黒革の手帖の原作小説の結末をネタバレ!元子に訪れる衝撃のラストとは?

松本清張の名作『黒革の手帖』は数多くの映像化作品が作られた傑作ミステリー小説です。度々ドラマ化されており、米倉涼子や武井咲が演じたことは有名です。しかし、原作『黒革の手帖』の結末や元子のラストなどはあまり知られていません。そのため、ネタバレあらすじを知りたい人も多くいます。今回は原作小説『黒革の手帖』のネタバレ結末や元子のラスト、基本情報などをネタバレありで紹介していきます。

黒革の手帖の原作小説の結末をネタバレ!元子に訪れる衝撃のラストとは?のイメージ

目次

  1. 黒革の手帖の原作小説のあらすじをネタバレ
  2. 黒革の手帖の原作小説の結末・ラストをネタバレ
  3. 黒革の手帖の原作小説の結末をネタバレ考察
  4. 黒革の手帖の原作小説とドラマの結末に違いはある?
  5. 黒革の手帖の原作小説に関する感想や評価は?
  6. 黒革の手帖の原作小説の結末ネタバレまとめ

黒革の手帖の原作小説のあらすじをネタバレ

ミステリー界の巨匠『松本清張』の作品の中でも最も有名な作品である『黒革の手帖』は、ミステリーファンならずとも名前くらいは聞いたことがある傑作推理小説です。社会派ミステリーというジャンルを作り出し、『オンナの復讐劇』という当時としては画期的な作品として後世に大きな影響を残しています。ここでは結末のネタバレ紹介の前に『黒革の手帖』の基本情報をまとめておきます。

黒革の手帖の原作小説の基本情報

『黒革の手帖』は松本清張の長編小説として知られるピカレスク・サスペンスというジャンルを確立した名作です。『週刊新潮』1978年11月16日号 に『禁忌の連歌』という連載シリーズの第4話として連載が始まり、1980年2月14日号まで連載されました。1980年6月に新潮社から『黒革の手帖』というタイトルで単行本として出版されました。近年では電子書籍版『黒革の手帖』も発売されています。

原作小説は評価が高く1982年から2017年の間にテレビ朝日系テレビドラマとして5回、1984年にTBS系テレビドラマとして1回テレビドラマ化されており、松本清張作品の中でもトップクラスの知名度を誇る名著として知られています。そのため多くの人が結末のネタバレやネタバレあらすじを気にしています。

黒革の手帖の原作小説のあらすじネタバレ:黒革の手帖

ここからは『黒革の手帖』のネタバレ紹介をしていきます。『黒革の手帖』とは東林銀行で働いている原口元子が銀行員として手に入れられる不正情報を駆使して、夜の世界で出世していく様を描いており、その情報が書かれた手帖こそが『黒革の手帖』です。『黒革の手帖』は全部で三冊あり、それらすべてが物語に深くかかわってきます。それでは三冊の黒革の手帖についてネタバレあらすじを見ていきましょう。

黒革の手帖の原作小説のあらすじネタバレ:1冊目

一冊目の『黒革の手帖』のネタバレ紹介を見ていきましょう。物語の主人公・元子は銀行員の傍ら、夜はホステスとして働いていました。東林銀行では税金逃れのために作られた架空名義の口座によって複数の不正が行われており、元子は不正によって私腹を肥やしているものたちに憤りを感じていました。

一冊目の『黒革の手帖』には『東林銀行に存在する架空名義の口座とその口座の預金額、顧客の氏名』が書かれていました。元子はそれを使い東林銀行の次長である村井享を脅して7500万円を搾取しました。

黒革の手帖の原作小説のあらすじネタバレ:2冊目

二冊目の『黒革の手帖』についてネタバレあらすじを見ていきましょう。元子は二冊目の黒革の手帖を使って手に入れた金で銀座のクラブ『カルネ』を開店しました。元子は『カルネ』の常連の楢林クリニック院長・楢林謙治の愛人・市子を利用して情報を聞き出し二冊目の『黒革の手帖』に記します。

