アメリカン・ホラー・ストーリー・カルトの評価と感想は？あらすじもネタバレ

アメリカ発のスタイリッシュホラーとして日本でも高い人気を集める人気ドラマシリーズアメリカン・ホラ・ストーリー。中でも最新作であるアメリカン・ホラー・ストーリー・カルトは高い評価を集めています。

今回はまだアメリカン・ホラー・ストーリーシリーズを見た事がないという人向けのシリーズ全体の紹介をふまえつつ、アメリカン・ホラー・ストーリー・カルトのあらすじやキャスト、ネット上などでの評価や感想を紹介していきます。

アメリカン・ホラー・ストーリーシリーズはハリウッドの奇才と言われるオアイアン・マーフィーさんが作るシリーズで、それまでのアメリカホラー映画に多かった、ゾンビものなどの血どろみのホラーとは一線を引き、スタイリッシュさと映像美で人気を集めている海外ドラマシリーズです。シーズン事に登場人物や物語の舞台、テーマなどを一新して描いており、そのどれもが非常に人気を集めています。

登場人物も非常に個性的で、或いは人間以外のキャラクターも登場するなど、ホラーとしての人気も非常に高いです。それぞれの登場人物を演じるキャストさんにも多数の受賞歴を誇るような演技派のキャストさんが多く、同時にアメリカン・ホラー・ストーリーシリーズでもそれぞれのキャストさんが主要な賞を受賞するなどしており、作品と同時にキャストの演技力を楽しめる作品でもあります。

シーズン5となる「ホテル」では日本でも有名なアーティスト、レディー・ガガさんが主演を務め、話題になりました。レディー・ガガさんもこのホテルでゴールデングローブ賞女優賞を受賞しています。またそれぞれのシーズン毎に作品としても賞を多数受賞ノミネートされた確かな実績、評価を集める人気シリーズ、それがアメリカン・ホラー・ストーリーシリーズです。

ここからはアメリカン・ホラー・ストーリー・カルトのあらすじをネタバレ有りで紹介していきます。アメリカン・ホラー・ストーリー・カルトの冒頭のあらすじは2016年のアメリカ大統領選挙から始まります。現在も大統領を務めるトランプ大統領が大統領に就任したあの選挙です。ドラマの中では実際にニュースで放映された映像ではありますが、トランプ大統領やヒラリークリントンさんも出演しています。

主人公のアリーは熱心なヒラリー信者で、トランプさんの大統領当選に絶望してしまいます。その絶望により過去に患い現在は治療により収まっていた3つの恐怖症を再発してしまいます。ピエロ恐怖症、閉所恐怖症、穴恐怖症という現実で生活を送るのが困難となるこれらの恐怖症の再発により、アリーは過去に苦しめられた幻覚を再び見るようになってしまいます。

中でも厄介なのがピエロ恐怖症です。他の恐怖症をかき消してもあまりある程にピエロ恐怖症の症状は酷いものになっています。アリーは幻覚の中でピエロに襲われる事になるのです。さらに現実にもピエロに扮した男らが襲撃するようになりアリーは極度の混乱状態に陥ります。

アメリカではピエロ恐怖症は失神するレベルに恐怖を感じる人が多い中、アリーは失神しなければおかしいレベルで恐怖を感じながら、逆に失神する事ができず錯乱してしまうのです。視聴者はこのアリーを通して世界を見る事でそこが幻覚なのか、現実なのかが分からないままに物語が描かれるのです。

実際のあらすじをネタバレすると現実にもアリーが住む街のカルト集団のリーダー、カイがピエロに扮し、残忍な殺人を行うようになっていました。カイはアリーとは逆に熱心なトランプ信者であり、トランプ大統領就任に歓喜しました。そして冒頭での理由は不明ですが、そのカイがアリーの周辺を意図して襲撃するようになるのです。しかもアリーがパニックを起こすピエロに扮したままです。

カイによる襲撃は現実に起こっている事件ですが、厄介なのはアリー自身がこれを幻覚だと思い込んでいる事です。その事がまた周囲を巻き込み、アリー自身もさらに混乱を極めていきます。相方であるアイビーはそんなアリーに呆れてしまいます。序盤の時点ではアリーの思いこみもあって誰がどんな意志をもって動いているかなどは不明です。

