基づいて表されています。まず、正常な状態を示すのが意識レベル0です。患者の意識レベルの悪化に従って、1,2,3,10,20,30,100,200,300と変化します。つまり、300は最も悪い状態なのです。

意識レベルは3つの階層に別れています。1ケタで表現されるのが「刺激しないでも覚醒している状態」です。2ケタで表現されるのは「刺激で覚醒するが、刺激をやめると眠り込む状態」。そして、3ケタで表現されるのが「刺激しても覚醒しない状態」です。ケタの数だけを言って大まかな状態を簡潔に伝えることができるようになっています。より具体的な状態は数値を言って示します。

ドラマ『コード・ブルー』では「意識レベル300に落ちた」といったセリフで状況が切迫していることを示します。また、山下智久演じる藍沢が患者に痛み刺激を加えて意識レベルを確認する、といった細かな演出も施されています。劇中で詳細には説明されないので、専門用語の意味を理解してからドラマを見るとより楽しめると言われます。

サチュレーション

サチュレーションは正式名称を「動脈血酸素飽和度」と言い、「SpO2」とも言われます。体内のヘモグロビンと結合した酸素量の割合を示しています。サチュレーションを測定する時にはパルスオキシメーターという器具を使います。パルスオキシメーターは上の画像のように指に挟んで使用する機械です。

サチュレーションが低下した場合、肺炎や気管支喘息といった原因から低酸素状態にあると判断されます。低酸素の状態になった原因によって対応が変わってくるため、ドラマ『コード・ブルー』でも気道の確保や、肺の異音がないかなどを確かめて患者の状態を確かめます。サチュレーションが低下し続ける場合、急変した患者と同様に迅速な対処が必要です。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)

ALSは脳からの命令を筋肉に伝える運動神経細胞の病気で、難病に指定されています。ドラマ『コード・ブルー』では比嘉愛未の演じる冴島はるかの恋人が患っていた病気でした。有効な治療法が見つかっていません。日本でも8300人ほどの患者がいると言われます。イギリスの著名な物理学者スティーブン・ホーキングが発症していたことでも知られます。

DNRシート

DNRとは「do not resuscitate」の略であり、日本語では蘇生措置拒否と訳されます。末期癌患者などの容態が急変し、蘇生措置を施したとしても回復の見込みが薄い時に自然な死を優先させるのがDNRです。あらかじめ蘇生措置拒否を示すための用紙をDNRシートと呼びます。患者本人だけでなく、家族から拒否の意思が認められるケースがあります。

トリアージ

トリアージは災害などによって多くの負傷者が出た場合に治療の優先順位を決めることです。語源は「選別」を意味するフランス語です。トリアージには緑、黄、赤、黒の4つのカテゴリーに患者を振り分けて、状況に合わせて可能な限り多くの命を救おうとします。救命救急を題材としたドラマではたびたび描かれる医療行為です。

ドクターヘリ

藍沢たちが搭乗するドクターヘリは1995年の阪神淡路大震災をきっかけに配備が進められるようになりました。1999年には静岡県で試験飛行が行われ、その有効性が確認されるとその後は全国へと広がっていきます。すでに20年近い歴史を持つドクターヘリですが、東日本大震災の時には燃料の補給や、費用の負担といった課題も挙げられました。

フェロー

シーズン1では藍沢たちはフェローという立場でした。日本語の後期研修医と同じとされています。シーズン1の藍沢たちはフライトドクターになるために専門の研修課程(フェローシップ)を行っていました。シーズン3では若い世代のフェローが新キャストとして登場します。しかし、フェローという表現は医療の世界だけで用いられる言葉ではありません。大学で研究員をしている人にも与えられる称号です。さまざまな意味があります。

コード・ブルーに登場する専門用語の意味を知るとドラマをもっと楽しめる!

ドラマ『コード・ブルー』と現実の病院で使われるコード・ブルーの違いについて説明しました。ブルー以外にもさまざまな隠語がありましたが、実際の病院で使われる機会が多いのはコード・ブルーのようです。ドラマではドクターヘリに乗って患者の命を救いに行っていましたが、実際のコード・ブルーが意味する行為とは違うので注意が必要です。

また、ドラマ『コード・ブルー』に登場する専門用語についても簡単にまとめました。ドラマ『コード・ブルー』は豪華なキャストだけでなく、脚本や演出が高く評価されている作品です。専門用語を少しでも知っているとより深くドラマを楽しむことができるでしょう。2018年7月から公開されている劇場版も高い評価を得ているので、これまでのシーズンを楽しんだ人はぜひ映画館に足を運んでください。

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