『黒革の手帖』の二冊目には『楢林クリニック院長・楢林謙治が脱税目的で行っている不正』が書かれていました。元子はこれを使い、楢林謙治から5000万円を手に入れ、ライバルである山田波子の店のオープンも阻止します。

黒革の手帖の原作小説のあらすじネタバレ:3冊目

三冊目の『黒革の手帖』のネタバレ紹介を見ていきましょう。三冊の標的は『カルネ』の常連で上星ゼミナール理事長・橋田常雄でした。彼は不正入学をあっせんしており、私腹を肥やしていました。元子はこれらの情報を三冊目の『黒革の手帖』に記し、橋田から脅し取った金で銀座トップのクラブ『ルダン』の買収資金にすることにしました。しかし、これは失敗に終わり、元子は窮地に追い込まれていきます。

黒革の手帖の原作小説の結末・ラストをネタバレ

ここまでは『黒革の手帖』のネタバレあらすじを見てきました。ただの銀行員だった元子は『黒革の手帖』を使い、銀座のクラブのママとなりました。しかし、その過程で多くの人物を脅し貶めてきました。元子は多くの人物から恨みを買っており、元子の知らぬところで復讐計画が進んでいました。ここからは結末までのネタバレ紹介と壮絶な結末をネタバレありで紹介していきます。

結末・ラストネタバレ:銀座の頂点へ

ここからは結末のネタバレ紹介に入りますが、ここまで『黒革の手帖』を使い、手に入れた金で元子は銀座でも有名なママとなっていました。そして、ついに銀座でも有名なクラブ『ロダン』を手に入れることを画策します。それではここから本格的なネタバレ紹介に入っていきます。

結末・ラストネタバレ:『ロダン』購入

復讐計画は元子が『ロダン』の購入を考え始めたころから始まっていました。元子はロダンの購入資金を集めるために、常田が購入を考えていた老舗の料亭梅村を利用しようと考えます。元子は恋仲である国会議員の安島に頼み、常田の弱みを握ると料亭梅村の名義を元子に変えるように要求します。元子は料亭梅村を転売して『ロダン』の購入資金を手に入れよう考えていました。

結末・ラストネタバレ:名義変え

登記簿にある常田の名前を元子に変えるという契約をして、一か月後に常田の名義は元子に代わるという事になりました。一か月後に購入資金が手に入ることを確信した元子は『ロダン』の買い付けに動きます。元子が訪れたのは『ロダン』のオーナーであり政財界のフィクサーとして知られる長谷川庄治の元でした。そこで『ロダン』を狙っている客が他にもいるという話を聞かされた元子は焦ります。

結末・ラストネタバレ:違約金

長谷川はいま契約をして手付金4000万を払えば、『ロダン』を売ってもいいと言われます。長谷川は残りの購入資金を払えない場合、違約金4000万を払うという契約を持ち掛けます。元子は購入を即決して、4000万の手付金を払い、料亭梅村の売却を待ちます。しかし、料亭梅村の名義を確認するとオーナーの名前に『常田』の名前はなく、元子は料亭梅村を購入することができなくなります。

結末・ラストネタバレ:壮大な復讐計画

元子は『ロダン』の残りの購入資金を手に入れられなくなってしまいます。そのため違約金4000万を用意できなくなってしまい、元子は安島が常田や長谷川とグルになってはめられたことに気づきます。料亭梅村の購入から始まった『ロダン』購入計画は元子への壮大な復讐計画だったことに元子は衝撃を受けます。そして、彼らとグルである波子と揉み合っている中、元子は腹部に激痛を感じます。

結末・ラストネタバレ:流産した元子

元子は腹部に激痛を感じ、出血してしまいます。元子は安島との間に子供を妊娠していることが分かり、病院に搬送されます。その先は、以前元子が金をだまし取った院長がいる『楢崎クリニック』でした。元子はストレッチャーに乗りながら楢崎と看護婦の市子の姿を見つけた元子は救急隊に断末魔の叫びを上げます。『助けて!私は2人に殺される!』。