ここからは全11話で迎えたアメリカン・ホラー・ストーリー・カルト最終回についてネタバレありであらすじを書いていきます。上記した冒頭のネタバレあらすじを見てもこの最終回にはなかなか繋がりません。気になった人はぜひ本編を見てみる事をおすすめします。

精神科でFBIから接触を受けていたアリーはカイをハメて刑務所送りにしました。カルトから逃げ出した女性として時の人となったアリーは、カイの事を信じられなくなり逃げ出したがっていたビバリーを秘書として多くのテレビに出演するなど忙しくこれまでの事を忘れて新しい人生を送るつもりでいました。

しかし裏切られた形であるカイがそれを許すわけはありませんでした。刑務所内でも持ち前のマインドコントロールとさえ言える人心掌握術で人を操り、アリーに脅しの電話をかけるのです。カイが上院議員になる事を阻止したいアリーは自らが上院議員選に立候補する事にします。

支配下にあった看守グロリアからアリーの上院議員立候補を聞いたカイは、刑務所を脱走しアリーが他の候補者と討論会を行う現場に姿を現します。女性差別発言を繰り返したあげく、グロリアから受け取った拳銃を構えるカイ。しかしグロリアもまたアリーの信者であり、その拳銃には弾が入っていませんでした。正当防衛としてカイをう殺した事でアリーは当選確実と言われるようになります。

しかしそれはカイという教祖に変わり、アリーが新たな教祖となった事も示していました。最終回のラストには息子のオズを寝かしつけ幸せそうにしながらも、ピエロの1人、ビービーが使っていた緑のマントを身につけて出かけていくシーンで閉じられました。

冒頭と最終回のあらすじの紹介が終わった所で、アメリカン・ホラー・ストーリー・カルトに出演したキャストを紹介していきます。アメリカン・ホラー・ストーリーシリーズはこれまで連続で出演を続けるキャストさんが多かったですが、本作では新しくキャスティングされた人も多くなっています。キャストを紹介すると同時にそれぞれのキャストが演じたキャラクターについてもネタバレを含めて紹介していきます。

アメリカン・ホラー・ストーリー・カルトの主人公であり、様々な恐怖症と混乱で視聴者に恐怖を与えたアリー。最終的には立ち直るような姿も描かれましたが、同時にカイの二の舞になりそうな演出さえも取り入れられていて、終始報われないキャラクターです。ちなみに今回再発した恐怖症のきっかけとなったのは9･11事件とされています。

そんな主人公アリーを演じたのが女優のサラ・ポールソンです。多数のドラマや映画に出演し、エミー賞やゴールデングローブ賞にノミネートされ受賞した経験も多い実績を誇る女優さんです。中でも2016年に出演した「アメリカン・クライム・ストーリー/O・J・シンプソン事件」ではエミー賞とゴールデングローブ賞を同時受賞して話題になりました。

アメリカン・ホラー・ストーリーシリーズは1作目「呪いの館」ではゲスト出演、2作目「精神科病棟」よりレギュラー出演を行い、「魔女団」「怪奇劇場」「ホテル」「体験談」と出演を続けています。「魔女団」では主演も務めており、アメリカン・ホラー・ストーリーシリーズでは「カルト」で2つ目の主演作になります。それぞれの作品でもエミー賞にノミネートされる程高い演技力を誇り、評価されている女優さんです。

アリーと結婚したレズビアンの相方でありながら実はカイのカルト教団のメンバーでもあるという立場だったのがアイビーです。アリーの抱える恐怖症と共に戦ってきましたが、同時にアリーの幻覚などにうんざりしている場面も多く、アメリカン・ホラー・ストーリー・カルトの本編で描かれるシーンはどちらかと言えば既に気持ちが離れてしまっている状態でピエロの1人としても行動していました。

アイビー役を演じたのはカナダ人女優のアリソン・ピルさんです。1998年に13歳で「ストレンジャー・イン・タウン」に出演して女優デビューを果たすと、テレビ映画を中心に活躍、2003年からは映画やブロードウェイの舞台などにも立ち活動の幅を広げています。存在感のあるキャラクターを多数演じている女優さんです。

これまでアメリカン・ホラー・ストーリーシリーズにはゲスト出演を含めても出演した事はないですが、カルトで行われた新しいキャストの1人として選ばれており、以降の出演も期待されています。

本作にはいわゆる狂った人が多数登場しますが、その中の筆頭と言えるのがカルト教団の教祖であるカイでしょう。アメリカン・ホラー・ストーリー・カルトのあらすじの中で死んだ人の死の多くに関わっています。人心掌握術に長けている事もあり、もっと違うやり方をすればいいのに、と思わせるキャラクターです。カイのマインドコントロールにより多くの登場人物がカイの手の平で踊らされていました。

カイというキャラクターにはアメリカで実際にカルト教団の指導者としての側面やエピソードが内包されており、これを演じた俳優のエヴァン・ピーターズさんはキャストの発表当時、「1人で6役を演じる事になる」と言われていました。エヴァンさんはアメリカン・ホラー・ストーリーシリーズの常連俳優でもあり、日本では、「X-MEN」シリーズでピーター/クイックシルバー役を演じた事でも知られています。

エヴァンさんは前作、「体験談」にこそキャスティングされませんでしたが、アメリカン・ホラー・ストーリーシリーズには1作目「呪いの館」からレギュラーキャストとして出演を続けており、それぞれの作品の中でも特に個性的なキャラクターを演じる事の多い俳優さんになっています。

アリーとアイビーの紹介によって2人の息子オズの家政婦として働きながら、実はカイの妹でもありアイビーを誘惑する存在だったウィンター。冒頭ではオズに対して敢えて残虐な動画を魅せる、様子のおかしい隣家にわざとオズを向かわせるなど狂気を見せていました。

そんなウィンター役を演じたのがビリー・ロードさんです。スターウォーズのレイア姫役を演じた大女優、キャリー・フィッシャーさんの娘として女優デビューを果たし自身も女優としての実績を積み上げています。母であるキャリーが出演を続けたスターウォーズにも自信も出演している他、テレビシリーズである「スクリーム・クイーンズ」などにも出演している女優さんです。

カイとウィンターの兄であり、恐怖症克服の為に精神科病院に入居したアリーの精神科医を務めたのがルーディです。カイの計画を知っていますが、どちらかと言えば阻止する為に動いており、アリーにも協力を申し出ています。

ルーディ役を演じたのは俳優で歌手のシャイアン・ジャクソンさんです。ブロードウェイのミュージカルへの出演に映画やドラマでの俳優業、歌手としてCDをリリースするなど幅広い活動を続けています。そのどれもで著名な賞を受賞した経験があり、高い評価を受けている俳優さんです。アメリカン・ホラー・ストーリーシリーズには5作目「ホテル」よりレギュラーキャストに加わり、以降「体験談」「カルト」と出演を続けています。

あらすじやキャストについて紹介した所でいよいよ、本題となる、アメリカン・ホラー・ストーリー・カルトの感想や評価などを紹介していきます。基本的には好評を集めるアメリカン・ホラー・ストーリー・カルトですが、中には否定的な意見もあるので、視聴の参考にしてみてください。

アメリカン・ホラー・ストーリーシリーズでは舞台を過去に当てているものも多く、もちろん恐怖はあるもののどこか現実離れしていました。しかしカルトは現代のアメリカを舞台としており、大統領選挙などが描かれるなどとことんリアリティさを押しだしていました。その上で行われるピエロなどの襲撃の映像はその残忍さもあって、非常に恐怖を与えられたという評価が多いです。

元々アメリカン・ホラー・ストーリーシリーズ自体は映像美で魅せるシリーズでもあります。それがカルトになり、より現実的な距離感の題材を扱った事、登場するピエロ達の狂気じみたペイントなどがその映像美によって相乗効果を生みより恐怖へと繋がっています。

これまでのアメリカン・ホラー・ストーリーシリーズに多かった「得体のしれない何か」に対する恐怖よりも「取り込まれる恐怖」を全面に押し出しており、それもまたアメホラとして新しい形として評価を集めています。