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黒革の手帖の原作小説の結末をネタバレ考察

ここまで『黒革の手帖』のネタバレあらすじや結末について見てきましたが、元子にとって最悪な結末について考察してみましょう。当時、このラストは衝撃的であり、画期的な結末となっていました。社会的な情勢を背景に主人公が多くの犯罪に手を染めていくストーリーは高い評価を受け、その結末は後世の結末に大きな影響を与えました。ネタバレ結末を考察してみると松本清張の深い考えが見えてきます。

黒革の手帖考察:結末の意味(ネタバレあり)

結末のネタバレ紹介でも見た通り、壮絶な結末を迎える『黒革の手帖』の結末は様々な解釈がなされています。多くの人をだました元子への罰として彼女に恨みのある楢崎クリニックに運ばれてしまうところで物語は終了していますが、その後は『出産中に死亡したと見せかけ殺される』という人や『そのままロボトミー手術をされて廃人にされる』という人もいます。いずれにしろ元子には壮絶な最期が用意されていることになります。

『ロボトミー手術』は当時世界でも話題になっていた脳の一部を切除する手術の事で、精神疾患に効果があるとされていましたが、いずれも廃人になってしまうというセンセーショナルな事例が報告されたことでも知られる手術です。『黒革の手帖』の連載当時はこの手術が話題になっていたために、社会派サスペンスを得意とする松本清張が好みそうな話題という事でまことしやかにささやかれている説となっています。

黒革の手帖考察:バッドエンドの理由(ネタバレあり)

結末のネタバレ紹介でもわかる通り、『黒革の手帖』はバットエンドで終わります。元子の最大の失敗は『夜の世界に飛びこんだ』という事です。最初に横領した7500万で終わらせておけば、壮絶なラストを迎えずに済みました。しかし、一回の横領に飽き足らずに何度も脅し取ることを辞めませんでした。この生き方は『元子』という名に現れています。

黒革の手帖考察:元子という名前(ネタバレあり)

同じ字を使う『元も子もない』という諺は『元本も利子もなくなる』という意味で『無理をしすぎて利子だけでなく、元本も失ってしまう』という欲望を戒めた諺です。ネタバレあらすじでも見た通り、元子は欲望のあまり、横領や恐喝を繰りかえし被害者にはめられて復讐されてしまいます。松本清張はそうしたストーリーの主人公として『元子』と名付けたとファンの間では言われています。

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黒革の手帖の原作小説とドラマの結末に違いはある?

ここまでは原作『黒革の手帖』のネタバレ結末を見てきました。『黒革の手帖』の原作小説は今まで何度も映像化されています。近年話題になったのは、米倉涼子版と武井咲版の『黒革の手帖』です。さらに、最も新しい映像化作品では人気女優・武井咲が主演しており、現代的な演出が多くの話題を生み出しました。ここでは武井咲版『黒革の手帖』のネタバレ結末と原作小説の結末のの違いをネタバレありで見ていきましょう。

黒革の手帖のドラマ結末をネタバレ

武井咲版の『黒革の手帖』のラストをネタバレありで見ていきましょう。物語のラストで元子と安島が逃避行をします。しかし市子が警察に黒革の手帖をタレコんだために安島富夫が逮捕されます。最後は元子のところへも警察がやってきて逮捕されるという結末を迎えます。

米倉版『黒革の手帖』の結末をネタバレ紹介

ここでは米倉涼子版『黒革の手帖』の結末をネタバレ紹介します。山田波子が警察に元子がやってきた様々な悪事をタレコミます。そんな中、安島は町を歩いている元子を車の中から見つめていました。すると元子のすぐそばでパトカーが止まります。元子はそれに気が付くと一目散に走りだすというのが米倉涼子版『黒革の手帖』の結末となります。

黒革の手帖の原作小説とドラマの結末の違い

近年話題になった『黒革の手帖』のネタバレ結末を紹介しましたが、いずれも原作の結末とは違うことが分かります。こうしたことからドラマ視聴者は原作のネタバレ結末を知りたがる要因となっています。ドラマ版のネタバレ紹介でもわかる通り、いずれも『恋愛』が物語のカギとなっています。

ドラマ版『黒革の手帖』では元子と安島のラブロマンスとしての側面が強調されています。さらに原作の衝撃のラストは近年では映像化されることはなく、それぞれ時代にあった結末が用意されています。元子が逮捕される結末のドラマもあれば、逮捕される瞬間は描かれないドラマもあります。いずれのドラマ版でもネタバレで紹介したような原作の壮絶なラストを描いたものはありません。

黒革の手帖の原作小説に関する感想や評価は?