タイトルでもネタバレされているようにアメリカン・ホラー・ストーリー・カルトはカルト教団を中心としたあらすじが展開されます。カイのキャラクターの中でも紹介したようにカイというキャラクターには実在したカルト教団の指導者達を内包している事、エピソードなども盛り込まれている事から、ホラー作品としてかなりリアルだという評価が多いです。

アメリカン・ホラー・ストーリーシリーズでは人が死ぬのは珍しくありませんが、カルトでは明確に殺意を持って人によって殺されるシーンが多い事、それも教祖であるカイの指示に従って、仲間だった者に対しても容赦なく行われるという創造された物語でありながら現実に行われていてもおかしくない要素を含んでいる事でホラー好きにはたまらない作品であるという評価を集めています。

その面白さはネタバレを読んで話の概要をつかんでも薄れる事がありません。映像として魅せられる印象はかなり大きく、ピエロの行動なども非常にインパクトが強いです。

アメリカン・ホラー・ストーリー・カルトは、現代を舞台にすると同時にそのきっかけとなるのはアメリカ大統領選挙です。さらにあらすじでも紹介したようにより発言力を持つべく、カイやアリーが市会議員、上院議員になろうとするなど、社会派のイメージが必要に強い作品になっています。ホラーの中で描かれるこれらの行動がよりリアルに感じさせ、恐怖を煽るものでもあるという評価も多いです。

ホラーとして扱う為に分かりにくい部分もありますが、基本的にはアメリカン・ホラー・ストーリー・カルトはネタバレするとそれぞれの主義のぶつけ合いでもあります。現代に多くある差別的な主義や排他的主義などを多数描いたあらすじとなっています。

もちろん根本のテーマである「カルト教団の信者はなぜ、指導者のいう事を聞くのか」のようなテーマなども描かれており、アメリカン・ホラー・ストーリーシリーズの中でも非常にメッセージ性の強い作品と評価されています。

アメリカン・ホラー・ストーリー・カルトの評価には日本人が入り込みにくいという評価もあります。これはこれまでのシリーズと違い舞台を現代とした事で、よりアメリカの事情に詳しくないと入り込みにくくなってしまったのが原因です。もちろん、アメリカで作られたドラマなのだから仕方ない部分はあるのですが、カルト教団に対するイメージも日本とアメリカで違いがあるなどの理由もあります。

またアリーの恐怖症の中でも特にピックアップされているピエロ恐怖症も日本ではあまり馴染みのないものである事もその一因となっています。アメリカでは、かなりポピュラーな恐怖症の1つとして知られており、有名な俳優さんの中にもピエロ恐怖症の人がいる程です。とあるデータではアメリカ人の7人に1人がピエロ恐怖症であるというデータさえも発表されています。

もちろん、アメリカン・ホラー・ストーリー・カルトで描かれるピエロはその狂気じみた行動からホラーとして十分な役割を果たしています。しかし深層心理的な部分ではやはりアメリカ人向きであるとする評価もあります。

アメリカン・ホラー・ストーリー・カルトはシリーズ作の中でも身近なホラーが描かれ、ホラー作品として高いクオリティを持っています。現代を舞台としているからこそできる演出やあらすじなど、舞台設定を現代とした事を最大限生かしている高い評価を集める事になっています。

今回のネタバレ有りのあらすじを読んでも話の概要部分しかつかめていません。アメリカン・ホラー・ストーリー・カルトの真の面白さは映像だからこそ感じられるもので、特にピエロの狂気な行動はまさにホラーであり恐怖体験と言えます。ネタバレを読んで話の流れを知っていても十二分に楽しむ事ができる作品です。

それらを作りだしているのはあらすじなどはもちろん、それぞれのキャストが演じる登場人物の魅力でもあります。アメリカ大統領選の裏側を描いているといっても過言ではないアメリカン・ホラー・ストーリー・カルト。アメホラファン、ホラー好きな人はもちろん、社会派の作品としても充分に楽しめる作品なのでぜひ一度視聴してみてはいかがでしょうか。