ここまではネタバレあらすじやネタバレ結末を見てきましたが、ここでは『黒革の手帖』に関する感想や評価などを見ていきましょう。ストーリーやメッセージ性、女性が主人公という特異性などは当時としては画期的なストーリーであったために、現在でも多くの人が原作小説『黒革の手帖』を手に取っています。ここではTwitterを中心に感想をネタバレありで紹介していきます。

原作が怖すぎる…(結末ネタバレあり)

松本清張の『黒革の手帖』を読んだ意見で多いのは『ラストの結末が怖すぎる』という感想です。近年ではバットエンドという終わり方はあまりないので、『黒革の手帖』のラストは多くの人に驚きを与えています。それと同時にホラー小説のような壮絶なラストは衝撃と共に恐怖を感じている読者が多く、連載開始から長年経った今でも多くの読者を魅了しています。

後味の悪さが面白い!(結末ネタバレあり)

ネタバレ紹介でも見た通り、原作『黒革の手帖』はバットエンドであると共に後味の悪いラストであり、この後味の悪さが面白いという感想が多くあります。近年では『イヤミス』というジャンルが確立されて、人気を得ています。松本清張は40年以上前にこのジャンルにあたる小説を書いていたことになり、傑出した才能を見せつけています。『黒革の手帖』は現代のミステリーファンにも高評価されている作品です。

ドラマとの違いに驚く人も(結末ネタバレあり)

『黒革の手帖』の原作を見た人も感想で多いのは『ドラマと全然違った』という感想や『原作はこんな感じなんだ』という感想が多くあります。実際に、ドラマを見ている人はネタバレ紹介でも見た通り、原作の元子の病院での結末があまりにもドラマ版と違うために戸惑ったり、驚いたりしている感想も多いです。一方で、どちらも高いクオリティであり、別物としても楽しめるという声も多くあります。

ドラマを見ると原作が見たくなる

松本清張の原作『黒革の手帖』を読む人は『ドラマを見て原作が読みたくなった』という感想や『ドラマ版見終わったから原作小説を買った』という声が多くあります。10年に一度のペースで映像化されていることもあり、ドラマ版が制作されるたびに原作小説を手に取る人が増えています。ドラマ版を見ても原作のネタバレはしないため、原作小説『黒革の手帖』の入り口としてドラマ版『黒革の手帖』は最適なものとなっています。

松本清張は名作ばかり

社会派サスペンスの巨匠・松本清張の中でも『砂の器』や『点と線』などと共に代表作に数えられる『黒革の手帖』は松本清張の才能が発揮されている原作となっています。その時々の時代に合わせて作ってあり、原作の『黒革の手帖』がドラマ版などよりも面白いという声が多くあります。松本清張は時代背景や時代設定などを綿密に計算して作ってあるので、原作には勝てないという意見もあります。

黒革の手帖の原作小説の結末ネタバレまとめ

今回は松本清張の名作小説『黒革の手帖』のネタバレあらすじやネタバレ結末、元子の壮絶なラストを見てきました。ネタバレ紹介でもわかる通り、原作小説の結末は壮絶なものでホラー小説のようなラストを描いています。松本清張作品は多くが映像化されていますが、『黒革の手帖』はその中でもトップクラスの作品数を誇っています。そのためネタバレあらすじを知りたい人が多く、ドラマ版と原作小説ともに結末を比較する人もいます。

『黒革の手帖』は時代を越えたテーマ性があり、『悪女』というジャンルを確立しました。『黒革の手帖』はネタバレ結末を知っていても壮絶で、楽しめる作品なのでネタバレ結末を読んだ後でもぜひ『黒革の手帖』を一読してください。

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